東京 (桑田佳祐)
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東京 | ||
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桑田佳祐 の シングル | ||
リリース | 2002年6月26日 | |
録音 | 2002年1月~ (#1,3) 2001年11月~2002年4月 (#2) 1999年8月~ (#4) Victor Studio & 猫に小判Studio |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 17分15秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | 桑田佳祐 | |
チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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桑田佳祐 年表 | ||
白い恋人達 (2001年) |
東京 (2002年) |
明日晴れるかな (2007年) |
『東京』(とうきょう)は、桑田佳祐の8枚目のシングル。2002年6月26日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
前年からサザンオールスターズの活動を休止し、ソロ活動に入った桑田佳祐。シングル2枚はともに自己記録を更新する大ヒットを記録した。本作はリリース時から「A面曲はノンタイアップで行く!」とファンやマスコミに向けて発表されていた作品である。前年から続いていたコカ・コーラNo ReasonキャンペーンソングとしてCMが既にOAされていたとなっていた「可愛いミーナ」を敢えてA面とせずに、当初から発表していた“9月発売のニューアルバム”の先行シングルとしてリリースされた。このアルバムこそ『ROCK AND ROLL HERO』であり、本作A面もロック色を強く打ち出した楽曲となっている。アルバムのコンセプト上、コカ・コーラタイアップのついた「可愛いミーナ」は未収録となり、前年のヒットシングル2作からも収録された楽曲はない。
その理由として、前年にヒットした「波乗りジョニー」「白い恋人達」は大型タイアップの下製作されたこともあり、桑田自身ポップすぎたと雑誌のインタビューなどで語っている。そのことから自分のやりたい音楽をやるべく、A面をタイアップ無しで純粋に聴いてもらうことを目的として作られたのが本作である。
実質「東京」と途中の「EBOSHI RADIO STATION」を除く2曲にはタイアップがついており、現在では3曲A面とされてもおかしくないものであった。公表及びクレジット上ではあくまでも「東京」以外はc/w曲という位置づけとなっており、オリコン表記上でもそれに則って「東京」のみの表記となっている。
前面に打ち出した楽曲を前年と一転させた曲調であったこともあり、ライトファンや一般には受けが悪かったようで、「何故コーラの曲がA面じゃないの?」という疑問の声も多くあがっていた。当時の月刊ピアノや月刊エレクトーン等の大手の楽譜雑誌は、必ずリリース時に掲載していた桑田のシングル曲の中で、「東京」よりもCMソングとして早くから発表されていた「可愛いミーナ」を掲載している。
なお、発売日がサザンオールスターズのデビュー記念日である6月25日ではないのは、オリコン集計の関係上不利な火曜日がこの年の6月25日と重なってしまったためである。そのため本作は1日遅れの6月26日(水曜日)リリースとなっている。
このようにコンセプトを大きく変えたことにより前作に比べ売り上げは半分以下になってしまったが、意外にもソロシングル最大の売り上げである前作「白い恋人達」よりオリコンチャート圏内での登場週数は上回っている。本作も初回盤はスリーブケース付の仕様になっているが、単なるケースではなく、歌詞カード部分のジャケットとは色違いのイラストが描かれた紙のケースになっている。スライド式でCDケースをスリーブケースに収納する形になっており、現在でも珍しい形になっている。
30cmピクチャーディスク仕様のアナログ盤も同時発売された。
編曲に関わっているTHE BALDING COMPANYとはサポートメンバーで参加する人物達の総称であり、『ROCK AND ROLL HERO』まで期間限定的に結成されたバンドである。このメンバーでテレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』にも出演した。
[編集] 収録曲
- 東京
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
A面であるにも拘らずc/w2曲についたタイアップをつけなかったため、当初は本作で最も認知度の低かった楽曲である。もっとも、シングル発売後やアルバム収録後はある程度の知名度を得た。前年の2作とのあまりのイメージの違いに“桑田佳祐演歌界に進出?”のような記事も見られた。実際曲全体歌詞の語尾を延ばして歌っており、歌詞は短くとも曲自体は6分半にも及ぶ長いものでありサザン関連のシングルA面としてはもっとも長い。
中尾彬と小島聖が出演したPVも話題となり、同年度の「SPACE SHOWER Music Video Awards」のグランプリも獲得している。PVの内容はストーリー仕立てとなっており、桑田が2人を乗せるタクシー運転手に扮するものである。PVはDVD『桑田佳祐ビデオクリップス2001~2002 D.V.D. WONDER WEAR』に収録された。PVの原案は桑田によるものであり、脚本にはリリー・フランキーも参加している。このPVには通常のミュージック・ビデオ形式のものと、完全版なるものが存在している。どちらも途中の内容は基本的に同じだが、ストーリーの結末がそれぞれ異なっており、どちらも同DVDに収録。途中桑田のステージでの歌唱シーンも収録されており、バンドメンバーは本作やアルバム『ROCK AND ROLL HERO』製作のため結成されたサポートメンバーのバンド、THE BALDING COMPANYが演奏・参加している。後にサザンファンを公言する浜崎あゆみがフジテレビ系音楽番組『MUSIC FAIR 21』内でカバーした。 - 夏の日の少年
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
Town & Country CMソングとしてOAされていた。タイトルの「夏の日の少年」は、巡る夏の日を過ごす少年ではなく、自分が若かった頃を思い出しながら気持ちを吐露する中年になった『少年』がモデルになっている。アルバム『ROCK AND ROLL HERO』にも収録されているが、一部テイク違いとなっている。そのためシングルバージョンは本作にのみ収録されている。 - EBOSHI RADIO STATION “Hits from Coast to Coast” (DJ:SHANTI)
(作詞・作曲・編曲:桑田佳祐)
架空のラジオ局 EBOSHI RADIO STATIONの『Hits from Coast to Coast』という番組へリクエストを送った、というような演出で始まっている。桑田と交流の深いトミー・スナイダ-の娘で、2000年のAAAライブでもコーラスとして参加していたシャンティー・スナイダ-がDJを担当している。
リリース直前の週まで明かされていないシークレットトラックであったが、「可愛いミーナ」がラジオ解禁された際に同時公開された。この「曲」が終了した瞬間に「可愛いミーナ」が始まるようになっている。
このような所謂楽曲ではなくおまけ的なものとして収録されたものには、翌2003年に発売されたサザン本体での復活シングル「涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~」に収録された「OH! FRESH!! ~ドクダミ・スパークのテーマ~」がある。ちょっとしたお遊びで収録されたものであり、楽曲と言うよりはジングルと呼ぶのが相応しい。アルバムには未収録で、シングル盤にのみ収録となっている。 - 可愛いミーナ
(作詞・作曲・編曲:桑田佳祐 弦編曲:島健)
桑田はリリース直前まで「CM部分しかないから発売しない」と語っており、メディアでもそのような紹介がなされていた曲。しかし、実際にはタイトルもレコーディング時からつけられていた。前年から続くコカコーラキャンペーンソングでいわゆるコーラ3部作の完結篇に当たる。タイアップ自体は『ROCK AND ROLL HERO』収録の「影法師」が最後となる。ちなみにこの曲のCMはコーラ3部作では唯一桑田本人が出演していない。また、桑田楽曲にもかかわらずサザンオールスターズのメンバーである松田弘・原由子もレコーディングに参加しており、サザンの楽曲と誤解する人も少なくはない。モップトップやジャニーギターなど1960~70年代を連想させる単語が多く使われた詞も印象的である。なお、歌詞中に登場するミーナはジョニーの恋人であるなどとファンの間では多くの憶測がある。コンセプトの違いから、『ROCK AND ROLL HERO』には未収録となり、「波乗りジョニー」「白い恋人達」同様、ベストアルバム『TOP OF THE POPS』にリマスタリングが施され収録されている。
[編集] 参加ミュージシャン
- 東京
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitar & Chorus
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Acoustic Piano
- 角谷仁宣:Manipulator
- 夏の日の少年
- 桑田佳祐:Vocal, Acoustic Guitar, Harmonica & Chorus
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Organ
- 角谷仁宣:Manipulator
- EBOSHI RADIO STATION “Hits from Coast to Coast” (DJ:SHANTI)
- 可愛いミーナ
- 桑田佳祐:Vocal, Keyboards & Chorus
- 小倉博和:Gut Guitar & Electric Guitar
- 松田弘:Add, Drums Fill
- 原由子:Keyboards & Chorus
- 三沢またろう:Percussion
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 朝川朋之:Harp
- 角谷仁宣:Manipulator
オリコン週間シングルチャート第1位 2002年7月8日付~2002年7月15日付(2週連続) |
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前作: RAG FAIR 『恋のマイレージ』 |
桑田佳祐 『東京』 |
次作: Mr.Children 『Any』 |
MVABEST VIDEO OF THE YEAR受賞曲 | ||
2002年: 宇多田ヒカル 『traveling』 |
2003年: 桑田佳祐 『東京』 |
2004年: Mr.Children 『くるみ』 |
コカ・コーラ コマーシャルソング | ||
前曲: 桑田佳祐 『白い恋人達』 |
桑田佳祐 『可愛いミーナ』 |
次曲: 桑田佳祐 『ROCK AND ROLL HERO』 |
[編集] 外部リンク
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