放送大学学園
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放送大学学園(ほうそうだいがくがくえん、英称: the University of the Air、略称: UD)とは放送大学を設置している「特別な学校法人」のことである。
放送大学学園の正式名称は「放送大学学園」である。法人の名称に学校法人の語は付かず、「学校法人放送大学学園」とは言わない。
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[編集] 概要
放送大学学園は、放送大学学園法(平成14年法律第156号)に基づき、大学を設置し、当該大学において、放送等による授業を行うとともに、全国各地の学習者の身近な場所において面接による授業等を行うことを目的としている(放送大学学園法第3条)。
旧・放送大学学園は、旧・放送大学学園法を根拠法とする特殊法人であったが、現・放送大学学園は、放送大学学園法の第3条に規定する「特別な学校法人」である。放送大学学園の所管については、総務省と文部科学省の共管である(総務省が放送を管轄しているため)。
大学設立当初は、NHKとテレビ朝日が番組制作や技術指導を支援していた。大学設立当初の放送授業収録は、六本木のテレビ朝日と溜池の日本短波放送(現・株式会社日経ラジオ社)のスタジオにて行われた。技術指導をNHKより受けていた繋がりから、放送大学学園の教員・職員にNHK出身者が在籍する(例:柏倉康夫副学長)。現在は、放送大学本部に収録スタジオを保有していることから、NHK、テレビ朝日との関係はないものの、NHKの子会社であるNHKエデュケーショナルが番組制作協力にあたっている。
放送大学学園が設置する大学は、「放送大学」といい(放送大学学園法第2条)、放送大学学園は、放送大学に関する業務(大学の設置・運営、教育放送等、附帯業務)を行う(放送大学学園法第4条)。なお、教育研究(教育および研究)は、放送大学学園が設置している大学(「放送大学」)において行われ、放送(SKY PerfecTV!に委託している放送を除く)は、放送大学学園が開設している放送局(いくつかの「放送大学学園○○○○放送局」)において行われている。
なお、通常の学校法人と異なり、放送大学学園に対しては、経常費の半額を超える補助金を交付することが可能となっており、国は、放送大学学園に対して財政的に多額の支援を行うことができる。放送大学学園が行う放送については、国が直接行う放送ではないので公共放送に分類されるが、実質的に国の支配下にあり、国から多額の補助金が交付されることもあり、国営放送のように捉えられることもある。
放送大学学園は、他人の営業に関する広告の放送をしてはならず(放送法第50条の4第1項)、広告(コマーシャル)収入を得ていない。
[編集] 沿革
- 1972年(昭和47年)2月 文部省(現在の文部科学省)からの委託によりNHKにて実験放送を開始
- 1981年(昭和56年)6月11日 旧・放送大学学園法(昭和56年法律第80号。以下「旧法」と表記)公布。同日施行
- 1981年(昭和56年)7月 旧法に基づき旧・放送大学学園(以下「旧学園」と表記)設立
- 1983年(昭和58年)4月 放送大学開設
- 1985年(昭和60年)4月1日 関東広域圏で地上波アナログ放送を開始
- 1998年(平成10年)1月21日 PerfecTV!(現SKY PerfecTV!)を通じた全国放送を開始
- 2001年(平成13年)4月 放送大学大学院開設
- 2002年(平成14年)12月13日 旧法の全部を改正する現・放送大学学園法(平成14年法律第156号)(以下「新法」と表記)公布
- 2003年(平成15年)10月1日 新法施行(これにより旧法失効)。新法附則第2条の規定により、新法に基づく現・放送大学学園成立(新法附則第3条の規定により、旧学園解散)
- 2006年(平成18年)12月1日 関東広域圏で地上デジタル放送を開始
- 2007年(平成19年)3月1日 地上デジタル放送の多チャンネル放送開始
- 2007年(平成19年)4月1日 地上デジタル放送のデータ放送開始
[編集] 組織
- 放送大学学園東京デジタルテレビジョン
- 放送大学学園東京テレビジョン放送局
- 放送大学学園東京エフエム放送局
- 放送大学学園前橋テレビジョン放送局
- 放送大学学園前橋エフエム放送局
- 事務局
- 放送大学学園の事務(放送大学の事務並びに放送番組の制作および放送を含む)を行う。
- 事務局
- 総務部
- 総務課 総務係、法規係、人事係、職員係
- 広報課 広報係、学生募集企画係
- 情報システム課 管理係
- 財務部
- 財務課 総務係、審査・資金管理係、予算係、決算・財務分析係
- 経理課 経理係
- 教務部
- 企画課 総務係、連携協力係、企画係
- 教務課 教務係、面接授業係、教育課程編成係、教材係
- 修学支援課 卒業判定係、通信指導係、単位認定試験係、大学院研究指導係、大学院入試係
- 学生サービス課 学生係、入学受付係、履修登録係
- 図書情報課 管理係、情報管理係、情報サービス係
- 学習センター支援室 企画係、学習センター係
- 放送部
- 企画管理課(受信報告書の取扱部署となっている) 総務係、企画係、業務係、素材管理係
- 技術・運行課 管理係、運行係、送信係、スタジオ技術係
- 制作部
- 経営企画室 企画調整係、経営評価係
- メディア・衛星企画室 デジタル企画係
- 監査室
- 総務部
[編集] チャンネル
地上波は、免許状は関東広域圏が放送対象地域である。SKY PerfecTV!を通じて全国放送(契約無しで視聴・聴取可能、ケーブルテレビ(関東圏のほとんどは地上波直接受信の再送信でそれ以外の地域ではi-HITSやJC-HITS経由で配信)でも一部視聴可、コールサインの呼び出しの部分を除き100%地上波アナログ放送とサイマル放送)を行っている。地上デジタル放送は、2006年12月1日に放送を開始した(2005年7月29日に免許申請、2005年11月15日に予備免許交付)。なおワンセグ放送は行われていない。
時刻出しは、各番組の開始時10秒間画面右上に表示し(東芝ゴシックを使用。アナログ放送は2006年11月26日までは興和フォントを使用していた。地上波・CS・ケーブルテレビのいずれでも時刻出しは見ることができる)、それ以外は非表示である。また、スカイパーフェクTV!での放送開始までは、番組の切れ目が正時であるときと6:00・24:00には時報が入っていた(ラジオも同じ。ビデオのジャストクロックを放送大学に設定しても正常に作動していた)。また、地上デジタル放送対応のマスター更新で前述の時刻表示フォントの変更に加えて、新たに画面右上に放送大学とそのロゴマークが透かしで常時表示されるようになった。
放送開始30分前は、試験電波発射の後、(テレビはブルーバックで)コールサイン等を読み上げてからスカイパーフェクTV!との同期放送(コールサイン等を読み上げている間はCSでは放送開始前の20~15分前まで試験電波は中断)に入り、放送開始5分前に環境音楽を流す(地上デジタル放送対応のマスター更新前の2006年11月26日まではテレビ画面は"テストパターン=モノスコ”のあとにカラーバーを流していたが、マスター更新後の現在はカラーバーのみとなっている)フィラーとなる(後述)。番組開始前に昔のコンピュータグラフィクスを使った1分間のオープニングを放映した後、各授業(番組)に入る。番組が終わった後は約1分のステブレがある(告知等に差し替えられるときもあり)が、これは直前の番組に付随しているものであり、学習センター等で番組を視聴すると最後まで視聴することができる(テレビは映像の続きが無音で30秒ほど流れフェードアウトする。ラジオでは1フレーズ目のアレンジがもう1フレーズほど流れてフェードアウトする)。一日最後の番組とそのステブレが終わるとスカパーとの同期放送が終了し、地上波では放送授業と同様の時刻出しをしながら、オープニングと同様の簡単なクロージングをアナウンスで(テレビはブルーバックも)行って放送終了となる。
放送を通じての授業は「特別講義」を除き、週に一度の45分のものが15回シリーズとなっている。オープニングやエンディングの音楽は、専攻など用途別に決められている。「特別講義」は45分の整数倍(1を含む)の時間で放送が終わるようになっており、一週間に一度放送枠が確保されているほか、「ゆとりの期間」(ゴールデンウィークや年末年始)や「特別編成期間」(7月21日~9月30日、1月21日~3月31日)に通常の授業の再放送と共に、長編ものを中心に多く放送されている。授業についての詳細は「放送大学」の項を参照のこと。
- 放送時間帯
- 「放送授業期間」(上半期は4~7月、下半期は10~翌年1月)
- 日曜・月曜 6:00~翌日0:15(0:00~0:15は放送大学の学歌〈「斉唱(ハ長調)」と「ピアノ伴奏曲の演奏のみ」の2パターン〉とステブレ)
- 火曜 6:00~翌日2:00
- 水~土曜 5:15~翌日2:00
- 「ゆとりの期間」・「集中放送授業」
- 日曜・月曜 6:00~翌日0:15(0:00~0:15は放送大学の学歌〈「斉唱(ハ長調)」と「ピアノ伴奏曲の演奏のみ」の2パターン〉とステブレ)
- 火~土曜 6:00~24:00
- 「放送授業期間」(上半期は4~7月、下半期は10~翌年1月)
※ゆとりの期間-上半期はゴールデンウィーク期間、下半期は年末年始期間に放送される特別番組の放送期間。
※集中放送授業-放送授業期間の復習(再放送)を主体として放送される。
※2007年3月25日の日曜日は特別番組放送のため翌日0:30まで延長(放送大学の学歌は放送なし)。
※なお、送信所や送出装置など放送機器のトラブルで放送中断(地上波ではアナログ・デジタルのどちらか一方でも起きた場合)となった場合、当該時間帯で放送する予定になっていた番組や途中中断となった番組は後日、放送休止時間帯などを使い、再放送される(地上波・CS・ケーブルテレビの全メディアで)。
- テレビ(全時間帯モノラル放送、音声多重放送(ステレオ放送や二ヶ国語放送)は行われていない。ただし、一部のケーブルテレビではラジオとの二重音声を行っている。)
- 地上デジタル放送
- 地上波アナログ放送
- SKY PerfecTV!
- 205チャンネル(e2 by スカパー!では放送されていない)
- FM(放送開始15分前のテストパターンと15分間のミニ番組「大学の窓」、「大学院案内」などはステレオ放送でそのほかの時間帯はモノラル放送)
なお、ケーブルテレビで配信される場合は、テレビとラジオを別々のチャンネルで配信する場合と、同じチャンネルで主音声でテレビ番組、副音声でラジオ番組を配信する(画像はテレビ番組のものを流す)場合とがある。
[編集] オープニングのフィラーについて
- 当放送局のオープニングフィラー音楽では、キー局の番組で使用された音楽が流れていた場合があった(例:1994年頃放送“NNNニュースプラス1”のローカル枠切り替え時やNTVでのエンディング・“あさ天”(現:あさ天サタデー)のコーナーBGM等)。
[編集] アナウンサー
放送を通じた教育を行っているため、放送大学学園には、常勤のアナウンサーがおかれている。常勤のアナウンサーがおかれている学校法人は、相当に大規模な学校法人を除いて滅多になく、放送大学学園の特色の一つとも言える。
放送大学学園のアナウンサーは、放送大学の学生に対する告知番組『大学の窓』のレポート、放送授業のナレーションを行っているほか、放送授業において担当講師と共に司会をしたり学生役になったり話し相手になったりして番組進行を担うこともある。
担当アナウンサーについては、大学の窓の項目を参照のこと。
なお、日本のテレビ局で唯一、地上デジタル放送推進大使がいない(推進大使総出演のCMも、放送大学だけ外されている)。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
◆◇関東地方のテレビ局◇◆ ◆◇NHKの放送局 総合1ch・教育3ch(2ch)◇◆ |
関東地方のラジオ放送局 (NHKの放送局)
(MUSIC ROUTE 16) |
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