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輸入車 (日本)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本における輸入車(ゆにゅうしゃ)とは、外国で生産されて日本輸入された自動車のことをいう。「外車(がいしゃ)」とも呼ばれる。

目次

[編集] 日本における輸入車の歴史

[編集] 1945年以前

20世紀の初頭にはすでに日本に自動車がはいってきていた。しかし、日本では自動車が売れなかった。外国商館が輸入していたが、米国の価格に比べ日本での卸値を通常4倍ほどに設定していた。そのため日本の販売店は一般に販売する価格が見込めなかった。買い手がつかないのでレンタカーにしようとしたが、それでも借り手がつかなかったという。日本自動車会社が花柳界を中心に売り出したところある程度の販売が見込めるようになったが、その反動で一般人からは金持ちの道楽だというイメージが焼きついてしまった。当時の一般の人々の憧れは自動車よりも豪華できれいな馬車であったという。

しばらくして大正時代になる頃には直接外国との取引に乗り出す日本の商社が現れるようになった。価格が安くなり商社という商社があらゆる自動車を輸入するようになった。商社で自動車を取り扱っていないところはなかった。ほとんど手当たり次第に各種自動車が輸入されその多くがタクシー用途に使われた。この頃の運転手は特殊技術者であり花形職業だった。自動車のセールスマンは運転手から転進する者が多かった。花柳界や大会社を相手に販売するセールスマンは一匹狼であり丁々発止で大金を稼いだ。パッカードのその年の新車の第1号車を購入するのに毎年複数人が全身全霊をかけて販売店経営者と営業を接待したとか、さらにそれらを出し抜くために購入者自身が米国に乗り込み手続きをし日本の輸入元が売った際の販売手数料もきちんと支払い船賃滞在費などすべて合わせても接待するより安かったというような話がのこっている。しかし程なくして官公庁が自動車を求めるようになると信用が求められるようになり見積書も提出しなければならなくなり輸入代理店は会社として信用のあるところになっていった。

1923年の関東大震災のため路面電車が使えなくなった東京市がフォード社に1000台のT型を発注した。フォードは800台しか対応できなかった。ここに商機をみたフォード社は1925年に日本に組立工場を建設。2年後、ゼネラルモーターズがフォードを追って、シボレー組立工場を建設。この2社により日本での初期のモータリゼーションが始まった。トラックやバスへの架装も多かった。乗用車の多くはタクシー用途に使われた。しかし軍部の影響力が強まるに従い1930年代半ばから徐々に国外の状況に疎くなっていった。

[編集] 1945年以降

第二次世界大戦の敗戦で、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が日本で活動するようになると、東京を中心に大量の車が持ち込まれた。GHQ関係者が使用するためである。当初はジープも多かったが日本人はすぐに大量の洗練された米国車を目の当たりに見るようになった。日本人高官や企業関係者もそういった車にのって走り回るようになった。米国車が多かったが、スポーツカーに乗るGHQ関係者は欧州製を持ち込むものもいた。アメリカで乗られている自動車とはどんなものなのかを日本人はこのとき知った。

50年代60年代はアメリカの自動車の最盛期でもあり日本でもアメリカへの憧れからアメリカ製自動車の人気は高かった。しかし、1950年代当初の国レベルでの乗用車生産すべきか否かの大議論を経て最終的にすべきと判断した国と自動車メーカーが国産車技術取得のためにライセンス生産した車は欧州車であった。1950年代は欧州車が日本のメーカーにより組立および販売されていた時代であった。日本車はマイナーな存在であり日本で乗用車とは輸入車のことという時代が続いていた。1960年代ごろまでは乗用車販売のほとんど、つまり輸入車の多くがタクシー用途への販売だった。

1970年代半ばからオイルショックを経て「大きい」、「燃費が悪い」などの理由でアメリカ車人気が凋落し、ヨーロッパ車の人気が高まった。信頼性の面からメルセデス・ベンツなどドイツ車の人気が上がり、これらの高級車種を所有することが一種のステータスとなっていった。これらの時代では、ランボルギーニ・カウンタックに代表されるスーパーカーブームなどから、輸入車全体に対するエキセントリックなイメージが拡大していった時期でもある。

ドイツ高級車メーカーによる小型モデルも大いに人気を博し、80年代後期から90年代前期にはBMW3シリーズが日本を代表する大衆車になぞらえ「六本木カローラ」と、またメルセデス・ベンツ190Eが「小ベンツ」と皮肉られることもあった。

その一方で、高級車=ドイツ車という一般的になった価値観に対するアンチテーゼとして、ジャガーボルボ(現ボルボ・カーズ)、サーブプジョールノーアルファ・ロメオフィアットランチアといったドイツ以外のメーカーのクルマも、新たなステータスや自己表現の一つとして人気が高まった。マツダによるシトロエンランチアなど、輸入車人気に着目した日本車ディーラーが取り扱うことで販売台数を伸ばした車種も少なからずある。とくに最近では、日産自動車と提携することでサービスネットワークを広げたルノー、独特のフロントマスクでブランドイメージが浸透したプジョーが大きく台数を伸ばしている。

一方、GMフォードクライスラーなどのアメリカ車は依然として「大きい」「品質が悪い」「燃費が悪い」などのマイナスイメージを引きずり長年低迷気味で、RVブームに乗ったジープ・チェロキーシボレー・アストロ (アストロは後述の並行輸入車が多い) など一時的に人気の出た特定の車種以外は売れ行きは低迷している。

韓国車も輸入車であるが、ヨーロッパやアメリカでの好調な売れ行きに比べて日本国内では苦戦している。韓国製工業製品に対する信頼感が低いこととアフターサービス面での不安、同じ輸入車であっても欧米製に比べてブランドイメージが数段落ちること、価格は割安ではあるが、内装の質感が低かったり乗り味に洗練さが欠けている(感覚的には数世代前の日本車レベルという評価もある)などの理由で2006年現在では販売は低迷している。

一般的な輸入車とは異なるが、プラザ合意以後の円高に対応するために建設された、日本メーカの外国工場で生産された車が、日本に輸入されて販売されるケースも出てきた。→後述

全体的には、1990年代以降、外国メーカー・輸入車ディーラーの販売方法の変化(一部の富裕層やカーマニアを対象に高額な車種を少量販売する方法から、同レベル国産車の2~3割高程度まで価格を抑えた小型・中型車種を一般層に量販する手法への転換、これに伴うディーラ網拡充)や右ハンドルの推進などにより、ヨーロッパの小型車を中心に一般にも輸入車に乗る人が増えている。

[編集] ハンドルの位置

[編集] 世界のハンドルの位置

通常、日本を含む左側通行の国では右ハンドル車が、右側通行の国では左ハンドル車が使用される。 これは、対面通行でのすれ違い時の安全性や右折(左折)時、追い越し時の視界を考慮した結果である。

現在、全世界での左側通行圏と右側通行圏の比率は人口比で34:66。道路の総延長距離は27.5:72.5となっている。→対面交通

右側通行圏が数の上では多数派である。しかし、世界各国への輸出を行う自動車メーカーにとっては左側通行圏も無視できない市場であり、輸出先の各国の状況にあわせ、同一の車種でも左右両方のハンドル位置を設計・生産し対応するのが一般的である。 こうした場合、本国の工場で輸出用右ハンドル車を生産するのみならず、場合によっては右ハンドル圏の国に対し右ハンドル車専用工場を建設することもある。北米ビッグスリーのオーストラリア工場が代表的であり、そこでは長らく左側通行のオーストラリア向けとして、アメリカ国内向けの車種を右ハンドル仕様に設計変更した車が製造されてきた。また、近年ではメルセデス・ベンツの南アフリカ工場(ダーバン)、プジョーのイギリス工場(コベントリー)なども建造され、日本を含めた右ハンドル市場へ商品が輸出されている。

[編集] ウインカーレバーの位置

ハンドルの位置に関わらず、基本的にウインカーレバー(スイッチ)の位置は、日本車の逆の左側となる。これはISO規格で取り決められているからである。→ウインカースイッチの位置

[編集] 日本における輸入車のハンドル位置

日本国内では、自動車は左側通行をすることが道路交通法により規定されている。しかし、日本では一部の輸入車が左ハンドル仕様のままで販売されている。これは、「左ハンドル」に対し「ステータスシンボル」「高級外国車の象徴」を見出している日本独自の現象であり、輸入販売元がそれにあわせ対応している結果である。通常とは逆側の、運転席が歩道側に面する自動車がそのような地位を得ていることは、先進国の中では日本のみであり極めて特殊な現象といえる。これには本項にて記述するとおり、輸入車の受容に関する日本独自の歴史的経緯が原因である。

第二次世界大戦以前の日本では、国内で販売されているほとんどの自動車が輸入車であるか、海外メーカーのライセンス生産により製造された車両であった。実際には、このころからフォードやGMの日本国内工場において、イギリス仕様を基本とした右ハンドル車の生産が行われていた。

しかし、敗戦を迎えると進駐軍により北米仕様そのままの軍用ジープ、そして豪奢なアメリカ車が直接持ち込まれた。そういった車両を目の当たりにした戦後すぐの日本人は、それら左ハンドルのアメリカ車に対し、憧れの車としてのイメージを形成した。それに加え、日本国内のマーケットにおいても、大衆車・実用車の市場は国内メーカーが受け持ち、高級車は欧米からの輸入車が受け持つという構造が早くから形作られていた。日本政府も特にハンドル位置に対する規制を敷かなかったこともあり、「舶来物」のエキゾチックな印象あるいは日本車に対する輸入車としてのシンボリックな象徴として、日本人は「左ハンドル」に対し強いイメージを持ち続けることになった。

このため、かつては日本に輸入される大半の輸入車が、日本と同じ左側通行圏であるイギリスの車を含めて左ハンドル車であった。日本での大衆レベルへの販売に力を入れていたフォルクスワーゲンなどは1950年代から右ハンドル車を輸入していたが、これは稀な例であった。

1970年代、新設された排気ガス規制昭和50年排ガス規制~昭和53年排ガス規制)に対し、大半の日本国外のメーカーは同等の規制をクリアしていた北米カリフォルニア仕様車をベースにすることで対応したため、結果的にますます左ハンドル車が多くなることになった。

1980年代中盤、バブル景気によって活性化した日本市場を一層開拓するため、まずヨーロッパ車を中心に右ハンドル車が徐々に増え、1993年にはクライスラージープチェロキーが戦後ビッグスリーのアメリカ生産車では初めて右ハンドル車を投入した。

2000年代となった現在では、日本自動車輸入組合(JAIA)の統計調査によると、輸入車全体の8割超が右ハンドル車であり、左ハンドル車の輸入を行っていない車種(ハッチバックモノスペース (ミニバン)ステーションワゴンが多い)も非常に多い。

従来、右ハンドルの輸入車には、ドライビングポジションやペダル配置、ペダルの感触などに問題があることが多かったが、現在ではメーカー側でも改善努力や、設計時点からの考慮、操作システム電子化などにより、改善を見せており、今は広く受け入れられることとなった。

一方、心情としての「輸入車は左ハンドルであるべき」という信仰も年配層を中心に今なお根強く、スポーツカーや高級車では左ハンドル仕様車のみ輸入されているケースがある。中には、右ハンドル仕様車が存在するにもかかわらず、それが日本向けとしては用意されない車種すら存在している。また、ジャガーなどに代表されるイギリス製高級車は、イギリス本国では右ハンドル仕様車であるにもかかわらす、輸入車としてのイメージを強調するため、右側通行圏向けの左ハンドル仕様車を輸入・販売・所有するケースがある。→ジャガーのハンドル位置

メーカー側の事情もある。GMフォードの北米生産車では、1990年代の後半には積極的に右ハンドル仕様車を用意し好評を博したが、2000年代後半に入り再び左ハンドル車に戻した。(キャディラック・セヴィルの後継車種であるSTS、フォード・エクスプローラーがその代表例) これは、両メーカーの業績が悪化し、右ハンドル車を製造し国外へ展開する余力が無くなった為である。

ハンドルの位置で価格が変わる車種は、マイバッハアルピナ(共に右ハンドル車が割高)といった少数輸入される高級車があるが、一部には、低価格車としてはGM大宇・マティス(こちらは左ハンドル車が割高)の例があった。かつて輸入されていたアルファロメオ・156や、クライスラー・300C(2006年モデルまで、2007年モデルは左右とも同一価格)は、装備品の違いにより同一グレードでも価格が異なっていた。

[編集] 日本車のブランドの変化

日本の自動車メーカーは国内外の市場で近年、収益率の高い高級車志向に向かっており、特に日本国外の市場では、日本車の強みであった低価格、高品質の製品の市場を韓国メーカーなど追随メーカーにみすみす明け渡すことになるのではという危惧の議論がある。ヨーロッパなど日本の事情に疎い国では日本車と混同して購入されることもあり、現地の販売店もその錯誤を利用して販売しているケースもあるという話もある。(実際に日本国外の自動車雑誌の記事で、「ホンダ」と「ヒュンダイ(ヒョンデ、現代自動車)」とのアルファベット表記やエンブレムの類似性が指摘され、混同した購入者が多いというレポートがある。)

[編集] 主な輸入車の例

[編集] 正規輸入車と並行輸入車

法的には「正規輸入車」と「並行輸入車」とは称さない。

日本において公道を走行するための自動車は、道路運送車両法に基づき、国土交通大臣に対して自動車の型式ごとに安全性、環境性などを申請し認可(型式認定)されている必要がある。型式認定には、 国産車の量販車種同様の一般的な量産自動車は「型式指定自動車」に、また大型商用車などでは「新型届出自動車」、年間輸入台数が2,000台以下の車種では「輸入車特別取扱自動車」という3種がある。このいずれかで認定された輸入自動車を、一般的に「正規輸入車」とよび、またこれらを取得していない輸入自動車を一般に「並行輸入車」とよんでいる。

「正規輸入車」と「並行輸入車」との違いは個別車種が法律上の車両規定に合致しているかどうかを「事前に登録されている型式」で見るか「実際の個別車両」で見るかの違いである。公的な自動車検査機関がおこなう検査のために要する時間が、同一仕様が大量に生産される車両であれば「型式」というもので簡略対応できるという用途のものである。その代わりに個別車両での車両規定合致検査は一台一台厳格な検査が要求されるが、実際は法的措置によって一部簡略化されている。

「並行輸入車」とは、一般の商品で「並行輸入」といわれる「日本の正規代理店が取り扱っている商品を別の業者が別のルートで輸入し販売すること」をさす意味とは異なる。「並行輸入」は「正規代理店があるのにそれを通さずに輸入すること」である。しかし、この意味での「並行輸入」の自動車を指し「並行輸入車」と言う場合も多い。「"正規代理店が存在しない車種"を輸入すること」に用いられ、また「メーカーとしての正規代理店はあるが日本国内で販売されていない車種」を他の輸入業者が輸入販売する際にも用いられる。

[編集] 正規輸入車

「正規輸入車」とは法的には正式な呼称ではない。

自動車検査独立行政法人は、「輸入自動車のうち、自動車製作者又は同製作者から自動車を購入する契約を締結して日本への輸出を業としている者が国土交通大臣に対して自動車の型式ごとに安全性、環境性などを申請又は届出し、これを認められた場合は、これらの自動車を「型式指定自動車」、「新型届出自動車」又は「輸入車特別取扱自動車」(いわゆる「ディーラー車」)として取り扱っています。」と定義している。

基本的には日本の型式指定を受けるため、外国での製造時点で排ガス基準や気候の違いなど日本の状況に対応するため、一部仕様変更がされている。後述する、日本メーカーの外国工場で生産されて日本に輸入され、国内の自社販売網で販売される、いわゆる逆輸入車もこれに該当する。

「正規インポーター」が輸入したものであろうとなかろうと、上記3通りの型式指定を受けていないければ法的名称として下記の「並行輸入自動車」となる。『多くは』「国外メーカーの指定する(または設立した)正規インポーター」であり、『多くは』型式指定を受けて「正規輸入車」として販売されているということである。

近年では、販売数の多い主要な外国自動車メーカーでは日本法人を設立し、そこを正規インポーター(輸入元)としていることが多い。日本法人がある自動車メーカーの場合、日本車に劣らない販売・サポート体制が完備されているケースが多い。(一部部品の取り寄せに時間がかかる可能性はある)

[編集] 並行輸入車

「並行輸入車」とは法的には正式な呼称ではない。

自動車検査独立行政法人は、「日本で未登録の自動車を個人で日本に輸入した場合は、原則として「並行輸入自動車」として取り扱われます。」と定義している。

型式は「不明」もしくは型式が「--」(ハイフン)で囲まれる。(このハイフン文字は業界では「ヒゲ」と呼ばれる。) ハイフンで囲まれる場合の具体例としては、フェラーリF355の場合、正規輸入車では「GF-F355」となるべき型式が、並行輸入車の場合「-F355-」と記される。 これは、「指定自動車等と同一」または「指定自動車等と類似」として登録される為である。

また、上記の「指定自動車等と同一」「指定自動車等と類似」以外の輸入車に関しては、「その他」とされ、型式「不明」として登録される。

車体番号については、審査事務規定5-2-2の(1)以外の並行輸入自動車及び製作者の特定が困難等の理由で車名が「不明」となる場合には、国土交通省による職権打刻が必要であることを規定されている。職権打刻で車体番号を刻印する場合、容易に交換できない金属部分(エンジンルーム内のフレームなど)に「申01234申」 などと打刻され、「神[42]01234神」と車検証に記載される。 打刻と車検証の表示が異なるのは字の簡素化等が行われているためである。 打刻された車体番号(車検証に記載された番号)の内容については、上記の場合、(神)申=神奈川、コード42=神奈川運輸支局、西暦末尾0年、事務所1番・横浜、234番目の打刻を表している。

「指定自動車等と同一」「指定自動車等と類似」「その他」の3通りのいずれの場合であっても、国が定めた衝突安全性や排出ガス基準に適合していなければ国内で登録することはできない。しかし、現地での登録書類等により製造年が特定できれば、その製造年に対応する安全基準・排出ガス基準が適用される。例えば1950年製の車を並行輸入する場合、シートベルトは不要で触媒もないままで日本国内での登録ができる。 近年は生産国の安全・技術基準を「同等外国基準等」と規定し、適用される技術基準について適用対象・適合性を証する書面を省略できる。 尚、型式認定との違いは、同型式の車両を複数台輸入した場合においても、原則それぞれ一台毎に国が定めた衝突安全性や排出ガス基準等の適合性についての証明や届出が必要であるという点である。(尚、輸入者が同一な同型式、同重量区分の車両の場合、一台の適合性の証明で複数台の基準適合性を証明できる場合がある。これは通常「排ガス枠」等と呼ばれるものである。)

詳しくは自動車検査独立行政法人[1]の審査事務規定を参照いただきたい。

並行輸入自動車では、日本未投入車種が輸入されることが多い。また、日本に設定していない仕様(マニュアルトランスミッションや左ハンドルなど)やブランド(ランチアなど)もある。

[編集] 販売店区分

[編集] 正規輸入代理店

[編集] 並行輸入業者

一般の商品で「並行輸入」といわれる「日本の正規代理店が取り扱っている商品を別の業者が別のルートで輸入し販売すること」をさす意味での「並行輸入車」は、一般に「並行輸入業者」とよばれる販売店が販売する。

未走行の新車を並行輸入した場合「新車並行」、現地で登録済みの中古車等の場合「中古並行」と区別されることがある。これは法令上の定義ではなく、通常、販売者が宣伝のためにおこなう区別である。新車でも販売奨励金を受けるために日本国外のディーラーにおいて登録し「新車並行」として販売するケースがある。この販売のための区別に厳密な定義はない。 いずれの場合においても、日本の法令上の車両登録では「新規登録」となり初回車検が適用される。

「並行輸入」の観点では、ヨーロッパ車の場合は、ユーロ高の影響や日本法人ができたことによる間接費の節減により、正規輸入車が安いといった逆転現象がある。

[編集] 個人輸入

[編集] 輸入車の購入

輸入車は販売するディーラーによって販売時のサービス、および、保証・修理などのアフターサービスに差異があることが一般的である。日本全国でその1店のみといったサービスネットワークの限定もある。輸入のみのディーラーでありアフターサービスを行わない個人輸入をサポートする販売店もある。購入時には注意が必要である。また、使用部品が異なる、仕様の違いに対応できない等の理由で、正規ディーラーで修理を受け付けないケースもある。並行輸入車の購入は、修理やリコール時の対応へのリスクは承知の上での購入であることもある。

並行輸入車の場合、以下のような問題が発生しやすい。

自動車保険の車両保険の保険金額・保険料、事故の場合、相手からの対物賠償保険金

保険会社では、型式ごとに料率クラスを、型式と初度登録年で車両標準価額を定めて車両保険を引き受けているため、この基準に合致しない並行輸入車の場合、希望する補償内容を断られたり、引き受け交渉が必要なケースが多い。また、相手方の保険会社から車両損害の賠償保険金を受ける場合にも、資料が乏しいため、損害額を算定できなかったり、実際の損害とかけ離れた金額しか賠償されないようなケースもある。

補修部品の供給などの問題が発生しやすい

メーカーが、仕向地によって仕様や部品を変えている場合も少なからずあり、補修部品の入手が困難なケースも多い。

ただし、欧米では部品メーカーによる補修部品の供給が特定メーカーに結びつくことなく行われており、特にに米国では国土の広さから歴史的にユーザーのDIYレベルが高く通信販売が古くより普及しており、販売車両数が多く長期に使用されることから補修部品の安価な流通がなされており、メーカー部品供給が切れても部品メーカーによる代替品が長期に発売されてもいる。これに近年のインターネットの普及によって、米国からの補修部品の取得は大変容易になっているため、米国で販売されている車両では、日本においても、自車の部品の特定、および、実際の補修サービス実施の技術が確保できるのであれば日本車以上に長い年月の補修も可能となる場合がある。一般的な日本車のサービス形態とは異なるユーザー意識が求められることとなる。

[編集] 輸入車の特徴・イメージ

日本製の車に比べ次のような特徴があるといわれるが、業界自体の技術革新が目覚しいため、技術的なマイナス評価に関しては単なるイメージであることも多い。

[編集] プラス面

  • 衝突安全性が高い(特にスウェーデン車やドイツ車の安全性が高いといわれてきたが、近年はユーロNCAPでの5つ星の評価を、フランスのルノーが世界最多の8車種で受けるなど、スウェーデンとドイツ車のみの売りではなくなって来ている)。
    • また、自動車評論家の徳大寺有恒氏が長らく指摘してきたように、過去において日本のメーカーは安全性を最重要視せず、加速性能や馬力などの見た目だけのデータや、表面的な仕上げを優先した車を製造してきた。そのような日本車‎に比べてドイツや北欧のメーカーは、日本メーカーが安全性に配慮するようになった数十年以上前から安全性を追求した車を生産してきた。日本車の衝突安全性も近年では向上目覚ましいといえるが、過去の負の遺産によって、未だに意識の高い消費者が持つ不信感を払拭しきれていないという意見がある。
  • 環境への配慮:早くから部品のリサイクルを進めてきた(特にヨーロッパ車)。
  • 高速性能やブレーキ性能、サスペンション性能が高い(特にドイツ車)。
  • 日本車‎に比べモデルチェンジの周期が長く(通常7~10年程度)、一台の車に愛着をもって長く乗りこなすことが出来る。
  • ステータスシンボル性が高い(メルセデスベンツ・Sクラス、BMW・7シリーズ、アウディ・A8、ロールスロイス・ファントムなどの大型高級セダンやポルシェやフェラーリなどのスポーツカー、レンジローバーやハマーなど一部のSUV
  • 左ハンドル車の場合、視界の面から路側帯を通行する歩行者、自転車等に注意しやすい。左折時の巻き込み確認、縦列駐車も容易である。
  • カタログ表示上の出力の数値が日本車よりも低いが、通常の走行ではずっと力強く走れることも少なくない。これは日本車がカタログスペックを重視するあまり、トルクバンド(高い出力の出る回転数のエリア)が狭いことと比べ、輸入車のそれはおおむね広いことに起因する。
  • 車専門のデザインスタジオ(イタリアのピニンファリーナジウジアーロベルトーネ等のカロッツェリア)やそれら出身のデザイナーによって設計される車も多く、大衆車では必然性の高いデザイン、高級車では相応に優美なデザインを楽しめる。

[編集] マイナス面

  • 高温・多湿の日本と、冷涼・乾燥しているヨーロッパなど生産国の気候の違いに起因するトラブルが多く(特に並行輸入では顕著)、最低限、異常発生時に応急対応できるレベルの知識が求められる。
    • 電気系統の故障が多い(輸入車全般にいえるが、特にイタリア車にこの傾向が強いと言われる。ドイツ車も気候の違いからか日本車よりも電気系が弱いといわれる)。
    • 真夏の都市部での渋滞に巻き込まれると、気温が高い上にエアコンの排熱も加わってエンジンルームが高熱となり、冷却がうまくいかずオーバーヒートを起こす確率が高い。
    • 防水性能が弱く、雨漏りを起こしやすい。
    • 塗装や防錆処理が弱く、短期間でが出やすい(一部のドイツ車やスウェーデン車は凍結防止剤対策を行っているので、いちがいに防錆処理が弱いとはいえない)。
  • 内装の仕上げが雑な場合もある。
  • 各種部品や整備費用が高い(車種にもよるが日本車の数割から数倍増といわれる)。ただし、正規代理店で購入した場合、購入後、低価格のサービスを受けることが出来る場合もある。
  • 左ハンドルの場合、高速道路ゲート式時間貸駐車場の料金支払いや、ファストフード店のドライブスルー利用時は、右ハンドル車を想定しているために利用の際は不便。(なお、高速道路の料金支払いについては、一部の入口に左ハンドル用の通行券発券機が設置されている場合もある。根本的にはETCを取り付けると解決する)また、追い越しや右折時、高速道路での合流時において、前方・側面の安全が確認しづらい。助手席乗員が車道側に座るというのも乗降時のリスクの一つである。
  • 欧州車の場合、ほとんどがハイオク指定となる(ヨーロッパでは日本で言う「ハイオク」しかガソリンが販売されていないため)ため、ランニングコストの面でやや不利となる。
  • ディーラー網の撤退や、メーカー・ブランドそのものが日本市場から撤退した場合の保守や修理に不安がある。(例としてはかつて「礼を尽くす車」というキャッチフレーズで日本に進出したものの、短期間で撤退した「サターン」など)

[編集] 主な輸入車インポーター

[編集] 日本法人

[編集] 日本法人以外

[編集] かつて存在した主なインポーター

[編集] 逆輸入車

正式な呼称ではない。国内で生産した国外向け輸出モデルを再輸入した車両。または日本メーカーの国外工場から輸入された車両 (現地生産車) のことを指すこともある。二輪車は前者が多く、四輪車は後者が多い。メーカーが正式に発売していない(型式認定を受けていない)自動車は前項の「並行輸入自動車」となり、メーカーが正式に発売する(型式認定を受けた)自動車は前々項の正規輸入車として扱われる。したがって、輸入車統計の中にトヨタやホンダなどの外国工場から輸入された車も集計される。

四輪車の逆輸入車の場合は、日本メーカーの車種の一つとして、日本では販売台数が少ないと見積もられる大型ファミリーセダンや5ドアハッチバックなどの毛色の変わったモデルといった品揃えの充実が主で、輸入車であることが前面に打ち出されることは少ない。当然、外国メーカー製輸入車(純輸入車)と同様に排ガスや気候の相違などの日本市場に向けた対応がされており、扱いディーラで販売している他車種とほぼ同等のアフターサポート体制が受けられる。

二輪車の場合、日本仕様車では750cc規制(現在は撤廃)、出力規制(継続中)、速度リミッター(継続中)、速度表示規制(現在は撤廃)、他国仕様に比べ厳しい音量規制など、各種規制が厳しかったため、規制を受けない利点から逆輸入車が広まった。ホンダの大型オートバイGL1000、CBX1000、スズキカタナGSX1000/1100GSなどが先鞭を切ったが、逆輸入の勢いに火をつけたのは、カワサキGPZ900Rである。750ccの「自主規制」がなくなった現在でも、フルパワーを求めて、または(縮小してしまった国内市場を見切った)輸出専用車に乗るために、逆輸入が広く行われている。しかし日本国内の排気ガス規制により入手し難い車両も存在する。

逆輸入四輪車の主な例

特殊な例では、

のような、国外メーカーによる日本向けOEM車種もあるが、あまり売れていない。これ以上に特殊な例として、車体のみをオーストラリア・ホールデンから輸入しロータリーエンジンを搭載したマツダ・ロードペーサーも存在する。

[編集] 関連項目

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