中央緩行線
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中央緩行線(ちゅうおうかんこうせん)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)管内の中央本線において御茶ノ水駅~三鷹駅間の複々線の区間における緩行線、すなわち運転区分の内では中央線各駅停車と一般に言われている列車を運転している路線のことを指す。
おもに中央・総武線各駅停車(中央・総武緩行線)と呼ばれる列車が中央緩行線内から総武本線千葉駅まで直通運転されていて、早朝・深夜は中央線各駅停車が東京駅まで運行される。また、三鷹駅から中野駅を経て、東京地下鉄東西線経由で東葉高速鉄道東葉高速線東葉勝田台駅、総武本線津田沼駅までの直通運転を行う。
並行する中央快速線が速く利用する客が多いため、東京の数ある通勤路線で最も空いている路線の一つである。国土交通省の調査による2005年度のピーク時混雑率は、中央快速線は211%であるのに対し中央緩行線は89%となっており、ラッシュ時の乗車率が100%未満のときもある。しかし、快速線が事故等で不通となった場合は、緩行線に乗客が移り、非常に混雑する。
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[編集] 停車駅
- 詳細は中央快速線#駅一覧・接続路線を参照
[編集] 列車種別
各駅停車のみだが、3つの系統があるために注意が必要である。
- 黄色帯の電車(E231系・209系500番台)
- 全てが総武線に直通し、中央・総武緩行線とも呼ばれる、三鷹駅~千葉駅間の運転を行う。車庫運用の兼ね合いから、朝夕に中央線の武蔵小金井駅や立川駅まで足を伸ばす列車もある。運転形態は中央・総武緩行線を参照のこと。
- 水色帯の電車(E231系800番台・東京地下鉄05系・07系)
- 東西線直通用の車両であり、中央緩行線内では中野駅~三鷹駅で運転を行う。中野駅~三鷹駅の区間においては、約半分弱の列車がこの系統となっている。
- 国鉄時代においては、自社車両(103系・301系)は現在の水色の帯ではなく、銀色車両に黄色の帯が巻かれている車両を使用していた。御茶ノ水駅経由のいわゆる中央総武線の車両は、全体的に黄色の塗装がなされていたことで、判別可能とされていた為である。また、東京近郊区間の案内においてはラインカラーも灰色(■)が充当されている。しかし、上記の黄色い電車に205系電車が就役して以降、誤乗防止のために東西線車両と同じ水色の帯に塗り替えられた。
- 朱色の電車(201系・E233系)
- 早朝・深夜は総武線との直通を行わないので、東京駅と高尾方面のあいだで各駅停車を運転する。御茶ノ水駅と三鷹駅で快速線と緩行線の亘りを行う。
- この列車には誤乗車防止のため、特に『各駅停車』と方向表示幕に種別が併記されている(例えば「各駅停車」高尾の様に記載される:画像参照)。これは全国のJRでもまれなケースである。また、正面下側の種別欄は中央特快等とは異なり、快速同様の朱色表示となる。
[編集] 案内上の区別
三鷹~中野間の上りホームでは、緩行線ホームに黄色帯の車両のほかに行先の共通する東西線直通列車も発着するため、ホーム上の電光掲示案内などでは黄色帯の車両による総武線直通電車(御茶ノ水駅経由)を「総武線」と、東西線直通電車は「東西線」と表記して区別している。なお、朱色の車両による東京・中野終着の中央線各駅停車の場合、その部分は空白である。
- 例)
-
総武線 各駅停車 千 葉 東西線 快 速 西船橋 各駅停車 東 京
[編集] 使用車両
- 詳細は中央・総武緩行線#使用車両を参照
[編集] 呼称について
本系統、特に黄色帯の車両による各駅停車は、総武線と呼ばれる場合がある。これは主に使用されている車両が黄色帯(カナリアイエロー)のものであることや、その黄色帯の車両を用いた中央線各駅停車と総武線各駅停車の完全な相互直通運転、早朝・深夜以外は東京駅始発の各駅停車がないこと、中央本線区間では新宿駅から総武本線方面へ運行された準急行列車・急行列車や夏期の臨時列車を除いては各駅に停車して運転されていたことなどがある。
冒頭に「中央線各駅停車と一般に言われている列車」とあるが、一部で「総武線飯田橋駅から徒歩10分」といった記述が見られる。 しかし最近ではJR東日本を含めきちんと中央線各駅停車と案内されつつある。