岐阜県立大垣南高等学校
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大垣南高等学校 | |
設置者 | 岐阜県 |
学区 | 西濃学区 |
設立年月日 | 1949年(昭和24年) |
校訓 | 謂ふ勿れ、今日学ばずとも來日有り。と |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制課程 |
学科 | 普通科 |
所在地 | 〒503-8522 大垣市浅中2-69 |
電話番号 | 0584-89-2331 |
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岐阜県立大垣南高等学校(ぎふけんりつおおがきみなみこうとうがっこう)は、岐阜県大垣市にある公立高等学校。地元では南高(なんこう)と呼ばれる事が多い。
目次 |
[編集] 学校概要
- 創立 1949年(昭和24年)
- 学科 全日制普通科
- 所在地 大垣市浅中2-69
- 制服 (冬服) 男子は詰襟の学生服、女子は濃紺のセーラー服 (夏服) 男女共に白色のカッターシャツもしくは開襟シャツ
- 校訓
- 謂ふ勿れ、今日学ばずとも來日有り。と(朱子『勧学文』の一節)
- その他の建学精神、モットー
- 図南鵬翼(荘子)
- 堅実真摯(初代学校長の愛した言葉)
- 文・武・芸 三道三立
- いずれも、現在でもさまざまな場面でよく使われる言葉である。歴史と伝統を大切にし、落ち着いた大らかな雰囲気から自由な校風と形容されることが多い。また比較的に堅実で粘り強く諸活動を行う気風がある。それは、極端に偏ることなく様々な分野で垣間見ることができる。
[編集] 沿革
- 1949年(昭和24年)大垣市美和町(現在は大垣東高校の敷地である)に設立
- 1974年(昭和49年)大垣東高校の新設に伴い、現在地である大垣市浅中に移転
- 1978年(昭和53年)創立30周年記念事業で北舎と南舎の間にある中庭に校章を模った人造池「おもだか池」が造られる。
- 1998年(平成10年)創立50周年記念事業で鉄筋2階建の同窓会館「南風館」落成。学習活動や部活動の研修施設として利用されている。
[編集] 特色
[編集] 構成
2002年頃までは、40人学級の8クラス編成で一学年320人という定員で構成されていたが、西濃学区の生徒減少に伴い、40人学級の7クラス編成で一学年280人という定員で構成されている。
[編集] 募集定員と受験傾向
定員のうちの2割(56人)の生徒を岐阜県教育委員会が定めるところの特色化選抜入試の枠として設け、そこから指し引いた人数分(224名)が一般選抜入試の募集定員となっている。西濃学区のなかでは特色化、一般ともに倍率が高い方であり、県下の普通科の中で比較しても人気の高い傾向が毎年見られる実績のある伝統校であり、安定した中堅的存在であるため根強い人気があるとみられる。また、近鉄養老線の最寄駅が学校に近いため、市内だけではなく、養老町や南濃町、海津町(二つとも現海津市)や揖斐郡部など近鉄沿線の生徒が通学しやすいことも少なからず影響している。
[編集] 学校の立地と周辺の環境
大垣市内の中でもやや養老町よりであり、のどかな田園風景が広がっている。国道258号線や名神高速道路といった交通量の多い道路が近くを走るが、いたって静かであり、学習をするにあたっての環境は良好。通学はほぼ全員が近鉄利用か自転車利用となっているが、学校近辺で一年中吹く強風によって自転車通学者は通学に苦痛を感じる事がしばしばある。とくに冬季間学校の北西から吹くいわゆる「伊吹おろし」には自転車での通学を思いのほか困難にしている。近隣には大垣養護学校があり、定期的に大垣養護学校の生徒との交流が行われ結びつきが強い。また隣接する浅中公園総合グラウンド(通称アスピック)には市内最大級の陸上競技場や野球場等があり、南高でも部活等でよく使うことがある。
[編集] 過去に行われていた行事
- 正式な名称は不明だが、宿泊研修などと呼ばれていた新入生の合宿があった。2000年代前半ごろまで行われていた行事で、毎年4月ごろに石川県の能登や滋賀県竜王町の研修施設に新一年生全員が宿泊し、学友との親睦を図り、高校での学習習慣をつける事を狙いとした合宿が存在した。内容は詩吟のような口調で、校訓の一節を復唱するといった物や、地引網、金沢大学の見学などが盛り込まれ、個性的なものであったらしい。
- 例年文化祭でもっとも人気が高いステージ発表の一つに職員劇というものがあった。これはキャストとして舞台に立つ教職員の有志を募り、15分程の芝居を生徒の前で披露するというものである。毎年サスペンス・ミステリー仕立ての作品になっており、推理編、解決編に分かれ、幕間に生徒は誰が真犯人であったか、その動機は何かを推理し、見事推理が的中した生徒には景品(図書券)が進呈されていた。普段垣間見ることのあまりなかった教師の一面が見られるということで生徒からは好評であったが、現在は行われていない。
[編集] その他行事
- 2001年からは希望者を募り毎年3月ごろにアメリカ合衆国ユタ州での語学研修を実施している。一回目を実施した後にアメリカ同時多発テロが発生した影響で2年間中断されていたが、現在は特色のある行事として毎年実施されている。
- 毎年3月には、その年度の中で、南高の知名度の向上や功労が認められた者に、「おもだか賞」が与えられる。おもだか賞は生徒会活動部門、体育系部活動部門、文化系活動部門、その他の活動部門に分けられ、それぞれ複数名ずつ授与される。なお、「おもだか」とは校章のモチーフにもなっている植物の名である。
- 9月上旬には文化祭・体育祭が催される。二つは2日連続で行われ、それらを総称して「南高祭」と呼ぶ。文化祭は各クラスのステージ発表や模擬店、文化系部活の展示・発表その他に格技場で有志によるバンドステージが行われる。体育祭では、数十年以上前からの伝統である棒倒しや、女子のマスゲームなどで盛り上がっている。
- 修学旅行先は岐阜県内ではオーソドックスな沖縄である。遡ると昔は九州方面が定番だったが、修学旅行における飛行機での移動が解禁され、南高は県内でもいち早く沖縄方面への旅行を実施した。また、一時期国際人養成の為中国への修学旅行が実施された(平成12年度のみ)がこれもアメリカ同時多発テロやSARS感染を危惧して中断し、代替の旅行として東京方面(平成13年度のみ)に行った年もあったが、現在は再び沖縄に行くという方向に修正している。
- 毎年2月にはカルタ大会が生徒会主導で催される。これは1・2年生生徒がそれぞれ体育館に集まり6~7人のグループで小倉百人一首のカルタ取りを行うものである。その体育館での予選を勝ち抜いた生徒は後日、南風館で行われる本線に出場し、その年の優勝者を決める熱戦を繰り広げる。ちなみに例年、本線に出場したものにはその成績に応じて、賞状と景品(図書券等)が授与される。
[編集] 部活動
- 運動系部活動
全国レベルの大会に常連であり、全国総体や全国選抜大会、国体で優勝した実績を持つフェンシング部や、県大会準優勝した野球部をはじめ、さまざまな部が活躍している。なかでも野球部はここ10数年間で夏の大会(平成4年・平成6年・平成11年)で3度の県準優勝を果たしている。かつて何度も日本一に輝いた名門水球部は、大垣東高へと受け継がれている。
- 文化系部活動
岐阜県下では大変珍しいオーケストラ部があり、2005年4月には愛知万博のオーストラリア館で行われたオーストラリアの高校生とのジョイントコンサートを成功させている。また、県大会出場の常連で中部大会出場の実績がある演劇部など、運動系部活にひけをとらない幅広い活躍を見せている。
- 運動系部活動一覧
- 野球部
- サッカー部
- バスケットボール部
- フェンシング部
- テニス部
- ソフトテニス部
- バレーボール部
- 陸上競技部
- ハンドボール部
- 空手道部
- 卓球部
- 剣道部
- 文化系部活動一覧
- オーケストラ部
- 演劇部
- 音楽部
- 美術部
- 自然科学部
- 英語部
- 茶道部
- 華道部
- 書道部
- 報道部
- 放送部
- パソコン同好会
[編集] 進学状況
ほぼ全員が進学希望である。国公立大学合格者数は平成9年の123名以降徐々に低下し、近年は国公立大学、難関私立大学への進学率が低迷しているものの、近県の国立大学に少人数ながらコンスタントに合格者を輩出し、東京の難関私大に合格する者や関西の有名私大に進学する生徒も少なくない。また、南山大学といった地元難関大や中京大学、名城大学、愛知大学、愛知学院大学という伝統的な地元有名私大グループ、いわゆる「愛愛名中」や椙山女学園大学、愛知淑徳大学、金城学院大学という名古屋を代表する女子大系私大グループ、いわゆる「SSK」へ多数の生徒が進学する傾向が例年強い。比較的、医療、看護系の大学への合格実績が高く、岐阜県立看護大学等にもほぼ毎年合格者がでているため、看護系希望者が女子生徒の半数ほどを占める文型看護クラスが編成される事もある。全体としては、国公立大はここ10年の平均で75人程度、私立大は500人強程が毎年合格を果たしてしている。
名古屋大学 3名 大阪外大 1名 名古屋工業大学 2名 岐阜大学 21名 明治大学 3名 南山大学 24名 愛知大学 51名 名城大学 82名 立命館大学 36名 同志社大学 9名 龍谷大学 17名
関西大学 14名 ほか
[編集] 著名な出身者
- 嶋聡(しまさとし)元民主党衆議院議員島さとし、現ソフトバンク社長室長
- 赤尾信敏(あかおのぶとし)京都議定書の際の国際連合局長 現日本ASEANセンター総長
- 伊藤之雄(いとうゆきお)政治学者、歴史学者、京都大学大学院法学研究科教授
- 川井浩(かわいひろし)元京都大学教授
- 服部勉(はっとりつとむ)東北大学名誉教授、元日本土壌微生物学会長
- 田中國昭(たなかくにあき)千葉大学名誉教授
- 六角聡子(ろっかくさとこ)モンゴル理工科大学名誉教授
- 安田隆夫(やすだたかお)ドン・キホーテ社長
- 和田昌美(わだまさみ)富士通ネットワークソリューションズ社長
- 土屋礼一(つちやれいいち)日本画家、RAG FAIR土屋礼央の父、松任谷由実の恩師
- 松岡憲治(まつおかけんじ)タレント、元笑っていいともレギュラー、俳優、元TBSプロデューサー
- 稲川良夫(いながわよしお)第11回アメリカ横断ウルトラクイズ優勝者、RUQS初代会長
- 浅野正紀(あさのまさのり)NHKアナウンサー
- 子安英八(こやすえいはち)ロサンゼルスオリンピック フェンシング代表選手
[編集] ゆかりのある有名人
- 長良将司(ながらまさし)アテネオリンピックフェンシング日本代表選手、現在は大垣南高校事務職員