アフタヌーンショー

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アフタヌーンショーは、1965年 4月5日にスタートした、テレビ朝日系列の昼のワイドショー番組。

[編集] 番組概要

当初は、「ただいま正午・アフタヌーンショー」としてスタートし、スタートから2年目を迎える前の1966年 1月から、「桂小金治アフタヌーンショー」に改題され、1973年 8月から1985年 10月18日の番組終了までは、タイトルも「アフタヌーンショー」だけ（その後司会を川崎敬三に変更される）となる。

[編集] ネット局

正午から放送されていたのは、ANN系列のフルネット局とクロスネット局のテレビ大分、福島中央テレビ、新潟総合テレビ、中京テレビ放送、宮城テレビ放送、青森テレビ、テレビ信州、テレビ岩手、JNN系列のテレビ山口で、その他のネット局は14時もしくは15時から放送されていた。
※テレビ大分は大分朝日放送までは、NNN・FNN・ANNの三系列に重複加盟していた。また、福島中央テレビ、新潟総合テレビ、テレビ信州、宮城テレビ放送の4局とも当時はANN系列にも入るクロスネット局だったが、エリアの原則4局化で、各系列のフルネット局となった。ただし青森テレビは1975年 3月に、テレビ岩手は1980年 3月にそれぞれANNを脱退、テレビ山口は1978年 9月にテレビ朝日からのネット打ち切り通告を受けたためそれぞれ放送を中止している。中京テレビは、ANNに加盟はしていたが、同じ中京地区では名古屋テレビもNNNに主軸を置きながらANNに加盟していた。このため、この番組は開始当初は名古屋テレビで他のクロスネット局同様14時台に遅れネットで放送されていた。1970年 4月に中京テレビに移り、同時ネットの放送に変更されたが、1973年 4月変則クロスネットの解消に伴い、名古屋テレビに復帰している。

[編集] 放送開始直後の司会形態の転換

1964年4月スタートの木島則夫モーニングショーの成功を受けて、当時の日本教育テレビは木島ショー以前の平日午前枠がそうであったように、未だ不毛の時間枠となっていた平日正午の開拓に乗り出す。そこでスタートしたのがこの番組であり、当初は榎本猛アナをメインに起用し、計8名の司会グループで番組進行を行うという異例の司会スタイルを採用した。が、この多人数による司会スタイルは逆に視聴者に混乱を招き（司会グループの大半はアナウンサー経験もタレントとしての芸能活動の経験もない、「ズブの素人」であったことも混乱を招く一因となった）、3ヶ月後より、人気女優の草笛光子と「お天気ママさん」(TBS）などで主婦層を中心に人気を集めていた大沢嘉子をアシスタントとして起用し、榎本・草笛・大沢のトリオ司会で軌道修正を行い、徐々にではあるが視聴者がついてくるようになっていった。そして、より番組人気を確かなものとする意味合いから、スタートから10ヵ月が経過した1966年1月末より、2代目メイン司会者として、テレビ創成期より「地上最大のクイズ」（フジテレビ）などの司会者として視聴者にもおなじみの顔となっていた落語家・桂小金治を新たに起用することとなった。

[編集] 怒りの小金治

桂小金治が司会を務めていた時代は、あらゆるニュースに小金治が関心を持ち、"怒りの小金治"の異名が付くほどの人気番組だった。テーマ音楽は小川寛興作曲で、「桂小金治アフタヌーンショー」のテーマとして、後にアルバム『SHOW WA! ギャグ・ジャンボリー』にも収録された。この小金治時代には指圧治療の権威でもある浪越徳治郎がレギュラー出演しての指圧コーナーが一世風靡。小金治と負けず劣らずの強烈なキャラクターの持ち主である浪越もまた、時代の寵児の如く人気を集めるようになった。

[編集] 度重なる司会者交代と主なコーナー

1973年夏に小金治は勇退。その後俳優の山田吾一がメイン司会者に就くが、不祥事が発生し、わずか3ヶ月でその責任を取り降板。臨時司会者として同局の看板アナだった馬場雅夫を経て、1974年3月4日放送より当時「モーニングショー」の後の時間枠で放送されていた「お料理ジョッキー」から移る形で川崎敬三が司会に就き、芸能レポーター・梨元勝や俳優の山本耕一らが個性の強いレギュラー陣が加わり、スピード感のある事件・芸能ニュースを報ずる番組に変化。第2期黄金時代を迎えた。また、ばばこういちもレギュラー陣に加わりばばが庶民が「納得いかない!!」と感じている問題を当事者に迫り追及する「なっとくいかないコーナー」も人気に拍車をかけた（ばばの「なっとくいかないコーナー」は、その後テレビ朝日のザ・スクープ、TBSテレビの噂の!東京マガジンの『噂の現場』のコーナー、みのもんたの番組(テレビ東京「ジカダンパン!」やTBSの諸番組)など、後の番組に影響を与えた）。

[編集] やらせリンチ事件発覚

1985年 8月上旬、東京都福生市内の多摩川河川敷で不良中学生の少年・少女数十人がバーベキューパーティをしていたところ、暴走族の男が少女にリンチを加えるという一部始終を同年8月20日に「激写!中学女番長!!セックスリンチ全告白」というサブタイトルで放送。同年10月8日、逮捕された女子生徒の供述から、このリンチは番組ディレクターが暴走族への指示で行った演出（やらせ）だったことが明らかになった。やらせを指示したディレクターが暴行教唆で逮捕され、懲戒解雇される事態にまで発展した。

[編集] 事件後の悲劇・司会者の引責降板・テレ朝社長の詫び・突然の打ち切り

「やらせリンチ事件」は日本の放送メディアに大きな波紋をを呼び、各メディアからテレビ朝日に対する非難の声が高まった。番組スポンサーは降板、司会の川崎も責任を取って引責降板を表明し、テレビ朝日の田代喜久雄社長（当時、故人）が番組に生出演して謝罪した。当時スタートしたばかりの「ニュースステーション」でも久米宏が謝罪する羽目になった。その後、視聴率は、急激に低下、同月18日に番組は打ち切りとなった。打ち切りは前日に緊急協議を開き、即決定したと言う。前日の各新聞の夕刊のトップの記事に掲載され、衝撃を与えた。その後、田代社長らテレビ朝日幹部は減給処分となり、郵政省（当時）はテレビ朝日に対し、厳重注意を行った。

[編集] 新・アフタヌーンショー

また、1987年 4月からの半年は、川崎と女優・古手川伸子（同じく女優・古手川祐子の実妹）を司会に迎えて「新・アフタヌーンショー」としても放送したが、視聴率の低迷に加え、富士山ロケ中の取材クルーの水死事故が追い打ちをかけてしまい、結局同年9月に打ち切られてしまった（なお川崎は、これを機に事実上、芸能界を休業した）。

[編集] ザ・ぼんちからの謝辞

番組レポーターの山本耕一の事件レポートぶりや司会・川崎とのやり取りが、当時大人気の漫才コンビザ・ぼんちのネタに取り上げられた。「そ～なんですよ川崎さん」「A地点からB地点まで」は流行語になり、ついには「恋のぼんちシート」という曲まで誕生した。最終回にはふたりの川崎・山本への謝辞のコメントVTRが流された。

[編集] 後番組

後番組は、つなぎ番組として「この秋一番!」という番組（司会・みのもんた新宿末廣亭からの寄席中継など）が放送され、1985年11月から「なうNOWスタジオ」がスタートした。これ以降、「ザ・ニュースキャスター」開始まで朝日系以外でのネットこそ継続されたものの、朝日系正午ワイドの時間帯は「ワイド!スクランブル」開始まで「不毛の時間帯」として迷走を始めることとなる。

本番組の放送開始前年の1964年に放送開始された朝のワイドショー番組「モーニングショー」にも対抗した番組だった。

[編集] 歴代メイン司会者

初代：榎本猛アナウンサー－1965年4月5日～1966年1月28日
2代：桂小金治－1966年1月31日～1973年8月3日
3代：山田吾一－1973年8月6日～11月
4代：馬場雅夫アナウンサー－1973年11月～1974年3月1日　
5代：川崎敬三－1974年3月4日～1985年10月18日

[編集] アシスタント

草笛光子
大沢嘉子
市川靖子
小林千登勢
今井優理子、ほか

[編集] レギュラー出演者

浪越徳治郎（指圧コーナー）
田村魚菜（料理コーナー）
山本耕一（レポーター、本業は俳優）
ばばこういち（レポーター）
村上不二夫（レポーター、本業は俳優）
須藤甚一郎（芸能レポーター）
梨元勝（芸能レポーター）
福富太郎
ミッキー安川、ほか

[編集] 放映ネット局

※　太字の局は同時ネット局で、(時差ネット)と書いてあるのは時差ネット局。

関東圏　テレビ朝日（旧：NETテレビ【日本教育テレビ】）
北海道　北海道放送(時差ネット)→北海道テレビ（HTB開局後の1969年3月下旬から）
青森県　青森放送(時差ネット)→青森テレビ→青森放送(時差ネット)（1975年3月31日～）
岩手県　岩手放送(時差ネット)→テレビ岩手（1980年3月打ち切り）
秋田県　秋田放送(時差ネット)
山形県　山形放送(時差ネット、14時から放送)
宮城県　仙台放送(時差ネット)→東北放送(時差ネット)→ミヤギテレビ→東日本放送（1975年10月開局から）
福島県　福島テレビ(時差ネット)→福島中央テレビ→福島放送（1981年10月開局から）
新潟県　新潟放送(時差ネット)→新潟総合テレビ→新潟テレビ21（1983年10月開局から）
長野県　信越放送(時差ネット、15時から放送)→テレビ信州（1980年10月開局から）
富山県　北日本放送(時差ネット、15時から放送)
石川県　北陸放送(時差ネット、15時から放送)
福井県　福井放送(時差ネット、15時から放送)
静岡県　静岡放送(時差ネット)→静岡けんみんテレビ（当時正式社名：静岡県民放送、現：静岡朝日テレビ）（1978年7月開局から）
中京圏　名古屋テレビ(時差ネット)→中京テレビ→名古屋テレビ（1969年4月に開局した中京テレビに移行、1973年4月の名古屋テレビと中京テレビのネット単一化で再度名古屋テレビに移行）
近畿圏　毎日放送→朝日放送（1975年3月31日～、東京キー局のネットチェンジ（いわゆる腸捻転解消）に伴う）
島根県　山陰放送(時差ネット)（1968年ネット開始、鳥取県と島根県の相互乗り入れ後もネット継続）
鳥取県　日本海テレビ(時差ネット)（1971年ネット開始、鳥取県と島根県の相互乗り入れ後もネット継続）

※鳥取・島根は相互乗り入れ後も2局で放送された

広島県　中国放送(時差ネット)→広島ホームテレビ（1970年12月開局から）
山口県　（初期は未ネット） テレビ山口→山口放送(時差ネット)
岡山県　山陽放送(時差ネット)→岡山放送（一時期ネット中止、岡山県と香川県のエリア一本化まで放送）→瀬戸内海放送へ一本化
香川県　瀬戸内海放送（1979年岡山県と香川県のエリア一本化）
愛媛県　南海放送(時差ネット)
高知県　高知放送(時差ネット)
福岡県・佐賀県　九州朝日放送
長崎県　長崎放送(時差ネット)
熊本県　熊本放送(時差ネット)
大分県　大分放送(時差ネット)→テレビ大分（1970年4月開局から）
宮崎県　宮崎放送(時差ネット)
鹿児島県　南日本放送(時差ネット)→鹿児島放送（1982年10月開局から）
沖縄県　琉球放送(時差ネット)

[編集] 備考

モーニングショーと同様オープニングにネット局のテロップ（HTB～RBC）が流されていた。（モーニングショーのは中央にNETテレビ→テレビ朝日が配置されているものだったがこの番組も同じものだった。）
提供スポンサーが流された後「アフタヌーンショーではまたあした（また来週）」、「製作著作 NET→制作　テレビ朝日」の白バックが流されて終了するのも同じだった。