北大東村
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北大東村(きただいとうそん)は、沖縄本島の東方約360kmに位置する沖縄県最東端の北大東島と沖大東島を行政区画とする村。
沖大東島は、現在でも全島がラサ工業の私有地であるうえ、同社から貸与される形で米軍の射爆撃場(沖大東島射爆撃場)として使われているため、一般人は立ち入ることはできない無人島となっている(詳細は沖大東島の項目参照)。
目次 |
[編集] 地理
気候は亜熱帯海洋性気候に属し、珊瑚礁が隆起して出来た島。
- 面積
- 地域
- 中野
- 港
- 南
- ラサ
[編集] 歴史
- 1543年 スペイン人、B・デ・ラ・トーレが大東諸島を発見(ただしかなりの昔から沖縄の人達では「ウファガリジマ」と言われていた)。
- 1820年ロシア人、ポナフィディンが大東諸島を発見、ボロジノ諸島と名付けられる(この頃から欧米の地図では「ボロジノ諸島」とされる)。
- 1885年 日本領土に編入される。
- 1900年 玉置半右衛門を中心とした八丈島からの開拓団により、大東諸島の開拓開始。北大東島の開拓着手は1903年から。
- 戦前は、南大東島と同様、製糖業をリン鉱業と共に営む、玉置商会~東洋製糖~大日本製糖(現在の大日本明治製糖の前身)が島全体を所有する「社有島」であった。但し北大東島ではリン鉱業が主であり、その点は南大東島とは様相が異なる。
- 1946年 アメリカ軍政の開始により、製糖会社の支配から脱する。村制が施行され、北大東村となる。
- 1972年 沖縄返還により、日本領土に復帰。
- 1975年 NHK沖縄放送局により、テレビの試験放送開始(南大東島から受信)。
- 1978年 北大東空港開港。
- 1979年 電話がダイヤル自動化され、即時通話可能に(通信衛星による。市外局番は09802、市内局番は3)。
- 1984年 村唯一の信号機が設置される。NHK衛星放送によるテレビ放送開始。
- 1998年 地上波によるテレビ放送開始(但しNHK東京本局とTBS、フジテレビ、テレビ朝日の民放キー局3局)。
[編集] 交通
[編集] 飛行機
- 北大東空港⇔那覇空港
- 琉球エアコミュータが、1日1便運航(曜日によって行き・または帰りに南大東空港を経由することになる)。
- 北大東空港⇔南大東空港
- 曜日によって行き・または帰りに南大東空港を経由する形で、琉球エアーコミューターが運航。風向きによって南大東島へ一直線に飛ぶ際の飛行時間は3分間。日本で最も運航距離の短い航空路線であり、距離あたりの運賃が最も高い路線(2007年2月搭乗分で普通片道運賃が7,200円)でもある。但し、那覇⇔北大東便と同日に北大東⇔南大東便を利用した場合は那覇⇔南大東への直行便と同じ料金で搭乗可能(逆の路線も同じ)。
[編集] 船舶
- 西港・江崎港・北港⇔那覇泊港
[編集] 道路
[編集] 産業
[編集] 観光
- 北大東民族資料館:島の開拓の歴史的資料を展示。
- 黒部岬:北大東島北西部に位置するかつてアホウドリが生息した岬。
- 上陸公園:上陸港跡にある公園。
- 長幕(岸壁及び岸錐の国指定天然記念物特殊植物群落):屏風を立てたように絶壁をなしてそびえ立つ岸壁と岸錐。
- 天狗岩
- ハマユウ荘うふあがり島:宿泊・レジャー施設。
- 真黒岬:沖縄県最東端の岬。
- リン鉱石貯蔵庫跡
[編集] 放送
[編集] テレビ
- 1975年にNHK沖縄放送局が南大東島に放送試験局として開設し、同島から受信してのテレビ放送開始。一日数時間放送された。
- そして1984年5月に、放送衛星による衛星放送の実験放送が開始され、ようやくテレビの同時放送が開始された(当時はNHKBS1のみで総合テレビと同じ内容で、南大東島で衛星受信し、地上波に変換したうえで同島にある中継局から受信)。
- しかしテレビ放送がNHKのBSだけしか放送されないため、沖縄県でありながら県内のローカルニュースは放送されず、そして民放が放送されていないため、沖縄本島でビデオ録画された地上波放送の番組を島へ持ち込みレンタルビデオで貸し出す店もあったという。
- 1998年にようやく地上波放送が開始されたが、沖縄本島と南北大東島の間には琉球海溝があり、且つ400kmも離れているため技術的に海底ケーブル敷設することはできず、東京都が小笠原諸島向けに送信・利用されている通信衛星による受信方式を採用している。このためNHKの地上波(総合・教育)のローカル放送も沖縄のものではなく、東京(関東地方)のものが放送されており、民放も沖縄県内の民放ではなく東京のキー局が放送されており、しかも沖縄に系列局をもつTBS、フジテレビ、テレビ朝日の3局しか放送されない(日本テレビとテレビ東京は沖縄に系列局がないため放送されない、そのため該当する系列の番組がBS、CSを除きほとんど見られない)。なお、沖縄のローカル情報は電話回線(衛星回線)によりテロップで表示される(台風情報で進路にあたる場合は予報画像も表示されるという)。
- 沖縄では2006年に開始される地上デジタル放送、北大東ではNHKが2010年に中継局を設置予定だが、民放は時期未定(設置予定)。このため沖縄ローカルの情報が本島と同時に受信できるのはそれ以降になる。
- テレビ中継局(TVの単位はCH)
所在地 | 総合 | 教育 | TBS | CX | EX |
---|---|---|---|---|---|
北大東 | 42 | 40 | 44 | 46 | 48 |
(出力10W、音声多重放送や文字放送対応)
(衛星放送(BS)は南大東中継局からBS1が4ch、BS2が6chで送信しており、同島から受信している)
[編集] ラジオ
- 中波(AM)放送は沖縄本島の親局から昼間は受信可能であるものの、夜間は親局が電離層により外国の放送と混信するため受信が困難(かわりに他県の放送は電離層により受信が可能)だったが、2007年4月からNHKラジオ第1放送、琉球放送(RBCiラジオ)、ラジオ沖縄がFM波による中継局を南大東島に開局し、そこから島内までカバーすることになる(中波だと夜間に外国との混信により良好な受信が困難であるためで、沖縄県内では沖縄本島北部と先島諸島が同様なケースを取っている)。これにより昼夜問わずクリアに受信可能となる。
- 超短波(FM)放送は終日受信不可。テレビ同様技術的な面からNHKFMも含め、今のところ設置の予定はない。(将来設置する計画がある。)
- 衛星放送(BS・CS)によるラジオ放送や短波放送(ラジオNIKKEI)、NHK国際放送(NHKワールド・ラジオ日本)は終日受信可能。