アポロ計画陰謀論
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アポロ計画陰謀論(アポロけいかくいんぼうろん)とは、アメリカがNASAを中心として1960年代~1970年代に行ったアポロ計画(月面への人類着陸計画)に関する、陰謀論のことである。
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[編集] 陰謀論の主な種類
陰謀説には、大きく分けて以下の2種類のものがある。
- 人類が月面着陸したというのは、アメリカの嘘(捏造)であるという説。 - 捏造説・ムーンホークス説(Moon Hoax,Hoaxはでっち上げの意味)
- 月面着陸した際、宇宙飛行士が一般的に公表されていることとは別のもの(宇宙人やUFOなど)を見たが、それをアメリカは隠蔽しているとする説。 - 遭遇隠蔽説
[編集] 捏造説
アポロ計画捏造説は、進化論否定などにも見られるキリスト教根本主義思想の影響を受けて生まれた説であり、欧米ではFlat Earth Society(平面地球協会:地球は球ではなく聖書にあるとおり平らであると主張する団体)が最初期に唱えたものである。キリスト教文化がそれほど浸透していない日本では、反米主義や科学技術への懐疑と関連して唱えられることが多い。
この俗説に基づいて火星探査を描いたSF映画「カプリコン1」(1977年、英、監督ピーター・ハイアムズ)が製作された(国家の威信をかけた有人火星探査に失敗した某宇宙機関は、それを隠すために室内火星セットを作り、火星への着陸シーンを撮影すると言うもの)。同年にイギリスではエイプリルフールのジョーク番組として「第三の選択(Alternative 3)」(製作アングリアTV)が放映された(ただし放映日は6月20日だった)。これは、宇宙飛行士の名前をわざと間違えている、登場人物を演じた俳優名が役名ともにキャストロールで明記されている、製作年月日が4月1日になっているなど、注意して見れば番組そのものが冗談だと分かるようになっていた。この番組はアメリカでも放映され、真に受ける視聴者が続出した。この番組は日本では1982年1月21日に日本テレビ「木曜スペシャル」枠で放映されたが、視聴者がジョーク番組だとわかるための手がかりであるエンドクレジットがカットされて放映された(但し口頭でエイプリルフールである旨を伝えている)。また1991年8月28日には同番組がフジテレビで放映されたが、このときは放送の最後に「4月1日」と日本語のテロップで表示されていた。
2000年代初め、テレビ朝日がバラエティ番組「不思議どっとテレビ。これマジ!?」でこの説を紹介し、エドウィン・オルドリン宇宙飛行士など関係者に取材するなどした後、数度にわたって番組を放送したが、番組を観た視聴者の一部から編集方法に偏りがあるとの苦情が放送と青少年に関する委員会へ寄せられ、委員会よりテレビ朝日へ苦情に対する回答要請が出された。(参考リンク)
その後テレビ朝日は、2003年の大晦日に放送した「ビートたけしの世界はこうしてだまされた!?」[1]の中で、フランスのテレビ局が制作した『Opération Lune』[1]という番組を紹介した。その内容は、アメリカ合衆国国防長官ドナルド・ラムズフェルドを始めとするアメリカ高官が、アポロ計画を捏造するために「2001年宇宙の旅」を監督したスタンリー・キューブリックに月面の映像作成を依頼したと告白するというものであったが、この番組はアメリカの高官の発言の合間に役者の演じる架空の人物(名前は映画の登場人物名や俳優の本名をもじったもの)の発言を挟むことで、高官が実際には言っていないことを言っているかのように錯覚させる「フェイク・ドキュメンタリー」と呼ばれるフィクション作品である。「ビートたけしの世界はこうしてだまされた!?」の司会者も、『Opération Lune』の紹介が終わったあとで「この番組はエイプリルフール用に作られた冗談番組です」と明言している。しかし、日本の陰謀論者の中には事実と勘違いしたのか、自分の著作やコラムでこの番組を論拠にしている人がいた。
著名人の中でもこの説を支持する者はいる。たとえば、評論家の副島隆彦は2003年に自身のブログでアポロ計画がアメリカ政府による情報操作の具体例であると主張、2004年にそれを『人類の月面着陸は無かったろう論』(徳間書店 ISBN 4198618747)として出版した。しかしこれについてはブログに掲載された段階から静止衛星やロケットの原理など、一般的な基礎知識や初歩的科学に基づく部分だけでも多くの間違いがあること、明らかな無知と調査不足であることがネット上で多く指摘され(また、それらに対し間違いを認めず、指摘してきた相手に「噂を打ち消そうとする陰謀」などという批判を根拠も示さず展開したり、辻褄を合わせようとさらに無理のある理屈を主張したりしたことが、更に波紋を広げた)、2005年のと学会による「日本トンデモ本大賞」に選定されている。
そのと学会が2005年末に出版した『人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート』(楽工社 ISBN 4903063011)には、これらのTV番組で取り上げられた内容や『人類の月面着陸は無かったろう論』の記述の中の科学的に誤った箇所について詳しく記述されている。
また、宇宙開発関係の専門家でこの説を批判したものはいるが、支持すると表明したものは今のところ存在しない。
[編集] アポロ計画捏造説の沿革
- 1969年7月20日 アポロ11号が月面着陸
- 1970年 日本で草川隆がSF小説として、『アポロは月へ行かなかった』を発表
- 1972年 アポロ17号をもってアポロ計画終了
- 1976年 アメリカのビル・ケイシングが『We never Went to the moon』を発表。陰謀論の端緒とされる
- 1977年 アメリカで映画『カプリコン・1』公開、イギリスでTV番組『第3の選択』放送。陰謀論を信じるものを増やした要因になったとされる
- 1992年 アメリカでライフ・ムネが『NASA mooned America?』を刊行
- 1997年 イギリスでオカルト雑誌の『Fortean Times』が捏造説を取り上げる(デイビット・パーシーが原案を記す)ものの、読者の抗議により3号後に訂正記事を発表
- 1999年 イギリスでデイビット・パーシーとメアリー・ベネットが、書籍『Dark Moon : Apollo and the whistle - Blowers』を刊行
- 2000年 デイビット・パーシーとメアリー・ベネットが、ビデオ『What Happened on the Moon』を販売
- 2001年 『Dark Moon : Apollo and the whistle - Blowers』がアメリカで販売。映像監督の、バート・シブレルが、アメリカでビデオ『A funny Thing Happened On The Way To The Moon』を販売。またFOXテレビもこれを題材に、『Conspiracy theory : Did We Go to the Moon?』を放映
- 2002年 テレビ朝日の『不思議どっとテレビ。これマジ!?』にて、5回にわたりFOXテレビの放送内容を元にし、アポロ陰謀論を主張。朝日新聞社から『アポロってほんとうに月へ行ったの?』刊行。また、『Dark Moon : Apollo and the whistle - Blowers』の日本語訳版『アポロは月に行ったのか?』が日本で販売。年末には、フランスにてジョーク番組の『Opération Lune』を放送。大晦日には、テレビ朝日の『ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?』でも、アポロ陰謀説を展開。なおこの年バート・シブレルがエドウィン・オルドリンにインタビューを行い、オルドリンに暴行を受ける事件が発生(シブレル事件を参考)
- 2003年 副島隆彦が自身のブログでアポロ陰謀説を主張。この年末には、『ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?』で前述した『Opération Lune』の和訳版を一部放送
- 2004年 と学会が『トンデモ本の世界S』で陰謀説を否定的に取り上げる(記事は山本弘)[2]。また副島隆彦が、ブログの記述を一部直した上で『人類の月面着陸は無かったろう論』を刊行
- 2005年 と学会が、『人類の月面着陸は無かったろう論』を2004年の日本トンデモ本大賞に選定。また年末には、同会の主要メンバーである山本弘、植木不等式、江藤巌、志水一夫、皆神龍太郎の5名共同で、『人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート』を刊行する
[編集] 捏造説主張派の主な指摘
捏造を主張する者の多くは、アポロ計画において撮影された写真において矛盾点が散見されるということ、あるいは当時の科学・技術水準を考慮すると、月面への往復は不可能ではないかという推論を、その根拠にしている。主なものは以下の通りである。
- 写真・映像に関するもの
- 月面で撮影されたはずの写真なのに、空に星が写っていないのは何故か。
- 月面は真空であるはずなのに、写真に写っている星条旗(アメリカ合衆国旗)がはためいているのは何故か。
- 月着陸船の影に当たる部分も、はっきりと写真に写っているのは何故か。
- 影の方向が、写真内でバラバラになっていたり、長さが違うのは何故か。光源が複数あるためではないのか。
- 月面に着陸船が下りる際、噴射の反動で大きなクレーターが出来るはずなのに、それが写っていないのは何故か。
- 月面で宇宙飛行士が楽しそうにジャンプしている映像があるが、重力が弱く真空の月面でジャンプすれば空高く飛ばされる筈なのに、何故飛ばされないのか。
- 宇宙飛行士の背中の箱に吊り下げるワイヤーらしきものが見える。
- 科学・技術に関するもの
- 伝説系のもの
[編集] それら指摘に関する反論
しかし、上記の指摘に関してはアメリカではNASA当局や民間テレビ局、日本ではJAXAやと学会など、公私を問わずいくらかの機関・協会が「初歩的な科学で容易に反駁できる」と反論を上げている。これに対して捏造を主張するものの中には、「NASA(とつながりのある人物、組織)の言う事であるから信じられない」とする者もいる(しかし、それをいうなら陰謀の根拠とされている写真や映像の多くはそのNASAが公表しているものであり、明らかに矛盾している)。以下は、その主な反論である。
(前述の指摘に対応する反論)
- 写真・映像に関するもの
- 星が写真に写っていないのは、撮られた時間が月の昼間に当たる時間であり、太陽光が当たって輝いている地表に露出を合わせているからで、写っている方がむしろおかしい(地球上でも、天体写真を撮る際には星に露出を合わせなければ撮れない)。
- 星条旗を地表へねじ込む時にポールを動かすので、真空中でもその反動で旗は動く(映像では、ポールに触れてしばらくの間しか旗が動いていない)。また写真写りがよくなるように、旗にははためいているように見せかけるための針金が入っており、それについてはアポロ着陸前の新聞に記事が掲載されていた[3]
- 月の表面の砂は、光が入ってきたのと同じ方向に強い反射(再帰性反射)をする性質があり、太陽光が砂に反射して、レフ板のようにそれらを照らしているからである。
- 写真という二次元上の表現では、遠近法により影が平行であってもそう見えないときがある。また地表の傾きに差があった場合などは、影の長さが変わっても何ら不自然ではない。そもそも光源が複数ある場合、影そのものが複数できてしまうが、そのような写真は存在しない。
- 月の表面の土は固く、更に着陸船はスロットルを緩めて前に滑るような形でゆっくり着地したため、クレーターが出来るほどの衝撃とはならなかった。
- 宇宙服の質量は約80kgあり、月面でも重量は約13kg程度になる。また関節なども曲がりにくくなっており、高くジャンプするようなことは不可能である。
- フィルムの傷かアンテナのようにも見える。いずれにしろ吊り下げるには重心から外れている。
- 科学・技術に関するもの
- ヴァン・アレン帯の成分は陽子と電子である。かつては確かに放射線が宇宙飛行士へ障害を及ぼすのではないかと思われた時期があったが、その通過時間が短いことや、宇宙船及び宇宙服でほとんどが遮断できるため、大きな問題とはならない。
- 月面の温度は120~-160℃となるが、月面は真空であり熱が放射でしか伝わらず(真空の部分が断熱材となっている魔法瓶と同じ原理)、すぐにカメラなどには届かないため、大きな障害とはならない。また宇宙服はそれらの条件も考慮して、数十層にも及ぶ仕掛が施してあり、問題とはならない。
- アポロ11号の前に、アポロ8号とアポロ10号が月へ有人飛行を行い、予行練習をしている(アポロ9号は地球衛星軌道上での月着陸船の試験)。また前身となるジェミニ計画を始め、実験は数多く行われており、その中に失敗が多くあるのは当然といえる。更に当時は冷戦中であり、宇宙飛行士は(現役ないしは元)軍人が多く、生命をかけることをいとわない者だった。
- 当時は冷戦下であったため、ソビエト連邦への対抗という目的のためには、無謀に見える行為を正当化することも、膨大な予算を用いることもできた。アポロ計画に用いられた予算は、約254億USドル(現在価値で1,350億ドル、日本円だと15兆~16兆円)である。同計画が途中で打ち切られたのも、予算の問題が大きかったことによる。また2018年頃をめどに、現在NASAが再び有人宇宙船を送る計画を立てているが、同様の理由で他の研究部門に影響が及ぶとして、疑問視する声が強い。
- 地球からだと、38万km離れた月へ望遠鏡を向けたとしても、分解能の関係でアポロの痕跡は写らない。また、月への探査機に搭載されたカメラは、予算や積載可能限界の問題もあって性能の低いものが多く、アポロの痕跡を写せるほどの能力を有していない。
- 伝説系のもの
また捏造説そのものに関しては、以下のような指摘もある。
- アポロ15号などで使用された月面車が走行する映像では、舞い上がった砂が空気がないため煙を立てず、放物線を描いて落下している。CGのない当時、これを撮影するにはセット全体の空気を抜く必要があるが、そのような技術は存在しない。
- アポロ11号の映像をはじめて確認したのは、オーストラリアのパークス天文台(「月のひつじ」として映画化もされている)であるが、ここも陰謀に加担しているのだろうか。また、する必要があるのだろうか。
- アポロ宇宙船については、アメリカの対立国であるソ連及びヨーロッパ各国、更に世界中のアマチュア無線家及び天文台なども、リアルタイムで観測や無線受信を行っていた。これら全員を現在に至るまで騙すことは出来るだろうか。
- 宇宙飛行士が月面に置いてきた地震計で月震の様子を1977年まで観測しており、同じくコーナーキューブのレーザー反射鏡を用いて地球からの距離測定を現在も行っている(アメリカのみならず、世界各国で)が、これらはどうなるのか。
- 陰謀を行うには、NASA及び政府関係者をはじめ数~数十万もの関係者(アポロ計画に伴い、臨時も含め約30~40万人の者がNASAに雇用されている。また前述したように、周辺諸国にも関係者はいる)を要するが、それら全てに現在に至るまで秘密を隠すよう命じ、全員がそれを守り続けることは可能だろうか。
- なぜ、一般市民にもおかしいとわかる映像・理屈が存在しながら、世界中に数万~数十万はいる各部門(写真、宇宙工学や放射線など)の専門家が、この点について数十年余り何も指摘しなかったのだろうか。またもしでっち上げだとするのなら、NASAの関係者も旗のようにすぐ分かってしまいそうな映像を公開したり、それらを撮り直すことをなぜ考えなかったのだろうか。
- 宇宙飛行士の月での活動がでっち上げであったと仮定すると、証拠捏造やその事実に関する隠蔽などにかかる諸経費も結果的には莫大なもの(現在に至るまで、隠滅のための工作を行い続けなければならない)となり、アポロ計画の予算では収まりつかない可能性すらある。
- 有人のアポロ計画で持ち帰られた「月の石」は、ソ連が無人調査機で採取してきたものの約1000倍もの量がある。またこれをでっち上げたとする場合、なぜ世界諸国の調査機関(東京大学なども含む)にこれらの石を渡したのであろうか。月の石の成分は地球の石のそれとは明らかに違うし、またソ連の採取してきた月の石と比較すれば、すぐ捏造であることは分かってしまう。
- アポロ計画が捏造だったというのなら、なぜアポロ17号まで6回も月面着陸をやってそれが発覚するリスクを高め、更にはアポロ13号のような事故を引き起こす必要があったのだろうか。特にアポロ12号以降は、関心の低下もあって世間から中止すべきという意見が多く出てきており、(当初20号まで予定があったところを)17号まで実施しなくても打ち切りは容易であったはずである。なおアポロ計画で使用されたサターンV型ロケットや司令船は、その後のスカイラブ計画などにも流用されている。
[編集] アポロ捏造説の支持を公に表明した者
- 大槻義彦(物理学者、早稲田大学名誉教授) - 前述した「ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?」において支持を発言。「月の石の成分は、地球の石とほとんど変わらない」という明らかな事実誤認があった。
- 窪塚洋介(俳優) - フジテレビ系「森田一義アワー 笑っていいとも」にて。
- 桂小米朝(落語家) - 「小米朝流私的国際学(産経新聞コラム)」にて。ただし後述の隠蔽説のような記述もあり、彼自身がどこまで本気で信じているのかは不明[4](他にも、反米系陰謀論者がよく主張している2001年9月のアメリカ同時多発テロ自作自演説や、SARS陰謀論(某国生物兵器説)を思わせる記述がみられる[5])。
- 副島隆彦(評論家、常葉学園大学特認教授) - 「人類の月面着陸は無かったろう論」(前述)などにて。「反米思想が過ぎて、アメリカ政府陰謀論に傾倒」というパターンの典型といえる。
[編集] 遭遇隠蔽説
遭遇隠蔽説は、主にジョージ・アダムスキーらが宇宙人とのコンタクトに成功したということを、信奉している者の中から生まれた説である。アダムスキーは1952年、宇宙人の乗った空飛ぶ円盤と遭遇し、金星人や火星人とコンタクトをとったと主張したが、その中に「月には大気があり、裏面には都市も存在する」という証言があった。
しかし、これはアメリカのNASAやソ連が1950年代以降に行った月面調査と食い違うため、信奉家が「両国は嘘をついており、実際の月面は両国が発表しているものとは違う」と主張し、それが広まってこのような形に定着したものと見られている。
なおこれらの根拠として、当時の宇宙飛行士のインタビューにおける証言を持ち出すものもいる。しかし実際には、発言内容を曲解したり、こじ付けを付けて強引にそのように解釈できるようにしたものが多く、中には実際に発言していないことをでっち上げ、実際の証言とは全く異なるものに仕立て上げたものもある。また「アポロが遭遇したUFO」や「月面上の人工建造物」が写っている、としている写真(否定的な解説については心霊写真とも共通点が多い)の多くもNASAが公開しているものや取り寄せたものであること、更にNASAなどが情報を隠蔽しているとするその話の情報源がNASAの公開しているものだったりするなど、明らかな矛盾を生じているという指摘も存在する(前述の捏造説と共通している部分)。
日本においては、矢追純一やコンノケンイチ[6]といった人物が、これを主張している。中には「ソ連も既に月まで人類を送っている」、「月面内部は空洞である」、「火星に既に人類が着陸している」といった説を主張する者もいる。
また、日本で上記の捏造説がテレビ朝日の番組で取り上げられるまで広まらなかったのは、日本のオカルト研究家がそれまでこれらの遭遇隠蔽説を主張しており、それと矛盾してしまうということが背景にあると、疑似科学・超常現象研究家でと学会員でもある皆神龍太郎は指摘している。実際、捏造説が広まった時もオカルト研究家たちは『ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?』やオカルト雑誌『MU』などで、その間違いを指摘していた。
[編集] 脚注
- ^ 「ビートたけしのTVタックル」の年末特番・超常現象スペシャル
- ^ TV番組がこの陰謀論を広めたことを踏まえ、マスメディアが時に編集などで真実を捻じ曲げることがあると指摘し、まさに「今回の騒動の最も皮肉な点は、映像による情報操作の危険性を訴えている副島隆彦氏や桂小米朝氏が、インチキ・ドキュメンタリーにまんまとひっかかってしまったこと」としている。
- ^ なお遭遇隠蔽説においては、「実は月には大気がある」と言う主張が、この旗を根拠にしてなされる例もある。その批判本である高倉克祐『世界はこうしてだまされた』(テレビ朝日の番組とは無関係)や志水一夫『UFOの嘘』などでは、これに対して同様の指摘をしていた過去があり、と学会員でもある志水は捏造説でもまた同じ主張がなされるという、そのワンパターンさにあきれていた。
- ^ 少なくとも『これマジ!?』の主張の科学的間違いや、『Opération Lune』のトリックに気付かず引っかかっているのは確か
- ^ 同コラムは「映像や資料に対する疑問を持つことが大事」という主旨だが、彼の挙げている「疑問」はこれらの陰謀論の枕と酷似している。アメリカ同時多発テロ事件、重症急性呼吸器症候群の項も参照。
- ^ 自称「空間物理研究家」。遭遇隠蔽説のほかにも反相対性理論や反ホーキング宇宙論といった疑似科学関連の著作多数あり。
[編集] 参考書籍
- 『人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート』(楽工社 ISBN 4903063011)
- 『トンデモ本の世界S』(太田出版 ISBN 4872338480)
[編集] 参考サイト