1966年の日本シリーズ
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1966年のプロ野球日本選手権シリーズは、読売ジャイアンツと南海ホークスの間で、同年10月12日から10月19日にかけて、後楽園球場と大阪球場で行われた。
目次 |
[編集] 試合の概況
[編集] 第1戦
1回裏、巨人は南海の先発渡辺から、長島、森が連続してタイムリーを放ち2点を先制。渡辺はこの1回裏に2アウトを取っただけで降板。巨人は3回裏にも長島が村上から2ラン。5回裏には南海の4番手投手・森中が捕まり、柴田、黒江にタイムリー、城之内にもタイムリー犠打を許し4失点。更に巨人は7回裏に1点、8回裏にも王、長島、末次がタイムリーを連ね3点を奪う。一方南海は4回表に樋口のソロ本塁打とハドリのショートゴロの間の1点の計2点、7回表に1点、9回表にも国貞が2ランを放って一矢を報いるが遠く及ばず、12-5で巨人が大差を付けた。南海は捕手・野村が3盗塁を許した他、チーム全体で5失策という事も試合に影響した。
[編集] 第2戦
1回表に、前日2三振に倒れた野村が巨人の先発(当時ルーキー)・堀内からタイムリーを放つなどして、南海が2点を先取。南海の先発は前日、3分の2回で降板した渡辺がこの日も続けて先発。速球を中心とした、前日とは違ったようなピッチングを展開したという。南海は7回表に中島、小池がソロ本塁打2本を放ち、9回表に更に1点を取って勝負を決めた。巨人は8回裏の柴田のソロ本塁打などで終盤に2点を取るも届かず。南海・渡辺が完投勝利を収め、両者1勝1敗の五分に。
[編集] 第3戦
大阪球場に舞台を移し、前日雨のため第3戦は1日遅れた。南海の先発は中2日ながら、3戦続けて渡辺。巨人は1回、4回に2度併殺打でチャンスをつぶすも、5回表、2死三塁から柴田が意表をつくようなバント。二塁のブルームが捕球して一塁へ転送するも一瞬間に合わず、巨人に先制を許した。だが直後の5回裏、南海は投手の渡辺自らタイムリーを放ち同点に追い付く。しかし巨人が6回に王のソロ本塁打、7回にも柴田の2本目となるタイムリー安打が出て1点ずつ追加。南海は堀込のタイムリー2塁打で1点差と追いかけるが、最後は城之内にかわされ1点及ばず、城之内に完投勝利を許す。
[編集] 第4戦
2回表、巨人は南海の先発・皆川から柴田のタイムリー2塁打による2点で先制。その後4回表にも、皆川の後を継いだ村上から王が3ラン、柳田がソロ本塁打を放つなど、この試合だけで12安打を打ち8点と大勝、日本一に王手をかける。南海は巨人の先発・金田から、穴吹のソロ本塁打などによる3安打、1点に抑えられる。
[編集] 第5戦
この試合は7回まで南海の先発(4回目)・渡辺とその後を継いだ2番手の三浦、巨人の先発・中村による投手戦が続いた。均衡が破れたのは8回表、長島が、南海の3番手投手で長島とは立教大学の同期である杉浦から2ランを打って2点を先制。しかし直後の8回裏に南海が小池が巨人・中村から打って同点に追い付く。その後9回から13回までは再び両軍ともゼロ行進。再び均衡が破れたのは14回表、長島がこの日3打点目となるタイムリーを南海の5番手投手・合田から打ってついに勝ち越し。しかしその裏、1死から野村が四球で塁に出た後、ハドリが逆転サヨナラホームランをレフトスタンドへ放り込んで劇的に勝利を決め、地元での巨人の日本一を阻止した。
[編集] 第6戦
この日から再び後楽園球場に戻る。4回裏に柴田のソロ本塁打で先制、その後もタイムリーエラーと土井のタイムリーで計3点を挙げる。6回裏にも黒江のソロ本塁打で1点追加。巨人の先発・益田は5安打無四球0点に抑え、この年の公式戦でも無かった完投勝利をこの試合で挙げ、巨人が2年連続の日本一を決めた。
このシリーズで23打数13安打、打率5割6分5厘となった柴田がMVPに選ばれた。
巨人の3、4番(王、長島)が18安打・13打点、南海の3、4番(広瀬 or ブルーム、野村)が7安打・1打点と、クリーンアップに差が出た事もこのシリーズに影響していた。
[編集] 試合結果
[編集] 第1戦
10月12日 後楽園球場 入場者数:27145人 試合開始13:00 試合時間2時間52分
南海 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 5 |
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巨人 | 2 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0 | 1 | 3 | X | 12 |
(南) | ●渡辺(1敗)、村上、皆川、森中、三浦、合田 - 野村、鈴木孝、高橋博 |
(巨) | ○城之内(1勝)、高橋明 - 森 |
本塁打 | |
(南) | 堀込1号(4回、城之内)、国貞1号(9回2ラン、高橋明) |
(巨) | 長島1号(3回2ラン、村上) |
[編集] 第2戦
10月13日 後楽園球場 入場者数:27395人 試合開始13:00 試合時間2時間39分
南海 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 |
(南) | ○渡辺(1勝1敗) - 野村 |
(巨) | ●堀内(1敗)、益田、渡辺、種部 - 森 |
本塁打 | |
(南) | 中島1号(7回、渡辺)、小池1号(7回、渡辺) |
(巨) | 柴田1号(8回、渡辺) |
[編集] 第3戦
10月16日 大阪球場 入場者数:29978人 試合開始13:00 試合時間2時間8分
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南海 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
(巨) | ○城之内(1勝1敗) - 森 |
(南) | ●渡辺(1勝2敗)、村上 - 野村 |
本塁打 | |
(巨) | 王1号(6回、渡辺) |
[編集] 第4戦
10月17日 大阪球場 入場者数:30178人 試合開始13:00 2時間35分
巨人 | 0 | 2 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南海 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
(巨) | ○金田(1勝) - 森 |
(南) | ●皆川(1敗)、村上、合田、杉浦、林 - 野村 |
本塁打 | |
(巨) | 王2号(4回3ラン、村上)、柳田1号(5回、村上) |
(南) | 穴吹1号(5回、金田) |
[編集] 第5戦
10月18日 大阪球場 入場者数:19791人 試合開始12:59 試合時間3時間50分(延長14回)
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南海 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2X | 4 |
(巨) | 中村、●城之内(2勝1敗) - 森 |
(南) | 渡辺、三浦、杉浦、村上、○合田(1勝)- 野村 |
本塁打 | |
(巨) | 長島2号(8回2ラン、杉浦) |
(南) | 小池2号(8回2ラン、中村)、ハドリ1号(14回2ラン、城之内) |
[編集] 第6戦
10月19日 後楽園球場 入場者数:29112人 試合開始13:00 試合時間2時間14分
南海 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | X | 4 |
(南) | ●皆川(2敗)、三浦、村上、新山 - 野村 |
(巨) | ○益田(1勝) - 森 |
本塁打 | |
(巨) | 柴田2号(4回、皆川)、黒江1号(6回、村上) |
[編集] 表彰選手
- 最優秀選手賞(MVP)・・・柴田勲(巨人)
- 最優秀投手賞・・・城之内邦雄(巨人)
- 打撃賞・・・柴田勲(巨人)
- 技能賞・・・王貞治(巨人)
- 優秀選手賞・・・長島茂雄(巨人)
- 敢闘賞・・・渡辺泰輔(南海)
[編集] テレビ・ラジオ中継
(第7戦の放送予定については書きかけです。)
[編集] テレビ中継
- 第1戦:10月12日
- 第2戦:10月13日
- 第3戦:10月16日
- 第4戦:10月17日
- 第5戦:10月18日
- 第6戦:10月19日
[編集] ラジオ中継
- 第1戦:10月12日
- 第2戦:10月13日
- 第3戦:10月16日
- 第4戦:10月17日
- 第5戦:10月18日
- 第6戦:10月19日
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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