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一人称 - Wikipedia

一人称

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

一人称(いちにんしょう)とは、人称の1つで、自分自身の事を指す。自称。「一人称複数」と区別するために一人称単数ともいう。

一人称複数とは、自分以外の人を含めて指すが、含める範囲は文脈によって異なる。ただし、相手を含める(包括形)か、含めない(除外形)かを区別する言語も多い。

目次

[編集] 日本語の一人称単数名詞

日本語は一人称を示す代名詞が大変多いという特徴を持つ。一人称の言葉を場合によって使い分ける事によって、話者と相手の立場関係を示している。このため、誤った一人称の利用はしばしば相手を侮辱する事になる。また、日本語では一般名詞的なので、人称代名詞と一般名詞を区別しない考え方もある。

女性ではあまり見られないが、男性の場合一人称を何にするか悩むことも見られる。これは小学校高学年から中学生くらいまでに顕著に見られ、抵抗のあまり後述の「こっち」、ひどい場合は指差しでのコミュニケーションとなることもあるが、結局多くの場合が「俺」あるいは「僕」に落ち着く。ただし西日本では「わし」が多い。

また、文字で表す場合、平仮名表記、カタカナ表記漢字表記、どれにするかによっても受ける印象は強く変わる。

主に、以下のような多くの種類がある。

[編集] 普通

[編集] 私(わたし)

日本人が最も多く使用する一人称である。公の場では自分の事をわたし、もしくはわたくしと言うのが礼儀とされている。ただし、未成年の男子はを使う事が推奨されている。女性が常用する場合は「あたし」「うち」とは言わない、ややまじめな女性の言葉とされている。特に創作の世界ではまじめな女性、理知的な女性、おとなしい女性などに使われる。私的な会話では男性はあまり使わないが、創作では非常に真面目で理知的な男性が「僕」の代わりに使うこともある。なお正確には「私」と書いて「わたし」と読むのは間違いである。

[編集] 私(わたくし)

わたしという表現がさらに改まった表現であり(正確に言うと「わたし」の正しい言い方)、公の場で最も使うべき言葉であるが、改まりすぎていて堅苦しい印象からか「わたし」ほどは使われない(ビジネスなどの場で「わたくしども」という言い方はよく使われる)。なお創作の女性が常用する場合はお嬢様言葉としての使用法や身分の高い女性、学者、詩人など非常に理知的な女性の一人称としての使用法が多い。

[編集] 僕(ぼく)

主に未成年の男子が使用したり、成人男性が友人や家族の間で使ったりするが、成人男性(特に年配が多い)がビジネスなど公の場で「わたしでは気取り過ぎている」として使用する事が多い。本来は女性が用いることに拒否反応が強いが、漫画等のキャラクターでは少女にも多く使われる(ボク少女)。「ボク」のボにアクセントをつけて読む人と、クにアクセントをつけて読む人がいるが、「ク」だと幼い印象を、「ボ」にすると青年らしい印象を与えやすい。青年が「ク」を使うと、多くの場合気弱な性格と見られがちであり、イントネーションには注意する必要がある。ポピュラー音楽の世界では、特にフォークソングニューミュージック、ニューミュージックの後継としてのJ-POP歌詞において多用される。この場合、普段の会話では「僕」を使用しない歌手や、歌手が女性であっても「僕」を使う場合がある。
例外として、二人称で使われる事もある(例:僕、どうしたの?)。その場合、(特に小学生ぐらいまでの)男の子を坊やの代わりに指すのが通例である。
従来、男性の謙称であり、平安時代頃からの文書に見られるが、当時は「やつがれ」と訓じられていた。これを、「ぼく」と読んで、一般的な人称として用いるようになったのは、幕末、吉田松陰に感化された松下村塾門弟が盛んに用い、それが他の尊皇攘夷の志士たちに広まってからといわれる。

[編集] 自分

体育会系の男性に多いが、非体育会系の男性(内向的でおとなしい・不器用な人が多い)が使う事もある。一般的な一人称の言えない人が使うことが多い一方で、ストイックな印象で軍隊的といわれる一面も。力士野球選手に多いが、刑事ドラマ西部警察」で渡哲也が演じた主人公・大門圭介が用いたのは有名で、流行語にもなった。渡自身は基本的に一人称は「私」を使っているが、2006年に缶コーヒージョージアのCM(木村拓哉と共演)で復活。この他にタレントの風見しんごらも用いる。抽象的な表現であるため、近年は女性も用いる人が増えている。
※ただし関西圏では、相手の事を指して「じぶん」(手前→「てめえ」の用法変化と相似?)と言い、二人称で使われる事がある。

[編集] こっち

一人称が言えない人物が使ういわば一人称の代用品のような言葉。「自分」以上に内向的な用語である。

[編集] 自分の名前、自分の愛称

芸能人(若い女性アイドルである事が多い)などが、「自分の名前を覚えてもらう」という営業目的で用いる。自分の名前を一人称とする場合は、一般的に親しい相手に用いる事が多いが、営業目的なので初対面の相手や不特定多数に対して用いている部分が異なる。演じている芸能人としてのキャラクターに対する必要性から、自分の愛称を一人称とする事もある。

[編集] 【自分の方に向かって指を指す】

厳密には一人称というよりは一人称が異様なまでに言えない人物が自分の事を指し示すために取る方法。他にろう者も使う。ただし一人称が普通に言える人物の場合も時と場合によっては使う表現ではある。

[編集] 親しい場合

[編集] 俺(おれ)

日本の多くの男性が普段この一人称を使用するが、相手を自らと同等もしくは見下した言い方とされ、公の場では失礼とされるため、わたしわたくしまたはと言わなければならない。私的な場でも「僕」の方を好んで使う男性も多い。鎌倉時代以前は二人称として使われたが、次第に一人称に移行し、江戸時代には貴賎男女を問わず幅広く使われた。明治以降になるといわゆる標準語での女性の使用者はほぼいなくなったが、方言では根強く残っている。他に漫画などのキャラクターでは女性も使う例も多い(俺女)。西日本の使用者は歳を取ると「わし」に移行する事が多い。
参照:おれおれ詐欺

[編集] 儂(わし)

広島地方を中心とした中国地方で広く用いられる。他に関西、九州など西日本全般や北陸、愛知、岐阜で用いられている。これらの地域では子供や若者も普通に使っている、但し、近年は若い人を中心にも使われるようになってきた。に代わる男性の一人称。ごく一部の地方では女性が使う場合もあり。例えば愛知の一部では女性の「わし」がよく使われるが、普通の「わし」という言い方というより「わたし」の「た」の音が抜けたような発音で、「わっし」に近い。創作の世界では老人・博士・権力者等(主に男性)が使用する事が多い。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉も使用。常用している著名人としては小林よしのり井脇ノブ子鳥山明が有名。

[編集] あたし

わたしのくだけた言い方である。日本の多くの女性は「わたし」かこの「あたし」を使う女性が多いが、改まった場では「わたし」ときちんと発音すべきとされている。又、かつての東京では職人や商人が好んで使い、現代でも落語家が使用する場合もある。男性のオネエ言葉でよく使われる一人称でもある。山口百恵椎名林檎CHARAYUKIaikoなど一部の女性歌手の歌詞に意図的に多用される。女性が複数登場する漫画では、特定の女性のみが使用する場合も見られる(例:『名探偵コナン』の遠山和葉、『スクールランブル』の周防美琴)。

[編集] あたい

あたしのさらにくだけた表現であり、主に蓮っ葉な女性が使う。現在では日常では殆ど使用されないが、創作の世界では時々見られる。例としては『おねがいマイメロディ』のクロミや『バンジョーとカズーイの大冒険』のカズーイが使っている。他にかつての鹿児島方言などにも見られた。常用している著名人としてはまちゃまちゃ桜塚やっくんが有名。

[編集] わい、わて

近畿など特定の地方で老年者が用いる一人称。わしがなまったものと思われる。近畿でも使用するものは少数だが、漫画作品などで関西弁を喋るキャラクターが出てくる場合、この一人称を使う場合が多い(例としては『ケロロ軍曹』アニメ版のカララなど)。

[編集] うち

近畿など特定の地方で女性に用いられる一人称。現在では女子中高生が用いる事が多い(幼年でも家族などの影響で使う女子もいる)。2004年頃から関東でも広まった(なぜ関東まで広まったのかは不明である)。『うる星やつら』のラム、『魔法先生ネギま!』の近衛木乃香京都出身)や和泉亜子などが使用。男性で使う人もいる。

[編集] 己等(おいら)

主に地方の男性が使用する。かわいこぶるときに男女とも使用する事もある。常用している著名人としてはビートたけし西村博之モーニング娘。在籍当時の矢口真里が有名。

[編集] おら

「おいら」から派生し、主に関東以北の男性が使用する。『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけが使用しており、テレビ放送を開始した頃には、真似て使用する子供も多かったが現在ではあまりみられない。『ドラゴンボール』の孫悟空も使用。最近の作品では『犬夜叉』の七宝が使っている。

[編集] おい、おいどん

九州、特に南九州地方の男性が使う。通常の会話では、若い男性は「おい」を使い、年配の男性や、戦前生まれの方達の中では、女性でも「おいどん」を使う人がいる。
ただ、創作の世界で使われてる事例の方が多いと思われる。
例:「おいに任せろ!」、「おいどんもそげん思う!」など。
また、君、貴方(貴女)の意味でも使われる。「おい!こら!」は、喧嘩などの威嚇で使われるが、本来の意味は「君、これは何?」である。

[編集] うら

北陸甲信越の男性が使う。昔は女性も使っていた。ただし若い世代では使われなくなっている。しかし白山麓などでは今も良く使われている。「おら」の地方変種と思われる。

[編集] わ、わー

津軽方言で男女の区別なく使われる。「我」の変化と思われる。

[編集] ぼくちゃん、ぼくちん

主に男の子供が使用する。かわいこぶっていたり、ふざけて使う場合がある。『ビーストウォーズ』のワスピーターが使っている。特殊な変型に「僕僕ちゃん」というのもある。

[編集] おれっち

「俺」の変型で江戸っ子言葉。石原慎太郎のエッセイによると、江戸っ子は「おれたち」「おれら」という俺の複数称を単数称にも使い、「おれら」が崩れたのが「おいら」であり「おれたち」が崩れたのが「おれっち」であるという。『魔法先生ネギま!』のアルベール・カモミールやTEEN TITANSのビースト・ボーイが使う。

[編集] おりゃあ、ぼかぁ、わたしゃ、あたしゃ、わしゃあ、おらぁ

一人称を崩した表現で「ゃあ」や「ぁ」を既成の一人称につけ足す表現がある。かなり崩れた馴れ馴れしい言葉である。

[編集] 自分の名前

主に未成年の女性や乳幼児期の子供が使っている。使い方は、自分の下の名前(または苗字)をそのまま呼んだり、言いやすくして省略したり(例 あやか→あや)、自分の名前に「ちゃん」や「くん」や「たん」をつけたりするなど、種類は様々である。また、成人の男女が幼児と会話する時に使われる事がある(「○○ちゃん(自分の名前)と遊ぼうか?」など)。「私」や「あたし」を使う女性にとって「自分の事を自分で呼ぶ人は嫌い」と思っている人が結構いるようである。乳幼児期の子供の場合は、母親が呼ぶ略称(例 達也→たっくん)を使う。自分の下の名前で呼ぶ人は東京沖縄に多く、それ以外の地方には少ない。(ウチナーヤマトグチを参照されたい)
上戸彩が自分の事を、「彩」と自分の名前で呼ぶ癖は有名。篠原ともえ湯浅卓は苗字である「篠原」、「湯浅」を一人称に使っている。
外国語の場合、英語を含めて欧米の言語では動詞活用人称変化したり、人称代名詞の格変化があるといった文法上(文法カテゴリー)の理由から、自分の名前で呼ぶ事はない。一方、東アジアでは特にインドネシア語ベトナム語の話者によって自分のことを名前で呼ぶことが行われている。

[編集] 親族呼称

「父さん」「母さん」「姉さん」「兄さん」「じいちゃん」「ばあちゃん」「おじさん」「おばさん」など。家族の間で使われる言葉で、子供や孫を中心に据えて家族の自分の立場を表現する。バリエーションは多彩で頭に「お」を付けたり「さん」の代わりに「ちゃん」を付けたり「父さん」「母さん」のかわりに「パパ」「ママ」、「じいちゃん」「ばあちゃん」の代わりに「じーじ」「ばーば」を使用するなど実に様々である。なお、「お兄さん」「お姉さん」「おじさん」「おばさん」の表現の場合は家族関係でなくても大人が子供に使う表現である。

[編集] ミー

英語で用いられているmeを、日本語的な発音で呼称したもの。通常の生活でこの一人称を用いる人は、ごく稀である。テレビアニメ等で、個性的な登場人物(『おそ松くん』のイヤミ、オバケのQ太郎のドロンパ、NHK教育ニャンちゅうなど)が使う事や、ギャグとして使用される場合がある。本来のmeは目的格であり、主格ではないので「ミーは」という使い方は英文法では間違いである。ただし正式な文法をよく知らない者が、Iやmyの代わりにmeを使ってしまうことは、例えばインドで公用語の英語を無理矢理に話そうとする非英語話者などにはよくある。

[編集] ビジネス文書

[編集] 小職、当方(とうほう)

話者本人及び、話者の属している場所、団体などを含めて言われる場合が多い。ビジネスなど、比較的改まった場で使用される。

[編集] 職業

[編集] 先生

高校教師児童生徒に対して使う一人称。特に小・中学校において「私」「僕」ではなく「先生」を使う教師が多い。たまに苗字を含むときもある。

[編集] 本官

警察官士官裁判官事務次官等の官職にある者が自分を指す言葉。『天才バカボン』のおまわりさんが使うので有名。現在は殆ど使用されていない。

[編集] 本職

弁護士弁理士司法書士等が自分を指す言葉。「当職」「小職」という場合もある。前記警察官等の官職にある者も使う。職務を遂行している立場としての「自分」を指すので、もっぱらビジネス文書や報告書等で用いられる。ここでの「職」は「(利益追求のためではなく)社会正義や公に益するための職(≒公僕)」というニュアンスを持つため、教職員や正義感の高いマスコミ関係者が使うこともあるが、例えばセールスマンが使うのは相応しくない。

[編集] 編集子(へんしゅうし)

新聞雑誌記事にて、署名以外にも、編集者の自称として用いられる一人称。

[編集] 趣味

[編集] 当局(とうきょく)

アマチュア無線家同士の会話や文書で使われる。二人称は貴局(ききょく)と言う。

[編集] 古風

[編集] 我輩、吾輩(わがはい)

夏目漱石の『吾輩は猫である』など。
現代では、主に創作の世界で悪役のボスが使う事が多い。例としてはマリオシリーズクッパキテレツ大百科のコロ助、ゼンダマンのニャラボルタ、『ハリー・ポッター』シリーズのセブルス・スネイプ教授(彼もこの一人称であることが疑問視されている)や『ケロロ軍曹』のケロロ軍曹魔人探偵脳噛ネウロの脳噛ネウロが使用。常用している著名人としてはデーモン小暮閣下が有名。

[編集] 某(それがし)

過去に武士が使用していたとされる。

[編集] 朕(ちん)

かつて中国の古代において使われていたが、始皇帝皇帝のみ使用できる一人称として独占した。それをならい日本においても天皇が詔勅や公文書内における一人称として使った。戦後、公式文書やお言葉の中から朕の使用は徐々になくなり、今上天皇明仁わたしを使用する(ただし戦前においてもは文書上で使われたのみで昭和天皇なども口語ではわたしを使用していた)。には「兆し」という意味がある。

[編集] 麻呂・麿(まろ)

古代の日本において男性名に使われていたが(柿本人麻呂坂上田村麻呂など)、平安時代以後一人称として使用されるようになり、身分や男女を問わずに用いられた。現代では、主に創作において公家が使う。

[編集] 我・吾(われ・わ)

文部省唱歌の『我は海の子』など。
現代では、創作の世界において人智を超えた存在・人ならざる者が使用する場合が多い。ただし「我が家」・「我が国」のように、”私の~”という意味の言葉ではしばしば用いられる。現在、関西圏ではニ人称にも相当する。

[編集] 余・予(よ)

平安時代以後使用されるようになった。現代では、主に文書や演説などで用いられる他、創作の世界においてまたはそれに準ずる地位の者が使用する場合が多い。『大長今」』では王が自分の事を「余」と言っており、『暴れん坊将軍』では「余の顔を見忘れたか?」と使われていた。

[編集] 小生(しょうせい)

男性が自分を遜って使う。現在でも手紙などの書面では使われている。『∀ガンダム』のギム・ギンガナムや『ヤットデタマン』のジュリー・コケマツ、「名探偵夢水清志郎事件ノートのカマキリ部長などが使用。

[編集] 愚生(ぐせい)

手紙などの文面で、男性が謙称として使用する場合が多い。

[編集] あっし、あちき

主に庶民に多く使用された。
かつて、様々な地方から集められた芸者達が、お国訛りを隠すために使用した「廓言葉」における一人称。さらに訛った「あちし」というのがあるが、これは時代劇などフィクションの中でのみ用いられる。現在でも、一般的な一人称の言えない人(のうち、主に女性)が使う。

[編集] 妾(わらわ)

女性が自分のことを謙って使う。
創作の世界で女王王妃またはそれに準ずる地位の者が多用する。蛇足ながら、「妾」という漢字は「めかけ」「わらわ」両方の語に当てられるが、当然「めかけ」(正妻以外の妻)と「わらわ」(高貴な女性の一人称)とは別の語である。

[編集] 拙者(せっしゃ)

主に武士が自分のことを謙って使用した。僧侶の場合「拙僧」になる。
現代では、創作の世界で忍者が使用する事が多い。『るろうに剣心』の緋村剣心などが使用。常用している著名人としては波田陽区(ギター侍)が有名。

[編集] 身ども(みども)

武士階級で、同輩か同輩以下に対して使われた。

[編集] 僕(やつがれ)、手前(てまえ)

現在でもビジネスなどで「手前ども」といった形で「こちら」の代わりに使用される。

[編集] 乃公(だいこう)、此方(こなた)、あて

京都で男女ともに使われていた一人称。

[編集] 傲慢

[編集] 俺様(おれさま)

日常でこの一人称を使う人間は少ないが、主に創作の世界(特に児童文学)で悪役のボスが使ったり(例としては『アンパンマン』のばいきんまん、『かいけつゾロリ』のゾロリなど)、漫画などで自信家のキャラクターがこの一人称を使う事がある(『ドラえもん』のジャイアン、『のだめカンタービレ』の千秋真一が時々使用、『はじめの一歩』の鷹村守、『テニスの王子様』の跡部景吾、『轟轟戦隊ボウケンジャー』の高丘映士(ボウケンシルバー)など)。『ハリー・ポッター』シリーズのボスキャラであるヴォルデモートが、邦訳版でこの一人称にされているのは疑問の声が多いが、日本語の場合彼のイメージに合う一人称がないために、「私」や「俺」よりも適しているとの声も少数ながらある。

[編集] あたくし

口語でこの表現を使う者は少ないが、ブログや手紙などでたわむれにこの一人称を使う女性はいる。フィクションでは傲慢・高飛車な女性にこの一人称を使わせることがある。

[編集] 特定の作品の中で使用

[編集] 僕様ちゃん(ぼくさまちゃん)

小説『戯言シリーズ』の登場人物である玖渚友が使う一人称。

[編集] 己(オレ)

沙村広明無限の住人』のキャラクターや、須田剛一ディレクション作品『シルバー事件』の24署凶悪犯罪課の刑事たちの一人称。ちなみに鋼の錬金術師のスカーは、「己れ」と書いて「オレ」と読む。

[編集] 俺ちゃん(おれちゃん)

銀河旋風ブライガー』のボゥイが使う一人称。とはいえネット上で検索すると結構使っている例が散見される。

[編集] おで

県立海空高校野球部員山下たろーくん』の主人公である山下たろーが使う。他の作品にも使用例はあるが(鋼の錬金術師のグラトニーなど)共通しているのは少々、オツムの足りない人物が使う例が多い。また、原哲夫原作の絵本『森の戦士 ボノロン』の主人公であるボノロンが使う(正式な表記はカタカナの「オデ」)。

[編集] うぉれ

女神転生デビルサマナー』のマッド系の敵が使う。

[編集] おじさん

銀魂のキャラクターの松平片栗粉が使用。
同人ゲームひぐらしのなく頃にのキャラクターの園崎魅音がたまに使う。

[編集] 他言語の一人称

など。

ヨーロッパで用いられている言語の多くでは、単数と複数の2種類しかなく、使用域の限定については、日本語と対比するとかなり単純である。

言語によっては、一人称複数において、聞き手を含むかどうかで異なる形態を用いるものがある。聞き手を含む場合を包括的一人称複数、含まない場合を排他的一人称複数という。たとえばベトナム語においては、聞き手を含む場合に "chúng ta" を、含まない場合に "chúng tôi" を用いる。

[編集] 一人称と二人称

日本語では、一人称が二人称に転用される事が多い。例えば、「自分」は関西地方の一部でもっぱら二人称として用いられているが、現在では他の地方でも用いられる事が多くなっている。東北地方の一部では「我(われ)」が短縮したもの(又は「我」の古い言い方)と思われる「わ」が一人称としても二人称としても用いられている。

ちなみに、古くは一人称に用いられていたと思われる「手前(てまえ)」が訛った「てめえ」は、現在では相手を罵るときに用いられる言葉になっている。

[編集] 関連項目

他の言語

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