両毛線
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両毛線(りょうもうせん)とは、栃木県小山市の小山駅から群馬県前橋市の新前橋駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。全線が東京近郊区間内に入る。
群馬県側はすべての列車が新前橋駅より上越線に乗り入れ高崎駅まで運転をしているため、一般的には上越線乗り入れ区間を含めた高崎~小山間が両毛線として案内されている。
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[編集] 路線データ
- 管轄:東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):小山~新前橋間 84.4km(桐生~下新田信号場間1.7kmは、わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線と二重戸籍)
- 軌間:1067mm
- 駅数:18(起終点駅含む)
- 複線区間:岩舟~佐野間、駒形~前橋間
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:(複線及び単線)自動閉塞式
- 最高速度:95km/h
- 運転指令所:高崎支社輸送指令室(小山駅を除く)
判別のためのラインカラーはイエローを使用している(ただし、電車内に掲出している東京近郊路線図ではオレンジ、小山駅と新前橋駅の一部ではピンクを使用している)。
[編集] 運転形態
全列車が新前橋駅より上越線に乗り入れて高崎駅まで運転している。新前橋~高崎間は上越線を走行するが、両毛線の列車はこの区間においても両毛線と案内される。なお、線路名称上は、小山駅が起点(東北本線の枝線という扱い)であるが、小山に向かう列車が下りである。
小山駅側からは一部の列車が宇都宮線に乗り入れ宇都宮駅・黒磯駅まで運転されている。
群馬県の県庁所在地である前橋市の玄関である前橋駅があるため、前橋駅を中心として、特急「あかぎ」を含め、高崎線を経由して上野駅を結ぶ列車が多く走っているほか、新宿駅、横浜駅などを経由して東海道本線の平塚、小田原までの長距離列車(湘南新宿ライン)も存在する。群馬県の人口密集地区を走るため、高崎と桐生間には区間便(前橋・伊勢崎・桐生発着)が多数設定されている。栃木県側の運行は群馬側の半数程度である。
- 高崎~前橋間
-
- 朝・夕および通学時間帯は毎時4~6本程度、日中は毎時2~3本。上越線・高崎線を経由して大宮・上野方面と直通する便あり。
- 前橋~伊勢崎間
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- 通勤時間帯は毎時2~3本程度、日中は毎時2本程度。
- 伊勢崎~桐生間
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- 日中は毎時1本程度、その他の時間帯は毎時2本。
- 桐生~小山間
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- 通勤・通学時間帯は毎時2~3本程度、その他の時間帯は毎時1~2本程度。
また利用者から増発の要望があるが、殆どの区間が単線であるため列車の本数が増やせない。その為、通勤・通学時間帯は混雑することが多い。 複線になっているのは駅間の距離が長い区間である。沿線自治体で結成された両毛線整備促進期成同盟会が複線化などの要望活動を行っている。
[編集] 使用車両
- 115系(高崎車両センター)
- 107系(高崎車両センター)
- 211系(高崎車両センター)
- E231系(小山車両センター・国府津車両センター)
- 185系(大宮車両センター)
- E231系と185系は高崎駅~前橋駅間のみ。ただし回送定期列車で前橋駅~駒形駅間も乗り入れる
[編集] 特色のあった列車など
- 急行列車
- 普通列車
- 1985年ごろは115系、165系が多数使用され、本来は湘南色のエリアであるがスカ色の車両が一部混在したこともある。
- 2004年10月のダイヤ改正までは、高崎駅~桐生駅間に限って185系を使用していた列車が存在した。
- 高崎線で115系が使用されていた頃には、本来高崎・前橋で折り返す列車が7両編成で伊勢崎まで延長運転されていたこともあった(桐生・伊勢崎始発で上野まで直通する列車自体は、2004年10月のダイヤ改正前日まで存在した)。
- 非電化時代の八高線直通列車
- 足利駅始発着列車
- 高校の完全週5日制が始まるまでは、土曜日限定で主に足利駅・富田駅・佐野駅などを利用する高校生の帰宅列車として、小山始発足利行→折返し足利発小山行の列車が運行されていた。
- 快速列車
- 1996年頃に一時期設定された定期列車があった。朝の通勤時間帯下り桐生→小山間。停車駅は足利、佐野、栃木、小山。すぐに廃止された模様。
- 臨時列車
- 特に沿線の高校の定期試験期間の土曜日の午後に混雑緩和のため運転されていた。学校完全週5日制になって廃止された模様。
[編集] 歴史
両毛線は歴史的に、両毛地区の生糸、織物の輸送を目的として両毛鉄道(りょうもうてつどう)が建設した小山~前橋間と、日本鉄道が現在の高崎線の延長として建設した前橋~新前橋間に分かれる。1884年に開業した前橋駅は現在位置とは異なる利根川の右岸におかれ、1889年11月に両毛鉄道の前橋駅が左岸側に開業すると日本鉄道も利根川を渡って両毛鉄道の前橋駅に乗入れ、両鉄道が接続した。現在も新前橋~前橋間が高崎線とほぼ一体の運転系統を形成しているのも、この経緯によるものである。
1897年には、日本鉄道は両毛鉄道を合併したが、1906年には鉄道国有法施行により日本鉄道が国有化された。1909年の線路名称設定時に両区間は統合され、小山~高崎間が両毛線とされた。1931年に上越線が全通すると、新前橋~高崎間が上越線にも属する二重戸籍区間となったが、1957年に同区間が両毛線から分離され、二重戸籍は解消した。
1951年からは気動車による運転が開始され、新駅が数多く設置されたが、1968年の全線電化に前後して休止(後に廃止)されている。現在でもかつて駅が設置されていた区間では駅間が長いことが実感できる。
[編集] 両毛鉄道→日本鉄道
- 1888年5月22日 【開業】両毛鉄道 小山~足利 【駅新設】栃木、佐野、足利
- 1888年11月15日 【延伸開業】足利~桐生 【駅新設】桐生
- 1889年10月10日 【駅新設】岩船、小俣
- 1889年11月20日 【延伸開業・全通】桐生~前橋 【駅新設】大間々(初代)、国定、伊勢崎、駒形、前橋
- 1893年2月18日 【駅新設】富田
- 1895年3月18日 【駅新設】富山
- 1897年1月1日 【譲渡】両毛鉄道→日本鉄道
- 1897年4月1日 【駅新設】山前
- 1902年11月1日 【駅名改称】岩船→岩舟
- 1906年11月1日 【買収・国有化】小山~前橋
[編集] 日本鉄道
- 1884年8月20日 【延伸開業】日本鉄道 高崎~前橋
- 1889年12月26日 【延伸開業】前橋(日本鉄道)~前橋(両毛鉄道) 【駅廃止】前橋(日本鉄道)
- 1906年11月1日 【買収・国有化】(上野)~前橋
[編集] 両毛線成立後
- 1909年10月12日 【国有鉄道線路名称設定】両毛線 小山~高崎
- 1911年3月30日 【連絡所新設】下新田
- 1911年4月10日 【駅新設】思川
- 1911年4月15日 足尾鉄道開業(下新田連絡所から分岐)
- 1911年5月1日 【駅名改称】大間々(初代)→岩宿
- 1912年4月6日 【信号場新設】日高
- 1918年10月16日 【駅名改称】富山→大平下
- 1921年7月1日 【駅新設】新前橋(上越南線開業) 【信号場廃止】日高
- 1922年4月1日 【連絡所→信号場】下新田
- 1931年9月1日 上越線全通(新前橋~高崎間が上越線と二重戸籍になる)
- 1937年4月15日 【駅新設】日高、浜尻
- 1940年11月1日 【駅廃止】日高、浜尻
- 1951年9月1日 【駅新設】東足利、葉鹿、下増田
- 1952年4月5日 【駅新設】小野寺、犬伏、東桐生
- 1954年3月15日 【駅新設】三重、東伊勢崎
- 1954年10月20日 【駅新設】西足利
- 1955年1月20日 【駅新設】間野谷
- 1955年9月3日 【駅新設】東前橋
- 1957年12月1日 【電化】前橋~新前橋
- 1957年12月20日 【終点変更】高崎→新前橋(-7.3km。上越線との二重戸籍区間解消)
- 1966年12月20日 【駅休止】小野寺、犬伏
- 1967年9月1日 【駅休止】東前橋
- 1968年7月19日 【複線化】岩舟~佐野
- 1968年8月8日 【複線化】駒形~前橋
- 1968年9月1日 【電化】小山~前橋
- 1968年10月1日 【駅休止】東足利、西足利、三重、葉鹿、東桐生、間野谷、東伊勢崎、下増田
- 1984年3月1日 【駅廃止】三重
- 1985年10月16日 【高架化】桐生付近
- 1986年10月6日 【高架化】前橋付近
- 1987年4月1日 【承継】東日本旅客鉄道(第1種)、日本貨物鉄道(第2種) 【駅廃止】犬伏、葉鹿、間野谷、下増田、東前橋
- 1989年3月29日 足尾線廃止。わたらせ渓谷鐵道に転換
- 1999年3月12日 【駅新設】前橋大島
- 2001年11月18日 Suica発売開始 両毛線は全駅で使用可能
- 2003年4月4日 【高架化】栃木付近
- 2003年12月1日 【無人駅化】思川、大平下、岩舟、小俣
- 2004年4月1日 【第2種鉄道事業廃止】全線
[編集] 駅一覧
接続路線の*印は線路名称上(戸籍上)はその駅を起終点とあるいは経由する路線ではないが、運行上はその駅を始発・終着駅としている路線。
正式路線名 | 駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
両毛線 | 小山駅 | 0.0 | 東日本旅客鉄道:東北新幹線、宇都宮線(東北本線)、水戸線 | 栃木県 | 小山市 |
思川駅 | 5.4 | ||||
栃木駅 | 10.8 | 東武鉄道:日光線、宇都宮線 | 栃木市 | ||
大平下駅 | 15.2 | 下都賀郡大平町 | |||
岩舟駅 | 19.3 | 下都賀郡岩舟町 | |||
佐野駅 | 26.6 | 東武鉄道:佐野線 | 佐野市 | ||
富田駅 | 31.1 | 足利市 | |||
足利駅 | 38.2 | 東武鉄道:伊勢崎線(足利市駅:徒歩約15分) | |||
山前駅 | 42.7 | ||||
小俣駅 | 47.3 | ||||
桐生駅 | 52.9 | わたらせ渓谷鐵道:わたらせ渓谷線(分岐は下新田信号場) | 群馬県 | 桐生市 | |
上毛電気鉄道:上毛線(西桐生駅:徒歩約5分) | |||||
下新田信号場 | (54.6) | ||||
岩宿駅 | 56.9 | みどり市 | |||
国定駅 | 63.3 | 伊勢崎市 | |||
伊勢崎駅 | 69.1 | 東武鉄道:伊勢崎線 | |||
駒形駅 | 74.9 | 前橋市 | |||
前橋大島駅 | 78.1 | ||||
前橋駅 | 81.9 | 上毛電気鉄道:上毛線(中央前橋駅:徒歩約10分、直通シャトルバスもあり) | |||
新前橋駅 | 84.4 | 東日本旅客鉄道:上越線(吾妻線)(高崎方面は直通) | |||
上越線 | |||||
井野駅 | 87.7 | 高崎市 | |||
高崎問屋町駅 | 88.9 | ||||
高崎駅 | 91.7 | 東日本旅客鉄道:上越新幹線、北陸新幹線(長野新幹線)、高崎線、信越本線、吾妻線*、八高線* 上信電鉄:上信線 |
※井野駅・高崎問屋町駅は新前橋~高崎間が戸籍(線路名称)上も両毛線だった1957年以前は未開業。なお井野駅は1944年の開設時から1957年まで井野信号場。
※小山駅のみ大宮支社が管轄、その他は高崎支社の管轄である。
[編集] かつて存在していた駅
- 小野寺駅(現・岩舟~佐野間)
- 犬伏駅(現・岩舟~佐野間)
- 東足利駅(現・富田~足利間)
- 西足利駅(現・足利~山前間)
- 三重駅(現・足利~山前間)
- 葉鹿駅(現・山前~小俣間)
- 東桐生駅(現・小俣~桐生間)
- 間野谷駅(現・岩宿~国定間)
- 東伊勢崎駅(現・国定~伊勢崎間)
- 下増田駅(現・伊勢崎~駒形間)
- 東前橋駅(現在の前橋大島駅とほぼ同じ位置)
- 日高駅(現・新前橋~井野間)
- 浜尻駅(現・井野~高崎問屋町間)
[編集] 過去の接続路線
[編集] 観光
- 大平下駅:太平山 - 大平町ぶどう団地
- 岩舟駅:岩船山
- 佐野駅:惣宗寺(佐野厄除け大師)
- 富田駅:あしかがフラワーパーク - 栗田美術館
- 足利駅:足利学校 - 織姫神社 - 鑁阿寺 - 足利市立美術館
- 桐生駅:桐生天満宮 - 桐生西宮神社 - 大川美術館 - 桐生が岡公園
- 岩宿駅:岩宿遺跡
- 国定駅:国定忠治の墓
- 伊勢崎駅:伊勢崎神社 - 華蔵寺公園