プレミアリーグ (バレーボール)
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日本バレーボールにおけるプレミアリーグは日本バレーボール協会及び有限責任中間法人日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)が主催する日本の社会人バレーボール・Vリーグの1部リーグである。
2005-06までのVリーグ、及びVリーグの前身である全日本バレーボール選抜男女リーグについても本項で記述する。
目次 |
[編集] リーグの変遷
[編集] Vリーグ発足以前
Vリーグの前身である全日本バレーボール選抜男女リーグは1967年5月13日にスタートした。バレーボールの大会を一つの会場ではなく、全国各地で長期にわたり行うということは当時としては画期的なことであった。第1回日本リーグ参加チームは、男子は日本鋼管、松下電器、富士フイルム、専売広島、住友金属、八幡製鐵の6チーム、女子は日立武蔵、全鐘紡、ヤシカ、ニチボー貝塚、東洋紡守口、林兼産業の6チームだった。
1968年の第2回大会はリーグ戦を5月からはじまる前半と12月からはじまる後半に分けて行われた。1969年の第3回大会以降は原則として、毎年11月から始まっている。
[編集] Vリーグ開幕
日本のバレーボールは女子のロサンゼルス五輪を最後にバレーボール三大大会のメダルから遠ざかっており、『過去の栄光を取り戻すためにも国内の大会を何とかしないといけないよね』ということで、1994年12月7日にVリーグはスタートした。1993年のJリーグの誕生に影響され、バレーボールもまたプロ化を視野に入れた新リーグ構想が検討されたが、結局プロリーグ化は見送りとなった。Vリーグ開始当初は男女とも8チームで行われたが、その後レベルアップを図るため1997-98年シーズンに10チームとなった。しかし不況などから実業団チームの相次ぐ休・廃止に伴い2001-02年シーズンに女子は9チーム、2002-03年シーズンには男女とも8チームに縮小される。2003-04年シーズンには女子が再び10チームとなった。
[編集] 法人化
その後、将来のプロ化を前提としたVリーグの法人化が、検討され、2003年からは日本協会内部組織としてVリーグ機構が発足される。同年、ホームゲーム制も導入。
2005年には、Vリーグ機構から独立し、有限責任中間法人日本バレーボールリーグ機構が発足される。上位チームは韓国VリーグとのVリーグ日韓交流戦や、全日本チームとの兼ね合いなどからこれまで出場を見合わせてきたAVCアジアクラブ選手権にも出場するようになる。
2006年、Vリーグの下部組織であるV1リーグに参加するチームが、Vリーグ機構に加入した事に伴い、リーグ名が「プレミアリーグ」となる。旧V1リーグも「チャレンジリーグ」に変更される。
[編集] 歴史
- Vリーグの前身である全日本バレーボール選抜男女リーグがスタートする。
- 参加チームが男女それぞれ6チームから8チームに増える。
- NHK杯、天皇・皇后選手権大会が整理統合され、日本リーグは3回総当たり制となる。
- 女子・日立の連勝記録が88でストップする。
- チームにチーム愛称とチームロゴがつくようになる。
- Vリーグが開幕する。
- ホームゲーム制が導入される。
- 日本バレーボール協会から独立した有限責任中間法人日本バレーボールリーグ機構が設立される。
- 男女ともファイナルラウンド上位各2チームは韓国VリーグとのVリーグ日韓交流戦に出場するようになる。
- V1リーグチームがVリーグ機構加入。これに伴い、Vリーグは「プレミアリーグ」、V1リーグも「チャレンジリーグ」に改称される。
[編集] 試合方式
プレミアリーグの試合方式には、レギュラーラウンドとファイナルラウンドの2つがあるが男女とも同じ試合形式で優勝チームを決める。
[編集] レギュラーラウンド
レギュラーラウンドでは、2004年-05年シーズン以降、男子8チームによる4回総当り戦(28試合)、女子10チームによる3回総当り戦(27試合)が行われる。男女ともレギュラーラウンドの上位4チームずつ(成績タイの場合はセット率、得点率、総得点を加味して決定)がファイナルラウンドに進出することができる。
[編集] ファイナルラウンド
ファイナルラウンドでは2005-06年シーズンは、ページシステム方式が採用された。ファイナルラウンドの第1週目に1試合決着による準決勝が行われ、第2週目に3試合2勝制による決勝戦が行われた。
しかし、2006-07年(2007年1月-4月)の大会に関しては総当りリーグ終了後の上位4チームで準決勝リーグ(1回総当り)をし、その上位2チームが翌週1試合だけ行う決勝戦で優勝を決める方式に見直された。これには前年度のページシステムトーナメントで以下のような諸問題があったためとされている。
- 準決勝C(準決勝Aの敗者vs準決勝Bの勝者)の組み合わせがぎりぎりまで確定しない
- 決勝戦を3戦2勝方式にしてしまうと、最終第3戦が行えなくなる可能性がある
- ファンの応援を重視するVリーグとしてはこれらのシステムを採用したことがファンを混乱させる原因となったことと、真のチャンピオン決定戦を実施すること、Vリーグの興業上の問題点(チケットの扱いや試合観戦のスケジュールなどの対策)、テレビ中継の編成上の問題などから、準決勝リーグ・決勝戦の試合方式についてはVリーグ以降後数年のサイクルで変更する傾向が強い。
また、従来の決勝トーナメントだけでなく予選リーグを1位で通過したチームに対してもトップ賞としての賞金を出すことも決めている。これはページシステム方式による上位チームに対するアドバンテージが、同制度の廃止でなくなったことを踏まえて実施される。
[編集] 最終順位
レギュラーラウンド終了時において5位以下のチームはレギュラーラウンドの順位が最終順位となる。ファイナルラウンドに進出した上位4チームはファイナルラウンドの順位が最終順位となる。また最終順位の下位2チームは2部リーグに当たるチャレンジリーグの上位2チームとの入れ替え戦に回る(男子7位、女子9位チームとチャレンジの2位チーム、男子8位、女子10位チームとチャレンジの1位チームが入れ替え戦を戦う)。
[編集] 試合方式の変遷
回 | 年度 | 出場チーム数 | 試合方式 |
---|---|---|---|
1 | 1994年 | 男子8:女子8 | 男女とも3回総当り。1回総当りごとの単位をレグとし、各レグの第1位チーム(但しシーズン総合成績が7、8位のチームは対象外)とそれ以外の成績上位チームを加えた4チームで決勝トーナメントを行った。 |
2 | 1995年 | 予選リーグは前年と同じ。決勝ラウンドは1回総当りに変更された。 | |
3 | 1996年 | 3回総当りによる予選リーグ終了後、上位4チームがステップラダー方式の順位決定トーナメントを行った。
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4 | 1997年 | ||
5 | 1998年 | 男子10:女子10 | 予選リーグが2回総当りに変更された以外は第3回と同じ。 |
6 | 1999年 | リーグ戦終了後、1位と2位、3位と4位の直接対決をしない対抗戦方式(即ち1,2位のチームが3,4位のチームと対戦)での準決勝リーグを行った後、その成績を基に最終日の決勝戦と3位決定戦の組み合わせを決定した。 | |
7 | 2000年 | ||
8 | 2001年 | 男子10:女子9 | |
9 | 2002年 | 男子8:女子8 | 予選リーグが3回総当りに変更された以外は第6回と同じ。 |
10 | 2003年 | 男子8:女子10 | 予選リーグは男子3回、女子2回総当り。リーグ戦終了後、上位4チームの準決勝リーグ(1回総当り)を経て決勝戦(2試合の成績で勝敗を決める。1勝1敗の時はセット率、得点率、総得点を加味)と3位決定戦(1試合制)の組み合わせを決めた。 |
11 | 2004年 | 予選リーグは男子4回、女子3回総当り。リーグ戦終了後、上位4チームの準決勝リーグ(1回総当り)を経て決勝戦(3試合2勝制)と3位決定戦(1試合制)の組み合わせを決めた。 | |
12 | 2005年 | 予選リーグは第11回に同じ。決勝トーナメントの方式がページシステムトーナメントとなった。 (準決勝)全て1試合制で初日に1位vs2位(A)、3位vs4位(B)を行いAの勝者は自動的に決勝戦に出場。Aの敗者とBの勝者により2日目に3位決定戦を行い、その勝者が決勝戦もう一枠を得る。 (決勝戦)準決勝の翌週に3戦2勝制で優勝を争う。 |
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13 | 2006年 | 予選リーグは第11回に同じ。リーグ戦終了後、上位4チームの準決勝リーグ(1回総当り)を経て決勝戦(1試合制)の組み合わせを決める。 |
[編集] 開催日程
- 2003-04年シーズンまでは原則として12月開幕だったが、2004-05年シーズンは平年11月にあるナショナルチームの国際大会がなかったことから11月開幕で行った。2005-06年シーズン以降は9月(または10月)開幕による半年間の長期リーグ戦。但し11月は国際大会が組み込まれるためその期間中はリーグ戦を中断する。2006-07年シーズンは世界選手権・アジア大会のため1月開幕、4月閉幕となる。
- 従来からの全国各地に複数のチームが遠征して複数の試合をする「集中開催方式」に加え、所属チームの本拠地がある都府県を舞台に開催する「ホームゲーム」も行われる。ただし、Vリーグの「ホームゲーム」は、そのチームの「興行権」の意味合いが強く、練習場が所在する都府県での開催よりも他県での開催が多いチームもあり、プロ野球やJリーグにおけるホームゲームとは異なる(外部参照リンクの公式サイトに詳細な日程が掲載されている)。
- また、今大会は日本リーグと合せると40周年記念大会となることから、それを踏まえた特別イベントが予定されている他、大会の主催団体が日本バレーボール協会とともに、有限責任中間法人として認可された日本バレーボールリーグ機構との共催となる。
[編集] 賞金・表彰制度
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優勝チームには、ブランデージトロフィーおよび日本バレーボール協会のトロフィーが授与される。1990-91年シーズンから優勝、準優勝チームや個人賞受賞者に対し賞金が支払われるようになった。
なお、ファイナルラウンドの形式の見直しにより、レギュラーラウンドのアドバンテージもなくなったことも考慮し、2006-07年シーズンよりレギュラーラウンド1位チームにも500万円の賞金が出され、アジア・クラブ選手権の出場権も与えられる。
[編集] リーグ戦
- 優勝 - 1000万円
- 準優勝 - 500万円
- 3位 - 300万円
- 4位 - 200万円
[編集] 個人賞
- 最優秀監督賞
- 殊勲賞
- 敢闘賞
- スパイク賞
- ブロック賞
- サーブ賞
- レシーブ賞
- サーブレシーブ賞
- 特別賞
- リベロ賞
- 得点王
- 新人賞
[編集] 参加チーム一覧(2006-07年シーズン)
[編集] 男子
チーム | チーム所在地 | ホームゲーム開催地 |
---|---|---|
NECブルーロケッツ | 東京都府中市 | 宮城、東京、神奈川 |
東レ・アローズ | 静岡県三島市 | 静岡 |
豊田合成トレフェルサ | 愛知県稲沢市 | 愛知 |
サントリー・サンバーズ | 大阪府箕面市 | 大阪、山梨 |
パナソニック・パンサーズ | 大阪府枚方市 | 大阪 |
堺ブレイザーズ | 大阪府堺市 | 大阪、福岡 |
JTサンダーズ | 広島県広島市 | 広島 |
大分三好ヴァイセアドラー | 大分県大分市 |
[編集] 女子
チーム | チーム所在地 | ホームゲーム開催地 |
---|---|---|
パイオニア・レッドウィングス | 山形県天童市 | 山形、埼玉 |
日立佐和リヴァーレ | 茨城県ひたちなか市 | 茨城、 |
武富士バンブー | 埼玉県北葛飾郡杉戸町 | 埼玉、 |
NECレッドロケッツ | 神奈川県川崎市 | 神奈川、東京、宮城 |
デンソー・エアリービーズ | 愛知県西尾市 | 愛知 |
トヨタ車体クインシーズ | 愛知県刈谷市 | |
東レ・アローズ | 滋賀県大津市 | 滋賀、石川 |
JTマーヴェラス | 兵庫県西宮市 | 兵庫 |
岡山シーガルズ | 岡山県岡山市 | 岡山 |
久光製薬スプリングス | 兵庫県神戸市 | 兵庫、佐賀 |
[編集] 歴代優勝チーム
[編集] 日本リーグ
年度 | 回 | 男子優勝チーム | 女子優勝チーム |
---|---|---|---|
1967年 | 1 | 八幡製鉄 | 日立武蔵 |
1968年 | 2 | 日本鋼管 | 日立武蔵 |
1969年 | 3 | 日本鋼管 | ユニチカ貝塚 |
1970年 | 4 | 日本鋼管 | ユニチカ貝塚 |
1971年 | 5 | 松下電器 | ユニチカ貝塚 |
1972年 | 6 | 日本鋼管 | ヤシカ |
1973年 | 7 | 新日鐵堺 | 日立武蔵 |
1974年 | 8 | 新日鐵堺 | 日立武蔵 |
1975年 | 9 | 新日鐵堺 | 日立 |
1976年 | 10 | 新日鐵堺 | 日立 |
1977年 | 11 | 日本鋼管 | 日立 |
1978年 | 12 | 新日鐵堺 | 鐘紡 |
1979年 | 13 | 新日鐵堺 | ユニチカ |
1980年 | 14 | 新日鐵堺 | ユニチカ |
1981年 | 15 | 富士フイルム | 日立 |
1982年 | 16 | 新日鐵堺 | 日立 |
1983年 | 17 | 富士フイルム | 日立 |
1984年 | 18 | 富士フイルム | 日立 |
1985年 | 19 | 富士フイルム | 日立 |
1986年 | 20 | 富士フイルム | 日立 |
1987年 | 21 | 冨士フイルム | NEC |
1988年 | 22 | 新日鐵 | 日立 |
1989年 | 23 | 新日鐵 | イトーヨーカドー |
1990年 | 24 | 新日鐵 | 日立 |
1991年 | 25 | NEC | 日立 |
1992年 | 26 | 富士フイルム | 日立 |
1993年 | 27 | NEC | 日立 |
[編集] Vリーグ
年度 | 回 | 男子優勝チーム | 女子優勝チーム |
---|---|---|---|
1994年 | 1 | サントリー | ダイエー |
1995年 | 2 | NEC | ユニチカ |
1996年 | 3 | 新日鐵 | NEC |
1997年 | 4 | 新日鐵 | ダイエー |
1998年 | 5 | NEC | 東洋紡 |
1999年 | 6 | サントリー | NEC |
2000年 | 7 | サントリー | 東洋紡 |
2001年 | 8 | サントリー | 久光製薬 |
2002年 | 9 | サントリー | NEC |
2003年 | 10 | サントリー | パイオニア |
2004年 | 11 | 東レ・アローズ | NEC |
2005年 | 12 | 堺ブレイザーズ | パイオニア |
[編集] V・カップ
2000年から2002年まで、「V・カップ」というリーグ戦とは別のカップ戦も行われていた。
Vリーグ開幕直前の11月に開催され、Vリーグ参加チームを男女それぞれ東西に分けて総当り戦を行い、上位チームが決勝トーナメントに進み、カップウィナーを懸けて争った。
[編集] 放送について
第1回日本リーグがスタートした1967年から日本教育テレビで放送されていた。
2006年現在、NHK衛星第一とGAORAで男女、フジテレビ739で女子の注目カードを中継している。
2004-05シーズンまではスカイ・Aでも男子の試合中継を行った。
[編集] 外部リンク
Vリーグ男子 | |
---|---|
2006-2007 | |
NECブルーロケッツ | 東レ・アローズ | 豊田合成トレフェルサ | サントリーサンバーズ | パナソニック・パンサーズ | 堺ブレイザーズ | JTサンダーズ | 大分三好ヴァイセアドラー |
|
かつて所属し、廃部・休部・解散となったチーム | |
日新鋼管ドルフィンズ | 住友金属ギラソール | NTT西日本レグルス | 日立国分トルメンタ | 富士フィルム・プラネッツ | 旭化成スパーキッズ |
Vリーグ女子 | |
---|---|
2006-2007 | |
パイオニア・レッドウイングス | 東レ・アローズ | 久光製薬スプリングス | NECレッドロケッツ | 岡山シーガルズ | 日立佐和リヴァーレ | JTマーヴェラス | 武富士バンブー | デンソー・エアリービーズ | トヨタ車体クインシーズ |
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かつて所属し、廃部・休部・解散となったチーム(※譲渡などで存続しているチームを除く) | |
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