探偵学園Q
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探偵学園Q(たんていがくえんキュウ)は、原作天樹征丸・作画さとうふみやの漫画およびアニメ作品。
漫画は2001年から2005年まで週刊少年マガジンで連載された。2003年~2004年にはTBSでアニメ化され、2006年7月1日には、日本テレビで2時間のテレビドラマが放映された(主演は神木隆之介)。
尚、週刊少年ジャンプの漫画「少年探偵Q」(原作:円陣、作画:しんがぎん)とは全く関係がない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
学校の勉強は苦手だが、推理に関しては稀代の才能を持つキュウは、世界一の探偵を目指すためDDSに入学する。そこで出会った仲間と共に学園のトップクラス「Qクラス」に属し、学園での授業や課題、時には本物の事件解決に取り組み、学園長・団守彦の後継者を目指す。
だが、壊滅まで追い込んだ犯罪組織『冥王星』が再び暗躍し始め、彼らが起こす不可解犯罪へ次第に巻き込まれていく。ちなみに設定上、このストーリーは2001年4月~9月の話を描いたものとなっている。また、天樹征丸の前作品である、『金田一少年の事件簿』と同じように、たまに登場怪人名がついている事もあった。
[編集] 登場人物
※キャラクター名の横の「声」はアニメ版の声優。
[編集] Qクラス
- 連城 究(キュウ:れんじょう きゅう)(声:緒方恵美)
- 主人公。中学3年生(1987年生まれ)。学校の勉強はまるでダメだが、推理力は高く、特に発想の柔軟さと観察眼の鋭さは際立っている。昔、誘拐された事があり、その時に助けてくれた「探偵のおじさん(=連城暁)」を慕って探偵を志し、DDSに入学した。彼にもらった「探偵心得帳」を何よりの宝物にしている。初対面の人にも「キュウ」という名前のみを名乗っていたので、最終回までずっと苗字は不明であった(母方の名字を名乗っていたとされるが、何という苗字であったかは語られていない)。実は連城の息子であり、母・瑞枝はそのことをずっと隠してきたが、「棲龍館殺人事件」でこの事実をキング・ハデスから知らされた。身長161cm、体重53kg、おひつじ座のO型。
- 美南 恵(メグ:みなみ めぐみ)(声:桑島法子)
- 中学3年生(1987年生まれ)。一度見たり聞いたりしたものは絶対忘れない「瞬間記憶能力」の持ち主で、4歳の時に連続銀行強盗犯の顔を記憶して逮捕に貢献し、史上最年少で警視総監特別賞を授賞した過去を持つ。また、幼い頃に「国立能力開発研究所」に入所していた。当初は瞬間記憶能力を逆にコンプレックスに思っていたときもあり、またその能力ゆえ凄惨な殺人現場の記憶に苦しめられることも多かった。次第にキュウを意識し始め、ある事件を解くヒントとして彼が変装して渡した千円札を「お守り」として持っていたことから、キュウとの関係が一歩進んだ。両親は仕事でスイスに出張しており、大学生の姉・茜(声:山田美穂)と二人暮らし。身長163cm、体重47kg、みずがめ座のA型。カズマによるとBカップらしい。
- 天草 流(リュウ:あまくさ りゅう)(声:遠近孝一)
- 中学3年生(1987年生まれ)。高等数学・物理学・英語など様々な分野に長けていて、アメリカの大学の入学資格を持つ「天才」。だが実は犯罪組織『冥王星』の首領キング・ハデスの孫に当たり、その事で本人も悩んでいて、一時期家を出てキュウの家に居候したこともあった。5歳以前の記憶をキング・ハデスの催眠術により失っていたが、「サイキック殺人事件」(単行本では「サイキック・マーダー」)を機に記憶を取り戻した。また、「棲龍館殺人事件」にて、キング・ハデスは傍系の祖父で、直接血を分けた縁者ではなかったことが判明した(彼は九頭龍匠の本妻の子孫だが、キング・ハデスは本妻の子ではない)。身長166cm、体重50kg、さそり座のAB型。
- 鳴沢数馬(カズマ:なるさわ かずま)(声:川上とも子)
- 小学5年生(1990年生まれ)。総合財閥鳴沢産業社長・鳴沢卓馬の三男であり、7歳の時から数々の大ヒットゲームを世に送り出した天才ゲームプログラマー。その為、コンピューターに関する知識は目を見張るものがあり、検索エンジンや事件ファイル、高度な計算ソフトなども自分で開発している。「魔矢姫伝説殺人事件」では依頼者をやり込めるなど、少々生意気な面も見られる。ちなみにペット(マッキントッシュ)の犬小屋?は通常の家庭の家の大きさとほぼ同じ。 身長142cm、体重38kg、ふたご座のB型。
- 遠山金太郎(キンタ:とおやま きんたろう)(声:石川英郎)
- 高校2年生(1983年生まれ)。遠山の金さんの末裔。頭はそれほど良くないが、運の良さ・直感・運動能力(剣道・柔道・空手合わせて十段)・視力(4.0)は抜群。「遠山流隠密術」という秘術を継承している。余談だが、テニスの王子様や、TVドラマのケイゾクにも、同姓同名の人物が居る(何れも、当人とは無関係である。)。身長180cm、体重70kg、いて座のO型。
[編集] DDS講師
- 団 守彦(だん もりひこ)(声:田中秀幸)
- DDSの学園長で、DDCの創設者。1936年生まれ。警視庁の刑事だったが、30代頃に退職し、探偵事務所を開く。探偵として、日本で唯一拳銃を携帯するなど警察と同等の権利を持つことが許された「警視庁特別公認探偵」の称号を授与されている。『冥王星』との対決による負傷で、作中では車椅子生活を送っており、また不治の病で寿命が余りないため後継者を育てるべくQクラスを開設した。共に過ごした中学時代の出来事が原因で黒王星彦がキング・ハデスとなったことに負い目を感じていた。「棲龍館殺人事件」解決後、Qクラスのメンバーへ5つに割れた警視庁特別公認探偵のメダルを後継者の証として託した後、眠るようにして他界。
- 片桐紫乃(かたぎり しの)(声:久川綾)
- 団の秘書で、身の回りの世話や雑務を担当。DDS第一期生の1人で、有能な探偵でもあり、(空手と柔道は二段である)得意分野はダイイングメッセージの解読。実は、団とは恋愛関係にある。
- 真木慎太郎(まき しんたろう)(声:成田剣)
- DDC及びDDSの監察医。元は警視庁で監察医を務めていた。「国立能力開発研究所」の創設メンバーの1人でもある。海外出張から帰国した時に『冥王星』に拉致された(タナトスが彼に成りすましてDDSに潜入した)が、だいぶ後になって発見され、無事復帰した。そのため実質的な登場回数はかなり少ない。
- 七海光太郎(ななみ こうたろう)(声:三木眞一郎)
- DDCの探偵。DDS第一期生の1人。「団先生の右腕」を自称して、DDS講師の中では最もおちゃらけた性格だが、実際探偵としての能力はDDC中でもトップクラスで、特に変装に関しては右に出るものはない(作中ではQクラスのメンバーを陰から見守っていることも多々あった)。団が危篤状態に陥った時には、DDS学園長代理を務めた。サボテンの植木鉢型のマスクを好んで、幾度かかぶっていた。
- 本郷 巽(ほんごう たつみ)(声:梁田清之)
- DDCの探偵。顔や手、腕時計は傷だらけで、数々の修羅場をくぐってきた経歴の持ち主。礼儀や態度に厳しく、授業も厳しい。七海と並ぶDDCトップの探偵で、七海とは対立しているように見えるが、DDS第一期生時代からの仲であり、実は互いに気心の知れた存在である。作中に登場する前は足を怪我して入院しており、作中では最後まで足を引きずっている。
- 鬼首独郎(おにこうべ どくろう)(声:千葉繁)
- DDC及びDDSの科学者。通称「ドクター・ドクロ」。団の懐刀(ふところがたな)とも称され、数々の探偵ツールの開発や科学捜査に携わる天才科学者だが、マッドな面も強い。趣味は骨の収集で、全ての骨に名前をつけている(「エリザベス」など)。また、自分の目で見たものしか信用しないため、「地球は平らである」と信じている。
[編集] Aクラス
- 雪平桜子(ゆきひら さくらこ)(声:雪野五月)
- Aクラスのエース。実は団の姪であるが、コネ等ではなく自力でその地位まで上り詰めた。小学校3年の時に警視総監特別賞を授与されたという経歴を持つ。さらに五ヶ国語もしゃべれる強気な女の子。Qクラスに激しいライバル意識を持っている。17歳。
- 白峰隼人(しらみね はやと)(声:葛城政典)
- マジシャン。世界的マジシャンの父に仕込まれ、8歳の時には既にラスベガスのマジックショーの舞台に立っていた。16歳。
- 郷田京助(ごうだ きょうすけ)(声:千葉進歩)
- 数学の天才で、17歳の時に数学オリンピックで世界ランキングに入ったこともある。性格はかなりイヤミで、キンタのことを「筋肉バカ」呼ばわりしたこともある。19歳。
- 獅子戸猛(ししど たけし)(声:栗山浩一)
- ハーバード大学の学生だが、休学してDDSに通っている。犯罪心理学の博士号を持っている。20歳。
- 遠矢邦子(とおや くにこ)(声:金田朋子)
- 元私立渋澤学園高校の生徒。リュウとメグが高校に潜入捜査に来て、リュウに憧れてDDSに入った(アニメでは,暗い自分を変える為と言って入学し、リュウついての描写は無かった)。最初はおかっぱ風の髪でメガネをかけた地味な外見だったが、入学を期に髪を染めてコンタクトを入れたコギャルのような姿で登場した。性格は内気だが、探偵としての高い才能を秘めている。実は、実家が合気道の道場であるため、合気道の達人である。趣味は心霊写真集め。15歳。
- 霧雨右近(きりゅう うこん)
- キンタの幼馴染。「雪月花殺人事件」をきっかけにDDSに興味を持ち、入学した。幼いころから天才と呼ばれ、かなりの切れ者だが、同時にかなりのイタズラ好きである。絵の技術も高い。17歳。
[編集] Bクラス
- 三郎丸豊(さぶろうまる ゆたか)(声:飛田展男)
- IQ180の現役東大生。「国立能力開発研究所」出身でもある。見栄っ張りな性格。DDSの入学試験の際にはキュウたちの妨害をしたにも関わらず補欠合格であり、本来不合格であったが懇願してAクラスに入った。その後、クラス入れ替え試験でBクラスに降格した。20歳。
- 近松すみれ(ちかまつ すみれ)
- キンタの幼馴染。幼い頃から練習していた竹刀や手裏剣などの体術を自由に扱うことができる。キンタに想いを寄せていることもあってか、DDSに入学した。17歳。
[編集] 犯罪者
[編集] 冥王星
- キング・ハデス(黒王星彦:こくおう ほしひこ)(声:納谷悟朗)
- 犯罪集団『冥王星』の創始者であり首領。九頭龍匠の息子で、リュウの祖父に当たる。団守彦とは中学校時代の同期で親友だったが、とある事件をきっかけにその仲は瓦解する。やがて、父・九頭龍匠に裏切られたと思い込み、キング・ハデスとなることを決意した。孫のリュウを自分の後継者にしようと目論んでいた(リュウをDDSに通わせたことなども全て計算ずくだった)が、「棲龍館殺人事件」でリュウに『冥王星』との訣別を宣告され、そしてQクラスと団守彦に敗北を喫して、自ら館に炎を放ち、その炎の中に消えていった。
- 尚、ハデスはローマ神話のプルートに相当する。ハデス=死神と思われがちだが、ハデスはギリシア神話の冥界の支配者であって、直接死を司るわけではない。
- ケルベロス
- 『冥王星』幹部。催眠術を得意とする。プライドが高く、キング・ハデスには忠誠を誓っており、自らを「芸術としての犯罪」のコーディネーターであるとうそぶく。国立能力開発研究所にいた過去を持ち、その頃はケン・L・ベルローズと名乗っていた。年齢は25歳。『冥王星』が完全に壊滅した後は天草寂を解放して姿を消す。名前の由来はギリシャ神話における冥界の番犬「ケルベロス」。
- サー・カロン
- 『冥王星』幹部。キング・ハデスと部下の間の橋渡しを務めていることや、キング・ハデスに対してあらゆる報告を行っていることから、恐らく『冥王星』最高位の幹部であると推測される。顔の左半分に仮面を装着しているが、これは、団守彦に銃撃して重傷を負わせ、とっさに飛び掛った連城暁と格闘して、川に落ちた際に負った傷を隠す為である。「棲龍館殺人事件」では先走った行動に出たため、キング・ハデスの怒りを買い、焼殺された。名前の由来はギリシャ神話における冥界への川の渡し守「カロン」。
- タナトス
- 『冥王星』幹部で、真木慎太郎に変装してDDS・DDCにスパイとして紛れ込んでいた。変装の腕は大変優れているが、知的な面ではアラが多く、監督した事件の謎をQクラスに簡単に解明され、更には警察にも拘束されそうになるなど、続けざまに失態を見せた。その上自ら犯罪に手を貸したり、キング・ハデスの方針に背いてQクラスメンバーの暗殺を図るなど、『冥王星』のルールをいとも簡単に破っていたため、組織には完全に不要とされ、逮捕網を掻い潜ったケルベロスの手で「処刑」された。名前の由来は、ギリシア神話における死を擬人化した神「タナトス」。
- サー・アヌビス(声:緑川光)
- アニメオリジナルキャラクター。ケルベロスとサー・カロンの2人の役割を成している。アニメ最終話で死亡。名前の由来は、エジプト神話の死の神「アヌビス」。
- エキドナ(声:羽多野渉)
- アニメオリジナキャラクター。DDSに潜入した。アニメ最終話で刺殺された。名前の由来は、ギリシャ神話の魔神で、ケルベロスの母でもある「エキドナ」。
- ミス・カオリ(声:茂呂田かおる)
- 『冥王星』の工作員。「幻奏館殺人事件」で警察に身柄を拘束された。一時ケルベロスに「処刑」されかけたが、催眠術を解くキーワードを聞かされたため正気を取り戻し、その後は保身の為、DDSに紛れ込んだタナトスの事を供述した。
- ミス・ユリエ(由利絵)(声:野田順子)
- 『冥王星』の工作員。リュウの母親「天草時絵」として振る舞うが、実際はリュウの監視役である。リュウが家出してキュウの家に居候した後は本拠地に潜んでいた。
[編集] 冥王星の指摘でやった犯罪者
[編集] その他
[編集] その他
- 連城 暁(れんじょう さとる)(声:関俊彦)
- 団守彦の最初の助手。DDS開校時には団と共に講師を務めており、七海・本郷・片桐は当時の教え子。団の後継の第一候補だったが、『冥王星』との戦いの中で団をかばって命を落とす。キュウの父親で、キュウが慕う「探偵のおじさん」の正体。
- 連城瑞枝(れんじょう みずえ)(声:亀井芳子)
- キュウの母親で、翻訳家。連城暁とは2人だけで極秘に結婚式を挙げた。当初キュウが探偵になることには反対だった。連城暁とキュウの親子関係についてはキュウは勿論、15巻までは団にも秘密にしていた。
- 九頭龍匠(くずりゅう たくみ)
- 絵画・作曲・建築・工芸・陶芸など多方面に渡って活躍した芸術家。特に「トリックアート」の第一人者でもある。一つの分野において九つのものしか作らなかったという経歴を持つ。右手の付け根に、冥王星の形の痣を持つ。1909年生まれで、現在は消息不明(恐らく亡くなっている)。正妻の孫がリュウの母親であり、愛人関係にあった黒王百合華との間の息子がキング・ハデスこと黒王星彦である。星彦をキング・ハデスにする直接のきっかけを作ってしまった人物であり、そのことに関連して、暗号めいた「九頭龍日記」を著している。
- 黒王百合華(こくおう ゆりか)
- 九頭龍匠の愛人で、キング・ハデスの母親。旧華族の出身。「黒百合」と名乗り、殺人願望を持つ人間に殺人トリックを伝授するという、『冥王星』の元祖と呼べる人物である。棲龍館ホテルの建物の元の持ち主。殺人教唆の罪で警察に逮捕された直後に自殺した。
- 天草 寂(あまくさ しずか)
- リュウの父親で、天草家当主。九頭龍匠と正妻の孫娘の夫。表向きは9年前に死亡していた…とされていた。実態は『冥王星』メンバーが彼の「自殺」を演じ、それをリュウに見せ精神的打撃を与えることで催眠のかかりやすい状態にし、リュウを冥王星へと引き込もうとするキング・ハデスの策略だった(本人は催眠で一時的に廃人状態にされて監禁されていた)。『冥王星』壊滅後、キング・ハデスの命令によりケルベロスが彼の催眠を解いた。その後、リュウと共に生活している。
- 遠山金三郎(とおやま きんざぶろう)(声:青山穣)
- キンタの父親で、警視庁の警視正。年齢は58歳。子供はキンタの他、警察関係のキャリア官僚の3人の娘がいる。キンタをバカ息子といっている。
- 海堂(かいどう)(声:中嶋聡彦)
- 鳴沢家の執事。ヘリコプターの操縦免許、柔道・剣道の段位(合わせて九段)を所持するなど多才である。何故か登場するときは常に周りがキラキラしている。
[編集] 登場組織・用語
- DDS(Dan Detective School、団探偵学園)
- 団守彦が創設した、探偵を養成する学校。法医学・暗号・格闘技・コンピューターなど様々なことを学ぶ。クラスはQ・A・B・C・Dの5つに分かれている。QクラスのQは「Qualified(資格を与えられた)」という意味で、団守彦が探偵業を始めた建物(棲龍館)を校舎として使い、団自身からも講義を受ける。ここの生徒であることを示すDDS手帳は警察手帳に匹敵するほどの効力を持つ。講師はDDCの探偵と兼業である場合がほとんど。またここの卒業生は一定期間DDCで働くことになっており、これは第一期生(七海・本郷・片桐)の時代から変わっていないと思われる。初代講師は団守彦と連城暁の2人であった。Qクラスは1人の後継者を選び出すというのが当初の目的であったが、団の警視庁特別公認探偵のメダルが5つに割れた偶然から5人全員が後継者になった。
- DDC(Dan Detective Company、団探偵社)
- 団守彦が創設した探偵社。DDSの上部組織。
- 『冥王星』
- 黒王百合華が編み出した理論を元に、キング・ハデスが創設した組織で、団守彦とDDCの宿敵。殺人を望む依頼者に犯罪計画を授けて殺人を実行させ、成功した場合は依頼者の全財産の半分を貰い受ける。その際、依頼者には「後催眠」をかけ、計画が失敗した場合には組織のことが発覚しないようにする(具体的には自殺させたり精神を狂わせたりする)。ただしメンバー自身は直接犯行に手出ししては絶対にいけない(あくまで「頭脳集団である」ことを自負する)。メンバーは、必ず体のどこかに冥王星の形の入れ墨をつけていて、これによりメンバーであることが認識されるが、上がメンバーとしての「品位」を持たぬと判断した者は容赦なく「処刑(殺害ではなく、強力な催眠術により自我を喪失させ廃人にする)」する。一度は団守彦と連城暁を中心とするDDCによって壊滅に追い込まれたが、本拠地を知られずに済んだためしばらくの間潜伏活動を続け、復活した。ストーリーの最終部で本拠地を警察とDDCに制圧され、再び壊滅した。
- 幹部級のメンバーはみなギリシア神話の「ハデス(冥界の王)」や惑星「冥王星」に関連した名前を持つ。「カロン」が冥王星(すなわちハデス)の衛星であったり、「ケルベロス」がハデスの忠犬である、あるいは「タナトス」はヘラクレスにしてやられるなど落ち度の多い死神である、など、名前のもつ意味が漫画内でのキャラクターをそのまま映し出したものとなっている。アニメオリジナルの「アヌビス」だけ、エジプト神話の死者の神となっている。
- 国立能力開発研究所
- メグや三郎丸が通っていた、国立の研究所。表向きは天賦の才能を開花させる研究所だが、実は超能力者の発掘・養成所で、全国から優秀な子供を集めては超能力者を養成していた。実情は極めて不透明で、とある事件を契機に廃れ、4年前閉鎖された。
- 棲龍館
- 九頭龍匠が設計した館。全部で9つあり、それぞれの館には龍生九子の名前がつけられている。そのうちの7番目の館がDDSのQクラス校舎であり「睚眦(がいし)」に相当する。
[編集] 特徴
この作品では、原作者である天樹征丸氏の方針で、同作者陣による前作『金田一少年の事件簿』にくらべて、各事件は「ヒントは○つ」の台詞とともにヒントが提示されるなど、「解き易く」しているとのことであるが、ストーリー性は非常に強く、刻々と描かれているQクラスの5人それぞれの成長は興味深い。特に、最も目覚しい変化を遂げているのがリュウである。しかし、順を追って読み進める際には、彼が変化していることには気づきにくい。後になってみて大きく変化していることに気づく。この変化の過程の自然な描かれ方が、作者陣のセンスの高さを伺わせるところである。またストーリー全体で大きな謎がいくつも散りばめられており、その謎を登場人物とともに追い求めることができる、というのがこの作品の最大の特徴である。
この作品が都合上、連載を一時的に中断することもあったが、その際には「金田一少年の事件簿」が復活し、同作品の最新作が一時的に連載された。そのため、中断期間中にありながらも読者の大きな不満は生まずに済んだ。
[編集] 主な事件
『冥王星』が絡んでいるもの、もしくは6話以上で語られた中編以上のもの。
- 切り裂き島の惨劇(登場怪人名、切り裂きジャック)
- 神隠し村殺人事件
- 降霊術殺人事件
- 軽井沢コンパニオン殺人事件(作品タイトルは「Q対A 延長戦」)
- 殺人コレクター
- 幻奏館殺人事件(登場怪人名冥界のマエストロ)
- 魔矢姫伝説殺人事件
- 雪月花殺人事件(「雪月花殺人事件」~「Qクラスであるために」~「暴かれた貌」)
- 吊り橋村殺人事件
- サイキック・マーダー(連載時は「サイキック殺人事件」。登場怪人名、サイキック)
- 棲龍館殺人事件
[編集] アニメ
2003年4月5日~2004年3月20日(一部地域除く)まで、TBS系列で放送されていた。全45話(一部地域では21話まで放送)。なお、CS放送のTBSチャンネルでも2007年3月の13:00~15:54に9話連続で5日間放送される。
2003年9月までは、火曜18:55~19:24の放送だった(TBS製作のTVアニメとしては、1991年10月から1992年9月まで放送されていた「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」以来、およそ12年ぶりのゴールデンタイムの時間帯での放送)。
しかし、裏番組である日本テレビの「伊東家の食卓」などに苦戦し、視聴率不振(平均3~6%)になったため、「ぴったんこカン・カン」を1時間枠として放送させることになり、2003年10月から土曜17:30~18:00に移動。TBCなど一部地域では打ち切り(または深夜ローカル枠)となったが、打ち切り地域でも内容自体は「次回へ続く」だったものを無理矢理「最終回」にしたため、一部地域では非常に不自然な最終回として放送された。
また、本当の最終回でも、原作はまだ連載中であったため、「冥王星」やリュウの過去などのストーリーの全貌は明かされないまま、オリジナルストーリーで終了した。
なお2003年12月から2004年3月の最終回までは地上波デジタル放送で16:9のハイビジョンバージョンが放送されていた。この作品の終了から約3年にわたり、TBS制作の全日帯アニメは存在しなかった(この間は特撮含めてMBSやCBCと言った系列局制作)が、2007年4月からの同時間帯のTBS制作アニメ枠再開が決まっている(CBC制作の「ウルトラマンメビウス」の後番組として、「ラブ★コン」を放送する)。
[編集] STAFF
- 原作:天樹征丸
- 漫画:さとうふみや(講談社「少年マガジンKC」刊)
- 企画プロデューサー:坂本香(TBS)・工富保(講談社)・本間道幸(ぴえろ)
- 原案協力:都丸尚史、三枝亮介、永井一章(講談社「週刊少年マガジン」編集部)
- シリーズ構成:林誠人
- トリックスーパーバイザー:広真紀、高橋ナツコ、渡邊大輔
- キャラクターデザイン:大西雅也
- サブキャラクターデザイン:宇佐美皓一
- プロップデザイン:高木弘樹
- 総作画監督:北山真理
- 美術監督:高木佐和子(Studio Wyeth)
- カラーデザイン:上谷秀夫
- 撮影監督:福島敏行
- 編集:植松淳一(Production I.G)
- 音楽:池田大介
- 録音演出:阿部記之、清水勝則
- 音響効果:武藤晶子(サウンドボックス)
- 録音調整:西澤規夫
- 録音助手:山口佐織
- 録音スタジオ:二分坂スタジオ
- 録音制作デスク:鈴木裕子
- 録音制作:ザックプロモーション
- 音楽制作:Being Music Fantasy
- プロデューサー:源生哲雄(TBS)・丹羽多聞アンドリウ(BS-i)・萩野賢(ぴえろ)
- 監督:阿部記之
- 製作:TBS・ぴえろ
- 著作:(C)天樹征丸・さとうふみや/講談社・TBS・ぴえろ
[編集] 各話タイトル
単位(Qualified)
- 目指せ!世界一の名探偵!!(アニメオリジナル)
- 夢の第一歩・入学試験開始!
- 最終関門!張り巡らされた罠
- 入学式の殺意!学園爆破予告
- 暗号解読!?死者のメッセージ(アニメオリジナル)
- 証言者1000人 完全なアリバイ(アニメオリジナル)
- 瞬間記憶の芸術 ジグソーパズルの遺言状(アニメオリジナル)
- 切り裂き島の惨劇―あの美少年探偵!遂に登場!!
- 対決!時を越えた殺人鬼!!
- 天才美少年・完全密室を暴く
- 最終解決!Qクラスの真実!!
- たたり発生!?降霊術殺人事件
- 密室の悪霊!止まらない殺人
- 霊界が告げる禁断の真相
- 水深30m・海底密室殺人事件(アニメオリジナル)
- クラス対抗!人間消失バトル
- 死に至る秘境!神隠し村伝説
- 決定的瞬間!空に消える死体!!
- 死のお告げ!次はお前だ!!
- 正体発覚!仮面の教祖―暴かれた罪と嘘
- 最後の神隠し!答えはひとつ
- 死者のディナー・欠けた一品を探せ
- アリバイ列車
- 呪いのアイドル・映画祭殺人事件
- 宿敵!冥王星―迫る悪の影
- 危険な放課後・狙われたメグ
- 消えたドラゴン・旧校舎の秘密
- 絶体絶命!地下牢獄からのSOS
- QクラスVS殺人コレクター―メグに魔の手が迫る!
- 実況中継!死の校内放送
- ネットの悲劇・遅すぎた過去
美少女探偵団 ・危機一髪!- 猛毒のボウガン・家庭科室の謎
- 消えた呪い・カズマの結論
- 恐怖の宝石爆弾(アニメオリジナル)
- 死を招く音色・幻奏館殺人事件
- 死神の旋律
- 殺人協奏曲―冥界のマエストロはあなただ!
- 緊急事態!友情の決死行
- 真夜中の対決!迷路小路の首なし女
- 魔矢姫殺人事件
- 裏切り者の里
- リュウの決意、仕組まれた陰謀
- 団守彦、誘拐!クラス総出の大追跡(アニメオリジナル)
- 未来の名探偵-DDSよ、
永遠 となれ!(アニメオリジナル)
[編集] 主題歌
[編集] オープニング
- 「迷Q!?-迷宮-MAKE★YOU-」(第1話~第21話)
- 「Luvly,Merry-Go-Round」(第22話~第34話)
- 作詞:シライシ紗トリ、UCO、作曲、編曲:シライシ紗トリ/歌:ピポ☆エンジェルズ
- 「100%ピュア」(第35話~最終話)
- 作詞:mavie、作曲:k.h.i、編曲:秋元直也/歌:ピポ☆エンジェルズ
[編集] エンディング
- 「恋ごころ」(第1話~第11話)
- 作詞: 菅崎茜、作曲:大野愛果、編曲:小林哲/歌:菅崎茜
- 「虹色にひかる海」(第12話~第21話)
- 「みえないストーリー」(第22話~第34話)
- 作詞:AZUKI 七、作曲:大野愛果、編曲:小林哲/歌:岸本早未
- 「風に向かい歩くように」(第35話~最終話)
- 作詞:AZUKI 七、作曲:大野愛果、編曲:小林哲/歌:岸本早未
[編集] ドラマ
2006年、日本テレビ系列でドラマ化が決定し、同年7月1日に放送された。(福井放送、四国放送では未放送)
内容は「切り裂き島の惨劇」を元にしたオリジナルストーリー。ドラマそのものは若手実力派が地を固めたため好評であったが、原作視点から見ると不自然な点が多く、原作ファンからは「設定を変え過ぎ」、「余りにも原作と離れたキャラ設定」など不満の声が上がった。しかし、出演者の演技力の高さから、放送終了直後の番組ホームページのBBSには、同一原作者作品の『金田一少年の事件簿』と同じく、単発ドラマを経ての連ドラ化を望む声も多く見られた。視聴率は15.4%。
[編集] キャスト
- キュウ:神木隆之介
- 美南恵(メグ):志田未来
- 天草流(リュウ):山田涼介(ジャニーズJr.)
- 鳴澤数馬(カズマ):松川尚瑠輝
- 遠山金太郎(キンタ):要潤
- 三郎丸豊:中尾明慶
- 片桐紫乃:鈴木砂羽
- 真木慎太郎:東根作寿英
- キュウの担任:佐藤弘道
- 団守彦:陣内孝則
[編集] スタッフ
- 脚本:樫田正剛
- 音楽:吉川慶
- 音楽プロデュース:志田博英
- タイトルバック演出/アートディレクション:丹下紘希(イエローブレイン)
- プロデューサー:桑原丈弥(日本テレビ)・秋元孝之(アベクカンパニー)
- 演出:中島悟(アベクカンパニー)
- 制作プロダクション:アベクカンパニー
- 製作著作:日本テレビ
[編集] 原作からの変更点
- アニメ
- 団がキュウと連城暁が親子であることを知っている。
- 原作では死亡した被害者が、アニメでは生きていた(また、原作での死因は刺殺であったのに対し、アニメでは鈍器で殴られ重傷を負ったことになっている。)。
- 冥王星の人員構成。
- キュウ、メグ、キンタの出会いと、3人がDDSを受験するに至った経緯。
- カズマの口調がアニメでは所々に敬語が混じっている。
- 三郎丸が普通にAクラスに入っている。
- 原作で冥王星が関与した「降霊術殺人事件」がアニメでは普通の事件になっている。また、この逆もある。
- キュウの母の名前は、原作では瑞枝(みずえ)だが、アニメでは早百合(さゆり)となっている。
- DDS入試試験で、川に落ちたのがキュウとメグ(原作ではキュウとキンタ)
- DDSへのスパイの正体が明かされない。
- ドラマ
- キュウ、メグ、リュウの年齢が13歳になっている(原作・アニメでは14歳)。
- カズマの年齢も13歳になっていると思われる(原作・アニメでは11歳)。
- キンタが大学生(原作・アニメは高校生)で、いつも浴衣を着ている。また、語尾も「~ござる」になっている(実はわざとそういう口調で話しているらしく、素に戻ると普通の口調になる)。
- キュウの一人称が「僕」(原作・アニメでは俺)で、リュウはこの逆になっている。また、カズマの一人称も俺になっている。
- キンタの一人称が「拙者」(原作・アニメでは俺)になっている。
- メグの性格が最初生意気で意地悪っぽい
- 三郎丸が原作やアニメでは真っ二つに切られていたのに対し、ドラマでは焼死(ただしこれも原作にある事件のネタ)。また、殺される役は三郎丸のみでAクラスのメンバーが登場しない。
- 団守彦が歩く事が出来る。
- リュウの性格が原作よりも冷たい。
- 切り裂き島に人が住んでいる。
- 一部に原作の魔矢姫伝説殺人事件のトリックや、九頭龍匠関連の内容が含まれている(龍の画の扉を開いて入ったキュウとメグが閉じ込められる)。
- DDS手帳がDDSノートに変更されている。
- 三郎丸は、原作では最初から最後まで嫌な奴だが、ドラマ版では、途方に暮れてる初対面のキュウを励ましたり、殺される役を演じてもキュウの推理後「やっぱり皆を騙す事は出来ない」と素直に謝るなど、性格が割と温和になっている。
- 団守彦を含むDDS講師陣の基本姿勢が「厳しい中にも温かい教師陣」から「冷徹なだけの人間達」となっている。このため、原作で見られたキュウ達を「いいチーム」と評するシーンが見られず、冷酷に突き放すシーンが随所に見られる。
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
TBSテレビ系 火曜19時台前半(2003年4月 - 2003年9月) | ||
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前番組 | 探偵学園Q | 次番組 |
サバイバー | ぴったんこカン・カン ※1時間枠へ拡大 |
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TBSテレビ 土曜17時台後半(2003年10月 - 2004年3月、本番組までアニメ枠) | ||
GetBackers-奪還屋- | 探偵学園Q | チャンネル☆ロック! |
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