交響曲第13番 (ショスタコーヴィチ)
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ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第13番は、『バビ・ヤール』という通称を持つ交響曲である。この作品はエフゲニー・エフトゥシェンコの詩によるバス独唱とバス合唱付きの5つの歌曲からなり、その1曲目の「バビ・ヤール」から通称が取られている。バビ・ヤールとはウクライナのキエフ地方にある峡谷の地名で、1941年にナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺が行われた場所である。この曲の第1楽章は、ユダヤ人虐殺問題をテーマとした歌詞になっている。スターリン体制時にソ連が人種迫害を行っていた事もあって、初演後に問題となり、フルシチョフの命令で第1楽章の歌詞が変更されている。具体的には、”ユダヤ人虐殺”が”ファシストによるロシア侵略”にすり替えられている。
目次 |
[編集] 編成
- ピッコロ
- フルート(2)
- オーボエ(3、3番はイングリッシュホルン持ち替え)
- クラリネット(B管、A管)(3、3番はピッコロ・クラリネットおよびバス・クラリネットに持ち替え)
- ファゴット(2)
- コントラファゴット(3番ファゴットを兼ねる)
- ホルン(F管)(4)
- トランペット(B管)(3)
- トロンボーン(3)
- テューバ
- ティンパニ
- トライアングル
- カスタネット
- ウッド・ブロック
- タンバリン
- 小太鼓
- 鞭(フルスタ)
- シンバル
- 大太鼓
- タムタム
- ベル
- シロフォン
- グロッケンシュピール
- チェレスタ
- ハープ(2〜4)
- ピアノ
- バス独唱
- バス合唱
- 弦楽器(5部)
[編集] 構成
- 第1楽章 "Babi Yar"(バビ・ヤール) - Adagio
- 第2楽章 "Humour"(ユーモア) - Allegretto
- 第3楽章 "In the Store"(商店で) - Adagio
- 第4楽章 "Fears"(恐怖) - Largo
- 第5楽章 "A Career"(出世) - Allegretto
[編集] 初演
当初ショスタコーヴィチはエフゲニー・ムラヴィンスキーに指揮を依頼したが、断られたために、キリル・コンドラシンが指揮することになった。世界初演は1962年12月18日にモスクワ音楽院大ホールにて、コンドラシン指揮モスクワ・フィル,ロシア共和国合唱団&グネーシン音楽大学合唱団,バス独唱グロマッツキー。翌々日の20日にも再演された。
日本初演は1975年に早稲田大学交響楽団が行った。
[編集] 評価
[編集] その他
- 第2楽章では、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」第4楽章の副旋律を茶化して引用している。これは、自身の「交響曲第7番」第1楽章「戦争のテーマ」の皮肉な引用のされ方への意趣返しとも言われる。
- 一部のショスタコーヴィチ・マニアの間では、この曲には大木正夫のカンタータ「人間を返せ」や交響曲第5番が影響を与えたのではないかという噂話がささやかれているようである。
ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲 |
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