日本のユダヤ人
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日本のユダヤ人(にほんのユダヤじん)
日本で活躍した、あるいは現在活躍しているユダヤ人の一覧。来日したり、住んだことのある人物を含む。
※名前は全て五十音順に並んでいる。新規追加や表記の改名時には注意されたし。
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[編集] 居住もしくは活躍した人々
[編集] あ行
- アリー・セリンジャー(アリエ・セリンゲル) Arie Selinger - 東北パイオニア監督。セリンゲル家はクラクフの有名な資産家:(「逆風満帆」バレーボール アリー・セリンジャー, [1])
- アルフレッド・バーンボーム Alfred Birnbaum - 日本文学翻訳家。アメリカ国籍。5歳から日本で育ち、早稲田大学に学ぶ。村上春樹、宮部みゆき、池澤夏樹の英訳者。
- アルベルト・モッセ Albert Mosse - ドイツの法学者。日本公使館顧問、内閣・内務省顧問。市制、町村制の原案想起、憲法成立への助言
- アレクサンドル・モギレフスキー - ロシア革命の時期に来日。東京音楽学校教授、札幌交響楽団初代常任指揮者などを歴任。諏訪根自子を始め、優秀なヴァイオリニストを育てた。1953年、東京で死去。
- アン・アキコ・マイヤース Anne Akiko Meyers - ヴァイオリニスト ([2])
- アンナ & レイフル・ショイアー(ラフィアル‥、ラファエル‥、‥ショイヤー) Anna & Raphael Schoyer (1800-1865) - 幕末に来日し永住した写真家。雑貨商・新聞紙発行者。横浜外国人居留地市長。
- ウラディーミル・アシュケナージ - 2004年からNHK交響楽団の音楽監督に就任
- エマヌエル・メッテル Emmanuel Metter - ウクライナ出身の音楽家。大阪交響楽団の指揮者。朝比奈隆の師 ([3])
- エミル・オルリーク(エーミール・オルリーク) Emil Orlik, Emil Orlik - ボヘミア出身の画家・石版画家。日本で木版術を学ぶ
- オスカル・レーフ(レーヴ) Oscar Loew - ドイツ出身の農芸化学者
[編集] か行
- カルメン・マキ(カルメンマキ) - 歌手。本姓はラヴレイス Lovelace で、父がユダヤ系とアイルランド系の血を引いている
- クラウス・プリングスハイム Klaus Pringsheim
- クリストファー・W・A・スピルマン - ポーランド生まれの思想史家。専門は日本近代の右翼思想史。日本人女性と結婚し、福岡に住み、九州産業大学で教授を務める。日本語による著書がある。ピアニストのヴワディスワフ・シュピルマンの息子。
- クロード・レヴィ・アルヴァレス Claude Levi Alvares - フランス出身の社会学者。広島大学助教授。
- ケニー野村 Kenny Nomura - 元野球選手。野村沙知代とユダヤ系アメリカ人アルヴィン・エンゲル Alvin George Engel の息子
- 剣太郎セガール - モデル。父スティーヴン・セガールがユダヤ系アメリカ人
- 米谷ふみ子 - 作家。ユダヤ系アメリカ人作家ジョシュ・グリーンフェルド Josh Greenfeld (ハリーとトント(ハリー&トント) Harry and Tonto の作者)と結婚し、ユダヤ教に改宗
- 小辻節三(アブラハム小辻)(1899-1973) - 神学者・ユダヤ教研究者、のち改宗者
[編集] さ行
- サミュエル・アイザック・シェルシェウスキー Samuel Isaac (Joseph) Scherschewsky (1831-1906) - 中国に亘ったリトアニア系アメリカ人の聖公会宣教師(キリスト教徒)。上海司教、聖書正典全巻・アポクリファの一部を中国語訳(日本で逝去):([4])
- サリー・ワイル en:Saly Weil - スイス出身のシェフ。1927年にパリのホテルから招かれて来日。横浜ホテルニューグランドの料理長として、20年間にわたり、日本に本場の西洋料理を伝え続けた。戦後スイスに帰国したが、個人の海外渡航がほとんど不可能だった時代に、日本の若い料理人のヨーロッパ留学の世話をして修業先を斡旋、「スイス・パパ」と慕われた。これらの功績が評価され、1973年、日本から勲五等瑞宝章を受けた。なきがらは、ベルン郊外のユダヤ人共同墓地に葬られた。
- シモン・ゴルドベルク - ポーランド出身のバイオリニスト。日本に永住
- ジュリー・ドレフュス Julie Dreyfus - 女優
- ジョン・ネイスン John Nathan - アメリカの日本文学者。東大に留学し、三島由紀夫や大江健三郎などの作品を英訳して英語圏に紹介した。
- スチュアート・リービー Stuart Levy - TOKYOPOP社CEO。日本漫画の英訳紹介者
- スラミフィ・メッセレル(スラミフ・メッセレル) Sulamith Messerer - アサフ・メッセレル Asaf Messerer の妹、ボリショイ・バレエの振付家
- セオドア・コーエン Theodore Cohen - GHQ経済科学局労働課長として、戦後日本の労働政策を立案。著書『日本占領革命』
- ゾラフ・ヴァルハフティク(バルハフティク) Dr.Zorach Warhaftig(Zera(c)h W(V)arhaftig) (1906-2002) - ラビ・法律家、国民宗教党党首、イスラエル宗教大臣。ホロコースト中の難民の一人
[編集] た行
- ダニエル・カリッチマン(ダン・カリッチマン) Daniel Dan Calichman - サッカー選手
- 団野村 Dan Nomura - 元野球選手。野茂英雄や伊良部秀輝などのメジャーリーグ移籍で知られるスポーツ代理人。野村沙知代とユダヤ系アメリカ人アルヴィン・エンゲル Alvin George Engel の息子
- チャールズ・ケーディス Charles Kadis - 弁護士、軍人。GHQ民政局次長として戦後日本の民主化を推進、昭電疑獄事件を追及。
- デーブ・スペクター David(Dave) Spector
- デイヴィッド・グッドマン - 日本演劇研究家。イリノイ大学の日本文学教授。日本の反ユダヤ主義についても言及している。著書に『ユダヤ人陰謀説 日本の中の反ユダヤと親ユダヤ』などがある。妻はエッセイストで翻訳家の藤本和子。
- デイヴィッド・サスーン David Sassoon (1910-1991) - 神戸に根拠を持つ貿易業・不動産業者・慈善家。イスラエル人。インドの同名の商人(サスーン家の祖先格)とは別人:([5])
- デイヴィッド・ローゼン David Rosen David Rosen - セガの母体の一つとなった、ローゼン・エンタープライズの設立者。セガ・エンタープライズ発足後は日本で社長を勤め、日本の初期のアーケードビジネス(ジュークボックス、ピンボール)などは、ユダヤ人企業のセガとタイトーにより発展した
- 東野翠れん - モデル、写真家。日本人の父親とイスラエル人の母親を持つ。
[編集] な行
- ニール・プラテック - イーレディー株式会社代表取締役。イスラエル人
- ノーマン・メイラー - アメリカの作家。駐留軍の一員として1945年9月3日に来日。千葉県館山と千葉県銚子と福島県小名浜に駐屯し、1946年5月に除隊帰国。
[編集] は行
- バーナード・クリッシャー Bernard Krisher - ジャーナリスト(元ニューズウィーク東京支局長など)、「ジャパン・リリーフ・フォー・カンボジア」の代表:([6])
- パウル・ヴァインガルテン Paul Weingarten - モラヴィア出身のピアニスト。ナチスを避け、二年間東京音楽学校に在任
- ハルペン・ジャック、春遍雀来(ヤーコプ・ハルパーン) Jakob(Jack, Jankl) Halpern - 漢字研究家。イスラエル人
- ピーター・バラカン Peter Barakan - 父がイギリスに移住したポーランド系ユダヤ人、母がミャンマー人:([7])
- ピーター・フランクル Frankl Peter
- ひみこROSE - イスラトレーター。本名Rose Shapiro、日本名小松陽美子。父がユダヤ系アメリカ人、母が日本人。
- フランツ・オッペンハイマー Franz Oppenheimer - ドイツ出身の社会学者。ドイツから亡命して渡米する途中、1938年から神戸大学で教えていたことがある。
- 藤谷文子 - 女優、モデル。父スティーヴン・セガールがユダヤ系アメリカ人
- ベアテ・シロタ・ゴードン Beate Sirota - レオ・シロタの娘としてウィーンに生まれ、父の亡命に伴って東京で育つ。戦後GHQの一員として来日、日本国憲法の起草に関与
- ベッテルヘイム・ベルナート・ヤーノシュ(バーナード・ジャン・ベッテルハイム、伯徳令) Bernard Jean Bettelheim - イギリス海軍琉球伝道会宣教師(キリスト教徒に改宗したハンガリーのユダヤ系貴族のイギリス人)
- (ベッテルハイム訳聖書, [8])
- ヘンリク・リプシッツ Henryk Lipszyc - 駐日ポーランド大使(1991-1996)、ワルシャワ大学日本学科講師
[編集] ま行
- マーヴィン・トケイヤー Marvin Tokayer - ラビ
- 初代バーステッド子爵マーカス・サミュエル Marcus Samuel, 1st Viscount Bearsted - ロンドン出身の商人・ロンドン市長。18歳で横浜に着き、 貝の加工品を売ることを考え、 明治9年(23歳)同地にサミュエル商会を設立。灯油販売などに発展し、シェル石油となる
- マーク・ゲイン Mark (Jilius) Gayn - ジャーナリスト。本名モー・ギンズバーグ(Moe Ginsburg)。戦後の混乱期の日本を取材。著書『ニッポン日記』
- マーティ・フリードマン - ヘヴィメタルバンドメガデスの元ギタリスト。日本人の妻を持ち、東京都新宿区に住む。ユダヤ系アメリカ人
- マンフレート・グルリット - ドイツ出身の指揮者。1933年、ユダヤ人であるにもかかわらずナチスに入党。1937年、党員資格剥奪。1939年にドイツから脱出して来日。中央交響楽団の常任指揮者と東京音楽学校の非常勤講師となる。1941年から、藤原義江歌劇団の常任指揮者。1945年に終戦を迎えるも、元ナチ党員の経歴が祟ってドイツへの帰国が叶わず、日本に定住。1952年、オペラ歌手の日高久子と結婚、グルリット・オペラ協会を発足させる。東京にて死去。
グルリット家 Gurlitt はユダヤ系の家系 - ミハエル・ウェクスラー Michael Wexler (1896年 - ?) - ヴァイオリニスト。リトアニア出身。レオポルト・アウアーの弟子。ロシア革命の混乱を避けて、1923年、渡米の途上に来日し、神戸に住む。大阪交響楽団でコンサートマスターを務めた。貴志康一の師。1930年に渡米するも、のちに再来日。1935年頃から芦屋でヴァイオリン教室を経営。1937年まで大阪中央放送局のラジオに出演して演奏したが、その後消息不明となる。
- ミハエル・コーガン Michael Kogan - タイトーの設立者。日本に亡命したウクライナ系ユダヤ人。早稲田大学卒。テレビゲームの全盛期を招来
- モーシェ・アツモン Moshe Atzmon - 東京都交響楽団のアドバイザー・首席指揮者。東京都交響楽団の関係者にはエリアフ・インバル、ガリー・ベルティーニらもいる。
- モーシェ服部 - ラビ、ヘブライスト(夫婦でユダヤ教に改宗しイスラエルに移住)
[編集] や行
- ヨーゼフ・ヘンリー・レーフィスゾーン Joseph Henry Levyssohn - オランダ出島商館長
- ([9])
- ヨーゼフ・ローゼンシュトック(ローゼンストック、ヨゼフ・ローゼンストック) Joseph Rosenstock - 指揮者
- ヨセフ・ラスカ Josef Laska(1886年 - 1964年)- オーストリア出身の作曲家、指揮者。1923年、横浜の交響楽団に招かれて来日。しかし折悪しく起きた関東大震災の被害を避けて関西に居を定め、神戸女学院で音楽を教える。また、宝塚交響楽団で指揮者を務めた。
[編集] ら行
- リービ英雄 - アメリカ出身の作家。本名 Ian Hideo Levy。日本語で小説を執筆。父がユダヤ人、母がポーランド人
- リリー・クラウス Lili Kraus - ハンガリーのピアニスト。ジャワで日本軍に捕らえられ、三年間投獄された。数度来日した。
- ルイーゼ・ヴィーゲルト Anna Bertha Luise Wiegert - 森鴎外のドイツ留学時代の恋人。裕福な仕立屋の娘。1888年9月12日、鴎外を追って来日し、1ヵ月後に帰国。『舞姫』のエリスのモデル。鴎外の二女杏奴(あんぬ)はAnna、三男類(るい)はLuiseから命名されたとする説もある。
- ルイス・デ・アルメイダ - 医師、商人、イエズス会士。ユダヤ教からキリスト教に改宗した家系の出。日本初の病院をつくり、ハンセン病と戦った。
- ルートヴィヒ・リース Ludwig Ries - 歴史学者。日本人女性と結婚。史学会創設とランケ派史学の移植など
- ルプ・ジ・カルヴァリョ Lopo Sarmento de Carvalho - ポルトガルの日本貿易船隊司令官
- レオ・シロタ Leo Sirota - ピアニスト。日本に亡命したウクライナ系ユダヤ人。のちアメリカに移住
- レオ・メラメド Leo Melamed - ポーランド出身の投資家。1939年、杉原千畝の発行したヴィザで日本に亡命し、九死に一生を得る。1941年に渡米。
- レオニード・クロイツァー - ピアニスト。日本に亡命したロシア系ユダヤ人。日本人女性と結婚し、東京藝術大学で教え、茅ヶ崎に定住して日本で亡くなった
- ロイ・真・長谷川(長谷川真) (1906-1996) - 日本人の元キリスト教徒のヘブライ語・神学・社会学者、のち改宗者
- ロジャー・パルヴァース Roger Pulvers - 作家、劇作家、演出家、東京工業大学教授。アメリカ出身だがオーストラリアに帰化。1994年以降は日本に住む。宮澤賢治や坂口安吾を英訳。
- ロバート・アラン・フェルドマン Robert Alan Feldman - モルガンスタンレー証券日本主席エコノミスト
[編集] 来日した人物
- アルトゥール・ルービンシュタイン - ポーランド出身のピアニスト。20世紀を代表するピアニストの一人。
- アルベルト・アインシュタイン
- A・M・フォン・ポラク A. M. Pollak, Ritter von Rudin - ボヘミア出身の製造業者。長崎に支店を開いた [10]
- エズラ・ヴォーゲル - 日本研究者
- エフレム・ジンバリスト
- エマーヌエル・フォイアーマン
- エーミール・レーデラー Emil Lederer - ピルゼン出身の経済学者。東京帝国大学で教えた
- エルンスト・ヤーコプ・オッペルト Ernst Jacob Oppert - グスタフ・ゾーロモン、考古学者ユリウス・オッペルト(ジュール・オペール) Julius Oppert の兄弟 [11]
- カール・レーヴィット Karl Lowith - ドイツ出身の哲学者。ナチズムの台頭によりドイツを追われて来日、1936年から1941年まで東北帝国大学(現:東北大学)の教授を務めた。
- グスタフ・ゾーロモン・オッペルト Gustav Solomon Oppert - ハンブルク出身のオリエンタリスト [12]
- シゲティ・ヨージェフ
- ジョージ・W・F・ハルガルテン/ジョージ・ハルガルテン George W. F. Hallgarten - ドイツ・アメリカのヨーロッパ近現代史家
- ナサニエル・ペッファー Nathaniel Peffer - アメリカの極東研究家。日中戦争勃発後来日
- ハイイム・セリグ・スロニムスキ - ビャウィストク出身の化学者・発明家、著作家 [13]
- ハーマン・ローゼンソール Herman Rosenthal - Jewish Encyclopedia の執筆者の一人[14]
- フェリックス・ヴァインガルトナー(ワインガルトナー) Felix Paul Weingartner, Edler von Munzberg - 指揮者
- モーリッツ・フィーリプゾン Moritz Philippson - 動物学。日本で学んだ [15]
- レメーニ・エデ Remenyi Ede
- レーラ・アウエルバッハ - オーケストラ・アンサンブル金沢の「コンポーザー・イン・レジデンス」、テレビ朝日に出演
- ロバート・キャパ
[編集] 日系
- ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラ(ジュエリーデザイナー) Harumi Klossowska de Rola - ヨーロッパ出身だが、日本人の母とユダヤ人(母親がユダヤ系)画家バルテュス(クロスフスキ・ド・ローラ)の間に生まれた
[編集] その他、注記
- アーサー・ウェイリー - イギリスの日本文学者。本名をArthur David Schlossと言い、ロスチャイルド家に連なる英国ユダヤ人社会の名門の出。『源氏物語』や『枕草子』などを英訳したが、来日経験はない。
- イザヤ・ベンダサン - 日本に関する著書があるが、山本七平のペンネームであるとされている。
- 猪俣津南雄 - 日本の経済学者。妻がポーランド系ユダヤ人だが、猪俣はユダヤ教徒ではない。
- 佐藤千登勢 - 日本の歴史家。夫がイギリス国籍のポーランド系ユダヤ人。
- ジェイ・ルービン Jay Rubin - アメリカの日本文学翻訳家。ハーヴァード大学教授。村上春樹や夏目漱石や芥川龍之介を研究。
- ジェレミー・ブラウスタイン Jeremy Blaustein - アメリカの日本製ビデオゲーム翻訳家。妻は日本人。
- ジョン・M・ローゼンフィールド John M. Rosenfield - アメリカの東洋美術史家、日本研究家
- セイン・カミュ Thane Camus - アルベール・カミュは母親がユダヤ系だが、カミュ家は直接ユダヤ系ではない
- トム・ストッパード - 日本軍の捕虜収容所で父親が亡くなった
- 野田哲也 - 日本の版画家。妻がイスラエル人。
- 日高久子 - 日本のオペラ歌手。1952年、ドイツ出身のユダヤ人指揮者マンフレート・グルリットと結婚。
- 藤本和子 - 日本のエッセイストで翻訳家。デイヴィッド・グッドマンと結婚。
- マークス寿子 - 日本のエッセイスト。元の夫がイギリス国籍のポーランド系ユダヤ人だが、マークス寿子はユダヤ教徒ではない
[編集] 日本のユダヤ教徒コミュニティの歴史
- 1848年 - 1854年 那覇にベッテルハイム一家が居住
- 1859年7月1日 - 日米修好通商条約。横浜の外国人居留地には、幕末の時点で50家族のユダヤ人が住んでいた。レイフル・ショイアーなどの市長も出た
- 1861年 - ロシア、ポーランド系のポグロム難民が長崎に移住
- 1894年 - 長崎に日本初のケヒッラー、シナゴーグが登場する
- 1905年 - 日露戦争終結。長崎のコミュニティーが消滅に向かう
- (1928年 - ユダヤ人民族区(ユダヤ自治州の前身)設置)
- 1938年 ユダヤ人難民を救出し満州国の住民とする河豚計画(ふぐけいかく)
- 1941年5月末 ソビエト経由でポーランド系の難民が神戸に移住。杉原千畝(1939年から1940年まで)の発行したビザによる難民も含まれている
- 神戸のコミュニティーは戦時中大半が上海に移動し、1万8000人のコミュニティーが上海に形成され、アメリカ・ユダヤ人共同配給委員会 American Jewish Joint Distribution Committee, "Joint" (ジョイント) の支援下に生活を送る。中国の新しいコミュニティーとしては、ロシアを経て形成されたハルビン([16])、上海などのコミュニティーが知られている。
- 戦後まもなく、基督正教団(医療・緑化運動支援)、キリストの幕屋(手島佑郎(てしま・ゆうろう、ヤコブ手島)の父手島郁朗が設立。ヘブライ語辞典、ユダヤ教関連図書、歴史書の研究と出版活動も行っている)、聖イエス団(日本滞在支援、ヘブライ大学との協力)などといったキリスト教関係者がユダヤ人社会、イスラエル国との交流の先導を取りはじめる。
- 1953年 - アメリカ軍関係者を中心の、東京・広尾にコミュニティーが形成される。東京に日本ユダヤ教団が設立される。
- 1961年 - 東京に 日本イスラエル文化研究会 が設立される。機関紙は「ユダヤ・イスラエル研究」
- 1985年5月 - 石川耕一郎氏の翻訳作業の成果である「ミシュナ」(セーデル・ネジーキーン、9・アーボート、10・ホーラーヨートの二冊)が出版される::9月 - 「ベラホート」出版
- 1986年2月 - 「タアニート、メギラァ、モエード・カタン、ハギガァ」出版
- 1987年4月 - 「ペサヒーム」出版
- 1993年6月 - 市川裕氏の翻訳による「モエードの巻 メギラー篇」出版(三貴)
- 1995年 - 広島県福山市に ホロコースト記念館 が設立される。関西に 日本ユダヤ文化研究所 が設立される。機関紙は「ナマール」。
- 1996年 - イスラエル商工会議所設置
- 1997年12月 - 「ケリーム篇 ; オホロート篇 ; ネガイーム篇 ; パラー篇 ; トホロート篇 ; ミクヴァオート篇 ; マフシリーン篇 ; ザヴィーム篇 ; テヴール・ヨーム篇 ; ヤダイム篇 ; ウクツィーン篇」 翻訳出版(三貴)
- 2000年12月 - 大阪に、民間レベルで経済交流を行う財界人中心の商工会議所設置
- 2003年10月 - 石川耕一郎、三好迪氏の翻訳「ゼライーム」出版(教文館)
- 2004年3月 - 倉内ユリ子氏の翻訳による「シュヴオート篇」出版(ライブ)
[編集] ユダヤ教徒の長崎
ユダヤ人コミュニティーは、実際には日本との接触の歴史は浅い。
長崎のコミュニティーのメンバーの多くはロシアからの移民である。1894年、S・D・レスナー S. D. Lessner の協力のもと、R・H・ゴルデンベルク R. H. Goldenberg によってシナゴーグが設立された。間もなくM・ギンズバーグ M. Ginsburg の支援の下、墓地の敷地を購入した。ゴルデンベルクは二人の男児と一人の女児のいる日本人女性と結婚し、婦人はユダヤ教へ改宗した。1904年、二人のキリスト教徒(日本人)が彼らの合意によりユダヤ教へ改宗した。国内外の貧しいユダヤ人のための慈善(ツェダーカー)組織がレスナーにより組織された。英国ユダヤ人連合 Anglo-Jewish Association の支部が長崎に組織されることになったが、レスナーが異口同音に議長に選出され、K・アイゼンシュタルク K. Eisenstark が名誉的な会計係となった。1900年代における長崎のユダヤ人の総人口は10万7422人であった。
1905年の日露戦争終結後、長崎のコミュニティーは消滅に向かうことになる。
参考文献:ジューイッシュ・クロニクル, June, 1904 "NAGASAKI" by Joseph Jacobs, Jewish Encyclopedia.com
- この記述はパブリックドメインの百科事典 Jewish Encyclopedia(Jewish Encyclopedia) 1901年-1906年版に基づいています。Jewish Encyclopedia.com
[編集] 日本のユダヤ人社会
- 河豚計画 - 日露戦争時、日本に戦費調達をしたクーン・ローブ社のヤーコプ・シフ(ジェイコブ・シフ) Jacob Henry/Hirsch Schiff の存在により、たまたまユダヤ人社会に銀行関係者が多かったというだけで、「ユダヤ人資金」の存在を信じた日本人の妄想によるとも言われる。
[編集] 文献案内
- 『ユダヤ人と日本人』(ベン・アミー・シロニー 著 / 仲山順一 訳 / 日本公法 / ISBN 4-931020-03-8 / 1993年4月) (絶版)
- 『ユダヤ人と日本人の不思議な関係』(ベン=アミー・シロニー 著、立木勝 訳 / 成甲書房 / ISBN 4-88086-170-7 / 2004年11月)
- 『世界の聖典7; ひろさちやが聞くユダヤ教の聖典』(ひろさちや、石川耕一郎 著 / 鈴木出版 / ISBN 4-7902-9029-8 / 1993年4月)
- 『イスラエル VS. アラブ 誤解と真実』(ニアイースト・リポート編 / 滝川義人 訳 / ミルトス / ISBN 4-89586-114-7 / 1991年4月)
- 『図解ユダヤ社会のしくみ 現代ユダヤ人の本当の姿がここにある』(滝川義人 著 / 中経出版 / ISBN 4-8061-1442-1 / 2001年3月)
- 『日本に来たユダヤ難民―ヒトラーの魔手を逃れて 約束の地への長い旅』(ゾラフ・バルハフティク 著 / 原書房 / 1992年4月)
[編集] 関連項目
- ディアスポラ
- 聖書翻訳、聖書翻訳史
- お雇い外国人
- 白系ロシア人
- NHK交響楽団
- 外国人タレント
- ユダヤ教、広尾、横浜、神戸、長崎、シナゴーグ
- 中国のユダヤ人 Jews in China
- 「アドルフに告ぐ」-手塚治虫の漫画。神戸のユダヤ人コミュニティが登場する。
[編集] 外部リンク
- Links to Jewish Communities - Japan - Beyth haTphutzoth
- Japan (長崎、広島、神戸、東京、横浜などのコミュニティーと連絡先)
- Die Meiji-Deutschen
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