川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー(かわさきし – すいしん – )は、川崎市内を本拠地としてスポーツで活躍しているチームや選手を対象に川崎市が認定する制度のこと。2004年に制定し、4チームと1選手を認定。2005年にはさらに2チーム、2006年には1チームが認定された。
市内を本拠地として全国や世界のトップレベルで活躍するスポーツのチーム・選手を「ホームタウンスポーツ推進パートナー」に認定することで「川崎」を全国にアピールする一方、市内の小学校でのスポーツ教室の講師やトークショー、スポーツイベントへのゲスト参加など、市民との触れ合いを大切にした活動にも積極的に参加し市内のスポーツをさらに盛り上げていくことを目的としている。
目次 |
[編集] 制定の経緯
2003年3月、川崎市は川崎フロンターレの活躍が「まちづくり」に対しても効果を持つことを鑑み、地方自治体がスポーツ支援を進めることの意義をふまえたうえで、市内に本拠地を置く他のトップチーム・トップアスリートも含めた活用についてどのよう行うべくか研究することにした。そして同年7月にはこの年の「政策課題研究」のひとつとして、市職員による研究が開始された。
[編集] 政策課題研究
川崎市では1995年から「政策課題研究」が行われている。これは主に若手職員が市の具体的な政策課題を調査・研究する機会を確保し、課題への対処方法を学ぶ貴重な機会とし、実現可能な政策立案を行う人材を育てるとともに、各局が抱える政策課題について約1年間にわたる調査・研究を行い、その成果の活用を図ることを目的につくられたものである。
2003年の研究テーマには、その一つに「スポーツとまちづくり」が出され「市民とまちへの誇りと愛着、連帯感を育むスポーツ文化の振興に向ける」ことを趣旨に、全職場からの公募を含めた5人の市職員により研究が進められた。
この研究による提案は、Jリーグの掲げる「ホームタウン」の考えを基に市内の他スポーツも対象にした「ホームタウンスポーツ」という概念を提唱し、これらの考えに基づいてスポーツ資源を積極的にまちづくりに活用する仕組みづくりなどについて提案している。
またその際には川崎市のスポーツ行政の実情をふまえ、同様にサッカー・Jリーグの柏レイソルや女子バスケットボール・WリーグのJOMOサンフラワーズの所在する千葉県柏市のケース、学識者による専門的助言、市内各スポーツクラブ関係者などのヒアリング調査を行ったとのことである。
そしてこの研究の成果は2004年6月に政策課題研究報告書「スポーツとまちづくり~市民とまちへの誇りと愛着、連帯感を育むスポーツ文化の振興に向けて~」としてまとめられ、発表された。(なお、この報告書は川崎市内の市役所・区役所で販売されており、一般に購入することができるほか、市内の図書館で閲覧もできる。)
この研究と提言をもとにした「ホームタウンスポーツ」という概念により、川崎市は同年9月に市内のトップチーム・トップアスリートを活用する方策として「川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー」の制定を発表した。
[編集] 推進パートナー
2004年に4チームと1選手を認定。2005年には2チーム、2006年には1チームが認定された。 2006年7月現在の認定メンバーは以下のとおり。
[編集] 川崎フロンターレ
中原区の等々力陸上競技場をホームスタジアムに活躍。練習場は麻生区の麻生グラウンド。
- 主な成績:J1準優勝1回(2006年)、J2優勝2回(1999年、2004年)、ヤマザキナビスコカップ準優勝1回(2000年)
- 推進パートナー認定:2004年
- 主なホームタウン活動
- ホームゲームへの小・中学生招待
- 幼稚園、小・中学校でのサッカー教室の開催
- 各区の区民祭への参加
- その他、地元での活動に積極的に参加
- ユニホーム袖口に「KAWASAKI」と入れ、全国に川崎をアピール
[編集] 東芝ブレイブサンダース
- 主な成績
- スーパーリーグ(←日本バスケットボールリーグ1部)優勝2回(1999-2000年、2004-05年)、準優勝3回(1997-98年、1998-99年、2003-04年)
- 全日本総合バスケットボール選手権大会(天皇杯)優勝2回(2000年、2006年)、準優勝2回(1983年、2001年)
- 推進パートナー認定:2004年
- 主なホームタウン活動
- ホームタウンゲームへの市民招待
- バスケットボールクリニックの開催
- トークショーへの参加
[編集] 東芝硬式野球部
川崎市を本拠地と登録(ただし合宿所・練習グラウンドは横浜市)
- 主な成績
- 都市対抗野球大会:出場28回、優勝5回(1978,1983,1988,1991,1999年)、準優勝3回
- 社会人野球日本選手権大会:出場19回、優勝2回(1988,1992年)
- 推進パートナー認定:2004年
- 主なホームタウン活動
- ユニホームの右袖に川崎市の市章
- 都市対抗野球大会に市民を招待
- 小・中学生への野球教室の開催
- トークショーへの参加
[編集] 富士通レッドウェーブ
- 主な成績
- Wリーグ第3位1回(2003-04年)
- 全日本総合バスケットボール選手権大会優勝2回(2006年、2007年)、準優勝1回(2004年)
- 推進パートナー認定:2004年
- 主なホームタウン活動
- ホームタウンゲームへの市民招待
- ユニホーム短パンに「KAWASAKI」と入れプレー
- バスケットボール教室の開催
- 地域のイベントへの参加
[編集] 中田大輔
プロトランポリン選手(トランポリン・所属クラブ:J-POWER)
- 主な成績
- 全国高等学校総合体育大会(インターハイ) 個人の部優勝(1989年、1991年)
- 全日本学生トランポリン競技選手権大会 個人の部優勝(1992年、1993年、1995年)
- 2000年 第12回国際グレンズランドカップ(ドイツ)優勝
- 全日本トランポリン競技選手権大会 個人の部優勝(1995年~2001年:7連覇)
- 2004年 ワールドカップシリーズ・ファイナル シンクロナイズドの部優勝(川西隆由樹とのコンビで)
- 推進パートナー認定:2004年
- 主なホームタウン活動
- ユニホームに「ガンバレ川崎」と入れ川崎を世界にアピール
- 講演会・トランポリン教室などを実施
- Jリーグ・川崎フロンターレのファン感謝祭に参加し演技披露
- トークショーへの参加
- 多摩川ハーフマラソン参加
[編集] NECレッドロケッツ
中原区のとどろきアリーナでホームを開催。2005年6月に本拠地(練習場)を横浜市都筑区から中原区に移転。
- 主な成績:Vリーグ優勝5回、準優勝4回、全日本バレーボール選手権大会優勝2回、準優勝5回
- 推進パートナー認定:2005年7月
- 主なホームタウン活動
- ホームゲームへ市民を招待
- 小学生へのバレーボール教室の実施
- トークショーへの参加
- スポーツセンター開設記念イベントでのバレーボール教室実施
- Jリーグ・川崎フロンターレのファン感謝祭に参加
[編集] 三菱ふそう川崎硬式野球部
川崎市を本拠地と登録
- 主な成績
- 都市対抗野球大会:出場17回、優勝3回(2000,2003,2005年)
- 社会人野球日本選手権大会:出場8回、優勝1回(1995年)
- 推進パートナー認定:2005年9月
- 主なホームタウン活動
- 「川崎」の入ったチーム名を前面に押し出し活動
- 都市対抗野球大会に市民を招待
- 多摩川リバーサイド駅伝に特別参加
[編集] 富士通フロンティアーズ
川崎市内の川崎球場(川崎区)や川崎市等々力球場(中原区)でホームゲームを開催。練習場は中原区の下野毛グラウンド。
- 主な成績
- 日本社会人I部リーグ(現・Xリーグ):秋季リーグ戦ブロック優勝1回(1992)
- Xリーグ:地区優勝2回(1999,2002)
- パールボウル:優勝1回(2003),準優勝3回(1992,1993,1994)
- 日本社会人選手権:準優勝1回(2002)
- 推進パートナー認定:2006年7月
- 主なホームタウン活動
- トークショーへの参加
- 小学校等でのフラッグフットボール教室開催
- 下野毛グラウンドを川崎フロンターレサッカースクール会場に提供
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー | |
---|---|
川崎フロンターレ | 東芝ブレイブサンダース | 東芝硬式野球部 | 富士通レッドウェーブ |