A列車で行こう7
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A列車で行こう7(エイ れっしゃでいこう・セブン)とは、2005年2月26日にアートディンクより発売されたWindows 2000、Windows XP、Windows Vista専用の鉄道経営シミュレーションゲーム。
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[編集] 概要
A列車で行こう4以来、A列車シリーズは今までとは別の方向に進み、経営シミュレーションから鉄道シミュレーションとしての色合いが強くなっていったが、このA列車で行こう7からは、子会社なども復活し経営シミュレーションとしての色合いが強くなっている。ゲーム内容はA列車で行こう4とあまり変わっていないが、バスの運行はなくなっている。 また、発売直後はバグが多く、不評だったが、パッチのおかげで現在は改善されている。
動作環境は、必須環境でも
とかなり高めである。ベンチマークソフトがあり、自分のパソコンでどのくらい動くかを確認できる。
ゲームの流れとしては、プレイヤーはほとんど何もない土地を鉄道と子会社を駆使して発展させていくという感じであるが、このゲームには明確な目標がなく、プレイヤーの好きなように遊ぶことができる。但し、一応の目標として、資金が一兆円を超えると、スタッフのエンドロールが流れる。また、このゲームは経営シミュレーションであるにもかかわらず、資金の枯渇によるゲームオーバーがない。
画面は、A列車で行こう4と同じようにクォータービューであるが、45度の角度から見下ろすのではなく、およそ30度ほどの角度から見下ろす形になっている。これにより、高層ビルの裏に隠れた建物など、今までは見えなかったところが見えるように改良されている。また、春夏秋冬、昼夜、天気といった自然の変化も滑らかに描かれ、建設中のクレーンの動きや道路を走る自動車などといった町の動きも細かく再現されている。自動車が1台1台見える程拡大でき、また、町全体が見える程縮小できる。列車だけが3Dで描かれ、それ以外のものはすべて2Dで描かれている。
[編集] 鉄道
鉄道の基本操作としては、駅を作る→線路を引く→列車を配置するという順になる。 以下のものは、「列車コマンド」「鉄道コマンド」より選択できる操作の解説である。
[編集] 列車
このゲーム内では、列車は旅客、貨物の輸送手段として使われている。ゲーム内で使える列車はすべて自社保有のものとなり、ライバル社は登場しない。全部で60編成保有できる。ゲーム内に登場する列車は、JR、私鉄、ゲームオリジナル車両など全部で172種類あるが、トレインコンストラクション(後述)を使用することによって、さらに増やすことができる。車両は最高乗車率によって、
- 通勤型(最大乗車率200%)
- 高速通勤型(最大乗車率180%)
- 旅客列車(最大乗車率160%)
- 急行列車(最大乗車率140%)
- 特急列車(最大乗車率120%)
- 超特急(最大乗車率110%)
- 地下鉄(最大乗車率200%)
に分けられる。下へ行くほど長距離で利益が出るが、通勤型と地下鉄に差異はない。但し、超特急はプロジェクトを完成させないと使用できない。また、貨物列車は、
- 貨物列車
- 急行貨物列車
に分けられる。どちらも最大積載率は100%であり、両者に差異はない(速さの違いによって分けられている)。編成は7両編成まで組むことができるが、一部の車両では制限がある。また、編成に新しく車両を追加したり(この場合追加する車両だけ車両代を払えばよい)、逆に編成から車両を減らすこともできる(この場合不要な車両を、車両代の60%で売却できる)。
列車には速度が決められており、その数値は700を1~20で割った商である(小数点以下四捨五入する)。この速度は、ゲーム内の1枡を何分で進むかをあらわす。例えば、速度100の列車の場合、100という値は700を7で割った商であるため、この列車は1枡を7分で進むと分かる。ここで注意するのは、このゲームでは時間のたち方が非常に早いということである。1枡というのは、車両の縦の長さと等しいため、およそ20mほどであるが、速度100でも20m進むのに7分かかる。ゲーム内の1分=実時間の0.2秒程度と考えておいたほうがよい。
[編集] 駅
ゲーム内で使用できる駅は田舎駅、高架駅、地下駅、操車場の4種類ある。どの駅も5両編成対応、7両編成対応の2種類ある。但し、5両編成対応駅に6両や7両の列車は停車できない。また、どの駅もホームは5番線まで作ることができる。ホームの増築もできるが、この場合、追加するホームの工事料金だけ払うという形ではなく、駅を上書きするという形になる。また、同じ種類の駅でしかホームの増築はできない。地下に設置できるのは地下駅だけ、高架線路に設置できるのは高架駅だけである。さらに、操車場では旅客の扱いはしない(旅客は降りるが運賃収入はない)。
列車のダイヤグラムは、駅ごとにするようになっており、列車ごとにダイヤを設定できる。駅では、
- 停車(ずっと止まっている)
- 1時間停車(駅に停車してから1時間後に発車する)
- 発車時刻(10分単位で発車時刻の設定ができる)
- 通過(その駅を通過する)
- 対向通過待(対向列車の通過を待つ)
- 追越待(同方向の列車の追越を待つ)
- 到着待(ほかの列車の到着を待つ)
という動作が指定できる。また、何月に、何曜日に、何番ホームに、といった指定もできる。さらに、ダイヤコンストラクション(後述)を使えば、より細かな指定ができる。
[編集] 線路
線路は、直線レール、曲線レール、斜めレール、ポイント、勾配レールといった種類がある。曲線レールは半径が3×3の固定で、斜めレールは、曲線レールを途中まで引いて、そこから延長する。ポイントは、直線レールの上を何回かクリックすることで建設できる。ポイントの種類は、
- ターンアウト(45°に分岐する)
- サイディング(側線に分岐する)
- シングルクロス(片渡り線)
- ダブルクロス(両渡り線)
- 45°クロッシング(45°に交差する)
がある。また、直線レールに直線レールを直交させることによって、90°クロッシングが建設できる。勾配レールは、階層を1段上がるのに使用するレールで、4枡で1段上がる。
ポイントは、ターンアウト、サイディング、シングルクロス、ダブルクロスでは列車ごとに「直進」「分岐」が指定できるが、ダイヤコンストラクションを使用することによって、より細かい指定ができる。
[編集] 駅前広場
駅前に置く駅ビル。小型と大型の2種類ある。「駅前広場」とあるが、設置制限はない。
[編集] 資材置場
貨物列車から降ろした資材(後述)をおいておく場所。駅の南東から15枡以内の範囲で積みおろしすることができる。地下にも置ける。小型(2×2)、中型(3×3)、大型(4×4)の3種類がある。
[編集] 建設
このコマンドからは、子会社を建設したり、プロジェクトを行い新幹線やリニアの誘致ができる。
[編集] 子会社の建設
このゲームでは、鉄道経営以外にも、マンション、デパート、ホテル、ビルなどの子会社を作ることによって利益を生み出すことができる。但し、住宅や田畑、森林、学校、公園からは利益を生み出せない(公共物扱いとなる)。しかし、実際とは違い、神社、寺、教会からは利益が出る。また、空港と港には個数制限が、マリーナとスキー場には立地制限がある。A列車で行こう4の時には道路の建設ができたが、今回はできなくなった。街が発展すると、駅から自動的に発生する(これはA列車で行こう3、A列車で行こう6、2001と同じ)。ほとんどの建物は一瞬で完成するが(鉄道も同じ)、高層ビル、超高層ビルを建築する際には建設まで時間がかかり、徐々に組み上がる鉄骨や動き回るクレーンが表示される(1年ほど)。
子会社は駅に近いほど、また、道路に近いほど利益が出る傾向にある。また、子会社の収益のひとつの目安として、利益率がある。利益率が30%程になったら成功といえる。
子会社の建設には「資材」が必要である。画面上に見える白い豆腐のようなものである。この資材は工場で作られるか(工場の建設に資材は必要ない)、港、マップ外から輸入して、貨物列車によって資材置き場まで運ばれてから始めて使用できる。この時、駅の南東端から15枡以内に資材置き場がないといけない。また、建設地点から15枡以内に資材がないといけない。この資材はすべて自社保有となるが、他社も使う。この際、他社が買い取るという形になるため利益が出る。
建物の撤去は自社、他社、公共物を問わずに行える(駅、線路は撤去できない。鉄道コマンドの「撤去」から行う必要がある。)。また、他の建物の上に建設を行うと下の建物は自動的に撤去される。但し、学校と公園は自動的に撤去されないので「撤去」から撤去する。
[編集] プロジェクト
プロジェクトによって、新幹線やリニアをマップ内に誘致することができる。費用は、新幹線が1000億円程度、リニアが1兆円程度である。建設ルートは、東西、南北に一直線しか選べない。4ヶ月ほどで完成する。開通すると、都市全体が活性化する。新幹線、リニアともに高架線を走るが、高さが違うため交差できる。新幹線はゲーム内に登場するすべての新幹線車両が16両で、リニアは16両MLX-01が走る。ただし、両者ともプレイヤーによるダイヤ・車両の変更はできない。それぞれのプロジェクトが完成すると自分で敷設した路線で新幹線(リニア)を運用できるようになる。
[編集] 取引市場
このコマンドでは、銀行取引、株取引、不動産取引ができる。
[編集] 銀行
資金の借入、返済ができる。預金はできない。このゲームでは資金の枯渇による倒産(ゲームオーバー)がないため、あまり意味のない存在とはなっているが、株の購入だけは資金がないとできないので、そのためにあるといえよう。
[編集] 株式市場
株式の取引ができる。株の銘柄は63種類あり、暁ビール(アサヒビール)、味之元(味の素)など、すべて実際にある会社のパロディとなっている。株価の変動は激しく、一ヶ月で400円から2,000円になることもある。また、無制限に買えるので、1年足らずで100兆円稼げてしまうこともある。
[編集] 不動産取引
自社の建物の売却ができる。他社の建物の買収はできない。利益率が高いほど高く売れる。 しかし、駅前広場、工場は、売却できない。(そのため、駅前に、駅前広場を建てて評価額をあげても、高額売却することができない。)
[編集] 情報
情報コマンドは、リポート・都市情報・バランスシートの3つに分けられている。
[編集] リポート
ここでは、資金・鉄道利益・子会社利益の3つが日ごとに棒グラフになっており、計30日間の利益の推移を見ることができる。資金グラフと鉄道グラフは別ウィンドウで見ることもできる。また、子会社の年間総利益と16に分類された子会社ごとの年間利益を見ることができる。ここには駅前広場の利益も計上される。
[編集] 都市情報
ここでは都市人口・交通インフラ・鉄道・産業分布などの情報が見られる。
都市人口では、
- 都市名(変更はいつでもできる。)
- 規模(人口に応じて未開発、村・町・小都市・中都市・大都市と分類される。)
- タイプ(発展している産業によって都市のタイプが分類される。産業については後述する。)
- 人口(年毎に棒グラフが表示され、計20年分の人口の推移が見られる。)
がある。
交通インフラでは、道路・港・空港・新幹線・リニアの個数(道路は枡数)が表示される。
鉄道では、鉄道会社名(変更はいつでもできる)と、駅・ホーム・ポイント・踏切・列車数・トンネル・鉄橋・総延長の個数(総延長は枡数)が表示される。
産業分布では、農業・工業・商業・ビジネス・レジャー・文化の産業ポイントが見られる。産業ポイントとは、それぞれの子会社に割り振られているポイントであり、デパートなら商業ポイントが多くついていて、遊園地ならレジャーポイントが多くついている。隣のチャートは都市人口に対して産業ポイントがどのくらい足りているかを表している。パーセンテージが少ないほど、その産業の需要が多く、その産業の建物を建てると儲かりやすいというものである。
[編集] バランスシート
バランスシートでは、売上、費用、負債、資産、資本金とその詳細が見られる。今年度だけでなく、いつの年度のバランスシートも見られる。売上と費用、利益には棒グラフがあり、年毎に、計15年分の推移が見られる。決算は大晦日の24時に行われる。決算が行われると、所得税(所得税は個人にかかるものなので、法人税というべきである)と資産税が確定する。所得税は年間利益の10%であり、翌年の4月1日に納税する。資産税は資産の5%であり、翌年の5月1日に納税する。この他にも消費税というものがあり、毎月の売上にかかる。税額は月間売上の10%であり、翌月の1日に納税する。
[編集] 設定
[編集] ツール
[編集] マップ
本体に「田園風景を持つ臨海都市」「温泉郷からリゾート都市へ」「運河が隔てたふたつの都」の3マップが収録されている他、公式サイトから「明るい農村」「ベイエリア」の2マップが無料でダウンロードできる。また、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の6都市をモチーフとしたマップが「マップコンストラクション」に収録されており、単体を別途購入するか、「完全版」を購入すれば入手できる。
[編集] アドオンソフト
[編集] トレインコンストラクション
A7内で使用できる車両を自分で製作できる、A7のパワーアップキット。
しかし、自分で制作できるといっても、ライトの位置や、車両の形、色の位置などは、トレインコンストラクション内に内蔵されているものから当てはめていくもので、実在する車両を作ろうと思っても、そう簡単にはいかない。
[編集] マップコンストラクション
自分で自由に地形を作ることのできるA7のパワーアップキット。
自由に地形を編集できるほか、沿岸パーツや道路、資材なども設置できる。
[編集] ダイヤコンストラクション
より細かなダイヤを設定できる、A7のパワーアップキット。そのほかは通常のA7と同じ。
[編集] 小ネタ
A列車シリーズでは、3のころからよく画面上にサンタクロースなどを登場させている。A列車で行こう7では、渡り鳥、鯨、飛行船(側面にA7の文字あり)、ヘリコプター、サンタクロース、UFOが登場している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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