日本野球連盟 (社会人野球)
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日本野球連盟(にほんやきゅうれんめい)は、社会人野球を統括する団体(財団法人)で、1949年に日本社会人野球協会として創設。1985年に現在の名称となった。
アマチュア社会人硬式野球チームはこのチームにすべて加盟することとなっており、さらに全国各地にある支部団体に振り分けられる。また公式戦はすべてこの団体が管理・運営することとなっており、毎年夏季に行われる都市対抗野球と秋季の日本選手権を頂点に各地で公式戦を開催している。またクラブチームによる全日本クラブ選手権も毎年秋季に開催されている。また、2006年からはナショナルクラブベースボールシリーズも主催することになっている。
略称はJABA (Japan Amatuer Baseball Association) 。2002年まではJABA公式大会、JABA公認大会、JABA準公認大会が開かれていたが、2003年から公認大会と準公認大会を一本化し、大会名の前に「JABA」を冠することとなった。
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[編集] 概略
[編集] 運営形態
全国46都道府県連盟を9ブロックの地区連盟を編成して運営(現在登録チームのない島根県には県連盟が存在しない)。
- 北海道地区連盟(北海道)
- 東北地区連盟(青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島)
- 関東地区連盟(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨)
- 北信越地区連盟(長野・新潟・富山・石川・福井)
- 東海地区連盟(静岡・愛知・岐阜・三重)
- 関西地区連盟(滋賀・京都・大阪・奈良・和歌山・兵庫)
- 中国地区連盟(岡山・鳥取・広島・山口)
- 四国地区連盟(香川・愛媛・徳島・高知)
- 九州地区連盟(福岡・大分・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄)
[編集] 加盟・登録条件
一般的には社会人野球の連盟として認知されており、実際にも成年以上が対象で構成されたほとんどの加盟所属チームは社会人野球チームである。但し、連盟の規定上は、加盟登録条件を満たすすべてのアマチュア野球チームが登録可能となっている。つまり大学や専門学校などのチームも加盟可能であり、大学生や専門学校の生徒がクラブチームに所属し選手登録することも可能だが、野球協約により日本学生野球協会所属団体に登録されている部員は登録できない。なお、いったん日本野球連盟に登録した部員が大学野球(全日本大学野球連盟所属チーム)に移る場合は、大学野球連盟側の規定により、1年間公式戦出場禁止となる。定時制高等学校に通う生徒の場合は18歳以上なら登録可能となっている。また、2002年の規約改正により、日本高校野球連盟に選手登録をしていない選手であれば、現役の高校生であっても日本野球連盟に選手登録することができることとなっており、現にいくつかのクラブチームでは現役高校生が競技者登録を行っている。
なお、一般の部への社会人チーム以外の登録は以下の通り。(2006年4月現在)
- 高等専門学校 - 1チーム(福島高専ホープス)
- 専門学校(専修学校・各種学校)単独チームが8チーム。
- 大学単独チームでは新潟国際情報大学のみ。※大学連盟に所属すると移動の負担が大きい等が理由。(過去には石巻専修大学の加盟歴がある。)
[編集] 近年の傾向
- 1990年代に入り、長期不況の影響から、多くの実業団登録チームが休部(廃部)に追い込まれて、その大半はクラブチームという形態を取って存続(移行)する傾向が多い。その場合でも実業団チーム時代からの母体企業が支援するケースが多いが、松山フェニックスのように母体企業の支援を受けないで市民規模のチームとして存続する場合、あるいは硬式野球クラブ東海REXや、市民球団かずさマジックのように広域複合企業チーム(この場合は実業団チームと同等扱い)として活動することもある。
- 21世紀に入り、元プロ野球選手、あるいは山本譲二や萩本欽一といった野球愛好家のタレントが結成したクラブチームが設立されたり、あるいは次項でも記述するプロ野球選手の監督や選手などでの現場復帰のケースも増えている。
[編集] プロ野球との関係
戦後1960年まではプロ野球経験者の社会人野球復帰が1チーム3人まで認められていたが、1951年の南海土建野球部に南海ホークスの2軍選手が集団「出向」して参加した事例や1961年の柳川事件(シーズン中に日本生命の柳川福三選手を強引に中日ドラゴンズが獲得した問題)などがきっかけとなり、これ以後プロ選手の社会人野球復帰が禁止されてしまった。
しかし、1992年・バルセロナオリンピックのプロ・アマ交流試合をきっかけにプロ野球チームとの交流も盛んに実施されており、段階を追って選手の社会人野球への復帰が認められたり、練習試合でも主として2軍チームとの交流戦を積極的に実施している。また広島東洋カープ2軍チームが広島大会(5月)に限定して2002年度から公式戦出場を果たし、2003年度から2年連続で同大会優勝を飾っている。(社会人野球大会出場の項参照)
また、近年は元プロ野球選手が主宰者・監督・コーチなどの形で就任するクラブチームの結成も相次いでいる。
なお、1リーグ時代のプロ野球を主催していた組織も日本野球連盟と言う名前だったが、直接の関与はないとされている。
[編集] 他の競技連盟との関係
日本体育協会の加盟団体ではあるが、JOC(日本オリンピック委員会)には直接加盟団体とはなっていない。日本学生野球協会と共に日本アマチュア野球連盟を構成し、日本アマチュア野球連盟を通してのJOC加盟団体となっている。
[編集] 関連項目
- 社会人野球チーム一覧
- 地区連盟主催大会
- タイブレーク
- 全日本野球会議
- 社会人野球日本選手権大会
- 都市対抗野球
- 全日本クラブ野球選手権大会
- 東京ドーム
- 大阪ドーム
- 日本女子野球協会(2004年2月加盟承認)