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国鉄キハ181系気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

国鉄キハ181系気動車(こくてつきは181けいきどうしゃ)とは、日本国有鉄道(国鉄)が製作・保有した特急形気動車の1形式。国鉄の気動車では系列の概念を採用したため、正式な系列名は181系気動車である。ただし、181系電車と混同しやすいため、「キハ181系」と称することが多い。

JR西日本キハ181系気動車「リバイバルやくも」
JR西日本キハ181系気動車「リバイバルやくも」
JR西日本キハ181系気動車「はまかぜ」
JR西日本キハ181系気動車「はまかぜ」

1968年から1972年まで158両製造された。

目次

[編集] 概要

キハ181系の登場以前、非電化区間の特急列車にはキハ80系気動車が投入されていたが、機関が旧式でかつ非力であったこと、およびサービス電源用の発電エンジン搭載とのかねあいで走行エンジン台数が不足したことから、最高速度と勾配線区での均衡速度は高く取れず、電車特急に比べて走行性能が見劣りした。

そのため中央西線高山本線で試用されていた500馬力の新系列大出力機関搭載のキハ91系気動車の実績をもとに特急型の気動車として1968年に中央西線の特急「しなの」に投入された。キハ80系と比べ最高速度、加速、勾配での均衡速度を向上させ、奥羽本線の特急「つばさ」など北海道を除く山岳線区を中心に投入されたが、新しいメカニズムに対し当時の国鉄の酷使[1]が祟って故障が多発した。特につばさは、当初は板谷峠での単独登坂運行を行っていたが、過酷な使用条件による排気管の加熱焼損等の故障が頻発し、ついにキハ80系時代と同様にEF71形の補機に牽引されて板谷峠を登ることとなった。

中央西線・奥羽本線など山岳線区での電化の進展により、山陰本線系統及び四国島内での運用が中心となった。1976年の時点では山陰本線系統では「やくも」「おき」、四国島内では「しおかぜ」「南風」の4系統の列車に使用され、「やくも」は食堂車キサシ180形を含む基本8両、付属3両の11両編成で、気動車唯一のエル特急に相応しい設備と輸送力を備えていた。

しかし、1982年には伯備線電化に伴う381系電車化により「やくも」からは撤退、代わりに陳腐化の進行しつつあった80系気動車で運用されていた「あさしお」「はまかぜ」「まつかぜ」(当初1往復、1985年に全列車181系化)を置換えたが、1986年には福知山線・山陰本線城崎電化完成に伴う特急の運転系統分割で、「まつかぜ」が廃止となった。

国鉄の分割・民営化に伴い、本系列は西日本旅客鉄道(JR西日本)及び四国旅客鉄道(JR四国)に承継された。しかし、食堂車キサシ180形は1両も引継がれることなく形式消滅、JR四国については、瀬戸大橋線の騒音問題が深刻になり、本形式より車重が軽いキハ185系が瀬戸大橋線を多く通る運用に後に変更されたが、騒音自体は両形式ともほとんど変わりなかったため、対策として後に瀬戸大橋上の減速区間では65km/hに制限されることになった。2000系気動車の開発と増備を進めて置換えた結果、晩年は高松発着の「いしづち」を中心に運用された。電化の進展で8000系電車の投入などにより、ほとんどが1992年度末に廃車になったが、普通車のみの5両編成2本が残され、1993年に香川・徳島両県で開催された東四国国体秋季大会開催時期に臨時運用で、高徳線高松駅~徳島駅間「うずしお」の定期列車2往復が7両もしくは5両で運転された。この臨時運用で運転された「うずしお」がJR四国所有のキハ181系の特急列車としてのラストランであった。これらの車両も国体終了後の1993年に全車廃車となった。

その後キハ181-1とキハ180-1がJR東海に引取られ、このうちキハ181-1は佐久間レールパーク静態保存された。

JR西日本については、智頭急行線経由の特急「はくと」、後に「いなば」に投入されたが、HOT7000系気動車キハ187系気動車の増備などによりこれらの定期運用から撤退し数を減らした。また、山陰本線園部~福知山電化により特急ネットワークが見直され「あさしお」が廃止となり、急速に活用範囲が狭まっていった。2005年現在では、JR西日本のみが保有しているが、2005年3月のダイヤ改正で「いそかぜ」が廃止になり、定期運用は特急「はまかぜ」のみとなり、「いそかぜ」用の下関配置の6両が廃車され、数が減った。近年では京都総合運転所所属のキハ58系の全廃に伴い、団体臨時列車等にも充当され、関西方面から伊勢方面の修学旅行臨で参宮線にも入線をしているなど、すでに両数的には風前のともしびながらも新たな活躍の場を見せている。

現在は、JR西日本のみに在籍し、京都総合運転所(京キト)に26両が在籍するのみとなっている。これら残存車両はオリジナルカラー(いわゆる「国鉄特急色」)ではなく、全車JR西日本のオリジナルカラーに変更されている。

[編集] 主要項目

  • 主走行機関 DML30HSC形 水平対向12気筒 予燃焼室式水冷4ストロークディーゼルエンジン ターボチャージャー付 連続定格500PS/1600rpm、最大出力590PS/2000rpm
    • 中間車(動力車)は、ラジエーター用送風機によるパワーロスをなくすとともに、コストダウンを目的として自然通風式ラジエーターを屋根上に備える
    • 中期以降の中間車では冷却能力の強化を目的として床下にオイルポンプ式強制通風式ラジエーターを追加搭載
    • 先頭車は自重軽減のため、発電用機関の回転を用いた強制通風式ラジエーターを備える
  • 変速機 DW4C形・DW4F形 液体式変速機 変速・直結各一段
    • 従来の気動車は45km/hで変速-直結の手動切替を行うが、キハ181系は大馬力エンジンの太いトルクによる空転を防ぐため、低速ではすべりが大きく中高速での効率をより重視した1段3要素型の液体変速機を搭載しているため、85km/h程度まで変速段で加速を行い、回転数を検知して直結段に自動変速する。このため、勾配線区を力強く登るよりもむしろ平坦線で120km/hを出して電車に伍して走行するのに適しているとされる
  • 主幹制御器は専用品(固有形式名なし)
    • 電車と同等の自動進段を行う。キハ90系の設計を踏襲し、その制御信号は他系列との互換性がなく、またキハ90系と異なり一般型気動車との併結を考慮しないため、読替装置も搭載しない
  • 発電用機関はDMF15HS-G形 横置直列6気筒 予燃焼室式水冷4ストロークディーゼルエンジン ターボチャージャー付 230PS/1500rpmであり、5両まで給電できる
    • 量産先行車(キハ181-1~6)はターボ無しのDMF15H-G形 180PS/1500rpmで、4両まで給電できる
    • ただし、キサシ180形はそれぞれ2両分を必要とする。
  • 引き通し線の接続は全て専用の電気連結器を用いる
  • CLE電磁中継併用直通自動ブレーキを備える
  • 常用補助制動装置として機関ブレーキ・機関排気ブレーキを備える
  • 最高速度 120km/h

[編集] 新製形式

新製による形式は以下の5形式からなる。

キハ180形の方向幕
キハ180形の方向幕
普通車の車内
普通車の車内
キハ181形
先頭車。定員52名。機器室がキハ82形より長くなり、定員の確保と軽量化のためトイレと洗面所は設置されていない。そのため原則として最低3両編成となる。
キハ180形
中間車。定員はキハ80形より4名多い76名。出入台付近に和式トイレと洗面所を設けた。この形式では先頭車両には行先表示器が存在しないために、中間車に行先が表示されることとなる。
キロ180形
0番台
中間グリーン車。定員48名。キロ80形にあった荷物保管室は廃止となり、代わりに乗務員室を設置した。車掌室内にはラジオ受信器を搭載している。トイレは出入台側に洋式、反対側車端部に和式をそれぞれ1カ所、洗面所は2カ所に設けた。行先表示器はそれぞれの車端部に計4台設置されている。
100番台
中間グリーン車。定員48名。1972年に四国特急用として登場した。四国特急では食堂車は連結しないため、キロ180形の洋式トイレ・洗面所のスペースを車販準備室とした。
キサシ180形
食堂車。食堂定員40名。室内のレイアウトはサシ581形に準じており、前位寄から車販準備室と休憩室、食堂、料理室が設けられている。行先表示器はない。側窓は複層式磨きガラスの間にベネシャンブラインドを内蔵し、カーテンは廃止された。

[編集] キハ80系との相違

キハ181系はキハ80系の外観と接客設備を踏襲しているが以下の相違点が見られる。

車体構造
こだま形」に始まる、浮床構造、複層ガラスなどは受継がれた。機関出力の増大、屋根上の冷却器、冷房装置の重量増などの対策のための補強で重量は増加。折戸式のドアや側面行先表示器を採用。便・洗面所をデッキ外に配置。
車体寸法
キハ80系固有の21mから、新世代の客車・気動車標準の21.3m(いずれも連結面間)に拡大。車体断面形状変更と前面投影面積増大で「こだま形」以来の低重心思想は後退した。
走行用機関
キハ80系はDMH17H形(水平直列8気筒・180ps/1,500rpm)。キハ81・82形は1基、キロ80・キハ80・キシ80形は2基搭載。キハ181系は付随車であるキサシ180形以外、DML30HSC形(水平対抗12気筒・500ps/1,600rpm)を1基搭載。
発電用機関
キハ80系ではキハ81・82形、キサシ80形にDMH17H-G形(DMH17H形の発電用)を1基搭載。キハ181系では走行用のDML30H形の気筒数を片バンク分に半減のうえ、発電用にしたDMF15H-G形(水平直列6気筒・230ps)をキハ181形に1基搭載。
サービス電源用発電機
キハ80系は三相交流440V/125kVA、 キハ181系は三相交流440V/180kVA。
機関用放熱器
キハ80系は走行用エンジン1基ごとに一つ、床下に強制通風式を装備(走行用エンジンの数だけラジエターがある)。発電セット用は、キハ82形では運転台後部の車体両側面に、キサシ80形では床下に一つ装備。それぞれ静油圧駆動とエンジン駆動による強制通風式。キハ181系では急勾配用ということもあり、冷却ファンによる走行用機関の馬力損失を嫌い、試作形キハ91系で冷却能力不足が解決できていなかったにもかかわらず、自然通風式を採用。中間動力車(キロ180・キハ180形)は屋根上の車体全長にわたる自然通風式のほか、床下に強制通風式の補助ラジエターを装備。重量のかさむ発電セットを搭載するキハ181形では、軸重の制限から重量面で不利な自然通風式を使わず、走行、発電、2つエンジンのラジエターをまとめて運転台後部の車体両側面に装備。通風は屋根上の2基の静油圧駆動ファンによる強制通風。
台車
キハ80系のDT31形[2]からDT36形、TR205形[3]に変更。
最高速度
キハ80系の100km/hから120km/hへと向上。
前面デザイン
キハ82形の貫通形デザインを踏襲。ライトケースがキハ82形の丸みを帯びたものから角張ったものに。ヘッドマークが逆台形のものからに長方形に。尾灯とタイフォン(警笛)が一体型のケースにまとめられる。羽型の飾り帯の意匠変更。
空調機器
キノコ型キセ付きのAU12系から、14系座席客車でも採用した、1ユニットずつ独立した分散型AU13S形へ。なお485系電車中期~後期型183系電車などで採用されたAU13E形とは、同じ形式名で形状も似ているものの、互換性は無い。


[編集] 改造車

[編集] 国鉄時代の改造車

[編集] キロ180形150番台

1975年3月1977年3月の四国特急の増発に際しては、所要車両は名古屋と尾久からの転属によってまかなわれたが、このうちキロ180形について、100番台にあわせて洋式トイレ・洗面所を撤去して車販準備室とした車両で、1975年と1977年に合計2両が施工された。

キロ180-1・7→キロ180-151・152

[編集] キハ180形(車掌室取付改造車)

1976年10月1日に特急「おき」はキハ82系からキハ181系に置換えられたが、キロ180形の不足にともない、3往復中1往復はモノクラス編成で運転されることになった。

さらに、1985年3月14日以降、3~4両の短編成の特急列車が増発されるに及び、キハ180形に車掌室の設置を行った。定員は76名から68名に減少している。

キハ180-10・14・17・18・23・24(番号変更はなし)

※23・24は後述のキロ180形200番台に改造され、それ以外の車両も現在は全車廃車され、区分消滅した。

[編集] キロ180形200番台

1986年11月ダイヤ改正で、四国内の特急列車を短編成化するにあたり、不足するグリーン車をキハ180形をキロ180形に改造して充当することとした。

種車は改造費を抑える目的から車掌室を増設していたキハ180-23・24(前述)が充てられた。改造内容は腰掛を他系列の廃車発生品のグリーン車用リクライニングシートに交換し、後位側に車販準備室を新設した。この種の改造車の常として、座席と窓のピッチは合っていない。

キハ180-23・24→キロ180-201・202

[編集] キハ181形100番台

キハ181形100番台(先頭車両)
キハ181形100番台(先頭車両)

国鉄の全体的な短編成化方針によって不足した先頭車と余剰となった中間車という関係上誕生した区分番台。国鉄時代に3両、国鉄分割民営化後、JR四国で2両が製作された。中間車両からの改造のためにトイレ・洗面所のスペースはそのまま残されたが、四国の改造車両はトイレは業務用としてふさがれ、洗面所は撤去された。座席配置もキハ180形に準ずるものとなっている。外見は機械室が若干短くなり、その後ろの小さな窓がなくなっていることが特徴。また101、102、103は行先表示器は窓だけが残り、トイレ、洗面所窓はふさがれた。104、105は行先表示器窓がふさがれ、トイレ、洗面所 窓跡が残った。定員は0番台車より4名少ない48名。電源装置はキハ183系のものと同じDMF15HSA-G形である。なお、キハ181-101の装置はキハ184-901をキロ184-901に改造した際の発生品を流用した。晩年はトイレがある関係で座席数が少ないため「おき」「くにびき」の自由席車両に限って使用されたが、「おき」の定期ラストランにも用いられていた。 102、103はアコモ改良として他系列の廃車発生品の簡易リクライニングシートに交換し、洗面所跡に100円硬貨専用の公衆電話をつけて出場したが、キロハ180形に同様の公衆電話が取付けられたため、JR四国色になって座席が再度交換されたときに撤去されている。104、105はJR四国色で出場した。現在では5両とも廃車となっている。

キハ180-7・69・70・68・73→キハ181-101~105

[編集] 台車枠交換工事

台車枠にヒビが入る故障が発生したので、特修工事としてキハ181系のすべての台車枠を交換してウイングばね式に改造した。

DT36B形→DT36C形、DT40形→DT40B形、TR205B形→TR205D形、TR205C形→TR205E形、TR219形→TR219D形、TR219A形→TR219E形

[編集] JR四国の改造車

[編集] キロハ180形

キハ185系がデビューした1986年11月のダイヤ改正で、特急の増発と短編成化を実施した。その後キハ185系に比べて見劣りする車内設備をキハ185系並に改良する際、乗車率の悪いグリーン車を見直すことになり、キロ180形を半室化してキロハ180形とした。改造工事は車両中央部にブロンズガラス製の空気式自動引戸付の仕切を設け、仕切の普通室側に100円硬貨専用の公衆電話を設けた電話室を設置した。この関係で7、8の窓が一部埋められて小型の物に変更されている。車内の化粧板や床敷物、仕切扉も交換されている。1~6のグリーン室側は座席のモケットを緑色の物に交換し、7、8のグリーン室側は座席をキロ180形からの発生品に交換し、1~6と同じになった。また巻揚げカーテンを横引カーテンに交換した。普通室側は座席を交換した。定員はグリーン室24名、普通室18名。

この改造は1987年から翌年にかけて多度津車両所で施工され、これにより四国内からキロ180形は消滅した。

キロ180-101~104・151、152・201、202→キロハ180-1~8(番号順)

[編集] 普通車のアコモデーション改造

国鉄末期より普通車の回転クロスシートをキハ185系と同じモケットで形が若干違う背面テーブル付リクライニングシートへの交換、車内の床敷物、横化粧板、仕切扉の交換、巻揚げカーテンの交換などのアコモデーション改良を実施した。また1987年から翌年にかけて全車がJR四国のコーポレートカラーに変更している。さらに一部の車両は2000系導入後モケットを交換している。

[編集] JR西日本の改造車

JR西日本に承継された車両は、自動列車停止装置のATS-Sw形が装備されている。

1994年12月3日のダイヤ改正に伴い、キハ181系で運行される智頭急行線経由の特急「はくと」1往復が新設されたが、車両不足が予想されたため、当初はJR四国で廃車になった車両を購入して復活させる予定だったが、実現しなかった[要出典]。智頭急行線は自動列車停止装置にATS-P形を採用したため、向日町運転所(現・京都総合運転所)所属車両のうち、同時に1往復減便された特急「はまかぜ」から捻出された車両の一部にATS-P形の追加取り付け改造を行い、充当した。

1996年3月16日のダイヤ改正で特急「はくと」が増便され、特急「あさしお」の廃止に伴い捻出された車両にATS-P形の追加取り付け改造を行い、充当した。後に、京阪神地区についても自動列車停止装置にATS-P形が採用されたため、京都総合運転所所属の特急「はくと」・特急「はまかぜ」用の車両についてはATS-P形の追加取付け改造を行った。

[編集] 変遷(国鉄四国総局~JR四国車)

  • 1972年3月の山陽新幹線岡山開業で四国に初めて特急「しおかぜ」3往復、「南風」1往復が誕生した。これにあわせてキハ181系の最終新製車26両が高松運転所に配置された。
  • 「しなの」の全面電車化による捻出車8両が転入し、キロ180-1がキロ180-151に改造されて1975年3月、「南風」2往復が増発された。同年11月、「つばさ」電車化の捻出車8両が転入し、キロ180-7がキロ180-152に改造されて1977年に「しおかぜ」1往復が増発された。
  • 1986年には、のちに改造グリーン車になる車掌室付キハ180形2両が転入、配置車両は44両となった。同年11月のダイヤ改正でキハ185系がデビューし、「しおかぜ」が大増発された。予讃本線多度津以西の速度向上により高松~松山間の最高運転速度は95km/hとなった。またキハ181系の編成は7両、6両から5両に短縮された。キハ180形からの改造でキハ181-102、103、キロ180-201、202が登場した。
  • 1987年3月のダイヤ改正で高松~松山間の最高運転速度は110km/hとなり、所要時間が最速で2時間40分台から2時間30分台に短縮された。キハ180形から改造されたキハ181-104、105が登場し、キロハ180形やアコモ改良車も翌年にかけて順次登場していった。
  • 1988年4月には瀬戸大橋線が開業し、「しおかぜ」、「南風」は岡山発着となり、島内は「いしづち」、「しまんと」となった。多くの乗客があったため増結をし、1990年までの繁忙期にはJR西日本からキハ180形を最大3両借り受けて対応した。
  • 1989年3月、瀬戸大橋での減速運転開始と2000系「TSE」がデビューし、瀬戸大橋線児島~宇多津間と土讃線多度津~阿波池田間の最高運転速度が120km/hとなった。同年7月に土讃線阿波池田~高知間の最高運転速度が120km/hとなり、「南風」の所要時間が約10分短縮された。
  • 1990年11月、「宇和海」、「あしずり」が新設、2000系量産車がデビューし予讃線高松~宇和島間の最高運転速度は120km/hに(一部は110km/h。)土讃線高知~窪川間の最高運転速度は110km/h(一部は120km/h。)となった。またこの頃から繁忙期に「しおかぜ」、「いしづち」で8両編成中4両(1両目と6~8両目)がキハ181形、2両がキロハ180形(2、3両目か3、4両目)という編成が見られるようになる。
  • 1991年、2000系の増備で「南風」の運用がなくなり、キハ180形2両が廃車となる。キハ181系が使用される「しまんと」、「あしずり」は時刻表上では3両編成になっていたが、毎日キハ180形1両が増結されたため、3両で運転されたことはなかった。
  • 1993年3月、予讃線高松~松山間の電化完成で定期運用がなくなり、10両を残して廃車となった。同年10月21日~11月9日の東四国国体秋季大会開催時期に7両もしくは5両で「うずしお」2往復の運用にはいる(これにより当時運転されていたJR四国の特急列車すべてに足跡を残すことができた)。11月14日、団体列車「どんぐり号」に使用され、これがJR四国所属のキハ181系のラストランとなった。

[編集] JR西日本所属車両の近年の変遷

四国にイベントで貸し出されたリバイバルキハ181系
四国にイベントで貸し出されたリバイバルキハ181系

1997年11月29日のダイヤ改正でHOT7000系気動車の増備により特急「はくと」の定期運用から撤退したため、捻出した車両のうち3両編成3本9両(キハ181-12,17,20,22,24,47、キハ180-31,41,42)が鳥取鉄道部西鳥取車両支部に転属し、同時に新設された智頭急行線経由の特急「いなば」3往復に充当した。

2001年7月7日のダイヤ改正でキハ187系気動車の増備により特急「おき」・特急「くにびき」の定期運用から撤退し、特急「いそかぜ」の運転区間が短縮されたため、後藤総合車両所所属の車両のうち、引き続き特急「いそかぜ」で運用するのに必要な3両編成2本6両(キハ181-8,28,31,32、キハ180-10,17)が下関地域鉄道部下関車両管理室に転属し、それ以外の車両が廃車となった。なお、これに伴ってキハ181系を利用したリバイバルトレインの企画も多く誕生することになった。また、下関の車両は広島~下関間の臨時快速列車「下関ふくフク号」、「関門・MUSASHI号」にそれぞれ専用ラッピングを施し使用された。

2002年春より姫路方面から伊勢・鳥羽方面への修学旅行列車がキハ58系より京都総合運転所所属のキハ181系6両に変更されている。また、この年にキハ181系を使用した初のリバイバル企画として「リバイバルやくも」が運行される。これに続いて6月にはJR四国で初のリバイバルトレイン「南風」(高松駅~高知駅間)、「しおかぜ」(高松駅~松山駅間)に使用され、さらに11月には「うずしお」(高松駅→徳島駅間)、「いしづち」(徳島駅→阿波池田駅→多度津駅→松山駅間)、「しおかぜ」(松山駅→高松駅間、高松駅→宇和島駅間)、「I LOVE しまんと」(宇和島駅→高知駅間)、「南風」(高知駅~高松駅間下り1本、上り2本)がキハ181系で運行され四国一周運行した。

2003年10月1日のダイヤ改正でキハ187系気動車の増備により特急「いなば」の定期運用から撤退したため、鳥取鉄道部西鳥取車両支部所属の3両編成3本9両のうち5両(キハ181-12,22,47、キハ180-41,42)が京都総合運転所に転属し、残り4両(キハ181-17,20,24、キハ180-31)が廃車となった。

2005年3月1日のダイヤ改正で特急「いそかぜ」が廃止となったため、下関地域鉄道部下関車両管理室所属の3両編成2本6両が予備車となり、のちに全て廃車となった。

[編集] 脚注

  1. ^ これによるトラブルは、電車、機関車等でも、国鉄においては日常的に発生していた。殊更本系列が目立つのは、新システムであったことと故障時に代走できる形式が存在しなかったためである。
  2. ^ ウィングバネ式軸箱支持で揺れ枕吊りにベローズ式空気バネを搭載。各台車1軸駆動で首振りと牽引力の伝達はボルスタに依存し、台車枕梁に減速機一体型逆転機を平行リンク接続により支持。
  3. ^ 2次車からはディスクブレーキ付きのDT40形、TR219形へ改良を実施。いずれもキハ90系と同様の延長リンク+ウィングバネ複合軸箱支持で、片側台車2軸駆動のため、枕梁中央直上を推進軸が貫通している。このため揺れ枕吊りとボルスタを廃して推進軸との干渉を回避し、荷重は左右の側枠中央直上に車体直結のダイアフラム式空気バネを載せてここで受け止め、台車の首振りおよび牽引力の伝達は空気バネの剛性とZリンクによる仮想心皿方式を用いることで代替した。また、逆転機は変速機内装とされたため、動台車側には減速機のギアボックスのみが各軸に搭載されている。

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