ポール・メイエ
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ポール・メイエ(Paul Meyer, 1965年3月5日 ミュルーズ - )はアルザス出身のフランスのクラリネット奏者。ソリストや室内楽奏者として欧米を拠点に国際的に活躍を続けている。
[編集] 経歴
パリ音楽院とバーゼル高等音楽学校に学ぶ。13歳でオーケストラと共演して初めてソリストとして演奏活動に入る。1982年にフランス・ユーロビジョン新進音楽家コンクールに優勝して公式デビューを果たし、1984年には、ニューヨーク新人演奏家コンクールを制覇した。
現役のクラリネット奏者としては世界的に最も有名なひとりに数えられており、国際的に名高いオーケストラ、たとえば、フランス国立管弦楽団、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、BBCフィルハーモニック、NHK交響楽団、ベルリン交響楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、シンフォニア・ヴァルソヴィア、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、ボルドー=アキテーヌ国立管弦楽団、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、グスタフ・マーラー室内管弦楽団などと共演を続けてきた。また、ルチアーノ・ベリオ、デニス・ラッセル・デイヴィス、ミヒャエル・ギーレン、ハンス・グラーフ、ギュンター・ヘルビヒ、マレク・ヤノフスキ、エマニュエル・クリヴィヌ、イェジー・マクシミウク、ユーディ・メニューイン、ケント・ナガノ、エサ=ペッカ・サロネン、ハインリヒ・シフ、ウルフ・シルマー、ミヒャエル・シェーンヴァント、デイヴィッド・ジンマンらの指揮のもとでも活躍を続けている。
古典派やロマン派の楽曲に加えて、近現代の音楽もレパートリーに加えており、バート・キッシンゲン音楽祭においてクシシュトフ・ペンデレツキの、またザルツブルク音楽祭においてゲルト・キューアの、さらにグラスゴーにおいてはジェームズ・マクミランのそれぞれ《クラリネット協奏曲》の上演に加わっている。ベリオの《アルテルナティム Alternatim 》はメイエに献呈された協奏曲であり、メイエはこれをベルリンやパリ、ローマ、東京、ウェールズ、ザルツブルク音楽祭、カーネギーホールにおいても上演している。2000年には、スイスの作曲家ミヒャエル・ヤレルの《クラリネット協奏曲》をパリ管弦楽団とともに初演しており、ウィーンのコンツェルトハウスにおいては、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ユーリ・バシュメット、ディミトリー・アレクセーエフ、ジュリアン・ラクリンとともに、ペンデレツキの《ピアノ五重奏曲》を初演した。
室内楽の分野においても情熱を注ぎ、フランソワ=ルネ・デュシャーブル、エリック・ル・サージュ、マリア・ジョアン・ピリス、ジェラール・コセ、ギドン・クレーメル、ヨーヨー・マ、ヴラディーミル・スピヴァコフ、タベア・ツィンマーマン、エマニュエル・パユらと共演を続けている。またカルミナ四重奏団、クリーヴランド弦楽四重奏団、ハーゲン弦楽四重奏団、メロス弦楽四重奏団、エマーソン弦楽四重奏団、タカーチ弦楽四重奏団、フォーグラー・カルテットといったアンサンブルとも共演している。アイザック・スターンやジャン=ピエール・ランパルのような斯界の重鎮とも共演した。またバーバラ・ヘンドリックスやナタリー・デッセーのような声楽家とも共演している。
[編集] 指揮活動
たとえば近年は、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団やトゥールーズ・カピトール国立管弦楽団、パリ室内管弦楽団を指揮して、指揮者としてもいよいよ名をなしつつあり、これまでにイギリス室内管弦楽団やスコットランド室内管弦楽団、ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団、ビルバオ交響楽団、台北交響楽団などにも指揮者として客演した。プラハ室内管弦楽団を指揮して《レクィエム》によりフランス国内で演奏旅行を行なった際には、国内各地で評判で持ちきりだった。
[編集] 音源
これまでにモーツァルト、クロンマー、プレイエル、ウェーバー、シューマン、ブラームス、ブゾーニ、コープランド、バーンスタイン、アーノルド、ピアソラらの作品のほか、ショーソン、オネゲル、ミヨー、プーランク、メシアン、ブーレーズといった近現代のフランスのクラリネット作品も録音している。音源はデンオン、エラート、ソニー、EMI、BMGとさまざまなレーベルから出されており、これまでにディアパソン・ドールやショク・デュ・モンドなどを受賞してきた。ドイツ・グラモフォンには、ギル・シャハムのヴァイオリン、ジャン・ワンのチェロ、チョン・ミュンフンのピアノと共演して《世の終わりのための四重奏曲》によりデビューしており、ECMレーベルにはカール・アマデウス・ハルトマンの《室内協奏曲》の録音で参加している。エリック・ル・サージュとはブラームスの《クラリネット・ソナタ》によりBMGにデビューしており、その後もエマニュエル・パユやジャン=マルク・ルイサダとも共演を続けている。