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機動戦士クロスボーン・ガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

[改名提案]   改名提案:この記事のタイトルに関して「機動戦士クロスボーンガンダム」への改名が提案されています。詳細はこの項目のノートを参照してください。
この「機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人」は、まだ完結していない作品や番組に関する項目です。ある程度ストーリー・番組内容がまとまってから編集するようにしてください。

機動戦士クロスボーン・ガンダム
漫画
原作・原案など 富野由悠季
作画 長谷川裕一
出版社 角川書店
掲載誌 月刊少年エース
レーベル カドカワコミックスエース
発表期間 1994年12月号 - 1997年3月号
巻数 全6巻
話数 全27話
漫画: 機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝
(機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート)
作者 長谷川裕一
出版社 角川書店
掲載誌 ガンダムエース
月刊少年エース
レーベル カドカワコミックスエース
発表期間 2002年11月 - 2004年10月
巻数 全1巻
話数 全6話
漫画: 機動戦士クロスボーン・ガンダム
鋼鉄の7人
作者 長谷川裕一
出版社 角川書店
掲載誌 ガンダムエース
レーベル カドカワコミックスエース
発表期間 2006年7月号 - 連載中
巻数 1巻~以後続巻予定
テンプレート使用方法 ノート

機動戦士クロスボーンガンダム』(きどうせんしクロスボーンガンダムMOBILE SUIT CROSSBONE GUNDAM)は、長谷川裕一漫画で、ガンダムシリーズの作品の一つである。

目次

[編集] 概要

月刊少年エース」(角川書店)において、1994年12月号(創刊号)から1997年3月号まで全27話が連載され、単行本全6巻が刊行された。

ガンダムシリーズの中では『機動戦士ガンダムF91』の続編に当たり、ベラ・ロナを中心として再興したクロスボーン・バンガードと、木星圏を根城とする木星帝国(ジュピター・エンパイア)との壮絶な戦いを描く。

他のガンダムシリーズを起点にした漫画では、原作者の肩書きだけであった富野由悠季が、初めて漫画制作自体に本格的に深く携わった作品でもある。

全体の画風が今までのガンダムシリーズと全く異なる(長谷川裕一の項の作風の節も参照のこと)為、初見の人間は大きな違和感を覚えるようだが、読み終わってみれば間違いなく富野由悠季の描くガンダムシリーズであると理解できる。ストーリーの展開も手に汗握るものになっている。また、近年富野自身も作品として語ることが少なくなったニュータイプについて久々に向き合い、新たな考えを提示している点も貴重である。

ガンダムシリーズ関係の漫画は多数存在し、一部の公式外伝を除けば非公式というのがガンダムシリーズの制作元であるサンライズの取る立場である(宇宙世紀の正史も参照のこと)が、原作が富野監督であること、テレビゲームSDガンダム GGENERATION』シリーズや『第2次スーパーロボット大戦α』に登場したことからファンからの認知度は公式作品にほぼ準じるものとなっている。

ガンダムエース2006年7月号より、続編である『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』が連載されている。

[編集] 時代背景

宇宙世紀0123年,クロスボーン・バンガード軍によるコスモ・バビロニア建国戦争において使用されたバグおよびラフレシアはクロスボーン・バンガード軍内にも動揺を与え,それまで拠り所としていた貴族主義にすら疑問を抱く者も現れ始めた。そんな矢先,当時,一時はコスモ・バビロニアの象徴としてマイッツァー・ロナに迎えられはしたものの貴族主義に異を唱え,レジスタンスに身を寄せていたベラ・ロナの反貴族主義演説を機にクロスボーン・バンガード軍内は内部分裂。以後4年にわたりマイッツァー派とベラ派との間で小規模の戦闘を繰り返すこととなる。 図らずも反貴族主義派のリーダーとなったベラ・ロナは,この時期,バグの被害により一旦フロンティアⅠを追われていたサナリィと接触。クロスボーン・バンガード軍によって接収されていた研究所の奪還と引き替えに以後の協力を約束させ,全面的な技術提携を結ぶことができた(尚,これら一連の交渉はベラ・ロナとレジスタンス時代からのメンバーを中心に行われたと言われている)。しかしながら,反貴族主義派とはいえ「クロスボーン・バンガード」を名のる組織との提携は,地球連邦軍内の一機関であるサナリィにとって決して芳しいものではなく,さまざまなプロジェクトはすべて極秘裏に行われた。もともと独自に高性能小型MSを開発することができたブッホ・コンツェルンの技術と当時最強とうたわれたF91他,FシリーズのMS群を産んだサナリィの技術の融合はこうした中で始まったのである。 サナリィとの提携により貴族主義派と反貴族主義派のミリタリーバランスは崩壊,戦局は一気に反貴族主義派に傾き,宇宙世紀0127年,クロスボーン・バンガード軍の内乱は反貴族主義派の勝利で幕を閉じることとなる。内乱の終結に伴い,地球連邦政府はクロスボーン・バンガード軍に対し武装解除とフロンティアサイドからの撤退を要求。事実上,クロスボーン・バンガード軍は衰退し,これにより貴族主義を標榜し連邦政府に反旗を翻したコスモ・バビロニアも崩壊の道をたどることとなる。 クロスボーン・バンガード軍の武装解除は,宇宙世紀0128年,3月15日,ベラ・ロナ率いるクロスボーン・バンガード軍艦隊自らの手によって行われる予定であったが,その前日,以前より建造されていたクロスボーン・バンガード軍旗艦「バビロニア・バンガード」の処女航海中に起きた事故によりベラ・ロナをはじめクロスボーン・バンガード軍の中核をなしたスタッフが多数失われ,当初の予定より一日遅れの3月16日,地球連邦軍によって行われた。この日は奇しくも,クロスボーン・バンガード軍が5年前にフロンティア・サイドを襲撃した日付と重なることとなった。

[編集] 宇宙海賊クロスボーン・バンガード

クロスボーン・バンガード軍旗艦「バビロニア・バンガード」の事故はクロスボーン・バンガード軍とサナリィによってはじめから計画されていた事であった。クロスボーン・バンガード軍の内乱のさなか,ベラ・ロナたち反貴族主義派のメンバーはその当時地球圏ではまだ誰も知らなかった敵の存在に気付いた。表向きは公社でしかない木星圏のコロニーで地球侵攻の準備を進めていた「木星帝国」である。 木星帝国は,クラックス・ドゥガチを総統とした独裁国家ではあるが,地球連邦政府にとってはヘリウム3(スリー)の回収の際になくてはならない友好国であった。クラックス・ドゥガチはこのヘリウム3の貿易で地球連邦政府を信頼させ,その影で地球圏に戦乱を起こそうとする組織に武器を与えるなどして徐々に地球侵攻の準備を整えていた。 この事実に気付いたベラ・ロナたち反貴族主義派のメンバーは,木星帝国の地球侵攻作戦を独自に阻止することを決意。そのためにはクロスボーン・バンガード軍の主要な軍事力を木星帝国との戦いに向けて温存させる必要があった。一方サナリィでも,クロスボーン・バンガード軍の武装解除によって,反貴族主義派にとはいえ,クロスボーン・バンガード軍に対する技術の流出が発覚することは何よりも避けたい事態であった。その結果,サナリィが関与した機体およびデータを搭載したバビロニア・バンガードを処女航海中の事故に見せかけ,ベラ・ロナたち反貴族主義派のメンバーもろとも歴史の闇に葬り去った後,クロスボーン・バンガード軍とサナリィとで密かに改修し,対木星帝国用の旗艦「マザー・バンガード」として蘇らせることとなった。こうして「宇宙海賊クロスボーン・バンガード」が誕生し,いずれ地球圏をも巻き込む木星帝国との戦いが始まったのである。

[編集] 単行本

本編(カドカワコミックスエース版)
「月刊少年エース」創刊初期の頃の作品の単行本としては現在でも比較的入手しやすい。
本編(普及版)
2003年8月にX1とX2がGUNDAM FIX FIGURATIONで発売されたのに前後して、コンビニ流通用に本編を上下巻にしたもの。長谷川裕一のインタビューや、ガンダムエースに掲載されたベラ・ロナのデータガンダムが収録されているが、2007年現在では入手は非常に困難である。
外伝
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
背表紙の通しナンバーが間違っているものが存在(KCA2-14が正しいが、『スカルハート』と同じKCA2-12になっている)

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


[編集] 物語

宇宙世紀0133年,コスモ・バビロニア建国戦争が終結して以降大きな戦乱も無く平和な時代,木星圏付近ではガンダムに似たモビルスーツ (MS) を利用して海賊行為を働く集団が出没していた。そんな中,地球圏育ちのトビア・アロナクスは,惑星間航行船に乗り,留学生として木星に行く途中の中継ステーションに到着した際,そのステーション内で追われていた一人の少女,ベルナデット・ブリエットと出会う。彼女と共に逃走中,船内に隠されていた地球へ運搬中の大量の毒ガスを発見してしまい,教官のカラスに追い詰められるが,その時警報が鳴り,海賊集団が出現する。ステーション防衛部隊が苦戦する中,トビアは残されていたMSに飛び乗り出撃し,クロスボーン・ガンダムと交戦するも圧倒的な性能差により機体を一刀両断にされてしまう。これまでかと思われた時,敵機からの通信によりトビアとベルナデットは脱出,敵パイロットに救助される。そこで彼らが聞かされた真実とは・・・

[編集] 主要登場人物

括弧内の人物はゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズや『第2次スーパーロボット大戦α』にて声を演じた声優

[編集] クロスボーン・バンガード

トビア・アロナクス(山口勝平
本編の主人公。両親は幼い頃に亡くなっているが、叔父夫妻に育てられ、歳の近い従兄弟のギルと同じように、わけ隔てなく愛情を持って育てられた。地球からの留学生だが、留学先となる筈だった木星圏の戦乱に巻き込まれる。キンケドゥ・ナゥに助けられて以降はクロスボーン・バンガードのパイロットとして戦い、優れたニュータイプとしての才能を開花させていく。前半では木星帝国から鹵獲したMSペズ・バタラに搭乗していたが、後半で新型のクロスボーン・ガンダムX3に搭乗し、最終決戦においてクラックス・ドゥガチを打倒、地球圏を核による滅亡から救った。木星戦役終結後は、キンケドゥよりクロスボーン・ガンダムX1を譲渡され愛機とする。なお、海賊に参加した事などのごたごたから戸籍では死んだ事になっているようだ。
既存の常識に捕らわれることなく、強い意志と判断力を見せる少年であり、ニュータイプの人間に、ともすれば生じがちな気負いはもちろん、優越感からくる傲慢さや選民思想などは微塵も見せず(逆にニュータイプ主義などに対する嫌悪感も垣間見せた)人同士の調和を常に求める姿勢を持つ。アムロ・レイカミーユ・ビダンに代表されるようにガンダムシリーズの主人公は内向的で屈折した面を多々見せているが、トビアは叔父夫妻に従兄弟と同じように愛情を持って育てられたためか、長谷川裕一作品の主人公に共通する明朗活発で前向きな性格である(ガンダムシリーズの主人公ではジュドー・アーシタが近い)。
ベルナデット・ブリエット/テテニス・ドゥガチ(夏樹リオ
木星から留学生の乗る船に密航して来た少女。中継ステーションでの襲撃騒ぎの後にマザー・バンガードにも隠れて乗り込むが見つかってしまい、艦長の保護下でマザー・バンガードのクルーとなる。彼女の持っているペンダントには何か秘密があるようだが…?
その正体はクラックス・ドゥガチの娘、テテニス・ドゥガチ。物語中盤で木星帝国に連れ戻され、後にモビルアーマー (MA) エレゴレラに乗せられてしまうが、トビアによって救出される(その後、『鋼鉄の7人』にて木星帝国側ではテテニスは宇宙海賊に殺害されたと伝えられていたようだ)。父親について身を案じていたが、あまりの非道ぶりから父親を倒すよう、トビアに頼む。
鋼鉄の7人内
終戦後はトビアと共に旅立つ。その貧乳ぶりは義母のエウロペに「子供のうちに栄養のあるものを食べさせるべきだったろうか?」と考えさせるほど。
キンケドゥ・ナゥ/シーブック・アノー辻谷耕史
クロスボーン・ガンダムX1を駆る青年で、新生クロスボーン・バンガードのトップガン。この作品のもう1人の主人公と言っても過言ではない。抜群の操縦センスと型に囚われない柔軟性(彼のこの一面はトビアに強く影響を与えてるものと思われる)を持ち、生身でも幾多の修羅場をかいくぐったことをうかがわせる戦士である。その正体はかつてクロスボーン・バンガードの蜂起の際に民間人ながらガンダムF91で目覚しい戦果を挙げ、レジスタンスのエースとして活躍したMSパイロット、シーブック・アノーその人である。彼が偽名を使うのは、恋人セシリーがベラ・ロナの名で戦うのに付き合うためと言われている。
後に離反したザビーネと戦いその際右腕を失うが、エピテーゼ手術を受け戦場に復帰する。木星帝国の地球全面核攻撃阻止に活躍し、因縁浅からぬザビーネも撃破している。終戦後はトビアに愛機X1を譲り、本来の名であるシーブック・アノーとしてセシリーと結婚し、地球でパン屋の若旦那となった。
トビアとの関係は『機動戦士Ζガンダム』のクワトロ・バジーナとカミーユの関係に似ているが、クワトロがカミーユの才能に押され、パプテマス・シロッコハマーン・カーンといったライバルとの力関係にも負け存在が埋没していった(その思考も純粋なスペースノイドの解放から、アムロとの個人的な決着へと埋没していった)のに比べ、キンケドゥは最後まで確固たる信念を持った、頼もしくやさしい兄貴分であった。
なお『F91』でシーブックを演じ、ゲームでもシーブック = キンケドゥの声を担当した辻谷は、『SDガンダム G-GENERATION F』で初めてキンケドゥを演じた際、現場で教えられるまで彼が自分のかつて演じたシーブックと同一人物だと知らず、「知っていればもっと役作りが出来たんだけれども」と収録した自分の演技にやや不満が残っていたことを告白している。
ベラ・ロナ/セシリー・フェアチャイルド冬馬由美
再興したクロスボーン・バンガードの指導者であり、戦艦マザー・バンガードの艦長。ストレスが溜まると、パンを焼くことがある。シェリンドン・ロナという従姉妹がいる。彼女は言うまでもなく『機動戦士ガンダムF91』に登場したセシリー・フェアチャイルドであり、彼女を補佐するキンケドゥ・ナゥことシーブック・アノーは恋人であり、彼を戦乱に巻き込んだ事に対して密かに思い悩んでいた。木星戦役後は名をセシリー・フェアチャイルドに戻して、同じく名を戻したシーブックと結婚し、一市民としてパン屋を営み、2児の母となっている。
ザビーネ・シャル梁田清之
かつてのクロスボーン・バンガードで戦隊指揮官の座についていた長髪隻眼のパイロットで、クロスボーン・バンガードの残虐なやり方に反抗しベラ・ロナに従った。ニュータイプではないがトビアの思考を読み取った事があるなど勘が鋭く(なお『スーパーロボット大戦シリーズ』においては『F91』のザビーネも含めて毎回ニュータイプと言うことになっている)、クロスボーン・ガンダムX2を駆り高い戦闘力を誇るエースパイロット。ベラ・ロナと貴族主義に執着し、後に木星帝国に寝返る。一度はX1のコクピットにビームサーベルを突き立て、キンケドゥの右腕を断つなど、彼を圧倒するが、最終決戦において木星軍で改良を加えたX2で、復活を遂げたキンケドゥの改良したX1に挑むも敗れて死亡。寝返った後、木星軍に拷問を受けた所為か、後半の彼は完全に精神が破綻しており、その姿はファンに衝撃を与えた。ちなみに、本来ザビーネという名前は女性名である。
ウモン・サモン(宮澤正
クロスボーン・バンガードに参加している、MSパイロットの老人。自称ニュータイプのお調子者であるが、一年戦争時代からのパイロットとしての実力は確かで、当時ガンダム顔のボールで6機のリック・ドムを撃墜している兵(つわもの)である。また、キンケドゥ不在時には彼がクロスボーン・ガンダムX1に搭乗した時もある。後半及び木星戦役後はフリント(簡易生産型クロスボーン・ガンダム)に搭乗。後にアマクサとの戦いで負傷した後、パイロットからメカニックに転向する。尚、サナリィが製造したクロスボーンガンダムにドクロのマークを付けたのはこの人のアイデアである。『スーパーロボット大戦』シリーズにおいてはニュータイプとなっている。
グリプス戦役の時には傭兵部隊の一員としてティターンズのふりをしており、ハッタリの多さに「誤報のデパート」の異名を取っていた。
ヨナ
ウモンやジェラドと共に木星戦役を戦い抜いた女性パイロット。モビルスーツ戦より生身の格闘戦(肉弾戦)が得意。ウモンとは家族ぐるみの付き合いらしく、若かりしころのウモンが祖母に想いを寄せていた事を知っている。
ジェラド
ウモンやヨナ同じく木星戦役を戦い抜いたパイロットの一人。ナイフ投げの名手。
ハリダ
クロスボーンバンガードのパイロットの一人。髭面パーマ。木星の衛星イオでの戦闘でMAエレファンテのフレシキブアームに乗機を巻き込つかれそのまま潰され戦死。
ロニム
クロスボーンバンガードのパイロットの一人。眼鏡を掛けたデブ。トビアにミノフロスキードライブの説明を行う。死の旋風隊のバーンズが駆るトトゥガに挑むが、トトゥガの冷却ガスによって動きを止められ、その直後撃墜され戦死。複数の長谷川作品によく似たキャラが出演している。
副艦長
本名は不明。マザー・バンガードの副艦長で同艦の操舵を務める。理想論が強い傾向にあるベラとは逆に現実的なところがあり、時には自分達が勝つためにベラの命令に反した行動をとる事もある。マザー・バンガード自爆以降未登場。
『第2次スーパーロボット大戦α』のマザー・バンガードの必殺武器「突撃」は元々は原作で彼がベラの命令に反して行ったものであり、使用した際のベラの台詞も本来は彼のものである。
技術長
本名は不明。マザー・バンガードの整備長でウモンと同世代の老人。常に酒瓶らしきものを持ち歩いてる。クロスボーンガンダムX1改のスクリューウイップは彼が考案したものである。
オンモ
クロスボーン・バンガード2番艦リトルグレィ艦長。木星戦役では地球からの物資輸送と補給を担当していた。木星戦役後はブラックロー運送の社長を務め、ベラに代わり宇宙海賊クロスボーン・バンガードの中心人物となっている(実際にはトビアが中心)。元サナリィ所属(サナリィ時代は「サナリィのアイドル」と呼ばれていたことが鋼鉄の7人で明らかとなった)。

[編集] 木星帝国

カラス(茶風林
トビア達留学生の指導教官の一人だが、実は木星帝国の諜報員で、ドゥガチ直属の部下。中継ステーション襲撃時に惑星間航行船に積んであった毒ガスをトビアが見た場面に居合わせ、証拠隠滅の為に、彼を拳銃で射殺しようとする。強い者こそが正しいという信念の持ち主で木星帝国に従っているのもその信念に基づいているに過ぎない。最期はMAノーティラスでトビアに挑み、敗れる。死の間際、後ろからトビアを撃とうとした部下を「敗者の分際で勝者の行く手を阻むな」と逆に撃ち落とし、信念を全うする。
ギリ・ガデューカ・アスピス(真柴摩利
対クロスボーン・ガンダムチーム死の旋風隊(デス・ゲイルズ)のリーダー。階級は少佐。木星帝国の次期幹部候補生。搭乗MSはクァバーゼで、チームの攻撃担当。外見からしてトビアと同世代の少年で彼のライバル的存在である。カラス直属のニュータイプであることに異常ともいえる自尊心をもっていて、性格は非常に尊大にして傲慢。地球での掃討戦では楽勝と思っていたトビアに敗北し、自決しようとしたがバーンズに止められる。
単行本5巻の121ページで、ベルナデットに対して「目ばかり大きくてあまりぼくの好みじゃないけど…」と発言した事があるが、これは恐らく富野監督の嗜好をそのまま発言させたものと思われる(実際、富野監督は長谷川裕一の好みが自分には合わないのが残念と発言し、「目を小さくして欲しい」と提言した)。
鋼鉄の7人内
その後(『鋼鉄の7人』)は地球でコックとして生活していた。バーンズの手引きで新生木星帝国と戦う仲間を求めていたトビアと再会し、当初は「今でも、ドゥガチの思想は間違っているとは思っていない」と味方になるのを拒否したが、影のカリストからNo.2と侮辱された事(本編当時から兄弟とは相当険悪だったらしい)からか結果的にはカリスト兄弟打倒の為に仲間となる。その様はスズキとバーンズ等からは「ツンデレ?」「ツンデレツンデレ」と呼ばれた。また環境変化からか、身長が急激に伸びてトビアを驚かせた。地球での生活でそれなりに苦労したのか、台詞から本編に比べ多少性格が丸くなっている事がうかがえる。なお、トビアの事を「海賊少年」(本編時)もしくは「海賊」(鋼鉄の7人時)と呼ぶ。
ビギナ・ギナIIに搭乗する。
ローズマリー・ラズベリー(まるたまり
死の旋風隊の女性パイロット。金と血生臭い騒動が大好きな性格。言動から生粋の木星帝国の軍人ではなく傭兵と思われる。搭乗MSはアビジョで、敵機の牽制・かく乱を担当する。捕虜となったトビアを公開処刑にする際はクロスボーン・ガンダムX2に搭乗するも、生身のトビア相手に油断し、不意を突かれて機体を奪われてしまう。地球での掃討戦で敗北する。
鋼鉄の7人内
その後(『鋼鉄の7人』)は経歴を詐称してアナハイム・エレクトロニクス社ミノフスキードライブ搭載型試作MS (?) スピードキングのテストパイロットになったが、ある理由から各地を巡業してモビルスーツストリップを行い生活している(モビルスーツストリップとはMSの掌の上でストリップを行うことである)、トビアからの誘いにもちろん行くと快諾した。お金さえしっかり払っておけば絶対に裏切らないそうである。余談だが、本編では生身のトビアにX2を奪取されたり、地球での掃討戦では真っ先に撃破されたりと強そうな描写がなかったが、実はキンケドゥに匹敵する凄腕MSパイロットである。
バーンズ・ガーンズバック(飯塚昭三
木星帝国のベテランパイロット。階級は大尉。搭乗MSは専用機として赤色に塗装したバタラだったが、死の旋風隊ではトトゥガを与えられ、防御を担当する。息子を事故で失っており、過酷な木星の環境と比べ、豊かな水資源を持つ地球圏の住人に対して恨みを抱いていた。彼の搭乗したバタラは専用のパーソナルカラーが許されていた事から、軍内部でもかなり名の知られた存在らしい。水素採掘ステーションでクロスボーン・バンガードと交戦した後、実績を買われ死の旋風隊に抜擢、クロスボーン・ガンダムと死闘を繰り返す。
敵であるトビアに亡き息子の面影を見ており、地球での掃討戦での敗北後、彼らにジュピトリス9の弱点を教えた。
鋼鉄の7人内
『鋼鉄の7人』では地球で生活し、牧場を営んでいた。トビアからの誘いに快く応じ、共に戦う。
クラックス・ドゥガチ(永井一郎
木星帝国の総統。木星圏を人の住める環境にするために70年余りに渡り尽力していたが、資源に乏しく過酷な環境故に地球連邦政府との交渉では常に下に見られていた。一定の国力を持ち始めたある時、地球側から妻を引き合わさせられるが、それは彼にとって政略結婚以外の何物でもなかったことから、かつてない程の屈辱を味あわせられる。地球に対し狂気ともいえる憎悪を抱いた彼は、密かに木星帝国(ジュピター・エンパイア)を築き上げ、自らのコピー10体を製作し、自分の屈辱を晴らすためだけに地球の完全なる滅亡を目論む。オリジナルのドゥガチは、全身がチューブで繋がれた状態で、髪の毛も全て抜け落ちてしまっており(チューブを取り付ける為に、態々剃った訳では無い。服装は他のドゥガチと同じ。なお、『第2次スーパーロボット大戦α』では何故かオリジナルも髪が生えている状態になっていた)、酸素マスクを付け、培養液のようなものの中に入っている。搭乗機は、MAディビニダド

[編集] 地球連邦軍

ハリソン・マディン(青羽剛
地球連邦軍第17機動中隊所属の大尉。この時代においては、珍しくまともな考え方を持った軍人。連邦軍随一のエースとして機体を青色の専用色に塗装し、量産型ガンダムF91部隊の隊長として、マザー・バンガードの引渡しに抵抗するクロスボーン・バンガードと交戦する。その際に戦いを演じた相手がF91(試作機)のオリジナルパイロットでもあったキンケドゥであり、地球侵攻を行う木星帝国の母船ジュピトリス9の攻撃の際にはキンケドゥ達への理解を示し援護を行う。戦役後もトビア達との微妙な関係は続いていた。
その腕は確かで最大稼働モードのF91を制御出来る程で、キンケドゥには骨のあるヤツと認められ、X1のビームシールドを初めて使わせた人物である。
外伝内
また、ハリソンの部隊に志願して入隊する者もいるなど、部下からは強く慕われているが、女性の好みに少々問題…と言う一面も(トゥインクは好みのタイプに入るようだ)。
余談だが、『第2次スーパーロボット大戦α』ではキンケドゥ=シーブックと知った上での会話があった。
鋼鉄の7人内
『鋼鉄の7人』で遂にトビアの正体を知る事となった。地球連邦軍の腐敗に半ば呆れながらも、あくまでも今の地球を治めるのは連邦政府なのだからと連邦に所属し続け、常に前線に立つことを良しとする。スズキとはかつての教官と生徒の間柄であり「連邦の青い閃光」の名は彼に認められ譲り受けたものである。トビア達に影から協力し、自機のF91を「調子が悪いので乗らない」と嘘をつき貸し出している。
司令
本名不明。ハリソンの上官。クロスボーンバンガード討伐、連邦高官の不正行為の隠蔽といった汚れ役や、地球へ来訪したクラックス・ドゥガチへの謁見といった日の当たる任務もこなす事から連邦軍内では幹部クラスの地位にあると思われる。『猿の衛星』ではハリソンに事件の説明をして自らツッコミを入れているなどノリが良い一面も。ある意味連邦の縮図を体現している様な人物。

[編集] コスモ・クルツ教団

シェリンドン・ロナ
コスモ・バビロニア崩壊後、貴族主義勢力から担ぎ出された名家の令嬢。べラ・ロナの従姉妹であり、ベラからはシェリーと呼ばれていた。ニュータイプ至上主義者であり、本人も高いニュータイプ能力を有す。ニュータイプとその素質があるものを集め、オールドタイプは切り捨てるような発言もした。トビアを引き抜こうとしたが、人間であることに希望を捨てない彼の強い信念と決意に負け、新型機クロスボーン・ガンダムX3を預ける。小説版『機動戦士ガンダムF91』でもその存在が語られている。

[編集] その他

きこりの爺さん
本名は不明。地上の森林監視員。地球へ逃れたトビア達を匿う。モビルスーツを操縦するチンパンジーを飼っている。
セバスチャン
上記のじいさんの飼っている作業用MSを操るチンパンジー。

[編集] 関連作品

  • クロスボーン・ガンダム外伝
  • クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人

[編集] 機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝

この節では、『機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝』と題されていないものを含め、長谷川裕一によるクロスボーン・ガンダム関連短編漫画について概説する。

本編の連載終了後、『SDガンダム GGENERATION』シリーズで本作が取り上げられるなど、本編連載当時より知名度が上がり、またバンダイグループから関連商品が提供されるようになった。このような背景のもと、雑誌『ガンダムエース』などに散発的に読み切り作品が発表されており、2005年には後述するすべてのエピソードを収録した単行本『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』が発売された。

なお、本編連載開始以前に発表された長谷川作品『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』『機動戦士Vガンダム外伝』とのクロスオーバーが見られるなど、より「長谷川色」の強い作品群であり、本編と異なり富野由悠季は漫画実作には関与していないと見なされることが多い。

[編集] 外伝ストーリー概要

クロスボーン・ガンダム本編の後日談、すなわち宇宙世紀0133年より数年後の時代を主な舞台とする。この時代、トビアら海賊軍の残党は、表向きは「ブラックロー運送」という運送屋を営む傍ら海賊軍時代の武装を密かに保持しており、様々な事件に巻き込まれる。

そのほか、前日談的なもの、本編と平行するエピソードなどもある。

海賊の宝
連邦軍の機密文書を積んだ輸送船が木星軍の残党に襲われる。これを防ぐべく連邦軍のハリソン大尉らが出撃したところ、海賊軍までもが現れ三つ巴の様相となる。
最終兵士
トビアらは「木星じいさん」を名乗る老人から、木星軍の残党から誘拐された「伝説の兵士」を奪回してくれと依頼を受ける。(「木星じいさん」は他の長谷川作品にも出ているキャラクターで、ジュドー・アーシタではないかという説がある)
猿の衛星
謎のMSが出没する宙域の調査を命じられたハリソン大尉は、元・海賊軍と知らずにトビアらの船を輸送船として雇う。謎のMSに5機も撃墜されてしまった連邦軍…謎のMSの正体は!?
星の王女様
宇宙世紀0133年。トビアは小惑星ネバーランドで世間と隔絶して暮らす少女・トゥインクに出会う。
バカがボオルでやってくる!
本編中で「ボールでドムを6機撃墜した」と自称するウモンじいさん。その宇宙世紀0079年における戦闘を描く。
タイトルは「馬鹿が戦車(タンク)でやってくる」が元ネタ。

[編集] 外伝の登場人物 

ヨナ・キニスン
『バカがボオルでやってくる!』に登場。一年戦争でのウモンの上官であると同時に想いを寄せていた女性。本編のヨナは彼女の孫娘である。
シーナ・カッツィユッキー
『猿の衛星』に登場。元ジオン軍将校。E計画を知る数少ない人物。
アンソニー&セガール
E計画によって生み出されたニュータイプ兵士。
グレイ・ストーク
『最終兵士』に登場。通称木星爺さん。『機動戦士Vガンダム外伝』に同名の人物が登場する。
トゥインク・ステラ・ラベラドゥ
『星の王女様』に登場。木星軍が秘密鉱山として利用していた小惑星ネバーランドに1人で暮らしていた少女。死んだ母親が地球から持ってきた本が「ピーターパン」と「星の王子様」だけだったため、外の世界の知識はそれしか持っていない。トビア達の活躍で木星帝国から解放され、本編終了後に新生クロスボーン・バンガードに所属する事になる。この頃には大分常識を身に付けていた。なお、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』及び『~スカルハート』(おそらく『鋼鉄の7人』も)は彼女が執筆した記録である事が『スカルハート』のプロローグで明かされている。

[編集] 機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人

2006年のガンダムエース7月号より連載中の新シリーズ。宇宙世紀0136において始まったクロスボーン軍と木星帝国の最終決戦を描く。映画『七人の侍』がモデルである。

本作の後の時代(宇宙世紀0153年)を描いた『機動戦士Vガンダム』のキャラクターやミノフスキー・ドライブといった技術も登場しており、両作品の間を繋ぐ物語にもなっている。

[編集] 『鋼鉄の七人』からの登場人物

[編集] サナリィ

オーティス
サナリィ第2月面開発実験所の責任者。たびたび非公式に実験機やそのパーツを買い付けに来るクロスボーン・バンガードに、実戦データ収集の為、「疫病神」と憤慨しつつも渋々協力している。喜怒哀楽の激しい性格をしており、アナハイムを罵る様はこの手の人間に対する耐性が強いトビア達をもって唖然とさせた。
『機動戦士Vガンダム』の登場人物のオーティス・アーキンズである可能性が高いが、『Vガンダム』本編での温和な性格に比べ、当作品ではアナハイムの実験機に対する優越感をあらわにするような言動など、性格の面で大きな開きが見られる。
ミューラ
サナリィ第2月面開発実験所の技術者の女性。感情の起伏の激しい同実験所責任者オーティスのフォローにあたる。
『機動戦士Vガンダム』の主人公ウッソ・エヴィンの母親であるミューラ・ミゲルである可能性が高い。
ミノル・スズキ
サナリィ第2月面開発実験所のパイロット教官。かつては地球連邦軍所属のエースパイロットで「連邦の青い閃光」と呼ばれていた、パイロット教官に転進後はハリソン・マディンにその名を譲り、その後は数多くの優秀なパイロットを育て上げていった。
実験所が襲撃された後は、トビア達の良き協力者として行動を共にしている。
ガンダムF90インターセプトタイプに搭乗する。その際のパーソナルマークはRB(F99レコードブレイカー)の文字を捩った物。
ヨン
F99テストパイロット。テストパイロットのリーダー格。カリストに殺される。
ユリシーズ
F99テストパイロット。カリストに殺される。
ミッチェル・ドレック・ナー
F99テストパイロット。三人のテストパイロットの中で唯一生き残ったが、カリストとの戦いの恐怖からMSに乗る事を拒むようになった。しかしトビアやスズキ達の奮闘を見る内に勇気を取り戻しつつある。
ハリソン・マディン専用量産型ガンダムF91に搭乗する。その際のパーソナルマークはMの字を捩った物。

[編集] 木星帝国

影のカリスト
木星帝国新総統の半身。神の雷計画に障害となる全ての者の排除の為地球圏にやってきた。自称サイキッカーで、兄である総統と姉のエウロペとは常時何らかの形で意識の共有がなされている。
エウロペ・ドゥガチ
故クラックス・ドゥガチ前総統の後妻でありテテニス(ベルナデット)の義理の母親。神の雷計画を伝える為に地球圏へ。以降トビア達と行動を共にする。

[編集] 長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝

同人誌として発表された作品で、自作品のクロスオーバーのみでスーパーロボット大戦風のストーリーを構築するという手法を用いている。機動戦士クロスボーン・ガンダムからはトビア、ベルナデット、ウモンらが登場しており、MAディビニダドノーティラス、そしてオリジナルの強化機体としてクロスボーン・ガンダムX1フルアーマーが登場している。

[編集] 関連商品

  • SDガンダムシリーズ Gジェネ59 クロスボーンガンダムX1(2001年4月発売)
  • GUNDAM FIX FIGURATION
    • #0016-a クロスボーンガンダムX1(2003年8月発売)
    • #0016-b クロスボーンガンダムX2(2003年8月発売)
    • #0021a ガンダムF91ハリソン機(2004年8月発売、ガンダムF90とのコンパチモデル)
    • #0031 クロスボーンガンダムX3(2006年8月発売、X1改・改及びフルクロスとのコンパチモデル)
  • MG(マスターグレード
    • XM-X1 クロスボーンガンダムX1 Ver.Ka(2006年9月発売)
    • F91 ガンダムF91 ハリソン・マディン大尉専用機(2006年11月発売)
    • XM-X1 クロスボーンガンダムフルクロス(2007年1月発売)

[編集] 関連項目


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