New Immissions/Updates:
boundless - educate - edutalab - empatico - es-ebooks - es16 - fr16 - fsfiles - hesperian - solidaria - wikipediaforschools
- wikipediaforschoolses - wikipediaforschoolsfr - wikipediaforschoolspt - worldmap -

See also: Liber Liber - Libro Parlato - Liber Musica  - Manuzio -  Liber Liber ISO Files - Alphabetical Order - Multivolume ZIP Complete Archive - PDF Files - OGG Music Files -

PROJECT GUTENBERG HTML: Volume I - Volume II - Volume III - Volume IV - Volume V - Volume VI - Volume VII - Volume VIII - Volume IX

Ascolta ""Volevo solo fare un audiolibro"" su Spreaker.
CLASSICISTRANIERI HOME PAGE - YOUTUBE CHANNEL
Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions
国鉄583系電車 - Wikipedia

国鉄583系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

第11回(1968年
ブルーリボン賞受賞車両
583系(JR東日本所有車両)「日光新緑号」(2004年5月5日日光駅撮影)
583系(JR東日本所有車両)「日光新緑号」(2004年5月5日日光駅撮影)

国鉄583系電車(こくてつ583けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が設計・製造した動力分散方式寝台電車交直両用特急形電車である。

最初に使用された列車にちなんで「月光形電車」の異名を持つ。

当初581系電車として開発・製造されたため、同系列についてもここで記述する。

目次

[編集] 登場の背景

寝台設備を持つ電動車は、20世紀初頭のアメリカにおけるインターアーバン(都市間電車)などで数例見られ、営業運転も行われていたが、静粛性の問題や昼夜兼行とする経済的メリットが存在しなかった事から、少数・短期間にとどまり、本格的な寝台電車は以下で示す581系が世界最初である。

日本において、夜行列車機関車牽引の客車で運行される動力集中方式が一般的であった。1960年代初頭より、昼行列車については加・減速や上り勾配での速度に優れている電車ないしは気動車を用いることが一般化し、夜行列車についても一部が電車・気動車に切替えられたが、寝台車については静粛性の観点から従来通り客車列車が用いられていた。

1960年代に入ると好景気による輸送需要増大に伴い、全国的に優等列車の増発が進められた。この過程で、運転本数が多くなった急行特急列車に対し、運行する車両を置く車両基地の容量の問題が浮上してきた。また一方では、必要な車両を新規製造する費用の捻出が問題にもなってきた。

その解決策として、昼夜兼行で使用可能な寝台兼用電車を設計することになったものである。

従来の寝台車は昼間は車両基地で留置されていた。これに対し、昼夜兼行形の車両なら、1日により多くの仕事をすることができ、投資に対する費用対効果が高い。昼行用・夜行用それぞれに専用車を製造するよりも費用の節約になる。また、朝夕のラッシュ時間帯に通勤用車両が出払っていて余裕のある車両基地で寝台設備の解体・セットを行える。これで新規の地上設備投資も抑えられるのである。また、寝台列車としては当時の日本最速120km/hでの走行を可能にした。

当初は、寝台車の接客設備水準を考慮し、昼行列車では急行列車で使用する運用が想定されていたが、特急列車に対する需要が大きいことと、平均時速が遅い急行列車で使用する場合、十分な転換時間が得られないとの理由から、特急形電車として設計された。

[編集] 形式別概要

[編集] 581系

1967年京阪神地区発着の九州直通特急列車用に製造された。第11回(1968年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

1967年、南福岡電車区(門ミフ 現・JR九州)に配置され、10月のダイヤ改正で新大阪博多間の寝台特急「月光」と新大阪~大分間の昼行座席特急「みどり」として運転を開始した。なお、関西側における昼夜設備の転換作業は野洲電車区(現・京都総合運転所野洲派出所)で行われていた。

[編集] 外観

それ以前の国鉄特急形電車が、ボンネット形の先頭形状と低い屋根による速度感の強い外観だったのに対し、本系列は寝台スペースの確保のため、ほぼ限界いっぱいまで広げられた背の高い車体を持ち、先頭車については将来の列車分割・併合を見越して貫通扉を設けた。このデザインは、183系485系(200番台以降)など、後年の国鉄特急形電車のデザインに影響を与えた。

塗色は在来特急車の窓周り色(赤2号)に代わって窓周り色(青15号)とした。この青色は、寝台車の標準塗色をふまえつつ、新大阪で接続する東海道新幹線にイメージを合わせたものとされる。地色のクリーム色も、在来特急車のクリーム4号からクリーム1号として、落着いたイメージを持たせた。

冷房装置は、の吹出方向および車両限界の関係から、寝台電車用に新設計した小型の分散式AU15形を寝台区画ごとにクハネに8基、モハネ580形に4基、その他の形式に9基取付けた。モハネ580形はAU15形だけでは容量が不足するため床置形のAU41形も3基搭載している。

客扉は、戸袋が出来るのを避けるため折戸とし、腐食防止のためステンレス製とした。また、側面出入口付近に正方形(この形状は本系列独自)の自動巻取式側面愛称・行先表示器が装備された。これは本系列からの改造による419系・715系にもそのまま引継がれた。

[編集] 走行性能

走行性能的には、同時期の481系と同等である(583系共々481・485系と併結可能。JR化後に実績がある)が、車重の増加に伴い、台車の軸受等が強化された(但し後述の通り焼損事故が多発した)。先頭車のクハネ581形については、電動発電機および空気圧縮機を搭載する機器室が運転台直後に設けられている。空気圧縮機は181系や481系のC3000形に対してC2000形を搭載し、空気容量の関係で、食堂車のサシ581形の床下にも搭載している。

動力付き車両を寝台車に用いるという特殊事情から、遮音・防振の対策は非常に徹底されており、その後に登場した寝台客車と比較しても遜色のない水準にあった。また昼間使用時の4人掛ボックスシートについても、座席間隔を1,970mmとしてその居住性は同時期の181系や481~485系などの回転式クロスシートに対し、決して劣らぬものであった。

583系普通車座席(座席使用時)※後年の形態で、回転式ブラインドから横引カーテンに変更されている(2004年5月5日撮影)
583系普通車座席(座席使用時)※後年の形態で、回転式ブラインドから横引カーテンに変更されている(2004年5月5日撮影)

[編集] 接客設備

当初は、B寝台車兼用の普通車(1969年まで2等座席・寝台)モハネ581・580形、クハネ581形、サハネ581形と食堂車サシ581形のみが製造された。これは、A寝台車(1969年までは1等寝台)については昼間に使用する際に特急列車用1等車に必要な居住性を確保する方策がなかったためである。食堂車についても車体断面形状・側窓・冷房装置等を他形式と同一とした。

B寝台車の内装については、20系までの寝台客車で標準とされた片側通路式を廃し、座席車としての運用時に4人掛ボックスシートとして使用できる中央通路式の「プルマンスタイル」が採用された。そのため、上段・中段寝台用にプルマン式A寝台車と同様の明り窓が備えられている。モハネ580形の低屋根部(パンタグラフ取付部)については屋根高さの関係から中段・下段の2段とした。この部分は中段寝台の寝台舟および荷物棚の方式が一般部と異なっている。なお、構造上の都合により、原則として営業列車の走行中における転換作業は行わない事とされた(後述のとおり、臨時「日本海」の運用で走行中に転換作業を行った実績がある)。

また、20系までの寝台幅は52cmだったが、居住性改善のため、上段・中段寝台については70cmとした。下段については座席幅2人分を確保するため、1等開放寝台並の106cmとなった。この下段寝台は、特に子供連れの乗客から好評を得たという。

食堂車を除く各車両に、開閉できる窓のついた外開式非常口を備えた乗務員室が設けられた。

窓の日よけは、通常のカーテンや布製ブラインドでは寝台セット時にじゃまになるため、2枚のガラスの間に回転式ブラインドを仕込む方式とした(後年カーテンに交換された車両も存在する)。ブラインドの上下は窓上部に設けたハンドルの手動操作による。他車とのイメージ統一およびカーテンが食卓に支障するのを防ぐため、食堂車のサシ581形も回転式ブラインドとしている。

また、回転式ブラインド(但し、食堂車での採用は1966年・サシ181-100番台→1967年・キシ80 37→581系の順)以外にも、サシ581形から採用されたFRP製座席や、折りたたみ可能な片持式テーブルなどは、同時期以降における他形式の食堂車に波及した。

なお、このグループは青森運転所(盛アオ、現・JR東日本青森車両センター)には配置されなかった。

[編集] 583系

1968年10月、東北本線の青森電化に合せたダイヤ改正に際して開発された581系の改良型である。485系同様、先頭車他の付随車を含め、基本的な車体構造は従来の581系とほぼ同じ設計(通風器の配列が千鳥式から直線状になった―なお、581系電動車は、最終増備車の12のみこの形態である― モハネ582形の後位側床上冷房装置と乗務員室がモハネ580形とは正反対になったなど、車内外レイアウトにわずかな差異はある)で製造されたが、東北地区での使用を考慮して、耐寒耐雪構造となった。クハネ581形は、タイフォン(警笛)に耐雪シャッターが新設され、東北地区配属車には、黒磯駅停車しないで通過できるよう(直流車上切換列車選別装置および常磐線用列車無線装置を設置した。

青森、南福岡の両基地に新製配置された。

[編集] 電動車

電動車については、485系同様に3電源(直流、交流50/60Hz)運行可能の設計に変更された。東北地区での使用にも対応した。50/60Hz両用の主変圧器TM14形を搭載したが、絶縁油にPCB(ポリ塩化ビフェニル)を使用していたため1972年以降製造中止となり、代わりに絶縁油にシリコン油を使用し、TM14形と互換性のあるTM20形が開発され、1977年度より交換が施工された。

3電源直通運用は定期列車ではなかったが、1985年に臨時列車日本海51・52号」で日本海縦貫線を大阪~青森間で1度だけ通し運転されたことがあり、その際に大阪発の車両で酒田付近で寝台から座席に組替えるために係員が乗車し、乗客の目の前で作業を行った。慣れない作業ということもあって、非常に効率が悪く、秋田到着までにすべてが座席に転換させることができなかった。

[編集] サロ581形

581系製造当時用意されなかった1等車については、結局座席専用車両のサロ581形として設計された。設備は通常のリクライニングシートで、485系のサロ481形に準じたものであった。但し、他の形式の車両と同じ車体断面のため、サシ581形共々天井が高いという特徴があり、日よけも他形式と同じく回転式ブラインドである。

[編集] クハネ583形

1970年に新たな先頭車としてクハネ583形が開発された。それまで、制御車は電動車と同時増備であってもクハネ581形が増備されてきたが、これは小型・大容量に改良された電動発電機を床下に、空気圧縮機を助士席下の床上に移設(本形式第1エンドの点検蓋は空気圧縮機点検用である)するなどの改善により、クハネ581形にあった運転台後ろの機器室を廃止し、座席区画を2区画増やして定員を増加させた(クハネ581形より座席8名・寝台6名増)ものである。本形式は大部分が青森に配置され(入替に同所所属のクハネ581形は全車南福岡に転属)、東北本線・常磐線上野駅~青森駅間特急列車に昼夜兼行で使用され、高度成長期における東京~北海道間輸送の一翼を担った。

資料によってはクハネ581形が581系、クハネ583形が583系の制御車として製造されたように書かれているものがあるが、正確には誤りである。

[編集] 改造形式・区分番台

[編集] サロネ581形

1985年3月から急行「きたぐに」に583系を充当することとなった際、同列車はA寝台の需要が高いこともあって、サハネ581形からの改造による新形式サロネ581形が用意された。

オロネ14形などと同様のプルマン式2段寝台であるが、前述の通り元々がプルマン式であるため、車内はA寝台化による寝台セットの変化以外、モケットがA寝台用のグリーン系の色のものにされた(オリジナルは青)他、後位側の乗務員室前の1ボックスを喫煙席に変更し、座席背もたれの上部に備わる仕切が完全に固定化された程度であり、また外観上の差異も明り窓が横一列分少なくなっている位である。なお、昼間の使用例は臨時の「雷鳥」での運用がたまにある程度だったが、その際は普通座席車として使用された。

  • サハネ581-25・48~50・55・56→サロネ581-1~6

[編集] サロ581形100番台

1989年にJR西日本が「シュプール号」用として、サロ581形を改造した車両である。

車端部の座席を前後3列撤去してサロンとテーブルを設置した。座席定員は24名に変更している。

「シュプール号」用として改造されているが、「きたぐに」にも使用されている。

  • サロ581-12・27・34→サロ581-101~103

[編集] 正面デザインと貫通路について

本系列は、国鉄の特急形電車としては初めて前面貫通路が設置されたが、このデザインはのちの特急形電車にまで波及している。183系381系は当初より、また485・489系では1972年度のマイナーチェンジ形で本系列をベースにした貫通型先頭車が登場した。

しかし、当時の電車特急は長編成での運行が基本であり、分割・併合が実施されることはなく、のちに正面デザインは前面貫通型をベースとしつつ、貫通路を省略した先頭車が登場することとなった。なお、本系列は非貫通型先頭車登場前に製造が終了したため、貫通型先頭車のみが製造された。この非貫通型先頭車のデザインはアレンジを加え、781系キハ183系、さらには事業用車(443系193系など)にまで波及した。

その後、腐食や隙間風防止の観点から外扉の溶接を実施した物が存在し、中にはクハネ581-7(→クハ715-3)のように事故復旧時に非貫通型に改造されたものもあった。

国鉄時代末期からJR化後にかけ、特急列車の短編成化と分割・併合運転が増加し、国鉄時代は日の目を見る事がなかった貫通型先頭車を活用する例が他系列ででてきた。本系列でもJR西日本車が「シュプール号」で485系(クハ481形200番台)と併結運転を行う際に貫通路を使用していた。また、681系285系のように、最初から分割・併合を視野に入れ本系列に類似した外見・構造を持つ貫通型先頭車が登場するようになった。

なお、JR東日本の仙台配置車は一見すると外扉に切れ目が入っており開くように見えるが、修繕に際し完全に貫通路が埋められ非貫通型先頭車になっている。同編成の青森時代は外扉を溶接しただけで貫通路はそのままであったが、外見上はオリジナルに近付けられている。

余談だが、クハネ581・583形の正面愛称表示器は、183系以降の貫通型・非貫通型先頭車のそれと比べ横長で、かつ天地の寸法が小さい。また文字のみで愛称を表示していた頃は、他形式とは異なり文字は黄金色や金茶色が多く用いられていた。

[編集] 使用列車

臨時列車のみは除く。*の愛称は現在でも存在するが,運行経路は当時と異なる(区間短縮のみは除く)。

[編集] 中部・関西~中国・九州方面直通列車

昼行列車は1975年山陽新幹線博多乗入れ時まで、夜行列車は1984年2月までに廃止、または運用離脱された。

[編集] 九州内昼行列車

いずれも1984年2月に運用離脱された(485系に統一)。

[編集] 北陸本線運行列車

向日町車のうち耐寒耐雪工事施工車(南福岡所属時に施工)が限定充当された。蛇足だが、このような「同一区所、系列及び編成内容での編成分離運用」は、現在でも885系783系681系などで行われている。

[編集] 東北本線・常磐線運行列車

[編集] 難点

本系列は、1967年から1972年の間に434両が製造され、輸送需要の激増に大きく貢献した。しかしながら、以下のような問題点が生じてきた。

  1. 583系における寝台と座席の転換には極めて複雑な工程を要する。このため作業要員が多数必要で、ダイヤ編成上、作業時間の確保にも苦心した。1975年3月から1976年9月の間、特急「ゆうづる」のうち1往復は、要員不足のため、全車寝台に転換せず座席車扱で運転されたこともあった。また同時期、関西~九州間特急の一部でも、一部車両(2両~4両)の寝台を設置せずに指定席車として運転された事例がある。
  2. 581系の登場時点ではそのゆとりを歓迎された昼間の4人掛ボックスシートも、個人主義の広がりや、1972年に登場した183系以降、昼行特急電車における普通車座席の簡易リクライニングシートの普及、また、上部に寝台を格納することによる高重心構造による激しい揺れが発生することなどによって、徐々に敬遠されるようになった。
  3. 1974年に2段式B寝台を備えた24系25形が開発されると、3段式で特に上・中段寝台が窮屈な構造と、座席への転換時に人的コストが多大に掛る寝台電車は、夜行列車、特に長距離運用する車両として見劣りするようになった。
  4. 東北本線での583系は厳寒地域を最高120km/hで昼夜運行しており、1日あたり1,500km近い距離を走る極めて過酷な条件下にあった。このため、車両へのダメージは大きく、老朽化を早める一因となった。
  5. 元々暖地向けのため、北陸より北でのデッキへの風雪侵入やサービス用水配管の凍結破損はしょっちゅうで、耐寒耐雪構造とはしつつも、保守に多大な労力を必要とする車両であった。
  6. 自重が重く、台車関係のトラブル、特に日豊本線など低規格(883系、885系が登場する10年以上も前の話で、路盤強化などされていなかった)の路線で軸受の焼損が多発した。

[編集] その後

本系列の運用範囲は、青森から西鹿児島まで広範囲にわたり、かつ昼夜兼用運用をこなしてきたが、以下の理由により運用用途が大幅に狭まった。

  • 1975年に山陽新幹線が博多駅に乗入れたことで、山陽本線から九州各線へ連絡する特急列車のうち、昼行列車が全廃された。この時のダイヤ改正に伴い、南福岡電車区所属の583系は1編成を除いてすべて向日町運転所(現・京都総合運転所、大ムコ→京キト)に転属した。残る1編成は青森運転所(現・青森車両センター、盛アオ)に転属したが、このうちのモハネ1ユニット(モハネ583・582-106、同時にこれは583系のラストナンバーでもある)は現在でもJR東日本仙台車両センターに在籍している。
  • オイルショック以降の鉄道輸送退潮に伴い、1980年頃より夜行列車の供給自体を調整した。この結果、在来の20系を置換えた新型客車のみでの運行で輸送需要がまかなえるようになり、居住性・メンテナンスなどに難のある寝台電車の必要性が薄れた。

このようなこともあり、向日町所属車のうち581系電動車など初期車は、1980年代初頭より余剰休止となり定期運用から外れた。

そして、九州方面からの撤退と前後する1983年以降、北陸本線長崎本線佐世保線、東北本線において当時運用されていた客車による普通列車を置換える目的で、先述の余剰休止車を中心に一部の本系列車両が以下の近郊形車両に改造された。

  • 北陸本線
    419系(交直流両用)
  • 長崎本線・佐世保線、東北本線
    715系(交流専用 0番台:長崎本線・佐世保線用、1000番台:東北本線用)
    この近郊化改造により、581系電動車は廃系列となった。

また、先述の近郊化改造や特急列車への食堂車不連結により、1986年度末までにサロ581形の約半数及びサシ581形全車が余剰廃車となった。

1987年国鉄分割民営化では、141両がJR東日本に、60両がJR西日本に承継された。他にサハネ581形7両がJR北海道に承継されたが、苗穂駅周辺で留置されたままで営業運転に就くことなく1990年に全車廃車されている。ジョイフルトレインの種車のための承継だったとも言われいるが、真偽は不明。ちなみに廃止になった美幸線の終着駅である仁宇布駅に中間車両が1両だけ置いてあり、許可を得れば泊まることができるらしい。 なお、クハネ581形およびサロネ581形はJR西日本のみに承継され、581系電動車(この時点で廃系列となり既に消滅していた)およびサシ581形はJRに承継されなかった。

平成以降になると、機関車が客車を牽引する寝台列車の構造が、加・減速性能が悪く、上り勾配での速度が低下してしまうため、料金の割に所要時間が長すぎるなどを理由に乗客の寝台列車離れが深刻化した。そこで、581・583系に替わる寝台電車として直流区間のみであるが285系が31年ぶりに開発され、「瀬戸」「出雲」が「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」に置換えられ、581・583系より10km/h速い最高速度130km/h、寝台列車としては日本最速での運転ができるようになった。しかし、581系・583系の問題点を解決した交直流両用の寝台電車はIGBTVVVF制御などの技術革新により製造は可能であるが、製造費が高額であること、北陸や九州では新幹線が建設されており完成後の旅客需要が不透明なこと、並行在来線問題などを理由に、現時点で開発される予定はない。

[編集] 国鉄民営化後

「きたぐに」(2005年8月、大阪駅)
「きたぐに」(2005年8月、大阪駅)
「きたぐに」B寝台の車内
「きたぐに」B寝台の車内
583系の廃車両を利用した休憩室(2002年9月 片町線同志社前駅 現在は撤去されている)
583系の廃車両を利用した休憩室(2002年9月 片町線同志社前駅 現在は撤去されている)

[編集] 東日本旅客鉄道(JR東日本)

  • JR東日本では、2007年1月現在以下の2区所に1編成ずつ計12両が所属している。共に東北新幹線八戸開業後に青森車両センターから転出したもので、当初よりの国鉄特急色を保っている。同社では老朽廃車(モハネ583/582-59・95およびサハネ581-53の計5両は1990年に事故廃車)が進行しており、現在での在籍両数は6両編成の2本にまで減少した。また定期運用はなく、波動用として臨時列車団体列車に充当されている。
秋田車両センター(秋アキ)
  • この編成には2006年4月までグリーン車であるサロ581形が連結されていたが、電動車ユニット1本とともに廃車され、残りの車両は秋田総合車両センターに全検入場中である。
  • 青森車両センターから転属された時は、保留車(廃車する前の車両はこう呼ばれている)扱いながら波動用として運用される珍しい形態を取っていた。これは保留車扱いすることで全般検査までの使用期間を最大限延長するための処置であったが、厳しい気候の日本海側での活躍が多かったため、入場直前は、塗装は補修だらけで前照灯レンズが黒ずむなど無惨な姿となっていた。
仙台車両センター(仙セン)
  • 当初は廃車の予定であったが、検査期間に若干の余裕があったため、仙台に貸出されていたものである。実際に運用した結果、使い勝手の良さから正式に転属し、2003年に郡山工場(現・郡山総合車両センター)で徹底的に修繕工事が施され、国鉄時代の姿が再現されている。
  • 主に仙台発着の臨時列車運用と団体列車に運用されている。
  • 2007年1月1日の特急「かもしか」2・3号がこの車両で運転された。

[編集] 西日本旅客鉄道(JR西日本)

  • JR西日本保有車については、10両編成(B編成)が6編成の計60両が京都総合運転所に配置され、主に急行「きたぐに」に使用されているが、これは現在唯一の583系による定期運転列車である。また、同所の485系同様、金光駅への臨時列車(通称:金光臨)や、夏季に運転される急行「東北夏祭り」、急行「あおもり」にも使用されている。なお、JR西日本保有車については同社のオリジナル塗装に変更されている(現在の塗色はその2代目)。
  • JR西日本保有の車両については、「シュプール号」で使用される車両(B01~B03編成)はグリーン車の車端部にミニサロンを設置(サロ581形100番台の登場)、更に1991年からは延命N40工事が行われ、同時に塗装変更も行われた(その後、1997年頃から2度目の塗装変更が行われた)。
  • 「きたぐに」では、特に上りにおいて、長距離寝台車両でありながら、大阪圏の通勤ダイヤに巻き込まれるという、特殊な運用状況に対応できる該当車両が現状皆無であり、また北陸新幹線開業後金沢駅以北が第三セクター化される計画があるため、同列車だけのために大きな投資ができないことから、583系を使用し続けるしかないという事情がある。一時期に新型車両登場の噂もあったが、延命N40工事が施工されたため、かなりの間現状が維持されるのではないかという見方が一般的である。
  • また、片町線(学研都市線)同志社前駅では、駅の開業当初からこの583系の廃車両を2次利用した喫茶店(後に休憩室に改造)が設置されたが、2005年の駅舎全面改修工事の実施により撤去された。

[編集] 静態保存車両

クハネ581-8(九州鉄道記念館展示車)
クハネ581-8
(九州鉄道記念館展示車)
車内
車内
  • 2007年現在、福岡県北九州市門司区九州鉄道記念館に、クハネ581-8(1967年日立製作所製)が展示されている。同車は近郊化改造後の715系先頭車両クハ715-1として1998年(平成10年)に廃車され、その後も解体を免れて九州旅客鉄道(JR九州)小倉工場に留置されていたが、2000年(平成12年)にクハ481-603(←クロ481-5)と共に同所で修復工事が行われ、同年の小倉工場まつりで同じ日立製作所製の後輩である885系などとともに公開されたあと、2003年(平成15年)の同館開館に併せて一般公開されている。但し内装及び窓・扉配置はクハ715-1のままであり、例として後位側扉、ロングシートや中吊受の残置などがある。
  • また、サロ581形、サシ581形などが個人などに払下げられて店舗などとして利用されたが、ほとんどが払下げから20年を過ぎており、2007年時点で現存するものは数箇所のみである。(しかも、保存状態が良いものはほぼ無い。)
  • JR東日本所属車のうち、先頭車両(クハネ583形)を含む1両ないし2両は、廃車後、さいたま市に建設中の鉄道博物館に静態保存される予定である。

[編集] 関連商品

Nゲージ鉄道模型として関水金属(KATO)、TOMIXトミーテック)から製品化されている。

[編集] 参考文献

  • 福原俊一・佐藤哲也・中村剛『寝台・座席両用581・583系特急形交直流電車』(車両史編さん会、2001年)
  • イカロスMOOK『国鉄型車両の系譜シリーズ02 形式583系』(イカロス出版、2005年)


[編集] 関連項目

Static Wikipedia (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Static Wikipedia 2007 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Static Wikipedia 2006 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu

Static Wikipedia February 2008 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu