阪神工業地帯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
阪神工業地帯(はんしんこうぎょうちたい)は、大阪府・兵庫県を中心に広がる工業地帯である。和歌山県や播磨臨海工業地帯、京都府・滋賀県の内陸部を含める場合もある。京浜工業地帯、中京工業地帯と比較した場合、事業所数で見た規模は最も大きいが、製造品出荷額で見た規模は第3位である。事業所数(従業員4人以上)は42704、製造品出荷額は30兆3997億円である。(工業統計表、2001年)
<参考>
- 大阪府
- 製造品出荷額:15兆5449億円、付加価値額:6兆4170億円、事業所数(従業員4人以上):36,045、従業員数:70万人
- 兵庫県
- 製造品出荷額:13兆4778億円、付加価値額:4兆9058億円、事業所数(従業員4人以上):11,537、従業者数:36万人
(工業統計表、2005年)
大阪などの商業資本と大消費市場、水運を中心とした交通、淀川による用水を背景として発達した。戦前は京浜工業地帯を上回る地位で、日本最大の工業地帯であったが、太平洋戦争直前に京浜工業地帯に抜かれ、近年は中京工業地帯を下回っている。戦時体制下の産業統制、企業統合を余儀なくされたこと、繊維などの軽産業のウェイトが高かったことが主因として挙げられる。
戦後になり、堺や尼崎の臨海部などに化学・金属工業が多数立地したが、東京一極集中の傾向もあいまって、昭和30年代後半に整備されだした千葉県臨海部などに主力工場を置く企業も多かった。結果、既に立地された阪神工業地帯の工場は、他地域に比べ老朽化、小規模が目立つようになる。
大阪湾等の瀬戸内海沿岸の埋立地では鉄鋼業・石油化学工業・機械工業が、淀川沿いには電気機械工業・食品工業が、内陸部では古くからの繊維・醸造業が発達している。また、医薬・化学・機械関連の研究所もこの地域に立地するものがある。
主要な工業都市には大阪府、神戸市、尼崎市、堺市、東大阪市、守口市、門真市、姫路市、加古川市、高砂市、和歌山市、京都市などがある。播磨地区が工業整備特別地域に指定されていた。また、近年、関西文化学術研究都市に工業関連の研究都市がつくられ、近畿の工業の発展において重要な役割を果たすことが期待されている。
目次 |
[編集] 主な都市と産業
[編集] 主な工場
- 八尾市
- 電機:シャープ八尾工場など
- 伊丹市
- 金属:住友電工伊丹製作所など
- 明石市
- オートバイ:川崎重工業明石工場、
- 機械:三菱重工業二見工場、川崎重工業明石工場、富士通明石工場など
- 化学:ライオン明石工場など
- 加古川市、高砂市
- 金属:神戸製鋼所加古川製鉄所など
- 機械:三菱重工業高砂工場、川崎重工業加古川工場など
[編集] 主な研究所
- 医薬
- 機械
- 三菱電機先端技術総合研究所(尼崎市)
- 松下電器門真拠点(門真市)
- 川崎重工業技術研究所(明石市)
- 三菱重工業高砂研究所 (高砂市)
- 化学