博多総合車両所
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博多総合車両所(はかたそうごうしゃりょうしょ)とは、福岡県春日市と同県筑紫郡那珂川町にまたがる、西日本旅客鉄道(JR西日本)の新幹線車両が配置される車両基地である。通称「博総」。
JR西日本が所有する新幹線車両の全てが配置されており、全般検査・台車検査・交番検査・仕業検査およびATC特性検査などの各種車両検修を行う。
総務科・検修科・技術科・試験科・電車センター・台車センター・運用センターの各セクションに分かれており、3センターが現場作業を行っている。なお、2006年に岡山新幹線運転所と広島新幹線運転所の検修部門を統合し、それぞれ岡山支所・広島支所とした。
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[編集] 配置車両の車体に記される略号
「幹ハカ」・・・新幹線の「幹」と、博多を意味する「ハカ」から構成される。福は福知山支社、岡は岡山支社で使われるため。
[編集] 配置車両
車両は、東海道・山陽新幹線の営業用に登場したすべての系列が配置されている。運用的には、東海道新幹線との直通運用に供される16両編成と、山陽新幹線内に限定して運用される4・6・8両編成がある。
2006年4月1日現在の所属車両。
- 山陽新幹線内専用
- WR編成の6両編成8本(R61~R68)が配置されている。
- かつては16両編成のNH編成や12両のSK編成などがあった。
- P編成の4両編成12本(P1~P12)と、K編成の6両編成10本(K51~K60)が配置されている。
- かつては16両編成のV編成、G編成があった。
- E編成の8両編成15本(E1~E16)が配置されている。
- 「ひかりレールスター」のみで運用される。
- 東海道新幹線直通用
- F編成の16両編成9本(F1~F9)が配置されている。
- W編成の16両編成9本(W1~W9)が配置されている。
- B編成の16両編成15本(B1~B15)が配置されている。
- 事業用
- 7両編成(T5編成)1本が配置されている。
- 2両が配置されている。
[編集] 各センターの業務内容
- 電車センター
- 全般検査での車体と台車の分離作業、車体の解艤装および出場検査、交番検査での車体検修および機能検査、ATC機器の検査など
- 台車センター
- 全般検査および台車検査で入場してきた台車の検修業務、交番検査での台車検修、車輪研削など
- 運用センター
- 仕業検査、運用中車両の修繕、博多総合車両所構内の車両入換および信号取扱など
- 試験科
- 現在6名の運転士(大阪より4名、広島より2名在勤)がN700系などの試運転業務に従事している
[編集] 歴史
1974年の山陽新幹線博多開業時に開設された車両基地である。春日市側に博多南線の博多南駅があり、本車両所への出入庫列車を利用して営業運転が行われている。
- 1974年(昭和49年)博多総合車両部という名称として発足
- 1975年(昭和50年)3月10日 山陽新幹線岡山駅~博多駅間開業にあわせて供用開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い、JR西日本に継承。同時に現在の博多総合車両所に名称変更。
- 1990年(平成2年)4月1日 博多南線および博多南駅開業。
- 1999年(平成11年)8月31日 環境関係の国際標準規格のISO14001を取得。
- 2006年(平成18年)6月23日 広島新幹線運転所(検修部門)と岡山新幹線運転所をそれぞれ広島支所・岡山支所として統合。
[編集] 設備
[編集] 備考
山陽新幹線博多駅が開業し車両基地が建設された時点(国鉄時代)では、まだ計画段階だった九州新幹線の車両基地としても利用される見込みであったが、分割民営化等により、現在九州新幹線が全通した時はJR九州が別に新幹線車両基地を建設することとなっている。なお、2006年現在の九州新幹線の車両基地は川内新幹線車両センターである。
[編集] 岡山支所
博多総合車両所岡山支所(はかたそうごうしゃりょうしょおかやまししょ)は、岡山県岡山市北長瀬本町にある西日本旅客鉄道(JR西日本)福岡支社博多総合車両所管轄の山陽新幹線の車両基地である。
[編集] 乗務員配置
現在運転士・車掌の配置はない。
[編集] 車両配置
[編集] 歴史
- 1972年(昭和47年)3月15日 山陽新幹線新大阪駅~岡山駅間開業にあわせて、岡山新幹線運転所として開所。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い、JR西日本に継承。
- 2006年(平成18年)6月23日 岡山支社から福岡支社博多総合車両所の管轄に変更。名称も博多総合車両所岡山支所に変更。
[編集] 広島支所
博多総合車両所広島支所(はかたそうごうしゃりょうしょひろしまししょ)は広島県広島市東区にある西日本旅客鉄道(JR西日本)福岡支社博多総合車両所に属する山陽新幹線の車両基地で、芸備線矢賀駅の北側にある。検修庫線2線、着発線9線を備える。
[編集] 乗務員配置
現在運転士・車掌の配置はない。
[編集] 車両配置
[編集] 歴史
- 1975年(昭和50年)3月10日 山陽新幹線岡山駅~博多駅間開業にあわせて開所。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い、JR西日本に継承。
- 2006年(平成18年)6月23日 車両部門を広島支社から福岡支社博多総合車両所の管轄に変更、名称も博多総合車両所広島支所に変更。運転部門は広島新幹線運転所の名称のまま引き続き広島支社管轄。
現行路線 |
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東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線(長野新幹線)/ミニ新幹線 : 山形新幹線・秋田新幹線 |
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線 |
整備新幹線 |
北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 |
基本計画線 |
北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線 |
山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 |
未成線 |
成田新幹線 |
現行列車 |
はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま/新幹線直行特急 : つばさ・こまち |
のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ |
廃止列車 |
あさひ・あおば |
営業用車両 |
0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 |
試験用車両 |
1000形・951形・961形・962形・WIN350・STAR21・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 |
事業用車両 |
911形・912形/ドクターイエロー・East i |
車両形式・記号 |
車両形式・編成記号 |
車両基地・車両工場 |
新幹線総合車両センター・盛岡新幹線車両センター・新潟新幹線車両センター・長野新幹線車両センター・山形車両センター・秋田車両センター 東京第一車両所・東京第二車両所・三島車両所・浜松工場・名古屋車両所・大阪第一車両所・大阪第二車両所・大阪第三車両所 博多総合車両所・川内新幹線車両センター |
元となる計画 |
日本の改軌論争・東海道新線・弾丸列車 |
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