パワードスーツの登場するサイエンス・フィクション一覧
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本項では、主にサイエンス・フィクション作品に登場するパワードスーツを中心に、パワードスーツのような機能を持つ、あるいは概念的に類似するものを列挙する。それら作品に出てきた物品の性質や内容については簡単に説明するが、詳しくは各々の作品の項を参照されたし。
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[編集] 機械装置としてのパワードスーツ
原義に近い意味で取り上げられている作品や、作中の名称。
[編集] 小説
- パワードスーツ
- 『宇宙の戦士』に登場。未来世界の宇宙の海兵隊とでもいうべき機動歩兵の主兵装で、装甲と怪力と様々な銃火器を備え、惑星軌道上から降下カプセルに入れられて投下され、敵勢力の拠点を急襲する。
- 超歩兵
- 『要塞シリーズ』(荒巻義雄)後期の「阿蘇要塞1995」「琵琶湖要塞1997」にて、「日本列島防衛軍」の装備として登場。バリエーションには水陸両用型の「海上装甲騎兵(海騎兵)」や大気圏内外両用型の「軌道降下兵」がある。なお、「阿蘇要塞~」では日本列島防衛軍と対戦した「スミノフ軍」も同種の兵器を装備していた。
[編集] 映画
- パワーローダー
- SF映画『エイリアン2』に登場。作業用機械であり、コンテナや重量物の運搬などに利用されるフォークリフトの延長線上にあるが、主人公がこれを使って危険な宇宙生物と対決した。
- APU
- 『マトリックス・レボリューションズ』『アニマトリックス』に登場。人力では扱えない巨大な銃器を軽々と取り回し、人間側の切り札として押し寄せるロボットの軍隊と戦った。しかし過去のAPU部隊は並み居るロボットにより大損害を被り、人間側が一度敗北を喫している。『レボリューションズ』でも大損害を被り、全滅しかけた。
[編集] 漫画・テレビ番組・アニメ・特撮など
- アイアンマン
- アメリカのマーヴル(マーベル)コミックスのスーパーヒーロー。『アイアンマン』『キャプテンアメリカ』『アベンジャーズ』他、色々なシリーズに登場する。飛行能力やビームの発射能力を持ち、もともと軍用として開発されたが、制作メーカーの社長自らが負傷が原因で着用することとなり、スーパーヒーローとなった。1963年に最初の作品が描かれ、コミックスに登場する主役の着用するパワードスーツとしては最古のものといえる。
- ガーディアン(ウェポン・アルファ) / ヴィンディケーター
- アメリカのマーヴル(マーベル)コミックスのスーパーヒーロー。『アルファフライト』『X-MEN』等に登場する、カナダのスーパーヒーローチーム「アルファ・フライト」のリーダー。1978年にウェポン・アルファの名前で初登場。地球の電磁場を利用してパワーに変換し、高速飛行能力やビームの発射能力を持つが、(開発時は普通の外骨格型だったが)全身タイツのような薄い素材であり、一見パワードスーツに見えず超能力アメコミヒーロー風である。ヴィンディケーターはガーディアンの妻が同タイプのスーツを着装した姿。
- バット・パワードスーツ
- アメリカのDCコミックのスーパーヒーロー、バットマンが自ら開発した外骨格型パワードスーツ。『ダークナイト・リターンズ』『キングダム・カム』『バットマンvsプレデター』他に登場。普段は生身の肉体を駆使して戦うバットマンだが、スーパーマンやプレデターのような強力な異星人が相手の場合、強化装甲服を着用する場合もある。政府のエージェントとなったスーパーマン相手の時は、電線からひいたゴッサム・シティの全電力を充電してから決闘に挑んだ。
- コンバットスーツ、クラステクター
- 特撮テレビドラマの『メタルヒーローシリーズ』に登場。動作原理は子供向け番組の常として余り詳しく語られないが、一種の質量変換であるなど個人装備としてはかなり大胆な超兵器であることも多い。様々な関連作品が出ており、一瞬で電送され装着される「コンバットスーツ(『宇宙刑事ギャバン』)」など性能の設定や名称もまちまちである。そのほとんどは外骨格型ではなく、非着用状態では自立できない。
- アームスーツ / ランドメイト
- 『アップルシード』や『攻殻機動隊』シリーズの原作及びアニメに登場する他、『ガンドレス』にも登場する装甲外骨格型パワードスーツ。アームスーツはオリュンポスESWATの装備である動力付き鎧「ガ-シム」、後述するランドメイトに近い陸自の「24式」などがある。ランドメイトの方はやや大型の装置で、着込むと言うよりも乗り込んで手足の動きを増幅させる「乗り物」のような存在で、タイプによってはガーシム着用のまま搭乗できる。また、着装者の腕部はマニュピレーターの中ではなく、その下の方に突出して4本腕に見えるものが多い。
- 強化外骨格
- アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』に登場する、海上自衛軍特殊部隊および厚生省強制介入班の装備。概念的には上記アームスーツやランドメイトに類似する物と思われ、作中では装甲が非常に強固なこと以外に明確な差はみられない。なお『攻殻機動隊』や関連作品には、パワードスーツの概念からは外れるが、フチコマ、タチコマという人工知能を備え、無人でも活動可能な「思考戦車(シンク)」という小型多脚戦車が登場する。これは人間の動きをフィードバックして動くものではないが、上記のランドメイトに性格的に似ており、歩行やタイヤによる走行を移動手段にするほか、マニピュレーターを具えて物を掴んで持ち上げたりといった手作業を行う機能がある。
- アーム・スレイブ
- 『フルメタル・パニック!』シリーズに登場。完全な「巨大ロボット」の範疇ではあるが、腕などの動きを増幅トレースして操作するため、人間のできる動作は大抵はこなせるほか、操縦者によっては格闘技も使える。関連作品の『フルメタルパニック?ふもっふ』には、「ボン太くん」という着ぐるみに動力装置を仕込んだ謎の装備が登場、こちらは大きさ的にもパワードスーツの範疇だが、外見は『できるかな』のゴン太くん似の姿をしている。ボン太くんを参照。
- スレイブトルーパー
- OVA『メタルスキンパニック MADOX-01』より。陸自と米陸軍、大河崎重工の共同開発中の対戦車用装甲外骨格型強化服(タンクバスター)「MADOX」と、その試験型の「ST-00ハンマーヘッド」が登場する。
- ズバットスーツ
- 『快傑ズバット』に登場。着込むと超人的な力を発揮できる全身プロテクター。もともと宇宙開発用であったが、開発者が死亡したため専門家ではないその友人が完成させた。このため、着用後5分以上経過すると爆発する欠点があるため、時間内に機能を停止しなければならない。外骨格型ではなくソフトスーツ型。
- テッカマン / ソルテッカマン
- アニメ『宇宙の騎士テッカマン』『宇宙の騎士テッカマンブレード』に登場。気密装甲服で、広義の宇宙服としての機能を備える。旧シリーズのテッカマンやソルテッカマンは地球人による開発であるが、『~ブレード』では敵であるラダムに取り込まれた人間が変身・装着するものである。
- エクセルスーツ
- アニメ『トランスフォーマー ザ・ムービー』『トランスフォーマー ザ・リバース』に登場。『ザ・ムービー』版は、腕部にさまざまな道具を内蔵し、更に装着者にトランスフォーム能力を与え、『ザ・リバース』版は、パートナーとなるトランスフォーマーの頭部、または武器に変形する能力を与える。原語版では「エクソスーツ」。
- アーマードマッスルスーツ
- たかしげ宙原作/皆川亮二作画/スプリガンに登場。機械式の物がある一方で、超古代文明のロストテクノロジーやオリハルコンなどを応用したものもある。タイプは一種類に限らず、パワー、スピードなど一方に重視されるモデルが存在。作中では「筋肉服」という実も蓋もない呼ばれ方をされる事もある。
- 高機動バトルスーツ(女性兵士用クアドランシリーズ) / パワードスーツ(男性兵士用ヌージャデルシリーズ)
- アニメ『超時空要塞マクロス』シリーズに登場するが、巨人族であるゼントラーディ兵が着込むため、全高16m以上と一見巨大ロボットと見分けがつかず、重力下でも宇宙でも飛行可能な推進力を持つ。男性兵士用のヌージャデル・ガーの場合、装着者の腕は胸部の銃に添えられているため、その動きはフィードバックされていない。
- 地球人「夏美」専用専守防衛型強化服
- 『ケロロ軍曹』に登場。読み方は「ポコペンじんなつみせんようイージスがたパワードスーツ」。テクノロジーの使い方を何処か間違っているケロン人の技術を、凶悪な方向で満載した最終兵器。アンダーは何故かスクール水着。日向夏美を参照。
- ウェアパペット
- アニメ『銀河漂流バイファム』に登場。地球軍の動力付装甲宇宙服で、トゥインクルヘッドとオールオーバーの二種類がある。後者は宇宙用小型戦闘機・パペットファイターの操縦用にも使われた。
- ライドアーマー
- アニメ『機甲創世記モスピーダ』に登場。宇宙から来たインビットに占領された地球奪還を目的とした、マルスベース兵の個人装備。バイク形態から変形し、乗員の着装したライドスーツに被さることで強化服となり、その動力源・推進装置の役割を果たす。可変戦闘機である「レギオス」にも折りたたまれて収納されている。
- バトルウォーマー
- アニメ『機甲創世記モスピーダ』に登場。インビットの強化外骨格のようなもので、活動時に常時着用される。生体メカらしく、女王からの評価の高い者は着装状態のまま「進化」し、より強力なタイプに形を変える。ただし、地球環境に適応し人間体となったインビットが搭乗する「ゴース」だけは、概念や操縦方式がパワードスーツとは異なる普通の人型兵器である。
- プロテクタースーツ
- 大友克洋 の漫画『武器よさらば』に登場する、歩兵用全身防護服。片腕はマニュピレーターではなく固定式のレーザー銃になっている。特に推進装置などは持たず、パワーもその重量を相殺する程度であるようだ。兵の移動は車輌などにより行われ、スーツは戦闘区域に入る前に装着される。しかし敵の無人歩行戦車「ゴング」が相手では、一個分隊程度では殲滅されてしまう。
- パワードアーマー
- アニメ『特装機兵ドルバック』に登場。オーソドックスな外骨格型パワードスーツで地球軍の標準装備であるが、敵の飛行メカであるカングライドとの戦闘では劣勢であった。本編では主役たちが可変戦闘メカに搭乗しているが、商業的にはむしろパワードアーマーの方に人気があり、放映終了後もプラモデルによるシリーズ展開が続いた。
- プロテクトギア
- アニメ『人狼 JIN-ROH』、映画『紅い眼鏡』および『ケルベロス 地獄の番犬』に登場。日本がドイツとの戦争に敗れ占領された歴史のある世界での、警察機動隊(特機隊)及び、後に自衛隊も装備する治安部隊用防護服。動力源についてはデザイナーは(本気かどうか不明であるが)動力は原子力、監督は(その発言に腹をたてつつ)筋肉と言っており、設定は不明確で実際はパワードスーツに含まれない可能性が高く、衣類の上から装着された全身ボディーアーマーに近い。
[編集] コンピュータゲーム
- パワードスーツ
- コンピュータゲーム『メトロイド』に登場。右手にアームキャノンが装備され、さまざまなビームやミサイルを用いて攻撃する。モーフィング機能によりボールの形状に変形することも可能。
- モジュール
- 山本弘『サイバーナイト』に登場。様々な武装を取り付けるための兵器プラットフォームとしてのパワードスーツ。
- 特殊機動重装甲
- 『METAL WOLF CHAOS』に登場。アメリカ合衆国大統領が乗り込んで、副大統領率いるクーデター軍と戦う(所謂バカゲー)。
- ガーゴイル
- ナムコのガンシューティングゲーム:『スティールガンナー』に登場する。飛行能力を備え、連射性のある火器で、武装凶悪犯をなぎ払う。警察機構(特殊部隊)の装備と言う設定だが、強力な火器のせいでビルが倒壊することもしばしば。
- 強化装甲服
- 同じくナムコのガンシューティングゲーム:『タイムクライシス4』に登場する。米軍開発。防御力に特化しており、グレネードの直撃でも一発なら耐えられる程。大型軽機関銃、バックパック式弾倉固定装備。但し重量過多で、着用した兵士の動きが鈍重と、あくまでも防弾服の延長技術で、本来のパワードスーツとは性格が異なる。ただ重量化した装甲を支えるための動力機構は持っているだろうと推測出来る為、便宜的に本項で挙げる。
- EMPS(Extravehicular Mobility Police Suit)
- 『ポリスノーツ』に登場。スペースコロニー用の宇宙遊泳ユニットから発展し、月面作業用や、高機動と重装甲を兼ね備えた警察用・軍事用も存在する。重力下での倍力機能などよりも、無重力や低重力下での運動性能を重視したもので宇宙服の発展技術。
- 外装式強化服
- コナミの『メタルギアソリッド2』にて、ソリダス・スネークが着用していた。両肩の部分には、『スネークアーム』という触手状のマニュピレータが、ふたつ装着されている(脱着可能)。
[編集] ナノマシンや特殊素材などに動作原理を求めるもの
- ガンツスーツ
- 奥浩哉『GANTZ』に登場。ナノマシンで構成されたスエットスーツのような衣服。擬似的な筋肉を作り出すことで力を増幅する。
- 仮面ライダーG3/G3-X/G3-MILD/G4、V-1
- 特撮『仮面ライダーアギト』に登場。本編に登場する他の「ライダー」は人間の進化形態であるが、G3などは警視庁の特殊装備であり、普通の人間が着用する強化服である。
- 仮面ライダーファイズ/カイザ/デルタ/サイガ/オーガ、ライオトルーパー
- 特撮『仮面ライダー555』に登場。人類の進化形であるオルフェノクのためにスマートブレイン社により開発された強化服で、普通の人間には装着できず、できてもその後死亡する。
[編集] 生物など
- 強殖装甲
- 高屋良樹『強殖装甲ガイバー』に登場。一種の生物で、殖装者と融合する形で身体機能を強化するが、普段は亜空間に隠されており、呼び出して殖装される。制御装置が破損すると殖装者を侵食するなど、生物らしい欠点が存在する。殖装者が負傷した場合には、欠損した部分を自己修復する機能(脳はおろか、細胞の一片でもあれば全身の復元も可能)のほか、殖装者の意思で進化する。
- 生体装甲
- 工画堂スタジオのコンピュータゲーム『RASETSU ~羅刹~シリーズ』に登場。再生医学の延長線上に想定された技術で、ES細胞から培養した人工の外皮・筋肉・器官・脳を着用者の神経系に接続して扱う、いわば人体の外部増設であるが、戦闘の様式に則して幾つかのタイプも存在する。
[編集] その他
- 強化外骨格
- 山口貴由『覚悟のススメ』に登場。旧日本軍が生体実験により生み出し、特殊金属の鎧に宿った霊魂によって駆動する。しかし、生体実験の犠牲となった外国人捕虜三千人の霊が宿る「零」、赤ん坊とその母の霊が宿る「霞」は、侵略行為に加担する兵による着装を許さず、認めた者以外は殺してしまう。
[編集] 未整理
- パルメット・バグ(山田正紀『装甲戦士』シリーズ)
- パワースーツ(ドラマ『キャプテン・パワー』)
- ゾーンスーツ(『スパイラルゾーン』)
- ジャックアーマー(『機甲警察メタルジャック』)
- A.F.S.(Armored Fighting Suit)/S.A.F.S.(Super Armored Fighting Suit)/P.K.A.(Panzer Kampf Anzug)(横山宏『マシーネンクリーガー』)
- バルテクター(『超音戦士ボーグマン』)
- ギルドジャケット(『ディノブレイカー』)
- コンバットスーツ(『D』)
- ターボスーツ『スペクター』)
- ウォードレス(高機動幻想ガンパレード・マーチ『ガンパレード・オーケストラ』)
- SAA(Special Assault Armor)(『redEyes』)
- ハードスーツ(『バブルガムクライシス』)
- ハードマン、アーマーシュライク(『Blue Gender』)
- キリーのパワードスーツ(『クラッシャージョウ』)
- バトルプロテクター(『未来警察ウラシマン』)
- 戦闘服(平井和正・桑田次郎 『エリート』)