六本木ヒルズ
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テレビ朝日本社ビル
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六本木ヒルズ(ろっぽんぎヒルズ、Roppongi Hills)とは、森ビルが17年の歳月を掛けて行った六本木六丁目再開発計画の一環で建築された、超高層ビル六本木ヒルズ森タワーを中心とした複合施設である。
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[編集] 前史
江戸時代に長府毛利家上屋敷だった場所で、赤穂浪士の武林唯七ら7人が切腹した場所であったことでも有名である。長府藩(長門府中藩)出身の乃木希典もここで生れている。(東京都旧跡)
明治時代には法律家・増島六一郎(中央大学の前身である英吉利法律学校の創立者の1人)の邸宅になった。第二次世界大戦の戦災に遭い、1952年にニッカウヰスキーの工場、後にテレビ朝日の敷地となった。
- かつては広大な毛利家の庭園が残っていた。園内の池は、ニッカ時代にニッカ池という通称が付き、テレビ朝日のテレビ番組「さんまのナンでもダービー」で一部に知られるようになった。現在、敷地内には面積約4,300平方メートルの毛利庭園が設けられ、「毛利池」があるが、これはニッカ池とは異なる。かつての庭園遺構は毛利池の下に埋土保存されている。
また、駒澤大学の前身で、1882年に開校した曹洞宗大学林専門本校があった場所も、六本木ヒルズの一角に当たる。その他メトロハットになっている場所は、セゾングループの文化拠点の1つだったWAVEの跡である。
[編集] 経緯
六本木ヒルズ誕生前は、テレビ朝日周辺の六本木六丁目は道路が狭く、消防車が通行することも困難な状況であった。1990年にテレビ朝日本社移転も兼ねた再開発計画地域に指定された。愛称で「六六」と呼ばれているのも、六本木六丁目が由来となっている。なお、この付近の再開発の先行事例として、同じく森ビルが行った赤坂アークヒルズがある。古くからの住民には、この時に森ビルが誠意を持って対応に回った様子が伝えられており、最終的に街の発展を森ビルに託して立ち退くことに合意した。
[編集] 完成まで
- 1986年 アークヒルズ完成に伴い、テレビ朝日本社が一時移転。権利変換により森ビルが地権者となり、ここを中心にアークヒルズに続く大規模な都市再開発計画が森ビル内でスタート。
- 1993年 森ビルの働き掛けをきっかけに東京都も加わって六本木六丁目地区第一種市街地再開発事業を開始。住民による勉強会が行われる。
- 1995年 東京都が都市計画決定を告示。この年の阪神・淡路大震災を教訓に、耐震構造が組まれる。
- 1996年 「6.6プラン」発表。
- 1997年 港区が地区の区域の公告を実施。東京都、港区、公共施設管理者が同意に至り、最終計画案がまとまる。
- 1998年 六本木六丁目地区再開発準備組合が設立。
- 1999年 東京都権利変換計画が認可され、仮住居への入居を開始。
- 2000年 着工。ピーク時には1万人近くの工事作業員が作業に携わる。(総事業費約2700億円)
- 2003年4月25日 開業(街開き)。
[編集] 完成後
完成後は東京の人気スポットになった。IT関連などの企業が多く入居し、ヒルズ族という言葉が使われるようになった。急成長を遂げた企業は、六本木ヒルズに入居していなくともヒルズ族と呼ばれることもある(例:サイバーエージェント、USEN)。
ライブドア事件後、早くから六本木ヒルズに本社を置いていたヤフーの井上雅博社長が「同じビルに間借りしているだけで、括られるのはいかがなものか」と発言しているが、その後も、楽天など何かとワイドショーを賑わせるトラブルが絶えず、ブランド力は低迷。すでに立退きを発表している企業もある。また、2007年3月に、六本木ヒルズから徒歩10分程度の場所にある防衛庁跡地に、オフィス・ホテル・住居・商業施設などが入った複合施設の東京ミッドタウンが開業し、六本木ヒルズとの競合は必至とみられている。
[編集] 主な施設
主な施設として、ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズ、J-WAVE、Yahoo!Japan、ライブドア、楽天、コナミなどの企業テナント、森美術館などの文化施設が入居する森ビルの六本木ヒルズ森タワー、テレビ朝日本社ビル、ホテル(グランドハイアット東京)、シネマコンプレックス(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)、屋外型イベントスペース(六本木ヒルズアリーナ)、住居(六本木ヒルズレジデンス、ゲートタワーレジデンスなど)、TSUTAYAやルイ・ヴィトンなどを始めとする多数のショップやブティック、レストランなどがある。
また、アメリカ人向けナショナル・スクールの、アメリカンスクール・イン・ジャパンの幼稚園がある。
デザインは、コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツが森タワーやグランドハイアット東京などを、ジャーディ・パートナーシップ(ジョン・ジャーディ、en:Jon Jerde)がけやき坂など低層部の商業エリアを担当。テレビ朝日は建築家槇文彦、イメージキャラクターの「ロクロク星人」は現代芸術家の村上隆によるものである。なお、六本木ヒルズ森タワーにはJ-WAVEの非常用送信設備が備わっており、東京タワーからの送信が不可能になっても最大1kWの放送が可能である。前社屋の西麻布三井ビルと比べて、同出力の電波飛距離は格段に伸びている。
[編集] 交通
[編集] 鉄道
東京地下鉄日比谷線、都営地下鉄大江戸線の六本木駅が最寄り駅(出口1C直結、出口3徒歩約4分)。また、都営地下鉄大江戸線、東京地下鉄南北線麻布十番駅も利用可能(出口3,4徒歩約4〜7分)。
[編集] バス
都営バスの路線は渋谷駅とを結ぶ都01折返と急行版のRH01、並びに五反田駅・品川駅とを結ぶ反96の各系統が運行されている。六本木ヒルズ内には、六本木ヒルズ、六本木けやき坂の停留所があり、一方循環の経路で運行される。また、六本木通りを走る都01(渋谷駅〜新橋駅)および渋88(渋谷駅〜新橋駅、神谷町駅経由)の六本木六丁目停留所も利用可能である。
また、2004年秋から港区のコミュニティバス「ちぃばす」の2路線が田町駅及び赤坂方面から運行されている。都営バス同様に六本木ヒルズ、六本木けやき坂停留所に停まる。
[編集] 車
六本木ヒルズ内に数箇所の駐車場があるものの、違法駐車をしている地方からの観光客の車や、同じく違法駐車をしている客待ちのタクシーなどで周囲は恒常的に渋滞している。結果近隣の者なら自転車や徒歩のほうが早い。
[編集] その他
ビルの設備は非常に先進的であるが、回転式の自動扉は事故の影響で稼動していない。再開発の経緯があり住人が多いので日常生活にも配慮がある。自転車置き場には可動式の自転車ラック、防犯カメラが設置されている。
[編集] 関連項目
- 六本木ヒルズクラブ
- 東京国際映画祭
- 東京ミッドタウン
- 赤坂アークヒルズ
- 愛宕グリーンヒルズ
- 元麻布ヒルズ
- 表参道ヒルズ
- 本通ヒルズ 広島県広島市中区本通に建設中のテナントビル。
- ウルフギャング・パック
- ラフォーレ原宿
- ヴィーナスフォート
- テレビ朝日
- 六本木ヒルズ族
- ホームパーティー
- 合コン
- 恵比寿ガーデンプレイス
- 大阪アメニティパーク
- 六本木ヒルズ森タワー
[編集] 関連作品
- ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
- 恋におちたら~僕の成功の秘密~
- ワンワンセレプー それゆけ!徹之進
- 日本沈没 - 地震によって崩壊する様子が描かれた。
[編集] 外部リンク
- 森ビル公式サイト
- 六本木ヒルズ公式サイト
- 六本木ヒルズ ガーデニングクラブ
- 都市再開発で見たもの…六本木再開発の問題点を告発した地権者のサイト
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