ミニ新幹線
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ミニ新幹線( - しんかんせん)は、新幹線の建設費用を抑えるため、新幹線規格(フル規格)の線路を新規に建設することなく、既存の在来線を改良したうえで、新幹線路線と直通運転(新在直通運転という)できるようにした方式である。また、新在直通運転を行う路線やそこを走行する車両(列車)もこう呼ぶ。
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[編集] 概要
この方式を採用した鉄道路線は、案内上「新幹線」と称しているが、法規的には在来線であって新幹線ではない。当然、整備新幹線にも含まれない。あくまで、在来線の改軌ならびに高速化改良であり、在来線区間の最高速度もフル規格新幹線区間の200km/h以上に対して関西圏の新快速と同じ130km/h程度である(なお現在の在来線最高速度は、北越急行ほくほく線の160km/h)。とはいえ、通常の在来線区間としては比較的高速度の運転が実施されることになるため、地平の踏切には目視性を強化した警報機を設置したり、踏切を廃して立体化・地下化するなど、道路などの横断交通への安全対策が実施されている。
新在直通を行う路線は、標準軌に改軌するか三線軌条化し、軌道を強化するなど、高速運転に対応した改良工事を行う必要があるが、新規路線の建設用地確保が不要なため、建設コストが格段に安く、また建設期間も短くて済む。並行在来線の経営分離問題も生じない。また、接続駅での乗換えが不要となり直通運転が実施されることで、所要時間短縮や利用者の負担軽減を図ることができるというメリットがある。
反面、フル規格新幹線のように劇的な時間短縮にはならないうえ、改軌によって従来からあった在来線のネットワークを寸断し、直通列車の運行が不可能になるため、列車の経路変更や途中駅での打ち切りが必要になり、これらの利用者にとってはサービスダウンとなる。また、複線区間であればともかく、単線区間では列車の長期運休が避けられず、工事中の代替輸送をどうするかも問題である。施設の面では、直通特急用の車両ばかりでなく、ローカル列車用にも標準軌用の車両を新しく用意しなければならない。
[編集] 路線
この方式で新在直通を図った路線として、2006年現在、山形新幹線(奥羽本線福島~新庄間)と秋田新幹線(田沢湖線・奥羽本線盛岡~秋田間)の2路線がある。前述のように、「新幹線」と称しているものの、法的には在来線であることに注意を要する。
山形新幹線では、改軌区間で運転される貨物列車のために一部区間で三線軌を敷設(後に廃止)し、山形~新庄間の改築にあたっては、山形~羽前千歳間に乗入れる仙山線や左沢線列車のために狭軌線路を併設のまま残した。この区間のローカル列車については、案内上山形線の名称を使用している。
秋田新幹線では、大曲~秋田間は、奥羽本線の狭軌線路と単線並列の形とし、一部区間を三線軌とするなどして運行の自由度を確保している。同区間では、営業列車としては新幹線直行特急のみ(非営業の回送列車として、田沢湖線用のローカル列車用の車両が運転される。)が標準軌の線路上を運行され、この区間のローカル列車は狭軌の線路のみで運行されている。
これらの路線で運転される特急列車「つばさ」や「こまち」は、新幹線直行特急と呼ばれる。
[編集] 車両
ミニ新幹線に用いる車両は在来線の車両限界で設計され、フル規格の新幹線車両よりも小型であるため、この呼び名がある。車長はフル規格新幹線の25mに対して、ミニ新幹線では20~21mであり、車幅も狭く新幹線区間で乗降口とホームとの間隔が開いてしまうため、開閉式のステップを備える。新幹線区間の電気方式交流25000Vに対して、在来線区間の電気方式は従来どおり交流20000Vとなっているため、両電圧に対応した複電圧仕様である。また、安全装置についても新幹線区間のATCと在来線区間のATS-Pの両方を積んである。
2006年現在、狭軌のままの在来線との新在直通運転を行うことを目的とした、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の実用化試験も最終段階に入っており、実用化されると改軌工事が不要となり地上設備の改良が最小限で済むため、運用の自由度も増す事などについて期待されている。
営業用車両
試験車両など
[編集] その他
上記の新幹線直通列車とは全く関係ないが、湖西線は開業当初「ミニ新幹線」と呼ばれていたこともある。これは琵琶湖沿岸をほぼ直線にレールを建設したことと、全線のほとんどを高架とトンネルで整備され、踏切が全く無いことから、新幹線をイメージして呼ばれたものである。高規格路線であり、優等列車は最高速度130km/hで運行している。 なお、北陸新幹線の敦賀以南のルート案(複数存在する)の一つとして、フリーゲージトレインの湖西線乗り入れ、または湖西線を正真正銘の「ミニ新幹線」化することも検討されているが現時点では全く具体化していない。
一方、山形新幹線が具体化した頃、香川県は瀬戸大橋線をミニ新幹線化できればと考えたものの、採算レベルに乗らないという調査結果が出たため断念している。
[編集] 関連項目
現行路線 |
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東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線(長野新幹線)/ミニ新幹線 : 山形新幹線・秋田新幹線 |
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線 |
整備新幹線 |
北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 |
基本計画線 |
北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線 |
山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 |
未成線 |
成田新幹線 |
現行列車 |
はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま/新幹線直行特急 : つばさ・こまち |
のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ |
廃止列車 |
あさひ・あおば |
営業用車両 |
0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 |
試験用車両 |
1000形・951形・961形・962形・WIN350・STAR21・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 |
事業用車両 |
911形・912形/ドクターイエロー・East i |
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