クライシスゾーン
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『クライシスゾーン(くらいしすぞーん)』とは、ナムコから発売されたタイムクライシスシリーズのアーケードガンシューティングゲーム。あまり見掛けることはないが、タイトルの頭文字から取った『CZ』との略称もある。
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[編集] 概要
歴代のタイムクライシス、タイムクライシス2に続く第三作目のアーケードガンシューティングゲームで、ガンコントローラー(ガンコン)は、サブマシンガン型を採用。今回は、サブマシンガンを使い、敵と戦うことになる。マシンガンの連射で、敵兵がよろけたり、多くの敵兵を薙ぎ倒したり、あらゆるものを吹き飛ばしたりするという、『マシンガンならではの爽快感』が定評であった。
2004年には日本国外(米国、欧州、韓国)向けに、プレイステーション2に移植された(『TIME CRISIS CRISIS ZONE』のこと。 詳細は、英語版Wikipediaを参照。)。
タイムクライシスシリーズの『外伝的作品』であり、VSSEも、ワイルド・ドッグも登場しない。
ここでは、日本のアーケードゲームにおける『クライシスゾーン』について記述する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
舞台は、ヨーロッパの英国。
2000年8月、英国の首都:ロンドン郊外に外資系電力会社『ガーランド・エレクトリック・インダストリー社』は、ロンドン支社でもあり、複合型都市型施設:『ガーランド・スクウェア』を設営した。
百貨店(デパート)の『ドライクリークプラザ』、中央広場の『ガーランドパーク』、そして最先端の技術開発の為の研究機関を設けているオフィスビル:『ガーランド・テクノロジーセンター』が存在する、ロンドンの人気スポットとなっている。
ところが、オープンから2ヵ月後のことであった。
『ガーランド・スクウェア』の施設を全て、デリック・リンチ率いる過激派組織:『URDA』が占拠し、大勢の人質を取り、多額の身代金を要求した。
『首都:ロンドンに極めて近く、外資系の企業が経営し、注目のスポット』としてガーランド・スクウェアは『URDA』の格好の標的だったのである。
また、URDAは英国政府の反体制を掲げ、外資系企業を連続して襲撃している組織である。
これに対し、英国政府はテロ鎮圧の為、クロード・マクガレン率いるスコットランドヤード(ロンドン警察)の対テロ特殊部隊:『STF(Special Tactical Force)』の第1小隊を現場に送り込んだ。
URDAの戦闘員達を次々と殲滅し、施設を逆制圧していく『STF』は、ガーランド・スクウェアの地下5kmに隠されし秘密、そして、『URDA』のリーダー:デリック・リンチの目的を知ることとなる……。
[編集] ステージ紹介
- ドライクリークプラザ(デパートステージ)
様々な商品が陳列するデパートでの銃撃戦。CD店→商品倉庫→工芸品店→スポーツ用品店を経て、最後では、1階の広場で重武装主力戦車と激戦を繰り広げることになる。
- ガーランドパーク(広場ステージ)
様々なオブジェや、屋台が並ぶ広場が舞台。数機もの機銃付き小型ジャイロヘリが登場するのはこのステージだけ。終盤では、1機の大型攻撃ヘリと応戦する。
- ガーランド・テクノロジーセンター(オフィスビルステージ)
『ガーランド・エレクトリック・インダストリー社』が、最新技術を研究する為に設立した、ロンドン支社オフィス 兼 研究所。事務室→研究室を攻略し、エレベーターに乗り、工事中のフロアに到着する。その工事中フロアで、URDA特殊工作員のタイガー、エッズィのコンビと死闘する。
*…以上のステージはプレイヤーが行きたいステージを選択、順不同でクリアする。その直後、次に紹介する最終ステージに挑む。
- ゲイザーI(地下原子炉ステージ 最終ステージ)
『ガーランド・エレクトリック・インダストリー社』が、原子力発電技術の発展の為に、極秘裏に『ガーランド・スクウェア』の地下5kmに設営した実験用原子炉(『ガーランド・スクウェア』自体、その原子炉の存在を隠蔽する為に建設したという可能性が高い。)。その制御室で、URDAのリーダー:デリック・リンチと英国の運命を賭けた最終決戦を繰り広げる。敵もかなり手強い。余談だが、『ゲイザーI』とは『自動湯沸かし器1号』というような意味。
[編集] 登場人物
[編集] STF
STF(Special Tactical Force)とは、スコットランドヤード(ロンドン警察)の誇る、対テロ特殊部隊である。 今回は、URDAによる『ガーランド・スクウェア』占拠事件に出動する。
ステアーTMPがモデルと思われる短機関銃(サブマシンガン)を標準装備としている。
また、ヘルメットに固定搭載されているゴーグル型HUDには、相手の銃口の向きを計測し、それが自分に向いていれば、『クライシスサイト』というロックオンサイトがその相手に表示され、その直後に、相手の銃撃が当たることを報知してくれる(但し、接近攻撃、手榴弾投擲といった、一部の攻撃については表示されない。 また、『クライシスサイト』が存在するのは、全タイムクライシスシリーズのなかでも、この作品だけ。)。
余談だが、隊員のヘルメットに固定搭載されているゴーグル型HUDの色は、隊長兵(クロード・マクガレン)を除いて、全員、黄色である(隊長兵は赤色)。
- クロード・マクガレン/Claude McGarren(主人公 プレイヤーキャラ)
- イギリス人(その名前から、フランスかアイリッシュ、スコットランド系と思われる。)
- 対テロ特殊部隊:『STF』第1小隊 隊長兵を務める青年。辣腕を発揮し、十数名程度の少数の部隊で、今回の事件を解決に導いた。
[編集] URDA
今回の敵となる勢力で、反体制のテロリスト集団。
英国を壊滅させる計画を実行せんと、『ガーランド・スクウェア』を占拠する。
また、それぞれ一台のみだが重武装の主力戦車と大型攻撃ヘリ、数機ものジャイロヘリを保有しており、軍事力は侮れない。
[編集] URDA幹部(ボスキャラクター)
- タイガー/Tiger
- アメリカ黒人
- 『虎』という意味のコードネームを持つ、『URDA』の特殊工作員であり、『ガーランド・テクノロジーセンター』内にて、相棒のエッズィと共に陣取る、赤いベレー帽を被り、黄色い戦闘服を纏った、身長2mを超す太った巨漢。
- 大型の機関銃を使用するが怪力の持ち主であり、工事中のフロア内に置いてある様々な資材で殴り付けたり、投げ飛ばしたりする。
- クロードの銃撃で昏倒、悪足掻きに手榴弾を投げ付けんとするも、クロードに撃ち落されたエッズィがそこに落下し、手榴弾がその場で爆発するという、不運、且つ、哀れな最期を遂げる。
- エッズィ/Edge
- アメリカ黒人
- 『刃の穂先』という意味のコードネームを持つ、『URDA』の特殊工作員であり、『ガーランド・テクノロジーセンター』内にて、相棒のタイガーと共に陣取る、赤いベレー帽を被り、緑色の戦闘服を纏った、痩せ型の男。
- 超人的な素早さとアクロバティックな身のこなしで相手を翻弄し、手甲のように装備する2連装の折り畳み式大型ナイフで斬り付けたり、ナイフを手裏剣のように多く投擲して襲ってくる(投げられたナイフは、撃ち落とせる。)。
- クロードの銃撃で撃ち落とされ、クロードに倒されたタイガーが手榴弾を投げ付けんとしたところに落下し、同じく、手榴弾が爆発するという、凄絶、且つ、悲惨な最期を遂げる。
- 尚、このタイガー、エッズィの二人組は、STFとの本格的な戦闘の前に、「これまでも、これからも、俺達に敵う奴など居ない。(タイガー:Nobody can beat us! エッズィ:Never before and never after!)」、という旨の台詞を豪語し、余裕を見せ付けていたが……。
- また、海外家庭版ではエッズィの台詞が「その通り、マクガレン隊長…見せてやろう!("Yeah,Mcgarren.Bring it on!")」、というものに変更されており、タイガー、エッズィのデザインも、かなり変更されている。
- デリック・リンチ/Derrick Lynch
- アメリカ人
- 反英国テロリスト組織:『URDA』のリーダーであり、ラスボスで、事件の首謀者。赤いベレー帽を被り、スキンヘッドで、モスグリーンの軍服を着た男。
- ガーランド・スクウェアの全施設を占拠し、多くの人質(実際には登場しない)を取り、多額の身代金を要求した。
- 一部の有用な部下、指揮官達とともにガーランド・スクウェア地下5kmにある極秘実験用原子炉『ゲイザーI』の制御室に潜伏、残りの部下達がSTFとの交戦している隙に、原子炉を核爆発、英国を放射能汚染させ、滅亡させるという恐るべき計画を目論む。どうにか制御室に辿り着いたSTFにショットガン、手榴弾で抵抗するも、部下は全滅させられ、当の本人もSTF隊員全員に蜂の巣にされた。
- 彼もほかの登場人物同様、海外版ではデザインが変更され、白髪、白髭を生やし、白い軍用コートを着た老人風になっている。
- 暴走した『ゲイザーI』は、核爆発寸前で、クロードによって止められ、国家滅亡の危機は回避された。だが、制御室が戦闘の余波で爆発、その所為で、直通のエレベーターが使えなくなり、帰還する際、STF隊員は、近くの非常階段で、地下5kmから地上まで上る破目になってしまう…。
[編集] URDA戦闘員(一般兵)
ここでは『URDA』に属する兵士達を紹介する。
また、敵兵の名称についての公式発表がない為、外見、役割等から判断した名称で紹介することとするので、了承されたい。
- 一般戦闘員(青服)
- 水色に近い青色の戦闘服に、防弾チョッキ、ガスマスク、黄色いベレー帽を着用しているURDAの戦闘員達(戦闘員ごとに装備の違いはあるが能力に変わりは無い)。ブルパップ式の突撃銃で銃撃する(また、防弾シールドを装備した者も居るが、こちらは、マシンピストル(サブマシンガン)で銃撃してくる。)。耐久力も、一発で倒れる者、数発撃ち込んで倒れる者等、多種多様である。
- あまり攻撃を命中させてこないが、最終ステージ:『ゲイザーI』では赤兵並の腕前を持つ者がほとんど。
- 一般戦闘員(鈍色服)
- 鈍色の戦闘服に、防弾チョッキ、ガスマスク、黒いベレー帽を着用した戦闘員。ブルパップ式の突撃銃で攻撃する。青い服の一般兵よりも耐久力が高い。
- 一般戦闘員(赤服)
- 『赤兵』ともいう。赤い戦闘服と、赤いベレー帽、防弾チョッキ、ガスマスクを着用している。「赤い服の敵兵は、いきなり命中弾を当ててくる。」、というタイムクライシスシリーズの伝統通り、突然現れ攻撃を当ててくる。
- 隊長戦闘員
- 都市迷彩模様の白い戦闘服、大型通信機を背負っていて青いベレー帽、防弾チョッキ、暗視装置が付けられたガスマスクを着用した前線指揮官。耐久力がかなり高く、銃撃を受けながらも攻撃してくるほどで銃の腕前もかなりのもの(余談だが、使用している突撃銃のデザインが、やや違っている。)。
- 出現数は少ない。最終ステージの『ゲイザーI』で多く登場するが、耐久力はやや低めに設定されている。
- 特殊戦闘員
- 黒い戦闘服、赤いベレー帽、ガスマスク、暗視装置、防弾チョッキを着用している。銃でなく、ナイフか、手榴弾での攻撃を行う(以下の二つで挙げる。)。
- 手榴弾
- 手榴弾を投擲する(手榴弾は打ち落とせる)。
- ナイフ
- 突然目の前に現れ、マチェット(山刀)のような大型ナイフで斬り付けてきたり、トリッキーな動きで翻弄しながらナイフを投げたりする(ナイフは撃ち落とせない)。
[編集] 登場兵器
- 重武装主力戦車
- ドライクリークプラザで最後に戦うことになる、URDAお抱えの重武装の主力戦車。ド派手に壁をブチ破って登場する。
- 強力な威力の主砲の他に、砲塔の上にガトリング砲、砲塔の両側面に大型ミサイルランチャーを装備、更に、車体にも、(銃眼がある)側面に機銃、後方に小型ミサイルのVLS(垂直発射装置)を、極めつけは、車体後部の貨物室にも大型ガトリング砲を二門搭載している程だ。
- 結局、砲塔を始めとする全ての武装は、クロード等の銃撃によって、ことごとく破壊され、爆散した。
- 大型攻撃ヘリコプター
- ガーランドパークで交戦する、URDAの保有する大型攻撃ヘリコプター。外見的には、RAH-66に類似している。
- 機関砲の徹底掃射の他、一度に8発もの対戦車ミサイルをこちらに放ってくる(また、超至近距離でのミサイル発射もある。)。また、胴体の兵器倉には、2発の大型ミサイル(橋を破壊するのに使用した。)、小型投下爆弾を搭載している。
- 最後には、クロード等の銃撃で、撃墜され、爆炎と、黒い煙を上げた。
- ジャイロヘリ
- ガーランドパークにて、数機現れる、URDAの小型のジャイロヘリ。機銃を装備している。
- 見た目通り、簡単な構造であり、耐久力が低い。よくよく見ると、戦闘員が搭乗、操縦している様子が見られる。また、その小さなサイズから一人乗りと思われがちだが、後部座席から一人の戦闘員が飛び降りるシーンがあり、二人乗りである。
- 黄緑色のジャイロヘリが多く登場する。終盤では、二機の赤い塗装のジャイロヘリが登場しており、黄緑色のジャイロヘリよりも、多少手強い。
- ガンカメラ
- ガーランドテクノロジーセンターの研究室で登場する、機銃付きの防犯用監視カメラ。元から存在するのか、施設を占拠したURDAによって仕掛けられたのかは、不明である(後者の可能性が高い。)。
- 天井裏の通気口(ダクト)から出現し、銃撃してくる。その命中率は、結構高い。
- 本体に撃ち込むことで破壊出来る。因みに、その実、本体の上から延びているコード付きアームを撃って破壊することで、本体を床に落とすことが出来る。
[編集] 外部リンク
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本編 | タイムクライシス - タイムクライシス2 - タイムクライシス3 - タイムクライシス4 |
番外編 | クライシスゾーン - プロジェクトタイタン |
関連作品 | コブラ・ザ・アーケード |
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