ライブドア事件
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ライブドア事件(ライブドアじけん)は、ライブドア(現ライブドアホールディングス)および当時子会社のライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)の事業行為において、証券取引法に抵触する違反行為があったとされる事件の通称である。2007年時点で、裁判において係争中の事案である。
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[編集] 概要
ライブドアの2004年9月期年度の決算報告として提出された有価証券報告書に虚偽の内容を掲載したとする疑いが持たれるなど、証券取引法等に違反したとされる2つの罪で、法人としてのライブドアとライブドアマーケティングおよび、同社の当時の取締役らが起訴されている事件である。
[編集] 経緯履歴
[編集] 2006年
- 1月16日 - 証券取引法違反の容疑により、六本木ヒルズ内の本社および堀江貴文の自宅・新宿の事業所など、東京地検による家宅捜査を受ける。
- 1月23日 - 証券取引法違反の疑いで東京地検により代表取締役堀江貴文、財務担当の取締役宮内亮治、関連会社ライブドアマーケティング(現 メディアイノベーション)の社長を兼ねる取締役岡本文人、金融子会社ライブドアファイナンスの社長中村長也4名が逮捕される。
- 1月24日 - 宮内亮治取締役の辞任が発表された。取締役会が招集され、堀江貴文代表取締役社長の代表権及び社長の異動が発表された。後任の代表取締役に取締役熊谷史人が、執行役員社長として平松庚三執行役員上級副社長が就任。
- 1月25日 - 堀江貴文前社長、岡本文人前ライブドアマーケティング(現 メディアイノベーション)社長がライブドア取締役を辞任。
- 2月9日 - 株式会社ライブドアオート(現 株式会社カーチス)とメディアエクスチェンジ株式会社がライブドアグループから離反を表明。
- 2月21日 - ライブドア株主被害弁護団が結成される。
- 2月22日 - 証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、堀江貴文前代表取締役ら三名を再逮捕し、熊谷史人ライブドア代表取締役を新たに逮捕した。これを受け、代表取締役の異動を発表し、山崎徳之取締役が代表取締役に就任。
- 3月11日 - ライブドア被害者の会が結成される。
- 3月13日 - 証券取引等監視委員会は、2004年9月期の連結決算を粉飾した疑いで堀江貴文、宮内亮治、熊谷史人、関連会社ライブドアマーケティング(現 メディアイノベーション)の元社長の岡本文人、金融子会社ライブドアファイナンスの中村長也5名と法人としてのライブドアを証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で東京地検特捜部に告発した。告発を受け、東京証券取引所はライブドア株およびライブドアマーケティング(現 メディアイノベーション)株の上場廃止を2006年4月14日に下すことを決定した。また、同日ライブドアでも記者会見を行い、山崎徳之代表取締役・羽田寛取締役・熊谷史人取締役が退任することを決めた。
- 3月13日 - 取締役会を開催し、2006年6月中旬に臨時株主総会の開催、新任取締役候補の一部を決定。新任取締役候補に選任されたのは、平松庚三社長、清水幸裕執行役員上級副社長、落合紀貴執行役員副社長。
- 3月13日 - 東京地方裁判所へ一時取締役の選任を申し立て。
- 3月16日 - 株式会社フジテレビジョンが保有のライブドア株式を株式会社USENの宇野康秀社長に売却する旨を発表。ライブドアとUSENは共同の記者会見を開催し、包括的業務提携の締結を発表。
- 3月17日 - 東京地方裁判所より腰塚和男弁護士が一時取締役として選任された。
- 4月14日 - ライブドア株式上場廃止
- 5月29日 - 株式会社ライブドアオート(現社名 株式会社カーチス)が、8月1日付で株式会社カーチスに商号を変更することを発表。
- 6月14日 - 臨時株主総会が幕張メッセにて開催され、取締役選任等の全議案が賛成多数で可決された。ただ、この臨時株主総会は2万人規模の会場を用意していたにもかかわらず参加者は1800人程度であった。
- 6月14日 - 臨時株主総会終了後の臨時取締役会に於いて、平松取締役と清水取締役に代表権を与えることを決議。
- 9月4日 - 当時のライブドア代表取締役堀江貴文の初公判が東京地方裁判所刑事第一部で開かれる。事件名は証券取引法違反。事件番号は平成18年特(わ)第498号等。
[編集] 2007年
- 2月13日 - 日本郵政公社が株式会社ライブドアの有価証券報告書等虚偽記載に伴う損害賠償請求訴訟を提起。
- 3月16日 - 東京地裁が、堀江貴文に懲役2年6月(求刑懲役4年)の実刑判決を言い渡す。堀江は即日控訴[1]。
- 3月22日 - 東京地裁は「捜査段階から実態解明に協力的だったが、社内でのその地位や役割の重要性から、堀江被告に準じて刑事責任は重い」として、宮内亮治被告に懲役1年8か月(求刑懲役2年6か月)の実刑判決を言い渡す。同日には、中村長也被告と岡本文人被告にそれぞれ懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を、熊谷史人被告に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡す。
- 3月23日 - 東京地裁は、法人としてのライブドアに、罰金2億8000万円の判決を言い渡す。ライブドアの平松社長は判決後の会見で控訴しないとした。
[編集] 容疑1:偽計及び風説の流布容疑
[編集] 東京地検特捜部が指摘する容疑事実
- ライブドアがライブドアファイナンスを介して実質的支配下にあるVLMA2号投資事業組合名義で既に買収していたマネーライフ社の企業価値を、ライブドアファイナンス従業員が過大に評価して、ライブドアマーケティング社(現メディアイノベーション)との株式交換比率を決めた事。
- 株式交換比率を決定した者が、ライブドアファイナンス従業員であるにもかかわらず、株式交換比率1:1について第三者機関が算出した結果を踏まえ両社間で決定したと発表し、あたかも第三者機関が株式交換比率を算出したかのように虚偽の内容を公表した事。
- ライブドアマーケティング社(当時バリュークリックジャパン、現メディアイノベーション)の第3四半期決算発表時に、当期純損失であったにもかかわらず、架空売上を計上するなどして、前年同期比で増収増益を達成し前年中間期以来の完全黒字化を達成した旨の虚偽事実を公表した事
- 東京地検特捜部によると上記の行為が、ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)株式の売買の為、及び同社株価の維持・上昇を図る目的で行われていたと主張している。
[編集] 買収に関わる概要
- 平成16年6月4日にマネーライフの株式を既存株主より、VLMA2号投資事業組合が全株式を4200万円で取得
- 東京地検特捜部は、VLMA2号投資事業組合はライブドアファイナンスが実質的に支配しているファンドであり、ライブドアグループに既に属しているにもかかわらず、その事実を公表しなかったと主張
- 平成16年10月20日、バリュークリックジャパン(現メディアイノベーション)が株式交換によりマネーライフを完全子会社化することを発表
- 東京地検特捜部は、VLMA2号投資事業組合はライブドアファイナンスの支配下にあるため、マネーライフが既にライブドアの支配下にあるにもかかわらず、ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)が株式を取得した時点で、初めてライブドアグループ入りしたかのような公表がされている点が問題だと主張している。
- VLMA2号投資事業組合が4200万円で買収したのち、3000万円の増資を行う。
- 実質価値は7200万円であるところ、ライブドアファイナンス従業員が4億円との算出をしたにもかかわらず、第三者機関によって算出が行われたと偽装するため、グループ外の第三者機関の名前を借り、第三者機関の意見として取り繕うよう提出されていた。
[編集] 架空売上
- ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)は、平成16年第3四半期において実態は、3200万円の経常損失、2100万円の当期純損失が発生していたが、ロイヤル信販・キューズネットに対する架空の売上を計上し、前年中間期以来の完全黒字化への転換を果たしていると虚偽の事実を公表していたとし、風説の流布の疑いがもたれている。
[編集] ライブドアによる内部調査の結果
ライブドアが2006年6月14日に開催の臨時株主総会で公表した内部調査結果によると、マネーライフに関わる上記の行為が実際に行われていたとしている。なお、これら一連の行為がどのような目的で行われていたかについては、依然調査中としている。
[編集] 容疑2:有価証券虚偽記載容疑
[編集] 東京地検特捜部が指摘する容疑事実
ライブドアは、2004年9月期の連結決算において、実態は3億1300万円の経常赤字であったにもかかわらず、業務の発注を装い架空の売上を計上すると共に、ライブドアが出資する投資事業組合がライブドア株式を売却する事で得た利益を投資利益として売上に計上、53億4700万円の利益を計上することによって50億3400万円の経常黒字であったとする、虚偽の有価証券報告書を関東財務局長に提出した疑いがあると指摘。
[編集] 弁護側が指摘する事実
当時の代表取締役であった堀江貴文(弁護人)らが、東京地検特捜部の指摘に対し提起・指摘した証拠もしくは反証材料に次のものがある。
- 人材派遣会社トライン買収に関連し発生した投資事業組合の利益の内、2億6,000万円がライブドアの元取締役野口英昭が香港に設立した会社(PSI)に渡っていること
- 野口英昭が香港に設立した会社(PSI)から、約1億5,300万円が宮内亮二、中村長也らが香港に設立した会社(PTI)に送金されている。
- 宮内亮二、中村長也の両名は公判でPTIに送金された金のうち、およそ4,000万円を私的に流用していたことを認めた。
- "東京地検特捜部がトライン買収の一連の取引を起訴事実に含めなかったのは、堀江主犯の構図が崩れてしまうからだけではなく、宮内亮二、中村長也らの背任行為(業務上横領)を見逃す代わりに検察に協力させるためで、公訴権の乱用である"として、大鶴基成特捜部長らの証人尋問を要求している。
- 証券取引法違反 平成18年特(わ)第498号等 の第13回公判で中村長也被告の証言の信憑性を追及している。中村被告は、自社株売却益を利用した企業買収の経緯について、堀江被告に報告した様子を証言したが、堀江被告は当時アメリカに滞在しており報告を受けることはありえないと指摘した。
[編集] 架空売上の計上
東京地検特捜部は、ライブドアが2003年10月1日から2004年9月30日までの会計年度において、ロイヤル信販及びキューズネットに対する架空売上として、15億8000万円の売上があったとし、その旨を記載した有価証券報告書を提出したと主張している。
ライブドアに対し、ロイヤル信販とキューズネットの2社から13億5500万円、ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)および、後にライブドアマーケティングと合併したイーエックスマーケティングに2億2500万円の、合計15億8000万円がライブドアグループの連結決算に架空の売上が計上されたのではないかと疑がわれているもの。
[編集] ロイヤル信販に対する売上計上
2004年8月30日にロイヤル信販を株式交換により、ライブドアの完全子会社化する事を発表すると共に、同日既存株主との間で株式交換契約を締結し、2004年10月12日に株式交換を実施。ライブドアの完全子会社になるのは、株式交換日の10月12日であるが、2004年9月中に外部企業が発注したように見せかけた取引が行われ、架空の売上を計上した疑いがもたれている。
ロイヤル信販は、現預金が豊富であったため、ライブドアの各事業部への発注があったかのように見せ掛け、取引実体が無いにも拘らず、架空の売上を計上したものであると、臨時株主総会の席上でライブドア側は述べている。
売上を計上した事業部等 | 売上計上額 |
(旧)メディア事業部 | 3億1500万円 |
(旧)モバイル事業部 | 2億1000万円 |
ネットワーク事業部 | 3500万円 |
(旧)コンサルティング事業部 | 1億4000万円 |
合計 | 7億円 |
[編集] キューズネットに対する売上計上
2004年9月3日に株式交換契約が締結されたキューズネットも同様に、株式交換日が2004年10月12日であった事から、2004年9月末までに架空売上が計上されたとされる。
売上を計上した事業部等 | 売上計上額 |
(旧)メディア事業部 | 1億3500万円 |
(旧)モバイル事業部 | 2億1000万円 |
ネットワーク事業部 | 1億3000万円 |
(旧)コンサルティング事業部 | 1億8000万円 |
合計 | 6億5500万円 |
売上を計上した子会社等 | 売上計上額 |
ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション) | 1億500万円 |
イーエックスマーケティング | 1億2000万円 |
合計 | 2億2500万円 |
[編集] 自社株売却益売上計上
東京地検特捜部は、ライブドアが2003年10月1日から2004年9月30日までの会計年度において、ライブドア株式の売却益37億6699万6000円が売上として計上されており、これは法律上許されない会計処理であると主張している。
クラサワコミュニケーションズとウェブキャッシング・ドットコムの2社の買収時に関して疑いがもたれている。
[編集] クラサワコミュニケーションズ
2003年7月、ライブドアは携帯電話関連事業を行っている、クラサワコミュニケーションズの買収を検討し、2003年8月、資産査定等を行った上で、8億円で買収する事に合意したが、クラサワコミュニケーションズの株主が現金による買収を条件とした。しかし、ライブドアは現金の支出を出来るだけ避けたいとの意向から、ライブドアファイナンスが、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合に8億円の出資を行い、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合がクラサワコミュニケーションズの株主から株式を買取り、クラサワコミュニケーションズの株主となった、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合とライブドアとの間で株式交換を行うことで、クラサワコミュニケーションズを子会社化する方法が考案された。
この株式交換により、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合に対し、ライブドア株式913,407株が交付された。 M&Aチャレンジャー1号投資事業組合は、株式交換で取得したライブドア株式をVLMA2号投資事業組合に現物出資し、VLMA2号投資事業組合が市場でライブドア株式413,407株を売却した。
[編集] ウェブキャッシング・ドットコム
ウェブキャッシング・ドットコムの買収に際しても、同社の株主が現金による買収を希望したため、クラサワコミュニケーションズと同様の方法で買収が行われた。 M&Aチャレンジャー1号投資事業組合に対し、ライブドア株式480,771株が交付され、VLMA2号投資事業組合に現物出資された後に、VLMA2号投資事業組合は市場で480,771株を売却している。
[編集] 株式売却の流れ
M&Aチャレンジャー1号投資事業組合が、クラサワコミュニケーションズとウェブキャッシング・ドットコムの買収に関わり取得したライブドア株式のうち、VLMA2号投資事業組合が、894,178株を43億3947万6888円で売却した。
また、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合が、当時のライブドア代表取締役堀江貴文からライブドア株式5,000株の貸株を受け、VLMA1号投資事業組合に対し現物出資を行い、VLMA1号投資事業組合が市場で売却し、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合が、クラサワコミュニケーションズとウェッブキャッシング・ドットコムの株式交換で、ライブドアより交付を受けた後に、堀江貴文に返却している。これら、一連の行為で13億3600万6524円分の株式を売却している。
これら取引から原資を引いた、37億6699万6000円を売上として計上している。
ライブドアおよび当時の取締役は、これら一連の取引による自己株式の売却益の売上への計上が法律上許されない行為であるか否かについては、外部の投資事業組合を通じた投資事業の収益であり売上として計上できるとして無実を主張している。最終的に、この件が粉飾決算にあたるか否かについては、投資事業組合が独立した存在であるか否かが争点となっており、公判係争中である。
なお、出資比率や取締役の派遣状況等から、明確に連結対象となるかどうか判断できる法人企業と異なり、業務執行組合員に対する影響力など複雑な状況、法人格を持たない任意団体を連結対象にすべきなのか等、総合的に判断されることになるとみられるため、裁判所の判断が待たれる。(堀江貴文被告の裁判における東京地方裁判所の判断(2007年3月16日)では、「脱法目的で作られた団体」であるというライブドアのケースのみの判断となる限定的なものとなっており、連結対象外の出資関係があるファンド等が自社の株式を売却した利益が含まれる還元益を売上に計上することが、会計上の違法行為に当たるのか当たらないのか明確な基準や判断が示されなかった。)
[編集] 事件発覚とその影響
[編集] 異常過熱報道
2006年1月16日、東京地検特捜部が証券取引法違反容疑で、ライブドアおよび関連施設等に強制捜査に踏み切った。また同社幹部などに対し事情聴取を行った。強制捜査を受け、翌日の株式市場ではライブドアおよび同社グループ各社の株式に売り注文が殺到し、ライブドアが翌日の17日に時価総額が1,500億円ほど目減りしたなどマスメディアに報道されることとなる。強制捜査以来、テレビでは特別番組が組まれ連日ワイドショーだけでなくニュース番組・情報番組など数ヶ月に渡って取り上げられない日は無い、と言えるほどであった。また、新聞には朝・夕刊ともに一面に登場し、殆どの週刊誌等の書籍に登場した。
マネーロンダリング、脱税、暴力団との関係、といった報道が全く事実確認をしていない状態で行われるなど、異常な報道は苛烈を極めた。また、「ライブドアは企業実態が無い」「虚業」「何をやっている会社か分からない」「拝金主義者」などの誹謗中傷的で一方的な批判的言論も飛び交った。更に井上トシユキや宮崎哲弥などは「オウム事件と酷似している」「光クラブ」と酷似しているといった説を唱えた。
特に産経新聞は、2006年1月23日の朝刊で、「ライブドア電子商店街から決算前に契約料徴収-利益計上後解約し返還」との見出しで虚偽の報道をしたり、2006年2月14日の朝刊では「ライブドアの退職者数が既に数百人」などと事実無根の報道を行った。産経新聞の報道は裏付ける事実も無く、取材も全く行わないで記事を掲載するなど、報道機関としての常識が疑われており、数々の批判がある。[2]
なお、松本サリン事件で問題となった報道姿勢に対する反省が全く活かされておらず、「関係者によると…」と言った、発言・根拠・証拠・挙証・責任の所在を明確にしない報道が世間を席巻したとし批判が上がった。マスコミの言う「関係者」が政府関係者であった場合、国家公務員であれば国家公務員法 第100条違反、地方公務員であれば地方公務員法 第34条違反であると、この問題を危険視する意見があった。これらが問題とされたのは、事実無根の情報がリークという形で、報道機関により何の検証もされないまま報道された事と、事実を含む情報がごく一部でもリークされたところにある。意図的な情報リークで世論を形成しようとする警察・検察の方針にマスコミが便乗するという状況で、記者クラブ制度に対する問題が、全く解決出来ていないと、日本のマスコミの閉鎖性を批判する意見がある。[3]
このようなマスメディア側の異常な反応はニッポン放送・フジテレビ関連の事案に対する一種の応報的対応とも取れる。
[編集] 財界の反応
当時経団連会長の奥田碩は、ライブドアの経団連入会に関して「ミスった」などとの発言があった。フジテレビが提携解消を行う動きを取るなど、ライブドアに対する社会からの風当たりは強くなっていった。[4]
[編集] 株主への影響
マネックス証券がライブドアとライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)および、事件とはまったく関係の無いライブドア関連銘柄(ライブドアオート(現 カーチス)、ターボリナックス、ダイナシティ)などの信用担保能力をゼロとしたために、他の証券会社が追従するのではないか(岩井証券がライブドア、ライブドアマーケティングについて信用担保能力ゼロで追従した。)との思惑や、信用担保能力が突然ゼロとされてしまった投資家が追証(追加証拠金の差入れ)発生により、投売りなどを行った結果、1月18日売り注文・買い注文が交錯し、売買高・注文件数が共に急増し、東証のシステム処理能力の限界に迫ったため、30分繰り上げて取引終了となることとなった。この東証の失態と株価暴落は世界に大きく報道され、全世界の株式市場に影響が及び、軒並み暴落した。これら一連の出来事をマスコミは「ライブドア・ショック」と名付けたが、投資家などは「マネックス・ショック」、「マネックス追証事件」として記憶した。 また、強制捜査着手後の株価下落によって損害を受けたと主張する株主1,000人あまりが集まり、2006年3月11日に「ライブドア被害者の会」を結成し、合計52億円の損失が発生したと主張した。
[編集] 子会社への影響
ライブドアが運営している各種サービスは事件後も通常業務を保ち、新サービスも追加しているものの、データセンター運営のメディアエクスチェンジ株式会社や中古車販売のライブドアオート(現 株式会社カーチス)がいち早くライブドアグループからの離脱の意向を表明した。ライブドアオートはさらに、2006年3月30日にライブドアに対し損害賠償請求を求めることを表明した。同社は、2006年8月1日付けで商号を「株式会社カーチス」に変更した。その他、未上場の子会社数社も他企業に売却されるなどし、2007年になってからもクループ縮小の傾向が続いている。
[編集] 大株主の異動
2006年3月16日にフジテレビが持ち株全てを1株あたり71円で、株式会社USENの宇野康秀社長個人に売却する旨を発表すると同時に、USENとライブドアの業務提携が発表された。 この提携に基づき、両社による業務提携委員会が設立された。また、6月14日のライブドア臨時株主総会において、USENの宇野康秀がライブドアの社外取締役に選任された[5]。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 「堀江被告に懲役2年6月の実刑・即日控訴」日経新聞、2007年3月16日。
- ^ "産経新聞よ、ライブドア「数百人の退職者」を証明せよ!" Livedoor: 2006-2-21. 2007年3月17日閲覧.
- ^ "Soichiro Tahara & Yasuhiro Tase speak on the political impact of the Livedoor affair." The Foreign Correspondents' Club of Japan.: 2006-1-31. 2007年3月19日閲覧.
- ^ "LDニュースが追った“戌の遠吠え”(上)" Livedoor: 2006-12-25. 2007年3月17日閲覧.
- ^ "USEN社長らを社外取締役選任へ…ライブドア" 読売新聞: 2006-6-1. 2007年3月17日閲覧.
[編集] 外部リンク
- livedoor ニュース - 堀江公判の被告人質問
- 堀江被告の最終意見陳述
- 2007年01月26日[1]
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