宮崎哲弥
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宮崎 哲弥(みやざき てつや、1962年10月10日 - )は、評論家、コンサルティング会社「アルターブレイン」副代表。福岡県久留米市出身。男性。内閣府経済財政諮問会議専門委員を経て、総務省「通信・放送の在り方に関する懇談会」構成員を務めた。また1998年12月から2006年3月まで新聞三社連合(北海道新聞社、中日新聞社<中日新聞・東京新聞掲載)>、西日本新聞社)の論壇時評を担当。2003年は共同通信の論壇時評も並行して担当した。2003年4月から2006年3月まで朝日新聞書評委員。2006年4月より京都産業大学客員教授。仏教者、共同体主義者(自称リベラルコミュニタリアン)。愛称は「てっちゃん」「宮哲(さん)」。
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[編集] 来歴
- 泌尿器科開業医の家に生まれ、小学校の頃は、ジャック=イヴ・クストーのドキュメンタリーを見て海洋生物学者に憧れる。シモーヌ・ヴェイユの影響を受け、中学卒業後、しばらく大手食品メーカーの工場や地元のレコード店、古書店員などバイトを転々する生活を送る。仕事をしていない時は、街を徘徊し、夜遅くまで家には寄りつかなかったらしい。当時を本人は、「高校までは札付きの不良だった」と述懐しており、又、「常にナイフを携帯していた」という。
- 小児喘息と不登校のため、あまり学校に通っていなかった小中学生の頃から、自宅にあった様々な思想書を読んでいた。例えば『資本論』は中学生の時点で読み通している(ただし社会主義者ではなく、社会主義と共産主義を「狂った理想」と非難している)。また小学校6年生で岩波新書を読んでいた。
- 小学校5年生から、不登校が始まり、中学校の三年間はほとんど学校に行かず、「不登校児の走りだったが、家が嫌いで、夜半まで盛り場や友人宅などで遊んでいた。」と語った事がある。補導歴もあるらしい。(当時、暇だったので映画館をはしごしたり、深夜はラジオの深夜放送を聴いていた。その頃からサブカルチャーにのめりこむ。)
- このままでは、犯罪者になると恐れた家族親戚一同が、一生精神病院で過ごすか、戸塚ヨットスクールに入るか、学校に行くかの選択を迫ったため、1年遅れで地元工業高校である久留米工業大学附属高等学校(現:祐誠高等学校) に入学。高三時に「上からの革命」を志し、大蔵官僚になろうと決意。東大文Ⅰ受験のためZ会に入り受験勉強を開始、始めた当初は、英語のbe動詞も理解出来なかった程だったが、三ヶ月間猛勉強(時には20時間も勉強したという)。早稲田大学教育学部に現役で進学、過度の飲酒で体調を崩してしまった事や、校風が合わなかった事を理由に中退。その後、慶應義塾大学文学部社会学科卒業・同大学法学部法律学科中退。大学時代に、シンクタンクや広告代理店の下請けを行うベンチャー企業に参画した。当時はバブル時代であったことから年収1000万円は稼いでいたという(「たかじんのそこまで言って委員会」)。それをきっかけに大手広告代理店で研究職に就く。「慶應SFCの大学院開設までの腰掛けのつもりだった」と述べた事がある。その後、同僚で学生時代からの友人だったコンピュータ科学者と研究開発コンサルティング「アルターブレイン」を設立。「アルターブレインは個人事務所ではなく、事業会社であり、現在の自分の社内地位は居候みたいなもの」とラジオなどで説明している。又、早稲田時代には、野田秀樹に憧れ、演劇サークルにも所属していたという。
- 『宝島30』で「評論家見習い」として執筆活動を始め(この肩書きは本人としては嫌だったらしい)、西部邁の推薦を受けて、処女評論集『正義の見方』(1996年)を出版した。政治哲学・宗教思想を「自分のシマ」とするも、ほぼどんな話題についても論評する。『宝島30』末期、雑誌全体が中沢新一に関して批判的な記事を連発(編集部記事・オウム信者と大学教授の中沢に関する対談など)する中、宮崎も「いいかげんにしてよ、ニューアカおじさん」というコラムを執筆した事がある。
- テレビ初出演は、1995年8月26日放送「ザ・スクープ」(テレビ朝日系)『オウムなニッポン─そして彼らはサリンをまいた』。取材、インタビュー、ナレーション、スタジオ解説を担当し、ほぼ全編の製作にかかわる。当人によれば「いきなり足のつかない深いプールに投げ込まれたような体験だったが、その後の人生を決定したような気がする」という。
[編集] 人物、交友関係
- 滑舌が悪く、テレビなどで話をしている最中にもよく噛む。また、息継ぎをせずに一気に喋ろうとするので、聞いている方まで息苦しくなるような喋り方もする。このことについてよくやしきたかじんに突っ込まれる。
- ときとして番組中に激昂のあまり、乱暴な言辞を吐いたり、机を叩くなどして暴力的な行動を取ることがある。当人は概ね「芸の範囲」としているが、(後述の「スカル・アンド・ボーンズ」の件などのように)「マジギレ」もあるらしい(『仏頂面日記』第3回)。「芸」「マジ」を問わず、キレた場合には司会者にもあまり配慮せず、筑紫哲也、田原総一朗、爆笑問題、テリー伊藤らが「被害」にあっている。
- かつて「たかじんのそこまで言って委員会」で少し飛ばした発言をしたことを気に病んだ宮崎は、収録後やしきたかじん氏に電話し、番組内での非礼について、おどおどした口調で丁重に謝罪したことを「たかじんONEMAN」でやしきたかじんに紹介されるほど、場合によっては配慮もちゃんと出来る人である。(やしきたかじんの談話はお笑い的な脚色がしばしばあり信頼性が薄いとの意見もある。)
- 在阪局の番組出演が多く周囲に影響されたためか、時折ブロークンな関西弁をしゃべることがあるが、当然やしきたかじんやメッセンジャー黒田などに「変な関西弁」としてネタにされる。
- 「私は自由主義者として」とBATTLE TALK RADIO アクセスで発言した事がある。
- 社会学者・宮台真司を言論界でのライバルかつ盟友であるとしている。宮台の院生時代からのファンだったと述べている(全論文をファイリングしているそうだ)。雑誌『サイゾー』の対談(『M2』)は有名である。一方、テレビ界では弁護士・橋下徹と仲が良く、「私の10倍もの収入を得る大先生」と茶化しているが(ちなみに、橋下もよく宮崎の事を茶化す)、「一緒に深夜番組をやりたい」と語ったり、二人で焼肉を食べに行ったりする間柄である。宮崎は、橋下を「おちゃらけたり、極端なことを言う時もあるけど、一本筋は通っているし、ここぞと言う時の発言にははっとさせられる」と評価している。
- 政治家でとくに親友と呼べるのは、自民党では林芳正、民主党では前原誠司、浅尾慶一郎だが、前原の趣味である鉄道だけはわからないという。
- 翻訳家の徳川家広、音楽評論家の許光俊は大学時代の親友。
- 青森の恐山菩提寺院代、南直哉とは盟友。日本の宗門では南の属する曹洞宗と浄土真宗との繋がりが深い。
- 歌手・華原朋美の大ファンであり、女優・杉田かおるは彼をいたく気に召しているようである(但し頭脳のみ)。かつては小泉今日子のファンクラブにも所属していた。
- 「2時ワクッ!」の「昼から生てっちゃん」(2005年10月終了)コーナー冒頭で、「好きな瞬間は胸キュン、宮崎哲弥です!」といったような内容の一言を、毎週構成作家に言わされていた。又、同番組では「私は、日本で天皇陛下以外なら誰にでも会える」と、人脈の豊かさをチラつかせている。
- 「自分は大衆とともに生き、大衆とともに死ぬ辻説法師なんだ」とも語っており、テレビ番組とりわけバラエティやワイドショーに積極的に出演している。超多忙を耐えている訳を聞かれ、「(これは)業(カルマ)(の結果)であり、今自分がおかれてる状態をコントロールできない」と話している。
- 近年では、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」を始めとして、大阪のメディアでの出演も多く、週に何回も東京と大阪を往復している。しかし大の飛行機嫌いであり、移動にはほとんど東海道新幹線を利用しているため「私にとって新幹線は通勤列車みたいなもの」と語っている。例外としては、毎月最終金曜日深夜の「朝まで生テレビ!」と出演が重なった場合で、金曜日午後に大阪で「そこまで言って委員会」の収録→東京へ戻る→深夜に「朝まで生テレビ!」の生放送の際、スケジュールの都合上飛行機で移動することがある。かつては「朝生」終了後始発の飛行機で再び大阪へ→「ベリーベリーサタデー」の生放送にぎりぎりで出演、という殺人的なスケジュールをこなしていた。2006年9月をもって、「ベリーベリーサタデー」は降板したが、「ぶったま!」「ウェークアップ!ぷらす」等、土曜日午前の大阪のテレビ局出演は多く、スケジュールの混み方は変わっていないようである。
- コラムニストの勝谷誠彦とは一見盟友関係にみえるが、最近は赤ちゃんポスト設置の是非やタミフル問題など対立点も目立ってきている。もともと保守派の文藝春秋のみならず、リベラル派の朝日新聞にも受けが良く、論理整合性とリアリスティックな状況認識を重んずる気質の宮崎と、週刊誌記者体質が抜けず、思い込みとその場の気分と文学的感性で執筆や発言を行う勝谷とでは、相容れない要素が多い。しかし出演番組の多くが重なっているため、両者が訣別する可能性は低い。
[編集] 評論、コメンテーターとしての活動
- 政治スタンスの基本は保守だが、極右も急進左派も斥けるという立場をとる。評論家としてデビューした際は、西部邁の推薦を受け、夫婦別姓反対論者として、八木秀次と同等のスタンスの新保守論客と見られていたが(ただし、後の項にあるように、宮崎の別姓反対論は一般的な保守論調とは大きく異なる)、西部、小林よしのりの両者が初期に関わっていた「新しい歴史教科書をつくる会」教科書を共同体=国家観を全面肯定するものと批判したため、保守派からアナーキーな国家認識を批判される事になった(実際は中間共同体重視なのだが)。又、小林の『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』批判でなされた「人の死はひとつの例外もなくすべて犬死である」という宮崎の、仏教思想から導かれた主張はニーチェ的虚無主義に近いものとみなされた。又、「人は死ねば生ゴミ」という、やはり仏教の死体観に基づく議論は、死者の慰霊を認めないマルクス主義などの唯物論に似たものとして物議を醸した。このような論難がきっかけとなり、小林とは一時、泥仕合のような論争を繰り広げていたが、現在では和解している(『新世紀の美徳』に詳しい)。ラジオで共演したり、宮崎が『わしズム』に寄稿したり(ただし連載中断中)、m2の対談本に小林がゲスト出演するほどの仲になった。宮崎自身の論調からも、ナショナリズム批判が消え、「つくる会」の教科書を非難する事もなくなった(ただし「つくる会」や歴史修正主義は今でも馬鹿にしている)。
- 最近では「天皇主義者か、近代的ナショナリストかと問われれば、明らかに自分はナショナリストだ」と発言し注目される。M2では、天皇主義者的な発言をする宮台にたいして、「ブディストとして天皇と釈尊のどちらを選ぶかといえば当然釈尊です」とも発言している。2000年以降は「リベラルホーク」としての立場からの発言が多い。
- 仏教者(ブディスト)としては、ナーガールジュナ(龍樹)を宗祖とする中観派を自任しており、「虚無主義者や唯物論者と混同されるのも、ナーガールジュナ以来の中観派の伝統」と認識している。いわゆる輪廻転生については否定的で、「まさに今、この世での、生死に対する主体の関わり方の変容こそ」が不死の門を開くとする。また趣味は仏教書のコレクションだという。
- 評論家としてデビューした当初から、当時、まだ政治家ではなく、専業の弁護士であった福島瑞穂を激しく批判しており、朝まで生テレビなどにおいても福島は宮崎の「噛ませ犬」のような存在になっている。その一方で、自分がホストを務める番組(『ニュースの深層』など)には福島をゲストとして招き、論点によっては認める姿勢も示している。
- かつて社会現象にまでなったアニメーション『新世紀エヴァンゲリオン』を、現世否定、他者否定のグノーシス主義に陥っているとして危険性を指摘した事がある。ただし「全否定派ではない」とも明言しており、特に劇場版完結編『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』の評価は両義的(『ぼくの命を救ってくれなかったエヴァへ』三一書房)。なお宮崎のエヴァ=グノーシス説に対しては、翻訳家の大瀧啓裕による強い反論がある(『エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影』東京創元社)。宮崎の側も、大貫隆の研究書『グノーシス考』(岩波書店)から(「(グノーシス主義は)超個人主義的な全体主義」「結局は独我論になる」「自己の無限膨張と他者喪失という問題性を抱える」)を引き、エヴァとの類似性を改めて指摘した(『憂国の方程式』)
- あまり知られていないが、ベストセラー『ノストラダムスの大予言』シリーズ(祥伝社)の著者、五島勉が一時期、創価学会のシンパであり、同シリーズの端々や『カルマの法則』(祥伝社)に創価学会教義の強い影響がうかがえることをはじめて暴露した(「すべては『ノストラダムスの大予言』から始まった」『正義の見方』洋泉社1996年、「私の死が世界の滅亡」許光俊編著『ポップ・カルチャー・クリティーク(4)99年の滅亡を夢見て』青弓社1999年)。
- かつては『m2』などで、森喜朗や武部勤を手厳しく非難したり、いわゆるリフレ派(インフレターゲット論者)の批判を行っていたが、現在では、森や武部とも良好な関係を結び、経済政策論的にもリフレ派に転向している。以上のような事から、左右両方の立場から「日和見主義者」とみなされる事もある。リフレ派転向に関しては、金子勝や木村剛の反リフレ論を真に受けてしまったと非を認めている。金子や木村、あるいは八木秀次(後述)を現在では論点によっては批判しているように、人間関係は是々非々で行っており、かつて共著を出した人物であれ馴れ合うということはしない。恩師であっても論争することがあるが(たとえば小浜逸郎や西部邁)、例外として呉智英と福田和也に関してはまだ一度も批判する様子を示したことがない。
- かつて、爆笑問題と筑紫哲也が司会を務めた『拝啓ブッシュ大統領閣下!! あなたが語らない10の秘密』において、番組中に流れたVTR(ブッシュ大統領がイェール大学時代に所属した学生サークル「スカル・アンド・ボーンズ」が、ヒトラーを信奉している陰謀組織であるといった内容や、ブッシュ大統領が信仰しているというキリスト教右派団体が、世界征服を企んでいるといった内容。)がデタラメであるとして激怒し、番組を収録中止に追い込むほどに、スタジオ内のセットを壊滅させた事がある。この同じ内容のVTRは、筑紫哲也が司会を務める筑紫哲也 NEWS23でもたびたび流されており、宮崎自身は筑紫哲也をあらゆるメディアで「報道人としてあまりに無責任だ。」と非難している。なおこの事に関して、小林よしのりと西部邁の『本日の雑談⑤』によると、宮崎哲弥は、その後に小林よしのりと会った際も「怒り心頭で、席を立って帰ろうとしたが、テリー伊藤に止められた」という話をしたそうで、小林は「宮崎哲弥が凄く怒ってたのがおかしくて」と笑っていたそうだ。
- それ以前には、宮崎は筑紫哲也 NEWS23にしばしば出演していた。また、『週刊朝日』2007年3月16日号(3月6日発売)の『朝日ジャーナル』復活企画で筑紫と対談し、筑紫編集長時代の業績を評価している。
- 週刊誌、月刊誌などの評論執筆活動も数多く行っており、月に1日も休める日はないという。とりわけ、月刊誌『諸君!』で連載されていた「『今月の新書』完全読破」では、毎月刊行される全ての新書本を読み、ベスト1冊ベター5冊ワースト1冊要注目5冊をピックアップして書評するという破格の企画で、その読書量と博覧強記の一端を垣間見せるものだった。『週刊文春』での書評コーナー「ミヤザキ学習帳」(毎週、テーマごとに幅広く本をマッピングして紹介する)にも、その読書量と目配りの広さが窺える。「ミヤザキ学習帳」は、2006年8月10日号(8月3日発売)で連載終了。『週刊文春』での書評連載は『1冊で1000冊読めるスーパー・ブックガイド』に収録されている。
- 『諸君!』での新書書評の連載期間は、1996年12月号~2006年3月号。連載前期の「解体『新書』」では、毎月一冊を書評。2003年7月号から「『今月の新書』完全読破」にリニューアル。「新書といえば宮崎」という評判を高め、雑誌や新聞の新書特集に登場することが多くなる。この新書評の連載の後半は『新書365冊』(朝日新書)に収録されている。
- 『週刊文春』2006年8月31日号(8月24日発売)より、「仏頂面日記」と題し、日々の生活や仕事や付き合いを綴った日記に、映画、テレビ、本、時事評論を交えた連載を開始。毎週、掲載されている写真は自分で撮影した物との事。
- 他に週単位の連載物として『週刊プレイボーイ』の時事評「明日はどっちだ! ニュースジャッジ」がある。ちなみに、このコラムは宮崎が出演するABC『ムーブ!』の「マガジンスタンド」で、毎月曜日に紹介される。また、携帯電話「TSUTAYA on line」で、コラム「宮崎流DVDの哲人」を連載中(毎木曜日更新)。
- 月刊誌では、『論座』に元『噂の真相』副編集長、川端幹人との対談形式の週刊誌批評「中吊り倶楽部」、『Style』に主にサブカル関係の書評「今月の“女力”強化本」、また『Domani』に意識調査など数字をテーマにした時事コラム「数字で読み解く社会」を連載している。
- 夫婦別姓論、臓器移植、輪廻転生などの否定論者。夫婦別姓については、保守派の論旨ではなく、旧来の「イエ」制度批判の観点(別姓制度によって、生家の姓を名乗る事は親子の自立を妨げる。)から否定している。なお、妻との姓は異なる様に見えるが、戸籍上は妻と同じであり、婚姻時に妻の姓を称する事としたためである。
- 『諸君!』2005年7月号の政財界人、言論人のアメリカ、中国に対する姿勢を審査する記事においては、自らの姿勢を「嫌中」、アメリカに対しては、「イラク戦争に関しては始めるべきでなく、失敗だった点で反米だが、反米思想が陳腐であり、姻戚や知人がアメリカに多く、また移住してもいいと思っている点で親米なのでブレがある。どちらかと言えば反米。」としている。
- 2005年から2006年にかけて、若者を中心として起きている「嫌韓流」ムーブメントを議論が活発になる点において高く評価している(ただし『嫌韓流』作品自体は「(民族差別などプロパガンダの色が濃いため)ベタ過ぎる。」として評価していない)。
- 2006年5月「たかじんのそこまで言って委員会」や「ムーブ!」を始め、宮崎が出演した番組では、日本テレビのアナウンサー炭谷宗佑が女子高生のスカートの中をカメラ付き携帯電話で盗撮して書類送検されていた事件に対し、同局や在京キー局が、事件や実名を報じていない事に憤っており、事件について言及する際に、実名を挙げて番組内で発言した。その影響からか、出演していた日本テレビ「NNN Newsリアルタイム」の討論コーナーは同年4月28日をもって打ち切られた。
- TBSラジオ「BATTLE TALK RADIO アクセス」にて、テレビに出演して顔が知られるようになって間もない1998年10月の初回から、火曜のトークパーソナリティを務めている(現在は水曜)。当時の番組での肩書きは“新進気鋭の評論家”。宮崎は2005年7月13日・14日のTBSの長峰由紀アナウンサー(当時ナビゲーター)の代打として、フリーに転出後、仕事のなかった元朝日放送アナの山本モナをムーブ!時代の付き合いで紹介し、その後2006年1月9日からアクセスの月~木のナビゲーターを担当する事になった。それをきっかけとして山本は、2006年9月25日から「筑紫哲也 NEWS23」のフィールドキャスターに起用される事となり、「たかじんのそこまで言って委員会」では「筑紫哲也にモナを取られた」と苦笑いを浮かべながらくやしがっていた(あくまでもシャレではあるが)。その後、FRIDAYによる山本と民主党・細野豪志衆議院議員との不倫スキャンダルが写真週刊誌によって報じられ、問題となった際には、「ジャーナリストとして自覚が足りない」「大馬鹿野郎」と叱った(『アクセス』)。一方で、「彼ら(山本、細野)は、私にしてみれば妹分、弟分みたいなもの」「双方と電話で話した」とし、何らかの相談を受けた事実を明らかにした(『たかじんのそこまで言って委員会』)。
- 「意味系・物語系の論評はしない」という方針のため、現在では、小説・漫画を論評する事は基本的にしていない(ただし、社会評論の題材として挙げる事はある)。小説に関しては、自身を文学オンチとしている。漫画はかなりの量を読んでおり、特にグルメ漫画には異様なまでに詳しい。
- 女系天皇問題に関しては、「男系優先、直系尊重(女性天皇は基本的に肯定、場合によっては女系天皇も容認)」の立場を一貫して堅持しており、「女系非容認論」「男系継承絶対論」に対しては、非現実的な血統原理主義として批判的である(『SAPIO』、『サイゾー』、『朝まで生テレビ!』、『たかじんのそこまで言って委員会』、『ムーブ!』など)。又、かつての盟友、八木秀次によって唱えられた「男系=Y染色体継承説」を、いち早く「疑似科学」と批判した事でも有名(『諸君!』など)。
- 「男女平等論に基づく女系天皇論は問題外」という姿勢も崩していない。天皇、皇族には一般的な意味での人権はないというのが持論で、リベラル派憲法学者、長谷部恭男の「お堀の向こう=人権保障の枠外説」を支持する。長谷部の著作(『憲法と平和を問いなおす』ちくま新書)から「この憲法の下では、平等な人一般の権利を享有することができず、自らの属する身分に固有の義務と特権のみを享受するにとどまる人々がいる。天皇家の人々がそれである」「『女帝』が認められないのは男女平等原則に反するという議論は、『飛び地』の外の憲法原則を『飛び地』なかに持ち込む倒錯した議論であってまじめな考慮に値しない」をよく引用する。
- 2006年9月、「ムーブ!」に出演の際、痴漢行為で逮捕された経済学者の植草一秀に対して、共演者の大谷昭宏・橋下徹と揃って「彼の経済的な学識、経済理論と、性癖は言うまでもなく全く別問題であり、(病気なので)理屈ではなく、しっかりと、その自分と向き合い治療すべきです。でっちあげとか陰謀とか、そういうこと言っちゃいけないんですよ」と強く訴えた。
- 2006年11月14日、朝日放送の3人のアナウンサーがセクハラにより懲戒を受けたことが判明。その直後の朝日放送の「ムーブ!」出演時(11月16日)には、この件に関して番組で一切取り上げられず宮崎のコメントもなかったが、11月24日放送の テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」で「一部の週刊誌報道が事実ならば、アナウンサーの『セクハラ』は強姦未遂罪、強制わいせつ罪に該当する可能性があり、刑事事件にせず、民事上の示談に持ち込んだことが問題だ」とコメント。犯罪を犯罪にしたがらない「個人や組織」を強く批判し、朝日放送の対応を責めた。この「朝生」の生放送の直前に「たかじんのそこまで言って委員会」の収録(OAは2日後の11月26日)があり、そのテーマの1つに「パワハラ」「セクハラ」が挙げられ、かつVTR中に「『セクハラ』という言葉が被害者ではなく加害者を守る実態になっているのでは?」という問題点が提示され、宮崎も同様の発言をしていた。
- 2007年1月号の論座(中吊り倶楽部)において、自らの支持者には下流層の者が多いという指摘を受け、そうした者達の代弁者という路線を歩むことを宣言した。
- 2007年1月1日の「朝まで生テレビ!」出演の際、放送終了間際に憲法論議が続くなか、穀田恵二衆院議員(日本共産党比例近畿ブロック選出)に向かって、テーブルに拳を叩きつけ「表に出ろといったな、いま!」と激怒した。宮崎が革新政党の護憲姿勢に対して、「戦後の憲法体制なんて、ごまかしですよ。嘘話だよ、こんな物は。あんたらの政党だよ」と非難し、穀田が「『あんたら』てどういう意味よ」などとけんか腰で迫ったことがいさかいの発端。穀田はその場で宮崎の「表に出ろといったな、いま!」という発言内容を否定していない。その後、宮崎に勝谷誠彦が加勢し、両者は穀田に「暴力政党!」「銃口から革命とかばっか考えてんだろ!」「バカ」「人殺し政党」といった悪罵を投げつけた。視聴者アンケート結果の発表を行っていた司会の田原総一朗は進行を中断し、「ちょっと、つまんない事言ってんな!」「下品さを晒け出してるぞ」と三者を鎮めた。穀田は自身のホームページで「私も言い過ぎた」としている。
[編集] 評論、コメンテーター以外の活動
- 政府の各種諮問機関(前出)に一般有識者枠で参画しているが、これを捉えて、左派系の論者や雑誌から御用評論家化の兆候ではないかという疑義が出された(辻元清美、田中康夫、『週刊金曜日』など)。これに対し宮崎は「個人的には迷惑以外のなにものでもない依頼だが、ささやかな社会貢献と思って引き受けることもある」「委員の椅子には何の執着もない」「もし自由に発言できないなら、ただちに辞める」などと立場を表明している(『朝まで生テレビ!』など)。実際、中央教育審議会の委員を中途で辞任している。「文部科学省の方針に沿うかたちでしか議論が進められない」「教育現場の声が反映されていない」「委員が多すぎて、ちゃんとした議論がなされていない」がその理由(『ムーブ!』『アクセス』など)。
- 一度「朝まで生テレビ!」で、田原総一朗の代理司会を務めた事があるが、普段論客として出演する時とは違って、他の論客の話を丁寧に聞いてから自分なりの意見を言う、次にまた話を振るスタイルで好評を得た。こちらの方が向いているのではないか、という意見もある。「講演は苦手で司会のほうが好き」と述べた事もあり、自身を「メタプレイヤー」なり整理・交通整理役と考えているようだ。一時期、ポスト田原総一朗の最右翼と目されたこともあるが、当人が否定している上に、テレビでの活動領域がかなり異なってきているため(宮崎はワイドショー、バラエティ中心にシフト)、同等のポジションを受け継ぐことはなさそうである。
- 2006年3月26日の「たかじんのそこまで言って委員会」でウィキペディアを名指しし、以前本稿に記されていた内容に対して「訂正を求めたい」などと番組上で指摘。番組収録前に、その内容の発信源であるデーブ・スペクターに詳細を問いただしたらしい。
- 2002月に新右翼の木村三浩、格闘家の前田日明、旧皇族の竹田恒泰らとともに「ブッシュ政権のイラク攻撃に反対する会」の発起人になった。ちなみにこの会には小林よしのりから小田実まで、政治的立場を超えた賛同人が集まっている。
[編集] 著書
[編集] 単著
あるインタビュー(斉藤哲也著『使える新書2 21世紀の論点編』WAVE出版 ISBN 4872902076 におけるインタビュー「僕はこんな新書を読んできた」の末部)において「書き下ろしで単行本は書かない、仏教に関する単行本を書き下ろして引退する」と宣言したことがある。
- 『正義の見方』(ISBN 4102900837、文庫版:ISBN 4102900837)
- 『身捨つるほどの祖国はありや』(ISBN 4163541101)
- 『「自分の時代」の終わり』(ISBN 4788798166)
- 『新世紀の美徳 ヴァーチャス・リアリティ』(ISBN 4022574798)
- 『憂国の方程式』 (ISBN 4569617336)
- 『ビジネスマンのための新・教養講座』(ISBN 4896916646)
- 『新書365冊』(ISBN 4022731060)
- 『1冊で1000冊読めるスーパー・ブックガイド』(ISBN 410303131X)
[編集] 共著
- (呉智英・橋爪大三郎・小浜逸郎・山田風太郎・松本健一・中野翠・福田和也・副島隆彦・石川好・西尾幹二・他)『ぼくらの「侵略」戦争』(共著)(ISBN 4896911857)
- (切通理作・村瀬ひろみ・丸田祥三・村崎百郎・PANTA)『ぼくの命を救ってくれなかったエヴァへ』(ISBN 4380972968)
- (大竹まこと)『これがマコトの日本の大論点』(ISBN 4062109174)
- (呉智英)『放談の王道』(ISBN 4788799413)
- (福田和也)『愛と幻想の日本主義』(ISBN 4393331834)
- (呉智英・佐伯啓思・片岡鉄哉)『人権を疑え!』(ISBN 4896914945)
- (近藤誠・中野翠・吉本隆明)『私は臓器を提供しない』(ISBN 489691452)
- (藤井誠二)『少年の「罪と罰」論』(ISBN 4393331958)
- (金子勝・木村剛)『日本経済「出口」あり』(ISBN 4393621646)
- (絓秀実・高澤秀次)『ニッポンの知識人』(ISBN 4584183848)
- (浅羽通明・山形浩生・斎藤環・大月隆寛・他)『立花隆「嘘八百」の研究』(ISBN 9784796627818)
- (小野展克)『ドキュメント平成革新官僚―「公僕」たちの構造改革』(ISBN 4121501195)
- (川端幹人)『事件の真相!』(ISBN 4797337974)
[編集] 「M2」単行本(宮台真司との共著)
- 『M2―われらの時代に』(ISBN 4022576995、文庫版:ISBN 4022614471)
- 『ニッポン問題。 M2:2』(ISBN 4901873040、文庫版:ISBN 4022615141 )
- 『エイリアンズ』(ISBN 4901873369)―キリンジの曲名からとった。
- 『M2:思考のロバストネス』(ISBN 4901873563)
- 『M2:ナショナリズムの作法』(ISBN 4901873601)
[編集] 翻訳
- 監訳(パトリック・J・ブキャナン)『病むアメリカ、滅びゆく西洋』(ISBN 4880861383)
[編集] 出演番組
[編集] 現在のレギュラー番組
- ムーブ!月曜(ABCテレビ)共演:勝谷誠彦・重村智計・二宮清純・花田紀凱等
- スッキリ!!火曜(日本テレビ系)共演:加藤浩次・テリー伊藤・香山リカ(精神科医)等
- ピンポン!水曜(TBS系)共演:福澤朗・木村郁美・安東弘樹等
- ニュースの深層水曜(朝日ニュースター)共演:堤未果
- BATTLE TALK RADIO アクセス水曜(TBSラジオ)共演:渡辺真理
- ムーブ!木曜(ABCテレビ)共演:大谷昭宏・橋下徹等
- たかじんのそこまで言って委員会日曜(よみうりテレビ) 共演:やしきたかじん・辛坊治郎・三宅久之・橋下徹・桂ざこば等
- 博士も知らないニッポンのウラ(インターネットテレビ ミランカ)共演:水道橋博士
[編集] 現在の準レギュラー・常連ゲスト
[編集] 過去の出演番組
[編集] ゲスト出演
- SmaSTATION (テレビ朝日系)
- ウェークアップ!ぷらす(よみうりテレビ/日本テレビ系)
- 踊る!さんま御殿!! (日本テレビ系)
- 太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。(レギュラー版 日本テレビ系)
- R30(TBS系)
- 城島茂のどっち派?!(TBSラジオ)
- GROWING REED(J-WAVE)
- Jam the WORLD(J-WAVE)
- たかじん胸いっぱい(関西テレビ)
- 報道2001(フジテレビ系)
- ザ・スクープ (テレビ朝日系)
- 出発進行!うめじゅんです(2006年10月21日ラジオ大阪)
[編集] レギュラー出演
- ベリーベリーサタデー!土曜(関西テレビ フジテレビ系)
- スタ☆メン(フジテレビ系)
- ニュースプラス1金曜マンスリーパネラー「爆論!言わせてもらうぞ」(日本テレビ)
- ザ!情報ツウ火曜(日本テレビ)
- ブンブンサタデー 世の中どこ見てんのよ!?ジャリバラ!(フジテレビ)
- 2時ワクッ!木曜(関西テレビ)
- ガラパゴス~絶滅危惧品種保護委員会~(関西テレビ)
- あさリラ!月曜(読売テレビ)
- デイリープラネット金曜発言中「次世代日本の構想」(日テレNEWS24 旧NNN24))
- ダウンタウン・セブン (毎日放送)
- チャレンジ!梶原放送局 (文化放送)
[編集] スペシャル番組
- ETV特集・漂流する家族~「日本人の意識調査2003」から~(2003年10月11日 NHK教育)
- 爆笑!2005年こうなる宣言!!(2005年1月3日関西テレビ系)
- 筑紫哲也VS爆笑問題の『拝啓ブッシュ大統領閣下!!あなたが語らない10の秘密』!(2005年1月26日 TBS系)
- ゲキセン!(日本テレビ)
- M2のテレビじゃ聞けないJ-POP批評(TBSラジオ)
- 爆笑問題&日本国民のセンセイ教えて下さい!(第5回2005年10月4日 第6回2006年4月4日 第7回2006年10月10日 テレビ朝日・朝日放送系)
- さんま・福澤の超報道2005ほんまでっかニュース(2005年12月30日 フジテレビ系)
- 爆笑!2006年こうなる宣言(2006年1月3日関西テレビ系)
- 太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。(2006年1月3日 日本テレビ系)
- 熱血経済スペシャル 俺たちの!突破宣言(2006年1月21日 テレビ東京系)
- 学校へ行こう!MAXニッポン学生1500万人緊急ホームルームスペシャル(2006年3月21日 TBS系)
- 金曜エンタテイメント さんま・福澤のほんまでっかニュースSP!(2006年4月28日 フジテレビ系)
- 徹底解剖!宮崎哲弥、43歳(2006年6月26日 MBSラジオ)
- 上田晋也の日本の宿題(2006年7月15日 テレビ朝日)
- FNS26時間テレビ 国民的なおもしろさ!史上最大!!真夏のクイズ祭り 26時間ぶっ通しスペシャル(2006年7月16日 フジテレビ系)
- ドスペ!・緊急特番!!仰天格差社会ニッポン!(2006年9月9日テレビ朝日系)
- ズバリ言うわよ!4時間SP-「ズバリ言うわよ! 炎の4時間メッタ斬りSP」(2006年10月3日TBS系)
- 所さんのこんな見方があったんだ!天才脳強化スペシャル(2006年10月13日TBS系)
- たけしの日本教育白書(第二弾 2006年11月11日フジテレビ系)
- NEWS2006 ダウンタウンがキャスターやりますスペシャル(2006年12月23日テレビ朝日系)
- ズバリ本音スペシャル 激論!どないやねん!?日本(2006年12月23日朝日放送)
- M2のテレビじゃ聞けないJ-POP批評2006(2006年12月29日TBSラジオ)
- 上田晋也の日本の宿題(2006年12月29日 テレビ朝日系)
- ツッコミ日本代表2006(2006年12月30日 テレビ東京系)
- 2006大論争5時間スペシャル「安倍政権の正体!!」(2006年12月31日 朝日ニュースター)
- 爆笑!2007年こうなる宣言(2007年1月3日関西テレビ系)
- 第28回ABCお笑い新人グランプリ(2007年1月8日朝日放送)
- サタデーバリューフィーバー・もしも私が主役だったら(2007年1月27日日本テレビ)
- NEWS2007 ダウンタウンがキャスターやりますSP春(2007年4月7日テレビ朝日系)