まつかぜ (列車)
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
スーパーまつかぜとは、西日本旅客鉄道が鳥取駅~米子駅・益田駅間を山陰本線経由で運行する特別急行列車。
[編集] 運行概況
- 鳥取発が下りである。
- 11号は欠番となっているのは、上り1本が米子駅で系統分割されているため。また、毎日運転の臨時列車が下り1本のみとなっているのは、上り1本が2編成併結となるため。運転本数は「スーパーおき」を含めて鳥取駅~米子駅間で下り8本・上り7本、米子駅~益田駅間で7往復となる。
- 列車番号は、2011D~2020D・2022D・8081Dと運転線区等で変更がない。下りは号数+2010(1本は号数+8000)の奇数、上りは号数+2010の偶数となる。1号=2011D、2号=2012D、81号=8081Dとなる。
- 使用車両
- キハ187系気動車(0・10番台)2両編成が使用される。多客期は3~4両編成となる場合がある。なお、2号は2編成併結となるため、通常は4両編成、多客期は6~8両編成となる。
- 後藤総合車両所所属
- 全区間で振り子装置が作動する。
- 停車駅
- 鳥取駅 - 倉吉駅 - 米子駅 - <(安来駅) - 松江駅 - (玉造温泉駅) - (宍道駅) - 出雲市駅 - 大田市駅 - (仁万駅) - (温泉津駅) - 江津駅 - (波子駅) - 浜田駅 - (三保三隅駅) - 益田駅>
- ()内の駅は一部列車のみ停車。
- <>内の駅は一部列車のみ運行。
[編集] 鳥取・島根諸都市連絡優等列車沿革
- 1961年3月1日、鳥取駅~益田駅間に準急列車「石見」(いわみ)新設。
- 1961年10月1日、サン・ロク・トオと称されるダイヤ改正に伴い、京都駅~松江駅間を東海道本線・福知山線・山陰本線経由で運行する特別急行列車「まつかぜ」が運行開始。車両はキハ80系気動車。
- 1962年12月1日 鳥取駅~境港駅間を山陰本線・境線経由の準急列車として「美保」(みほ)運行開始。
- 1964年3月20日、「まつかぜ」博多駅まで運転区間を延長。
- 1964年10月1日、大阪駅~大社駅(一部、出雲市駅)間に急行「しまね」新設。
- 1965年10月1日、ダイヤ改正に伴い以下の通り運行体系を変更。
- 1965年11月1日、新大阪駅~浜田駅間を運行する特別急行列車として「やくも」運行開始。
- 1966年3月5日、準急列車制度の見直しにより準急列車「石見」・「美保」が急行列車に格上げ。
- 1967年10月1日、「石見」に大阪駅~米子駅間で姫新線・因美線経由で運行する急行「かいけ」を鳥取駅~米子駅間併結。
- 1968年10月1日、"よん・さん・とお"と称されるダイヤ改正により、雑多な列車名称の整理が行われ、「かいけ」は「伯耆」(ほうき)に改称される。また、「美保」 米子駅~境港駅間を普通列車に格下げ。
- 1969年10月1日、「美保」鳥取駅~米子駅間に再短縮。
- 1970年10月1日、「美保」鳥取駅~出雲市駅間に変更。
- 1972年3月15日、山陽新幹線・新大阪駅~岡山駅間開業に伴うダイヤ改正で、以下の様な変更が行われた。
- 1972年10月2日、博多発着の「まつかぜ」も、京都駅から直接山陰本線に入る特急「あさしお」新設を考慮の上、新大阪駅・大阪駅発着に短縮。
- 余談ながら、このとき「白鳥」が電車化されたことにより、大阪駅~博多駅間を運行する「まつかぜ(下り)1号・(上り)2号」の走行距離782kmが気動車列車としては最長運行列車となった。
- 1975年3月10日、「石見」は米子駅発着に変更となり併結区間が無くなる。「伯耆」は「みささ」に改称。
- 1980年10月1日、「美保」鳥取駅~出雲市駅間に再短縮。
- 1982年7月1日、「まつかぜ」鳥取駅発着列車を米子駅まで延長、同時に使用車両をキハ181系へ変更(博多発着列車はキハ80系を継続)。
- 1982年11月15日、伯備線電化開業に伴い、「美保」廃止。
- この頃の下り「まつかぜ」1号の概況を以下に述べる。
- 停車駅:大阪駅 - 宝塚駅 - 福知山駅 - 豊岡駅 - 城崎駅 - 浜坂駅 - 鳥取駅 - 倉吉駅 - 米子駅 - 松江駅 - 出雲市駅 - 大田市駅 - 江津駅 - 浜田駅 - 益田駅 - 東萩駅 - 長門市駅 - 川棚温泉駅 - 下関駅 - 小倉駅 - 黒崎駅-博多駅
- 所要時間:12時間55分。(大阪駅8:00発・博多駅20:55着)当時、山陽新幹線新大阪駅~博多駅間は、最速の「ひかり」で3時間30分強であったから、その4倍弱かかる長旅であった。そのためか、乗りとおす乗客は極少なかったであろうと考えられる。なお、大阪駅~博多駅間を乗りとおすと、運賃8,200円+指定席特急料金3,300円かかった。
- 列車編成:1.指定席車-2.グリーン車-3.食堂車-4.指定席車-5.自由席車-6.自由席禁煙車-(7.自由席車-8.指定席車-9.指定席車)
- ( )内は大阪駅~米子駅間連結。
- この頃の下り「まつかぜ」1号の概況を以下に述べる。
- 1985年3月14日 、ダイヤ改正により、以下の通りにダイヤが変更される。
- 「まつかぜ」米子駅~博多駅間を「いそかぜ」に分離し、運行区間を2往復とも新大阪駅・大阪駅~米子駅間とする。また使用車両を「いそかぜ」も含め全列車をキハ181系に統一。
- 急行「石見」廃止。
- 急行「ながと」浜田駅~下関駅・小倉駅間に運行区間を変更。
- 1986年11月1日、福知山線及び山陰本線福知山駅~城崎駅間電化により「まつかぜ」はエル特急「北近畿」に統合され運行終了。
- 1988年3月13日、米子駅~益田駅間に特急「くにびき」が運行開始。
- 1996年3月16日、「くにびき」鳥取駅発着に変更。鳥取駅~益田駅間1往復となる。同時に、鳥取駅~米子駅間を運行する特急「いなば」1往復が運行開始。
- 「いなば」の運転時刻は、改正前まで京都駅~米子駅間を走っていた特急「あさしお」のダイヤを部分的に継承した形。
- 1997年11月29日、「くにびき」は鳥取駅~米子駅間を運行する特急「いなば」を統合。鳥取駅~米子駅間1往復、鳥取駅~益田駅間1往復。
- 2001年7月7日、「くにびき」新型気動車キハ187系気動車化により、「スーパーくにびき」となる。鳥取駅~米子駅間1往復、鳥取駅~益田駅間2往復、米子駅~益田駅間2往復。
- 2003年10月1日、「スーパーくにびき」から現行の名称である「スーパーまつかぜ」に変更。全列車鳥取駅発着となる。鳥取駅~米子駅間下り1本・上り2本、鳥取駅~益田駅間4往復。
- 2006年3月19日、寝台特急「出雲」廃止に伴い、毎日運転の臨時列車扱いであるものの、鳥取駅~米子駅間に臨時特急下り「スーパーまつかぜ81号」を増便し、鳥取駅~米子駅間の上り「スーパーまつかぜ2号」を2編成併結に変更。なお、3月18日到着(東京駅発3月17日)の下り「出雲」は運行されたため、実際の運行は3月19日からとなった。
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