MINI (BMW)

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この項目ではBMWのMINIについて説明しています。Mini（1959年-2000年の英国車）についてはMiniをご覧ください。

MINI（ミニ）とは、イギリスの小型自動車のブランド。現在はドイツ"BMW AG(BMW社)"を中核企業とするBMWグループの一部門であり、日本ではBMW JAPANが輸入している。

BMWはオックスフォード近郊にある旧ローバー社のカウリー工場を本社とするBMW生産子会社、「BMW (UK) Manufacturing Ltd」を新たに設立し、オックスフォード工場として2001年4月から（新型）MINI生産を開始した。2007年時点でのBMWグループは、傘下のブランドとして、BMW、ロールスロイス、MINIを展開し、3ブランドいずれもが『プレミアム(Premium – and nothing else)』と位置づけられ、MINIはグループの狙うプレミアムのスモール(small)を担う車として位置づけられている。

Miniは1959 年にBMC傘下のオースチンとモーリスから発売されて以降、吸収合併で企業名は変わりながらも2000年まで40年に渡り生産販売されていた。そしてBMW社は1994年からローバー(ROVER)社を傘下に収め、生産を始めとするミニに関する全ての権利を有したところから100%新設計のミニの開発を行った。車名はMINIとなり、先代と異なりすべて大文字で表記される。一般には、BMW MINI（ビーエムダブリューミニ）や、New MINI（ニューミニ）とよばれることもある。

[編集] 初代（2001年～2006年）

2004年式 BMW MINI Cooper S

1994年BMWがローバーグループを総括することとなったと同時に全く新しいMINIの開発が着手された。当初は英国を拠点として、ROVERが中心となって新型MINIの開発が進められ、1997年には現在のMINIと全く同じ形のNEW･MINIがジュネーブショウで一般公開された。

ところが、ROVERの経営悪化はとどまるところを知らず、ついにBMWはROVERを切り離すこととなった。そこでほぼ開発の終わっていたMINIはドイツに開発拠点を移し、インチからmmへ再設計を行うこととなった。結局ROVER/BMWによって開発された現行MINIは2001年に発表され、日本ではBMWジャパンが3月2日をミニの日となづけ2002年 3月2日に発売された。

設計者は2002年7月からフェラーリ・マセラティ・グループのコンセプトデザイン担当役員を勤め、現在フィアットに在籍しているフランク･スティーブンソン。

エンジンは旧ローバーとクライスラーの合弁会社でブラジルに拠点を置くトライテックによって製造される直列4気筒1600cc、通称「トライテック・エンジン[1]」（または「ペンタゴン・エンジン」とも呼ばれる）が搭載される。90psの標準的な「One」と、エンジン制御プログラミングの変更により116psに出力を高めたハイパワーバージョンの「Cooper」、そしてスーパーチャージャーを装着し163ps(マイナーチェンジ後170PS)を絞り出す「Cooper S」が用意されている。1.6 SCは「1.4Lから1.8L」のエンジンカテゴリーにおいて「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー for 2003」と「ワーズ・10・ベスト・エンジン2005[2]」を受賞している。この他、欧州仕様にはトヨタ製直列4気筒1400ccディーゼルエンジンモデルも設定されている。サスペンションも標準仕様では比較的柔らかめのOneに対して、Cooperは前後ともスタビライザーを装備し堅めのショックであるスポーツサスペンションを標準で装備している。Cooper Sはさらに径の太いスタビライザーと堅いショックを持ったスポーツサスペンションプラスを標準装備している。仕様面では、各種ボディカラー、シートカラー、オプションの組み合わせにより、100,000通りの組み合わせが出来るのが特徴で、さながらBMWインディビジュアルのようである。また、各種オプションが輸入車としては割安な点も良心的だ。当初はハッチバックのみだったが、2004年にはコンバーチブル（カブリオレ）も追加設定（コンバーチブルのOneは海外のみ発売）された。コンバーチブルの追加に合わせ既存の「One」「Cooper」「Cooper S」のマイナーチェンジにて、ヘッドライト周り・バンパー形状・テールランプ配置・インテリアの見直しが施された。

さらに2006年初春にも、「セブン」、「パークレイン」、「チェックメイト」が追加され、同時にバックミラーやドアハンドルなど、インテリアデザインを中心にマイナーチェンジが施された。因みに、「セブン」は「One」の「ポップでスタイリッシュなアーバンライフを演出する」モデル、「パークレイン」は「Cooper」の「シックでエレガントかつエクスクルーシブな」モデル、そして「チェックメイト」が「Cooper S」の「クール&スポーティなエナジー」モデルとなっており、それぞれ専用塗装色と特別装備が設定されている。なお、この3タイプの特別仕様車は、全世界共通のもので、現在の販売の中心となっている。

2006年9月にMINI Cooper S with JCW GP kitという全世界2000台の限定生産モデルが日本でも発売になった。日本での発売台数は160台。

このモデルはJCWというレーシングイメージを強く押し出したモデルで、ノーマルのSの170psという出力からなんと218psという小型FFとしては限界ともいえる高出力を引き出したモデルになっている。内装も大きく変わり、後部座席を撤去し2座席としている。フォグライトやリアワイパーを撤去し、軽量化の為にキセノンからハロゲンにヘッドライトを変更している他リアのロアアームもアルミを採用し、JCW専用のサスペンションとブレーキを採用するなど走りをイメージさせる。シートもレカロ製を採用し、サイドサポートも従来より改善されたが、やはりデザイン重視であり軽量化、スポーツ走行の観点からすると採用に疑問が残る。軽量化の反面、１８インチ大径ホイールの採用や巨大な整流板などの増加もあり、結果として車両重量は1195kgでCOOPER Sより15kgほど重量増となった。

他にも多くの部分で見直しが計られスポイラーや車体下部の大きな整流板など、空力にもかなり手を入れている。結果として、最大速度は240km/h、0－100km/h加速においては6.5秒というラインナップの中では最高の性能を発揮している。

発表当時はチューニング内容やデザインに関して賛否両論があったが、現在ではプレミアム・コンパクトカーの代表車種となり、日本でも人気が高い。

2006年に2代目が発表されており（後述）、日本向けは同年10月を持ってオーダーストップとなる予定。 2006年11月、日本専用として300台のデザイナーズチョイスというモデルが発売になった。内訳は「COOPER」100台、「COOPER S」100台である。

[編集] ラインナップ

MINI ONE(MT￥2,058,000,CVT￥2,163,000)
MINI ONE D（日本未導入）（ディーゼルエンジン）
MINI COOPER(MT￥2,383,500,CVT￥2,488,500)
MINI COOPER S（6速MT￥2,793,000,6速AT￥2,950,500）

MINI ONE Convertible（日本未導入）
MINI COOPER Convartible（MT￥2,824,500,CVT￥2,929,500）
MINI COOPER S Convertible（6速MT￥3,234,000,6速AT￥3,391,500）

MINI ONE SEVEN
MINI COOPER SEVEN
MINI COOPER PARK LANE
MINI COOPER S PARK LANE
MINI COOPER CHECKMATE
MINI COOPER S CHECKMATE
MINI COOPER S JCW
MINI Cooper S with JCW GP kit

[編集] 車体色

チリ・レッド
ベルベット・レッド・メタリック(2003年8月22日廃止色)
ソーラー・レッド・メタリック(セブン専用色)

ソリッド・イエロー(初代色)
ホット・オレンジ・メタリック(Convartible専用色)

ソリッド・ブラック(マイナー後に廃色)
アストロ・ブラック・メタリック
ブラック・アイ・パープル・メタリック(初代色)

ブリティッシュ・レーシング・グリーン・メタリック
シルク・グリーン・メタリック(マイナー後に廃色)

ソリッド・ペッパー・ホワイト(2004年3月生産よりCooper Sにも適用)
ソリッド・ゴールド・メタリック(2003年8月22日追加色)

ピュア・シルバー・メタリック
ダーク・シルバー・メタリック(Cooper S専用色)
ロイヤル・グレー・メタリック(PARK LANE専用色)

インディー・ブルー(マイナー後に廃色)
ハイパー・ブルー・メタリック(初代色)
エレクトリック・ブルー・メタリック(Cooper S専用色⇒2004年3月生産より全車種適用)
クール・ブルー・メタリック(Convartible専用色)
サンダー・ブルー・メタリック(JCW GP kit専用色)
スペース・ブルー・メタリック(CHECKMATE専用色)

（２代目からの車体色）

ナイト・ファイヤー・レッド・メタリック(２代目Cooper色)
ソリッド・メロウ・イエロー（２代目色）
スパークリング・シルバー・メタリック(２代目Cooper色)
ライトニング・ブルー・メタリック(２代目色)
レーザー・ブルー・メタリック(２代目Cooper S専用色)

[編集] コード

R50:~'06 MINI One/Cooper
R52:MINI (Cooper/Cooper S)Convertible
R53:~'06 MINI Cooper S(John Cooper Works GP Kit含む)
R56:'07~ MINI Cooper/Cooper S

[編集] 型式

GH-RA16:~'06 MINI One/Cooper
GH-RE16:~'06 MINI Cooper S
GH-RF16:MINI Cooper Convertible
GH-RH16:MINI Cooper S Convertible
ABA-RE16GP:MINI Cooper S with John Cooper Works GP Kit
ABA-MF16 :'07~ MINI Cooper
ABA-MF16S:'07~ MINI Cooper S

[編集] 2代目（2006年～）

2代目

2006年発表。エンジンはBMWとフランスのPSAグループとの共同開発による新型エンジン(コードネームPrince)シリーズにリプレースされた。最初はバルブトロニック技術を採用した直列4気筒DOHC1600cc（最高出力120ps）エンジンを搭載する「Cooper」と、通常のバルブ機構を備えた直列4気筒1600ccツインスクロール直噴ターボチャージャー（最高出力175ps）の「Cooper S」が発売され、2007年には直列4気筒1400cc（最高出力95ps）搭載の「One」と直列4気筒1600ccターボディーゼル（最高出力110ps）搭載の「Cooper D」も追加される予定である。トランスミッションはゲトラグ製6速MTとパドルシフト付きのアイシンＡＷ製6速ATが用意され、油圧制御式湿式多板クラッチの制御問題から評判が良くなかったCVTは廃止された（変速機の出来としては非常に高評価するファンもいる）。発売は先にCOOPERとCOOPER Sが英国及びドイツで11月に発売開始。日本では2007年2月24日に発売された。このあと、2008年にはワゴンタイプが発売されると予想されている。

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[編集] 生産

MINI増産のための生産体制として、2006年9月12日からMINIプロダクション・トライアングル（生産トライアングル）と称する英国内の3工場での製造が開始された。スウィンドン工場ではボディパネルのプレスおよびシャーシコンポーネント・サブアセンブリー、オックスフォード工場(カウリー:Cowley)ではシャーシ、塗装、組立、バーミンガム近郊のハムス・ホール工場では以前ブラジルで行っていたMINI専用ガソリンエンジンを製造している。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズに、MINI (BMW)に関連するマルチメディアがあります。

表・話・編・歴ブリティッシュ・レイランドの盛衰 - 自動車会社とブランド
ブランド	1900			1910			1920		1930		1940			1950		1960				1970	1980		1990		2000			2006
ジャガー								SSカーズ					ジャガー			ジャガー		BMH	ブリティッシュ・レイランド			ジャガー	フォード
デイムラー	デイムラー			BSA					BSA
ランチェスター	ランチェスター								BSA
MINI															BMC^[1]							オースチン・ローバー	BAe	BMW		BMW/MINI
ライレー	ライレー									ナッフィールド・オーガニゼーション														BMW
MG								モーリス・ガレージ (MG)																BMW	MGR		南京汽車
モーリス					モーリス				モーリス
ウーズレー	ウーズレー^[2]								モーリス
オースチン	オースチン												オースチン
バンデン・プラ			バンデン・プラ										オースチン												フォード ^[3]
ローバー		ローバー											ローバー				ローバー								BMW/MGR				フォード ^[4]
ランドローバー													ローバー												フォード
アルビス								アルビス^[5]																BAEシステムズ
スタンダード		スタンダード										スタンダード・トライアンフ				レイランド								BMW/トライアンフ^[6]
トライアンフ						ドーソン	トライアンフ					スタンダード・トライアンフ				レイランド								BMW/トライアンフ^[6]

註

^[1] The BMCの英国での商標権はMGローバーグループが所有(1564704, E1118348)。BMCはトルコの商用車メーカー名でもある。ここは以前BMCのトルコの子会社だった。2006年7月17日時点では南京汽車に商標権は渡っていない。

^[2] ウーズレーの商標権は自動車に関してのみMGローバーグループが所有している(UK 1490228)。2006年7月時点で他の会社に商標権は渡っていない。英国の建築資材メーカーであるWolseley plcがウーズレーのその他すべての商標権を保持している。Wolseley plcはウーズレー自動車の生みの親である。

^[3] バンデン・プラの商標権はフォードが米国とカナダでの使用権を所有している。MGローバーグループがその他の権利を保持している(UK 1133528, E2654481)。南京汽車が購入すると目されているが、2006年7月17日時点では南京汽車に商標権は渡っていない。「ジャガー XJ バンデン・プラ」というモデルがあり、これが英国デイムラーのブランドとなっているからである。ローバーが最後にバンデン・プラを使用したのはローバー75・バンデン・プラで、これはリムジンモデルだった。

^[4] ローバーの商標権はBMWが保持しており、MGローバー・グループにライセンス供与されていたのみ。BMWは2006年9月にローバー・ブランドをフォードに売却した。

^[5] アルビスはブリティッシュ・レイランドからUnited Scientific Holdings plcが1981年に購入している。2002年にはビッカーズ(Vickers Defence Systems)と合併し、アルビス・ビッカーズとなった。2004年、アルビス・ヴィッカーズはBAEシステムズに買収されている。BAEシステムズは1990年代初頭のオースチン・ローバー・グループ/ローバー・グループを所有した際にはアルビスははずされていた。アルビス・ブランドの車は1967年から生産されていないが、そのブランド商標権は、アルビス・ヴィークル社(Alvis Vehicles Ltd)が所有している。

^[6] 車両に関する商標としてのトライアンフの使用はBMWとトライアンフ・モーターサイクル社が共有している。BMWが自動車、トライアンフ社がモーターサイクルに対してのもの。トライアンフでの事業は1930年代からすでに分離されていた。

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