ヨドバシカメラ
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 169-8585 東京都新宿区北新宿3-20-1 |
設立 | 1960年4月創業 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | パソコン・OA機器、AV機器、家電製品、デジタルカメラ・カメラ、時計、携帯電話、ゲーム機及びソフト、CD・DVDソフト等の販売 |
代表者 | 代表取締役社長 藤沢昭和 |
資本金 | 8800万円 |
売上高 | 5808億円(2005年3月期) |
従業員数 | 3100人(2006年2月現在) |
外部リンク | http://www.yodobashi.com/ |
株式会社ヨドバシカメラ(Yodobashi Camera Co.,Ltd)は、家電・パソコン・カメラなどの写真用品などを販売している量販店チェーンストアである。店舗数は20(2007年時点)。
目次 |
[編集] 概説
1960年に、カメラ等の精密機器で有名な長野県諏訪郡の富士見町出身の藤沢昭和(ふじさわ・てるかず)が創業。創業当初は、その名の通りカメラや写真用品が主力であったが、時代の流れにより、デジタルカメラ・家電・パソコンと変わってきている。家電量販店で2003年度売上高はヤマダ電機に次ぐ第2位(現在はエディオンに2位の座を譲り3位)。売上・利益ともに増加している。
当初の出店形態(新宿・上野・横浜)は、交通至便なターミナル前の一等地の比較的小規模なビルにおいて、エントランスを開放し、フロア全体に多数の商品を同時に陳列・大量廉価販売する手法を採っており、その効果を最大限に発揮するためテレビCMにおいて耳に残りやすい簡単な替え歌を放映して認知度を高めた。当時のカメラは1台数十万円もする高級品が多く、多少の電車賃・時間をかけたとしても、市価より数万円も安ければ十分メリットがあり、加えて商品の比較検討ができる優位性が消費者に浸透した。
その後、家電・AV等も扱うようになったが、1990年代よりパソコン・インターネットの普及に伴い扱い品目が大幅に増えたため、同時多数陳列販売という基本形態を維持しながら店舗面積を当初より大幅に増床した形態(マルチメディア館)の出店に移行する。
最近の店舗の設置では、「駅前立地」を深度化し、駅ビルや鉄道高架下店舗、デパートビルに直接出店するケース、大ターミナルでは再開発用地を買収の上自ら大規模なビルを建設するケースが目立つ。三越を退けて旧大阪鉄道管理局跡地を落札し、「梅田の人の流れを変えた」とまで言われたマルチメディア梅田(ヨドバシ梅田)、秋葉原電気街に大きな影響を及ぼしたマルチメディアAkiba(ヨドバシAkiba)、それまで商業施設の集積がほぼ皆無だった新幹線口(筑紫口)に着目し、再開発で巨艦店を出店できたマルチメディア博多(ヨドバシ博多)などが代表的な例である。
ヤマダ電機やコジマなどが、主に都市郊外の幹線道路沿いの出店(ロードサイド出店)により店舗数を増加させているのに対し、大都市の中心部の駅前に出店するケースが多いことから、その出店戦略が「レールサイド戦略」と呼ばれることもある。(他にビックカメラも同様の形態を得意とする)これは、車、電車、バスとアクセス手段を確保する事で 老若男女 誰でも来店できるように、との考えによるもの。店舗数はロードサイド出店型に比べて少ないものの、会社帰りのサラリーマンや学生等で平日の集客も多く、売り場面積に対する集客数、ひいては経常利益で比べれば非常に効率の良い経営を行っている。
2005年、上野店で携帯電話売り場担当の派遣社員に対する暴行事件で提訴され、賠償命令を受ける。更にこの派遣が違法な二重派遣(→派遣)だった事が判明、文書で行政指導を受けた。
[編集] CM・CMソング
[編集] ヨドバシカメラの歌
テレビCM・館内放送においては、「リパブリック讃歌」(The Battle Hymn of the Republic、通称「友だち讃歌」)の、各地仕様にアレンジされた替え歌を用いている。この替え歌をヨドバシカメラの歌という。新宿西口本店用に、山手線と中央線をフィーチャーした替え歌は、社長自らの作詞である。当初、男性のコーラス部隊がマーチ風のBGMにのせて歌っていたが、1985年より女性歌手POPLAR1名によるロック系の歌となった。その後客から「歌詞が未だにやまてせんになっている」と指摘されたため、1991年頃より女性アニソン歌手MIQ1名でのインストゥルメンタル系やまのてせんバージョンを作り直し同時に英語版も作成された。2001年頃より旧来のマーチ風を思わせるアップテンポ系の曲でこどもの合唱隊が歌うバージョンが作成されるが、インストゥルメンタル系の歌も同時に使用されている。
このCMソングは通信カラオケのUGAに収録されており(曲番号5553-24)、全国のUGA設置店で歌うことが出来る。また2004年11月には、同社を始めビックカメラ・ヤマダ電機・コジマ・石丸電気・ソフマップ・サトームセン・さくらや・オノデンの全9社のCMソングを集めたコンピレーションアルバム『エレクトリックパーク』(ポニーキャニオン)も発売されている。2007年2月現在、カラオケの「BB Cyber-DAM」でも歌える。さらに、このCMソングは地域によって歌詞が差し替えられているところもある。
なお、以前には上新電機がヨドバシカメラと業務提携により大阪市内で営業していた「エキサイト」のCMソングとして、同じ曲の替え歌を用いていたことがあった(エキサイトは現在すべて閉鎖され、ヨドバシカメラとの業務提携も既に解消されている)。
[編集] CM放送・広告
当初のCMでは、ヨドバシカメラの歌をBGMとして流し、映像は山手線と中央線の交差する新宿に立地しているアニメーションを放映して利便性をアピール。その後、各メーカとタイアップして個別売れ筋商品の紹介を行っていた。当初は価格・割引率も放映していたが、値動きが激しくCMの修正対応が難しいこと・オープン価格の普及に伴い、現在では商品・店舗紹介にとどまっている。後発のビックカメラのCMが社員が自ら出演し安さや価格を刺激的にアピールしているのに比べると、おとなしいとの評もある。
基本的には東京ローカル局や店舗のある地域のみで放送しているが、BS局では東京中心のスポンサーのために民放のBS局で関東向けバージョンを見ることができる(これはビックカメラでも同様)。ラジオCMについては店舗のある地域での放送のほか、TOKYO FM系全国ネット「SCHOOL OF LOCK!」では火曜・水曜に店舗のない地域も含めてヨドバシカメラインターネットショッピングのCMが放送されている。また、かつてはラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)でもインストルメンタルのCMが流れており、早くから全国でCMが聴けた。
ヨドバシカメラにおいては、独自のマスコットやキャラクターの類は存在しないが、開店当時のCMから駅前立地をアピールするため電車をアニメーションで用いており、その流れで、各店舗においては隣接している駅に乗り入れている鉄道会社の車両をイラストキャラクター化している。電車の方向幕の部分には愛称が記されている。
[編集] ゴールドポイントカード
日本で初めてプラスチックのカードによってポイントカードの使用を始めた。従来の大型店舗ではいわゆる「値引き交渉」が一般的であったものの、店員とのやりとりが煩わしい、実勢価格が見えにくい、値引き額が交渉次第という消費者間での不公平、等の側面があった。これらの問題を解決し、更に店舗側は値引き交渉に携わる時間・人員コストを削減し、かつ顧客(リピータ)を獲得する手段として考え出したとされる。ポイントはポイントカードそのものに記録されるのではなく、本部のコンピュータに記録されているため、万一紛失してもポイントが失われることがない。なお、最後の利用から2年が経過するとポイントは失効する(カードそのものは引き続き使用可能)。ちなみに、ヨドバシカメラではポイントサービスで客が得たポイントの事を「ゴールドポイント」と呼ぶ。
消費税の税率が3%だった時代には、当初は内税表示を行っていた。その後1992年から「消費税は頂きません」と方針を転換したが、1997年4月に税率が5%となり、利益が圧迫されるようになったため、1年後の1998年4月1日から外税表示となった(2004年4月1日から再度内税表示に)。このとき、ポイント加算率が5%上乗せされ、現金の場合5%→10%、クレジットカード・ショッピングローンの場合3%→8%となった。
1998年にスタートしたインターネット通販では、購入時に発生したポイントをポイントカードに貯める事ができ、ネットと店舗をリンクさせた先駆けであった。長らくポイント使用は店舗に限られていたが、2006年7月5日よりヨドバシカメラのECサイト「ヨドバシドットコム」および携帯電話対応ECサイト「モバイルヨドバシ」でも、ポイントが使用可能になった。ただし、店頭でアクセスキー発行を受け、ヨドバシドットコムまたはモバイルヨドバシでアクセスキーを利用しポイント共通化手続きをすることが必要である(従来からの「ヨドバシドットコム」「モバイルヨドバシ」利用者も改めてポイント共通化手続きが必要)。
[編集] 沿革
- 1960年4月 東京・渋谷にて藤沢写真商会を創業。
- 1967年7月 東京・淀橋(現・西新宿)にて株式会社淀橋写真商会を設立。
- 1971年2月 小売部門を創設。本格的に小売販売開始。
- 1974年10月 株式会社ヨドバシカメラに社名を変更。代表取締役社長に藤沢昭和が就任。
- 1975年11月 新宿西口本店がオープン。
- 1985年2月 POSの全店展開。
- 1989年4月 ヨドバシポイントカードを発行。
- 1990年11月 ヨドバシゴールドポイントカードを発行。
- 1991年10月 ザ・ポイントネットワーク誌を創刊。
- 1998年7月 インターネット通販を開始。
- 2001年11月 旧大阪鉄道管理局跡地にマルチメディア梅田をオープン。
- 2002年11月 博多駅筑紫口側の月極駐車場跡地にマルチメディア博多をオープン。
- 2005年4月 マルチメディア京急川崎(現:アウトレットストア京急川崎)を、閉鎖された西武百貨店跡に移転しマルチメディア川崎ルフロンとする。JR宇都宮駅西口のロビンソン百貨店跡「ララスクエア宇都宮」にマルチメディア宇都宮をオープン。
- 2005年9月 秋葉原の鉄建公団から落札した土地にマルチメディアAkibaをオープン。
- 2005年秋 いすゞ自動車川崎工場跡地の一部を購入しアッセンブリーセンター(物流センター)開設。
- 2005年11月 「横浜駅前店、AV・家電総合館」を閉店し、三越横浜店(2005年5月閉鎖)跡地にマルチメディア横浜をオープン。
[編集] 店舗
[編集] 関東地区
- 新宿西口本店(東京都)
- マルチメディア新宿東口(東京都)
- 上野店(東京都)
- 八王子店(東京都)
- 1991年1月 開店
- 2002年1月 マルチメディア館 開店
- マルチメディア町田(東京都)
- 1998年11月 開店
- 神奈川県相模原市との都県境上に位置する
- マルチメディア京急上大岡(神奈川県)
- マルチメディア錦糸町(東京都)
- 2000年4月 開店
- 南口の駅ビル「テルミナ」1階~3階に入居
- マルチメディア川崎ルフロン(神奈川県)
- ヨドバシアウトレット京急川崎(神奈川県)(川崎ルフロンに移転する前は「マルチメディア京急川崎」)
- マルチメディア宇都宮(栃木県)
- 2005年4月 開店
- 旧ロビンソン百貨店宇都宮店の一部に入居
- マルチメディアAkiba(東京都)(ヨドバシAkiba)
- 2005年9月16日 開店
- 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線入口に直結
- マルチメディア横浜(神奈川県)(ヨドバシ横浜)
- 横浜駅前 ケータイワンセグ館(神奈川県)(旧横浜駅前店=旧マルチメディア横浜)
- 旧横浜駅前店は「横浜駅前 ケータイワンセグ館」として1階のみ営業を開始した。旧店舗の上層階には飲食店を設置(2006年4月27日)。
- 千葉店(千葉県)
- 旧千葉そごう跡ビルの一部(地下1階~地上2階)に入居
[編集] 東日本(関東地区以外)
- マルチメディア札幌(北海道)
- マルチメディア仙台(宮城県)
- 1997年3月 開店
- 店舗は現在、東口を出てすぐそばにある。仙台では当初1991年4月、仙台駅西口に仙台駅前店(のちに仙台西口店と改称)が開店し、これが首都圏以外では初めての出店だった。その後1992年11月、代々木ゼミナール近く(ソニービル仙台第2の隣)に仙台東口店が開店し、2店体制となった。1997年2月に仙台東口店は閉店し、現在は取り壊されてファミリーマートとチケットショップ、平面の時間貸駐車場となっている。その約1ヶ月後に現在の店舗が開店し、営業再開となった。仙台西口店は1997年2月に仙台東口店とともにいったん閉店するが、同年5月に携帯電話中心の店舗として再開、YD STATIONとして営業を続けていたが、2005年頃に閉鎖された(現在は、坐・和民仙台駅西口プレイビル店となっている)。店内で流れているのはヨドバシカメラの歌の英語版。隣接の平面駐車場向かいにある「仙台ヨドバシビル」は、仙台農業協同組合の旧本店である。
- 敷地内に劇団四季の劇場が誘致されるが、2007年4月時点で何も発表されていない。
[編集] 西日本
- マルチメディア梅田(大阪府)(ヨドバシ梅田)
- マルチメディア博多(福岡県)(ヨドバシ博多)
- 2002年11月1日 開店
- JR博多駅筑紫口(新幹線口)、福岡市営地下鉄博多駅15番出口からそれぞれ徒歩1分の距離。福岡出店で先行(1999年4月24日開店)したビックカメラが、福岡市の中心天神地区、西鉄福岡(天神)駅近くの西鉄高架下に"鰻の寝床"的店舗なのに対し、福岡市のもう一つのターミナルである博多駅そば、地上11階地下1階の「ヨドバシビル」に出店。店舗は地下1階と地上1~3階(3階の一部はあおい書店)で、4階はレストラン街とゲームセンターなど、5階から上は1,100台収容の駐車場(購入額に応じて最大3時間まで無料)となっている。CMには地元福岡ソフトバンクホークスの川崎宗則選手を起用していた時期がある(ダイエー時代、現在は放送されていない)。余談だが関東地方では苗字つながりか川崎店のCMにも出演した。
[編集] 開店予定
- マルチメディア吉祥寺(東京都武蔵野市)
[編集] 今後の出店計画
[編集] 提供番組
- 提供表示として新宿西口ヨドバシカメラとしているものと、ヨドバシカメラのみのものがある。
テレビ
- ズームイン!!SUPER(日本テレビ・STV)
- ぶらり途中下車の旅(日本テレビ)
- NNNニュースD(日本テレビ・STV)
- どさんこワイド180(STV)
- サンデーモーニング(TBS)
- みのもんたの朝ズバッ!(TBS・HBC)
- 報道2001(フジテレビ)
- ポンキッキ(フジテレビ)
- 日曜ビッグバラエティ(テレビ東京系)
ネットセールス枠スポンサー(TXN6局)のため放送エリアに店舗が存在しないテレビ愛知(名古屋)・テレビせとうち(岡山)でもヨドバシカメラのCMを視聴できる。但し、首都圏向けのCMではなく、マルチメディア梅田(大阪)のCMに差し替えられている模様(以前ヨドバシカメラはテレビ東京系「モーニングサテライト」のネットセールス枠のスポンサーになっていたことがあり、そのときもテレビ愛知・テレビせとうちは首都圏地区のCMではなく、マルチメディア梅田のCMに差し替えられていた)。
ラジオ
- 森本毅郎スタンバイ!内「今朝のヘッドライン」(TBSラジオ)
- SCHOOL OF LOCK(TOKYO FM系、火曜・水曜のみ)
[編集] 関連事項
[編集] 外部リンク
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