都営バス大塚営業所
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都営バス大塚営業所(とえい‐おおつかえいぎょうしょ)は、地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅近くの文京区大塚1丁目にある営業所である。もともと東京市電の車庫として使用されていたところをバスの車庫に転用したもので、開設年は1925年(大正14年)と大変古い。都電の車庫はこれにより大塚駅寄りの現・豊島区南大塚に移り、1971年に廃止となった。担当路線は、その都電大塚営業所が運行した16、17系統の代替路線である都02、都02乙をはじめとする、文京区および周辺地域の各線である。営業所記号は「G」を用いる。
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[編集] 沿革
- 1925年?:東京市が大塚営業所を開設する(現在の地下鉄新大塚駅附近にあったとされる)。
- 1928年:現在地に移転する。なお、都電大塚営業所が旧都バス大塚営業所へ移転する。
- 戦中は、練馬、滝野川を分車庫として管轄する。
- 1946年:練馬分車庫を営業所に格上げ、練馬営業所とする。
- 1949年:滝野川分車庫を営業所に格上げ、滝野川営業所とする。
- 1959年:志村分車庫を開設する。
- 1966年:志村支所を営業所に格上げ、志村営業所とする。
- 1968年2月25日:巣鴨支所を開設する。
- 1971年3月18日:巣鴨支所を営業所に格上げし、巣鴨営業所とする。
- 1979年11月23日:学04系統を廃止する。
- 2002年12月1日:急行02系統を廃止する。
[編集] 現行路線
[編集] 都02甲系統
- 都02:大塚駅 - 新大塚 - 大塚車庫 - 春日駅 - 本郷三丁目駅 - 上野広小路 - 御徒町駅 - 蔵前駅 - 本所一丁目 - 石原三丁目 - 錦糸町駅
- 大塚駅行は御徒町駅、本所一丁目始発便あり。
- 都02:大塚駅 - 新大塚 - 大塚車庫(出入庫)
- 都02:大塚駅 - 新大塚 - 大塚車庫 - 春日駅 - 東京ドームシティ
- 都02:大塚車庫 - 春日駅 - 本郷三丁目駅 - 上野広小路 - 御徒町駅 - 蔵前駅 - 本所一丁目 - 石原三丁目 - 錦糸町駅(出入庫)
大塚駅を起点とし、錦糸町駅を結ぶ全長10.419kmの都市新バス系統である。愛称はグリーンライナーである。新大塚 - 本所一丁目で春日通り、本所一丁目 - 石原一丁目で清澄通り、石原一丁目 - 太平三丁目で蔵前橋通り、太平三丁目 - 錦糸町駅で四ツ目通りを走行する。新大塚 - 本郷三丁目駅で東京地下鉄丸ノ内線と、春日駅 - 石原一丁目で都営地下鉄大江戸線と並行して走行する。このように地下鉄との並行区間が多いが、錦糸町駅側を中心に利用は多い。過去には、何度も利用客数で都営バストップに立ったことがある。
本路線は1971年3月に、都電16系統(大塚駅前 - 錦糸堀)の代替路線516系統が運行の始まりである。運行開始当初は、区間便として大塚駅 - 厩橋、錦糸町駅 - 文京区役所(現:春日駅)も設定された。その後、新系統番号化が行われ、塚20系統と改められた。1982年に、錦糸町駅北口のバスターミナル完成に伴い、総武線ガード下の停留所から発着場所が変更となった。
その後、当路線は御徒町界隈のアメヤ横丁などをはじめとした商業地を抱えていることや、並行する地下鉄がほとんどないことから輸送密度が高く、乗客の入れ替わりも多い路線であったが、春日通りにおける渋滞による定時性の確保が難しいなどの問題も抱えていた。このため、それを改善することもかねて、1986年3月に渋谷営業所担当の都01系統グリーンシャトルに続く都市新バスシステムの第2期導入路線に抜擢された。なお、豊島区、文京区、台東区、墨田区の4区を通る路線であるため、PRがしやすいことも選定理由のひとつであった。これにより系統番号が現在の都02に改められ、「グリーンライナー」の愛称が付けられた。方向幕も全面青色のものに交換された。なお、今回の場合は、都01系統とは異なり、すべてを東京都独自の予算でまかなっていた。
平成に入ってすぐに、錦糸町駅北口再開発工事に伴い、錦糸町駅 - 石原四丁目で錦糸町駅行は経路変更を行うこととなった。すなわち、法恩寺橋をわたってすぐの交差点で親不孝通りに入り、江東橋交差点で京葉道路に向かい、錦糸町駅に到達するルートを取り、錦糸町駅 - 石原四丁目間はループ上の経路となった。錦糸町駅では、四ツ目通りの総武本線ガード下や南口(現在のタクシー乗り場近辺)において発着を行っていた。なお、これらが解消されるのは、1997年の錦糸町駅北口バスターミナルの完成まで待つこととなる。
当系統にとって転機が訪れたのは、2000年12月12日の都営大江戸線の全線開業のときである。概要で述べたように多くの区間で都営大江戸線と並行することとなり、大きな変化が予測されていたが、他系統と異なり運行本数の減少のみが行われることとなった。また、同時に新たなバスサービスとして当系統の大塚駅 - 春日駅間を途中主要停留所のみ停車する急行02系統が設定された。しかし、利用はふるわず2年に満たないうちに廃止されてしまった。また、この改正に伴い、朝夕を中心に頻繁に運転されていた大塚駅・大塚車庫 - 本所一丁目間の区間便は大きく減少した。
隅田川花火大会のときは、錦糸町駅 - 石原三丁目と三筋二丁目 - 大塚駅で分断運転を行っている。
過去には、春日通りの御徒町駅近辺で歩行者天国が行われたとき、あるいは上野広小路近辺で21時以降は迂回が行われていたが、現在では行っていない。
[編集] 都02乙系統
- 都02乙:池袋駅東口 - 東池袋四丁目 - 護国寺 - 大塚車庫- 春日駅 - 東京ドームシティ - 水道橋駅 - 一ツ橋(平日・土曜の朝のみ運行)
- 都02乙:池袋駅東口 - 東池袋四丁目 - 護国寺 - 大塚車庫 - 春日駅 - 東京ドームシティ
- 都02乙:池袋駅東口 - 東池袋四丁目 - 護国寺 - 大塚車庫(出入庫)
都02の本線と異なり、都電17系統の代替バス楽67系統(池袋駅東口 - 一ツ橋 - 有楽町駅)をルーツとする。1982年12月に一ツ橋 - 神田橋 - 日本銀行 - 東京駅八重洲口 - 有楽町駅間が廃止され、池67系統となり、その後1990年に平日・土曜の朝の一部を除き文京区役所まで短縮された。このとき、都02(甲)と一部重複しているために書類上併合され、都02乙を名乗るようになった。方向幕は誤乗防止のためダークグレーとして区別している。
折り返しの都合上、春日駅前停留所は一ツ橋行と東京ドームシティ行とで場所が異なり、一ツ橋行は都02甲系統の錦糸町駅方面の停留所を、東京ドームシティ行は文京区役所西側の停留所を使用する。なお、都02甲系統の東京ドームシティ行も同一である。
[編集] 上60系統
- 上60:池袋駅東口 - 向原 - 新大塚 - 大塚駅 - 南大塚一丁目 - 白山二丁目 - 春日駅 - 東大農学部 - 根津駅(←上野広小路) - 上野公園
- 上60:池袋駅東口←向原←新大塚←大塚駅←南大塚一丁目←白山二丁目←春日駅←東大農学部(朝・始発便のみ)
- 上60:池袋駅東口 - 向原 - 新大塚 - 大塚駅←南大塚一丁目
- 上60:大塚駅 - 南大塚一丁目 - 白山二丁目 - 春日駅 - 東大農学部 - 根津駅 - 上野公園
- 大塚駅 - 新大塚- 大塚車庫(出入庫)
- 1953年6月:池袋駅 - 御茶ノ水駅 - 水天宮間が開業する。
- 1971年11月:池袋駅東口 - 大塚車庫 - 御茶ノ水駅東口間に短縮される。
- 1977年12月16日:大塚車庫経由から、千石三丁目経由へ変更される。
- 1979年:上池袋三丁目経由から、池袋池袋サンシャインシティ・向原経由に変更される。
- 1982年12月26日:サンシャインシティ経由から、上下とも豊島区役所経由に変更される。
- 1990年7月21日:茶60系統を御茶ノ水発着から上野公園発着に変更し、系統番号を「上60」とする。
元来は、茶60系統:池袋駅東口 - 上池袋三丁目 - 大塚駅 - 大塚車庫 - 小石川四丁目 - 白山二丁目 - 東大農学部 - 御茶ノ水駅 - 水天宮間の運行であったのが、御茶ノ水駅発着となる。 池袋駅東口 - 大塚駅間の運行は平日・月 - 金曜は朝夕のみ、土曜・休日は午前中 - 夕方に偏っている。新大塚 - 大塚駅間では、春日通りから南大塚通りへ左側330度のターンを行う
[編集] 廃止・撤退路線
[編集] 学01系統
巣鴨営業所へ移管。
[編集] 学07系統
巣鴨営業所へ移管。
[編集] 上26系統
[編集] 学04系統
- 学04:池袋駅東口 - 向原 - 新大塚 - 教育大学前→小石川五丁目(終点・起点)小石川五丁目→湯立坂下→教育大学前 - (以降は、往路と同一停留所に停車)※往復共、主要停留所のみ停車
- 1960年 池袋駅 - 教育大学を開業する。
- 1979年11月23日 学04系統を廃止する。
都営バスが運行する学バスの中で、2007年1月時点で唯一欠番となっている当系統は、池袋駅と東京教育大学(現:筑波大学・茨城県つくば市)を結ぶ路線である。東京教育大学がキャンパスをつくばに移転することとなり、1978年3月31日を持って閉学した。このため、当系統は運行意義を失い、1979年11月に全線の廃止が行われた。
[編集] 車両
本営業所の車両は、いすゞ自動車によって製造または販売されたものが多く、車内放送装置はレシップ製である。なお、最近は車両メーカーの再編や東京都の車両導入の方針などもあり、K/L代では日野自動車、P代では日産ディーゼル工業の車両が導入されている。
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