那覇空港
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
那覇空港(なはくうこう Naha Airport)は、沖縄県那覇市にある空港。 国土交通大臣が設置する第二種空港であり、沖縄地域のハブ空港である。
目次 |
[編集] 概要
戦前の1933年8月に旧大日本帝国海軍が建設した小禄(おろく)飛行場が前身。
1972年の復帰前まではアメリカ合衆国軍が管理していたが、沖縄の復帰に伴い日本に返還され、現在では民間航空便と陸海空の各自衛隊、海上保安庁が共用している。対領空侵犯措置任務及びその訓練を行う戦闘機の離着陸に関する管制を国土交通省所属の航空管制官が担当しているのは全国でもここだけである。
民間利用分としては国内線ターミナル・国際線ターミナル・貨物ターミナルの3つのターミナルがある。 県内の離島、本土、海外を合わせて30以上の路線が就航している。
滑走路は3000mの1本。 1日150便以上が離着陸する現状から、過密化がひどくなっており、スクランブル発進する航空自衛隊戦闘機が離陸待ちを強いられるなど、運用上の問題が発生しているため、現在第2滑走路の建設など拡張が計画されている。
[編集] 空港データ
種別 | 第2種 |
設置管理者 | 国土交通省 |
ICAOコード | ROAH |
IATAコード | OKA |
空港所在地 | 沖縄県那覇市 |
空港位置 | 北緯26度11分45秒 東経127度38分45秒 |
標高 | 4.5m |
滑走路 | 18/36 3000×45m |
ILS | CAT I (RWY36) |
運用時間 | 24時間 |
空港面積 | 3259077㎡ |
空港長 | 西端 丈太郎 |
[編集] 航空管制
CLR | 122.075MHz,256.0MHz |
GND | 121.8MHz,284.6MHz |
TWR | 118.1MHz,126.2MHz,236.6MHz,308.6MHz |
GCA | 119.5MHz,121.1MHz,124.7MHz 261.4MHz,288.1MHz,289.4MHz,296.3MHz |
ATIS | 127.8MHz,293.0MHz |
- 飛行場管制は、国土交通省大阪航空局那覇空港事務所航空管制官が担当。
- ATISは、VHFとUHFの同時送信を実施している。航空自衛隊の戦闘機の飛行の際は、地上管制・飛行場管制でもVHFとUHFの同時送信を実施する。
[編集] 航空保安無線施設
局名 | 種類 | 周波数 | 識別信号 |
CHINEN | VOR | 114.2MHz | TIC |
CHINEN | TACAN | TIC | |
OKINAWA | NDB | 308.0KHz | OK |
NAHA | VOR | 116.5MHz | NHC |
NAHA | TACAN | NHC |
- 保守は、国土交通省大阪航空局那覇空港事務所航空管制技術官が担当
[編集] 就航路線
[編集] 国内線
(日本トランスオーシャン航空の機材・乗務員で運航する便あり)
(エアーニッポン、エアーネクストの機材・乗務員で運航する便あり)
-
- 東京国際空港、神戸空港(2007年より夏季限定運航)
- 休廃止路線
[編集] 国際線
航空会社名が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便
- アシアナ航空・全日本空輸
[編集] 貨物専用
ギャラクシーエアラインズ (GXY)(貨物専用)
-
- 東京国際空港
[編集] 駐留部隊
那覇空港ターミナルビルの向かいから滑走路北側にかけて陸上自衛隊第1混成団の那覇駐屯地及び那覇飛行場施設があり、ターミナルビル南隣に航空自衛隊施設、さらに南隣に海上自衛隊施設がある。海上保安庁施設および警察・沖縄総合事務局のヘリは滑走路を挟んで向かい側にある。また、那覇空港には在日米軍那覇軍港が隣接している。自衛隊関係の施設が占める土地のうち国有地はおよそ1/5に過ぎず、残りの部分は私有地を借用している状態である。このため、賃貸料として年間50億円を超える金額が地主に支払われている。
2001年(平成13年)ごろまでは駐機場に航空自衛隊の機体が並び、旅客機が離陸する際に左側の窓から望むことができた。しかし、その後のテロ対策の一環と、中国の軍事的台頭および中国人観光客の急増による防諜の観点から、空自ではほぼ全ての航空機を格納庫へ収納するようになり、旅客機から見ることは無くなった。
[編集] 航空自衛隊(那覇基地)
幕僚機関 |
---|
航空幕僚監部 |
主要部隊 |
航空総隊 |
航空支援集団 |
航空教育集団 |
航空開発実験集団 |
空自の団一覧 |
空自の群一覧 |
空自の隊一覧 |
主要機関 |
空自幹部学校 |
空自幹候学校 |
術科学校 |
空自補給本部 |
その他 |
空自の基地一覧 |
空自の装備品一覧 |
基地司令は第83航空隊司令が兼務する。
南西航空混成団隷下
- 南西航空混成団司令部
航空支援集団隷下
航空自衛隊直轄
自衛隊共同機関
[編集] 海上自衛隊(那覇航空基地)
[編集] 陸上自衛隊(那覇飛行場)
[編集] 沖縄県警察
- 沖縄県警察航空隊:AS365N3ドーファン2「しまもり」
[編集] 海上保安庁(那覇航空基地)
- 第11管区保安本部:LAJ FALCON 900・LA YS-11A・MH Bell 212
[編集] 沖縄総合事務局(那覇航空基地)
- 沖縄県防災ヘリ アエロスパシアルAS350
[編集] ターミナル
[編集] 国内線ターミナル
左右を日本航空グループと全日空グループに別けて使用している。なお、国内線ターミナルとしては国内唯一の免税店、「DFSギャラリア」があり、免税ショッピングを楽しむことが出来る。
チケットカウンターが3階、搭乗口が2階にあり、搭乗客は一旦3階に上がってから2階に下りなければならない不便な構造になっている。 (架橋が到着ロビー前に通っているため、タクシー利用者等は3階で降りることが可能、モノレール利用者は2階から3階にあがる必要がある)
[編集] 国際線ターミナル
那覇空港の国際線ターミナルでは、旅客機の到着したあと観光客で混雑している。観光としてではなく、むしろ旅客の多くは、台湾と中国を行き来するために沖縄で乗り継ぐ台湾人や中国人である。中国の経済的発展やそれに伴う台湾企業の大陸進出によって経済関係を深めつつある台湾と中国大陸だが、その一方で、航空機や船舶の直接往来が外交上認められていない。そのため、これまで香港を主たる経由地にしていた台湾人旅客が、華中に向かう最短ルートとして、台湾→沖縄→上海というルートを利用するようになっているのである。 ただ、2006年春夏期においては、那覇・上海便は週2往復に減便され、運行ダイヤも乗り継ぎを考慮しないものとなっており、台北・上海間の往来のための利用はほとんどないものとみられる。
[編集] 空港内施設
[編集] 交通機関
[編集] 鉄道
[編集] リムジンバス
那覇空港よりは5路線の空港リムジンバスが運行されている。琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バス・北部観光バスの共同運行(北部観光バス以外は観光部門が運行している)。運賃・時刻表などはWebサイト[1]を参照。
- 芭蕉号
- 概要:空港出発後、那覇バスターミナルを経由し、沖縄自動車道(那覇インターチェンジ~石川インターチェンジ)を走行後、恩納村地区リゾートホテルへ至る。空港方面行きも運行されている。
- 経由リゾート地(空港発便の経由順)
- ルネッサンスリゾートオキナワ - ホテルムーンビーチ - サンマリーナホテル - リザンシーパークホテル谷茶ベイ - 万座ビーチホテル&リゾート - ホテルみゆきビーチ - 沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ - ザ・ブセナテラスビーチリゾート - オキナワマリオットリゾート&スパ
- 月桃号
- 概要:空港出発後、那覇バスターミナルを経由し、沖縄自動車道(那覇インターチェンジ~屋嘉インターチェンジ)を走行後、恩納村北一部地区リゾートホテルへ至る。空港方面行きも運行されている。
- 経由リゾート地(空港発便の経由順)
- 万座ビーチホテル&リゾート - ホテルみゆきビーチ - 沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ - ザ・ブセナテラスビーチリゾート - オキナワマリオットリゾート&スパ
- クイナ号
- 概要:空港出発後、那覇バスターミナルを経由し、沖縄自動車道(那覇インターチェンジ~屋嘉インターチェンジ)を走行後、北部地区リゾートホテル行きへ至る。空港方面行きも運行されている。
- 経由リゾート地(空港発便の経由順)
- 万座ビーチホテル&リゾート - ホテルみゆきビーチ - 沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ - ザ・ブセナテラスビーチリゾート - オキナワマリオットリゾート&スパ - 喜瀬ビーチパレスホテル - オキナワサンコーストホテル - ホテルリゾネックス名護 - マリンピアザオキナワ - ホテルマハイナウェルネスリゾート - チサンリゾート沖縄美ら海
- ジャスミン号
- 概要:恩納村南一部地区リゾートホテル出発後、沖縄自動車道(石川インターチェンジ~那覇インターチェンジ)を走行し、那覇バスターミナルを経由して、空港へ至る。空港方面行きのみ運行されている。
- 経由リゾート地(空港行き便の経由順)
- リザンシーパークホテル谷茶ベイ - サンマリーナホテル - ホテルムーンビーチ - ルネッサンスリゾートオキナワ
- 花号
[編集] シャトルバス
- 1番のりば
[編集] 路線バス
国内線旅客ターミナルビルでの乗車口は1階到着口を出たところに設置されている。全4つののりばがあり、1番のりばはシャトルバスのりば、路線バスは2~4番のりばを使用している。また、降車口は2階の出発口の入口付近に設置されている。99番を除いては全て当バス停が起点地となるため、ほぼ定刻どおりに出発できる。
- 那覇空港国内線旅客ターミナル前バス停
- 2番のりば
- 3番のりば
- 23番・具志川線 (琉球バス交通(深夜のみの運行))
- 99番・天久新都心線 (琉球バス交通(2006年9月から唯一具志方面にも運行))
- 113番・具志川空港線 (琉球バス交通)
- 120番・名護西空港線 (琉球バス交通・沖縄バス)
- 123番・石川空港線 (琉球バス交通)
- 4番のりば
- 25番・普天間空港線 (那覇バス市外線)
[編集] 道路
将来は那覇空港自動車道や沖縄西海岸道路那覇西道路も接続予定。
[編集] その他
- 那覇基地で実施されている航空祭では、民間機発着の関係上ブルーインパルスの展示飛行は実施していないなかったが、2005年12月11日に編隊飛行(白スモーク有り)、2006年12月10日に本課目展示(通常の展示飛行任務である金曜着~月曜帰還パターン)、2006年12月9日は課目予行飛行が実施された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
空港情報 (ROAH) |
空港情報(worldaerodata.com) | 定時航空気象(METAR) | 飛行用飛行場予報(TAF) | 定時航空気象 |