ADFX-01/02 (架空の軍用機)
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ADFX-01及びADFX-02は、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)のプレイステーション2用フライトシューティングゲーム『ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR』に登場する架空の軍用機。ベルカ公国の南ベルカ国営兵器産業廠が試験開発した全天候多目的戦闘攻撃機で、コードネームは「モルガン(Morgan)」。
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[編集] 概要
「ADFX-01」はプレイヤーが操縦可能な機体として、「ADFX-02」は最終ボスキャラクターとして登場する機体である。コードネームの「モルガン」とは、妖精モルガンを意味し、『ACE COMBAT ZERO』のモチーフの一つであるアーサー王伝説に沿った命名となっている。設定上、『ACE COMBAT 5』に登場する架空機「ADF-01 FALKEN」の原型機である事から、機体デザインは「FALKEN」を基にしており、既存の戦闘機のデザインを取り入れる事で、より現実的な外観としている。
[編集] 特徴
- ADFX-01
- 連合軍が南ベルカ国営兵器産業廠の試験開発機を接収して完成させた機体。翼構成はカナード、前進翼、内向き斜め双垂直尾翼で構成されるエンテ型。エンジンは双発で、比較的大型のタイプが機体後部にやや左右の間隔を空けて搭載されている。「ADFX-01/02」は後の「FALKEN」のベースとなった事もあり、機種部を除き外観には類似点も多い。広域制圧兵器「MPBM」、戦略レーザーシステム「TLS」等の強力な武装と、非常に高度な機動性を両立しているが、一方で戦闘機としてはかなりの大型機となっており、前脚にはダブルタイヤを採用する等、機体重量に対する配慮も見える。また、前述の特殊兵装の他、通常兵装としては航空機関砲1門と、短射程AAMとして、翼下パイロンにAIM-9L/Mサイドワインダーを装備している。
- ADFX-02
- 「ADFX-01」同様、南ベルカ国営兵器産業廠の試験開発機。多国籍クーデター組織「国境無き世界」が接収した機体。外観はほぼ同一であるが、特に兵装面での大幅な改良が施されており、事実上全く別の機体である。「MPBM」は誘導兵器としての使用法以外に、投射兵器としての使用が可能となっており、「TLS」については射程の短縮と引き換えに光学的な照射方向の偏向が可能となっている。この他に、ジャミングポッド機構「ECMP」も改良が施されており、あらゆる兵器の照準・誘導能力を狂わせる。更に、「ADFX-01」では排他装備となっていたこれらの装備を、「ADFX-02」では全て同時搭載可能となっており、攻撃、防御能力共に「ADFX-01」を上回る。また、本機のみが有する機能として、ミサイルサイロ基地であるアヴァロンダム要塞との連携により、弾道ミサイルの管制が可能である事が挙げられる。
[編集] 特殊兵装
- TLS(Tactical Laser System)
- 戦略レーザーシステムの意。外装式の化学レーザー砲モジュールで、「ADFX-01/02」の機体後方上部、左右2基のエンジン上面に備わるハードポイントに接続フレームを介して設置される。被弾等の緊急時にはパージも可能。「ADFX-01」に装備されているタイプではレーザーの照射方向が機体正面に固定されているが、「ADFX-02」では出力と射程を引き換えに光学的な照射方向の偏向が可能となっている。しかし、「ADFX-02」型でも機体上部に前方に向けて設置されている関係上、機体後方や下方には照射出来ない。実際の運用では光速で照射されるレーザーの特性により、主に戦闘機同士の格闘戦で使用された。この兵器の改良型が、後に「FALKEN」に採用されている。
- MPBM(Multi-Purpose Burst Missile)
- 多用途炸裂弾頭ミサイルの意。誘導システムは対地対空両用。指定目標に接近後、弾頭が炸裂し子爆弾を散布、炸裂地点から広範囲の対地対空目標に相当の損害を与える。その特性から広域制圧兵器としての側面を有する。拠点攻撃に使用した場合、中規模程度の基地なら1発でほぼ壊滅させるだけの威力と効果範囲がある。
- ※ 炸裂エフェクトは『ACE COMBAT 5』に登場したシンファクシ級潜水空母が搭載していた散弾ミサイルと同じ。本来は『ACE COMBAT 5』に登場予定であった架空機「ADLER」に搭載が予定されていた兵器だが、開発スケジュールの都合で次回作である『ACE COMBAT ZERO』まで持ち越された。
- ECMP(Electric Counter Measure Pod)
- 「ADFX-01/02」専用の内蔵型ECMポッド。「ADFX-01」に採用されているタイプは他の一般的なECMシステムと大差はないが、「ADFX-02」では大幅に強化されており、あらゆる照準・誘導システムの動作をほぼ完全に妨害する。唯一、機体のエアインテーク部のみがこのジャミングポッドの保護から外れているが、この部分を攻撃する為には機体の前方に回る必要があり、危険性は高い。
[編集] 実戦参加
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
「ADFX-02」は、クーデター組織「国境無き世界」によって接収された後、クーデター軍の拠点であるアヴァロンダム要塞の防衛戦に投入された。連合軍側の記録によれば、当該空域で初めて当機が確認されたのは1995年12月31日の要塞空爆作戦「ポイントブランク」の作戦中15時10分前後とされており、接触と同時に当時作戦に参加していたウスティオ空軍傭兵部隊「ガルム隊」の2番機パトリック・ジェームズ・ベケット少尉(当時)が搭乗するF-16Cを「TLS」によって撃墜している。「ADFX-02」にはクーデター軍に参加していた元ガルム隊2番機搭乗員ラリー・フォルク元少尉が搭乗しており、かつての同僚であるガルム隊1番機との激しい空中戦を繰り広げたが、エアインテーク部より左エンジンに被弾、コントロールを失い空中で爆発、四散した。同時に当機が管制していた「V2」戦略核弾頭ミサイルも大気圏外で暴発、これによりクーデターは頓挫した。
※ この戦闘では、「アヴァロン」ダムで、片翼の「妖精(Pixy)」の異名を持つラリー・フォルク元少尉が、「モルガン(モーガン・ル・フェイ)」のコードネームを持つ機体に乗って戦闘を行うという、アーサー王伝説を強く意識した舞台設定がなされている。
[編集] プレイヤー仕様機「ADFX-01」
ボスキャラクターとして非常に強力な機体となっている「ADFX-02」と異なり、プレイヤーが操縦可能な「ADFX-01」では特殊兵装の同時搭載は不可能であり、出撃時の選択による排他装備となる等の性能の違いがある。しかし、それでも作中プレイヤーが使用可能な機体の中では「ADF-01 FALKEN」や「X-02」と並ぶ強力な機体である。
- TLS - 照射方向の偏向は不可能で、照射方向は機体正面の極狭い範囲に限られる。また、「FALKEN」搭載型と比較して連続照射時間や照射可能回数が少ない。
- MPBM - 作中では投射型兵器として使用された「ADFX-02」型とは違い、ロックオンが必要な誘導兵器となっている。また、命中の仕方も若干異なる。
- ECMP - ほぼ完全なジャミングを行い、作動中でも自機は誘導兵器の使用が可能な「ADFX-02」型とは違い、作動中はミサイルが発射できない防御専門の装備である。
[編集] 関連項目
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シリーズ | エースコンバット - 2 - 3 - 04 - 5 - ゼロ - X - 6 |
戦闘機 | ADFX-01/02 - ADF-01 - X-02 - フェンリア - X-49 |
その他の兵器 | アークバード - ケストレル - シンファクシ級潜水空母 |
国家 | エストバキア - エメリア - オーシア - オーレリア - ウスティオ - エルジア - ベルカ - ユークトバニア - レサス - その他 |
地形・大陸・歴史 | ベルカ戦争 - 大陸戦争 - 環太平洋戦争(ベルカ事変) |