はくと (列車)
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スーパーはくとは、智頭急行が京都駅~鳥取駅・倉吉駅間を東海道本線・山陽本線・智頭急行智頭線・因美線・山陰本線経由で運行する特別急行列車の愛称である。
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[編集] 名称の由来について
「はくと」の列車愛称は、日本神話の「因幡の白兎」(いなばのしろうさぎ)に由来する。この「白兎」の音読みを採用した。
「ビクトリーはくと」という臨時列車は、試験に勝つようにという意味を込めて受験生用に運行される。
[編集] 運行概況
- 京都発が下りである。
- 大阪駅~鳥取駅間の所要時間は最速2時19分。
- 列車番号は51D~64Dと運転線区等で変更がない。下りは号数+50の奇数、上りは号数+50の偶数で、1号=51D、2号=52Dとなる。
- 使用車両
- 智頭急行HOT7000系気動車5両編成が使用される。多客期は6両編成となるが、それ以上の増結はしない。そのため、京阪神に発着する他の主要幹線特急よりも編成両数が短く、混雑することが多い(実際に乗車率が200%を超える列車もある)。
- 但し、鳥取駅~倉吉駅間については利用者が少なく、閑散としている。京都~新大阪も前者程ではないが、乗車率が低い。
- 軌道に対し最大5度傾斜する振り子装置が作動するのは、登場時上郡駅~智頭駅~鳥取駅~倉吉駅間のみ(振子機器設定可能駅…上郡<下りのみ>・佐用・大原・智頭・郡家・鳥取・倉吉<上りのみ>)だったが、現在は京都駅~倉吉駅全線で作動している。
- 最高速度
- 京都駅~姫路駅間 130km/h
- 姫路駅~上郡駅間 120km/h
- 上郡駅~智頭駅間 130km/h
- 智頭駅~津ノ井駅間 95km/h
- 津ノ井駅~鳥取駅間 110km/h
- 鳥取駅~倉吉駅間 120km/h
- 停車駅
- 京都駅 - 新大阪駅 - 大阪駅 - 三ノ宮駅 - 明石駅 - 姫路駅 - (相生駅) - 上郡駅 - 佐用駅 - 大原駅 - 智頭駅 - 郡家駅 - 鳥取駅 - <倉吉駅>
- ()内の相生駅は一部列車が臨時停車。
- <>内の倉吉駅は一部列車のみ運行。
[編集] 沿革
冒頭にもあるとおり、列車名の由来は因幡の白兎である。そのため、1956年より1986年まで京都駅発着山陰本線直通で山陰諸都市を結ぶ準急列車・急行列車として「白兎」の名称が用いられた。これについてはきのさき_(列車)#沿革を参照されたい。また、京阪神対鳥取県西部を結ぶ列車として「みささ」が運行されていた。こちらの方が経路上近いこともあり、本稿ではこちらも記載する。
[編集] 京阪神対鳥取西部列車「みささ」及びその周辺列車群
- 1960年10月1日、姫新線・因美線経由で大阪駅~上井駅(現:倉吉駅)間の準急列車「みささ」の運行を開始。津山駅より下り中国勝山駅行き上り月田駅発の「みまさか」も併結していた。
- 1962年3月1日、新見駅発着の「みまさか」1往復を増発。また、既存の「みまさか」も月田駅発着とする。
- 1964年3月20日、「みまさか」の増発列車として京都駅~中国勝山駅間を運行する臨時急行列車「やまのゆ」の運行開始。
- 1965年10月1日、「みささ」の兄弟列車として、大阪駅~米子駅間運行の準急列車「かいけ」の運行開始。
- 1966年3月5日、準急列車の制度改変に伴い「みささ」・「みまさか」・「かいけ」急行列車に昇格。
- 1967年10月1日、「やまのゆ」定期列車化。
- 1968年10月1日、ヨン・サン・トオと称されるダイヤ改正に伴い、以下のように変更される。
- 1972年10月1日、「伯耆」運行区間を鳥取駅まで延長。また、岡山駅発の列車名称を「砂丘」に変更。
- 1975年3月10日、「伯耆」の名称を伯備線経由の(急行列車)に与え、従来の姫新線・因美線経由大阪~鳥取間急行の名称を「みささ」に変更。
- 1985年3月14日、「みささ」・「みまさか」1往復に減便。
- 1989年3月11日、「みささ」・「みまさか」廃止。
[編集] 智頭急行開業と「スーパーはくと」・「はくと」
- 1994年12月3日、智頭急行智頭線開通と共に特急「スーパーはくと」3往復・「はくと」1往復として運行を始める。
- 当初より「スーパーはくと」は智頭急行保有車両のHOT7000系気動車で運行されていた。新大阪駅~鳥取駅間2往復、新大阪駅~倉吉駅間1往復。
- また、「はくと」については、同時に減便された「はまかぜ」から捻出されたJR西日本保有車両のキハ181系気動車で運行されたが、毎日運転の臨時列車扱いでもあった。新大阪駅~倉吉駅間1往復。「はくと」は一部は米子駅へも乗り入れた。
- 1995年1月17日に阪神大震災が発生し、JR神戸線の一部区間が不通になる。4月1日までは姫路駅で折り返し運転を余儀なくされる。この期間中はキハ181系気動車はJR神戸線の迂回列車に借り出される。
- 1995年4月29日から5月7日まで、臨時列車扱いであるものの京都駅に乗り入れ。「スーパーはくと」は京都駅~鳥取駅間下り1本、京都駅~倉吉駅間1往復、新大阪駅~鳥取駅間下り1本・上り2本、「はくと」は新大阪駅~倉吉駅間1往復。なお、「はくと」は毎日運転の臨時列車扱いとした。
- 1995年7月1日、毎日運転の臨時列車扱いであるものの京都駅に乗り入れ。「スーパーはくと」は京都駅~鳥取駅間2往復、京都駅~倉吉駅間1往復、「はくと」は新大阪駅~倉吉駅間1往復。
- 1996年3月16日、「はくと」・「スーパーはくと」正式に京都駅発着となる。同時に特急「あさしお」を廃止。それによって捻出されたキハ181系気動車を「はくと」の増便に転用した。「スーパーはくと」は京都駅~鳥取駅間2往復、京都駅~倉吉駅間1往復、「はくと」は京都駅~鳥取駅間下り2本・上り1本、京都駅~倉吉駅間下り1本・上り2本。うち、京都駅~鳥取駅間の「はくと」1往復は毎日運転の臨時列車扱い。
- 1997年11月29日、智頭急行保有車両のHOT7000系気動車の増備により、JR西日本保有車両のキハ181系気動車による「はくと」廃止。「スーパーはくと」に一本化。京都駅~鳥取駅間下り1本、京都駅~倉吉駅間下り5本・上り6本。
- 2000年3月、新快速の130km/h運転の本格開始で「スーパーはくと」京都~姫路間の最高速度が130km/hに向上。
- 2003年10月1日、「スーパーはくと」京都駅~鳥取駅間下り2本・上り1本、京都駅~倉吉駅間下り5本・上り6本に増便。
[編集] 外部リンク
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