スーパーマリオコレクション
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ジャンル | アクションゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1~2人 |
メディア | 16Mbitカセット |
発売日 | ![]() ![]() ![]() |
価格 | 9800円(税抜) |
売上本数 | 約212万本 |
『スーパーマリオコレクション』は、1993年7月14日にスーパーファミコン用のアクションゲームとして任天堂が発売したゲームソフト。略称は「マリコレ」。販売本数約212万本。
目次 |
[編集] 概要
ファミリーコンピュータで発売された『スーパーマリオブラザーズ』シリーズ3作、及び『スーパーマリオUSA』が、グラフィックやサウンドをパワーアップして収録されている。
欧米では"Super Mario All-Stars"というタイトルで発売され、SNESの「Mario Set」という『スーパーマリオワールド』のリメイク版とのセットも発売された。また、欧米では日本の『スーパーマリオブラザーズ2』が収録された初めてのタイトルでもある。欧米での2の名称は"Super Mario Bros.: The Lost Levels"(欧米では日本におけるUSAが"Super Mario Bros. 2"として発売されていた)。
[編集] オリジナルからの変更点
全般的に、グラフィックの描き直しや音楽のアレンジ、セーブ機能(プレイ人数・残り人数・もっとも進んだワールド(2のみ面単位))の追加がされている。また、USA以外にもタイトル画面に専用のBGMが用意された(それぞれ別の曲だが、USAのタイトルBGMも含め全て1の水中ステージのBGMのアレンジとなっている)。
その他の変更点を以下に示す。
[編集] スーパーマリオブラザーズおよび同2
[編集] システム関連
- 初期人数が3人から5人に増えた。
- 1で、2人プレイ時に片方がステージクリアすると、すぐにもう片方へ順番が渡るようになった。
- 1のx-4エリアでもタイムボーナス(残り時間×50点)が加算されるようになった。オリジナル版2でできた50,000点ボーナスも可能。
- 1の4-4、7-4、8-4、2の3-4、5-3、6-4、7-2、8-4といったループ面において、正しいルートを通ったか判定する音が鳴るようになった(無限ループに見せかけたステージの意味がなくなったなど批判もある)。
- ブロックを破壊したときにマリオが少し上に突き抜けるようになった。反動のベクトルがオリジナル版と逆になっている(本来なら跳ね返されるはずが、さらに上昇してしまう)ため、天井のブロックを壊した時にジャンプ力が伸び、引っかかってしまって転落するなどオリジナル版では起こらない現象も見られる。
- 2のみ、コンティニューした場合にそのワールドのステージ1ではなくやられたエリアから再開するようになった。
- -1面には行けなくなった。ワープゾーンの数字を表示しないように進めたとしても、本来の行き先へ飛ばされてしまう。
- 裏技「無限1UP」において、残機数が128でカウンターストップとなりそれ以上増やすことができなくなった。よって残機数がマイナスになることもなくなり、1度ミスしただけでゲームオーバーということがなくなった。人数表示はオリジナル版では10人以上になると王冠などのイラストで表示していたが、これも数字表記に変更された。また、1でも2のシステムを改良した物となっている為に、オリジナル版よりも格段にジャンプが安定するようになった。
- オリジナル版では同時表示数の限界で消滅していた敵が出現する場合がある。また、オリジナル版よりもマリオの当たり判定が厳しくなった、もしくはジャンプの高さが低くなってしまったため1の4-1などのパックンフラワー越えをしようと限界までジャンプしてもぶつかって(当たって)しまう確率が高い。このため難易度は少し上がっていると言える。そのかわりカメキックによる1upがオリジナル版に比べて格段にやりやすくなったというメリットもある。
- 1の水中ステージ2-2、7-2、8-4の出口で土管の上の隙間が無くなり、ハマリにならないように修正。
- 空中ボーナスステージでのリフトの大きさが少し広くなった。それぞれオリジナル版から、広い物が3ブロック分→4ブロック分、狭い物が2ブロック分→3ブロック分に変更。
- クッパの当たり判定が変更され、ダメージを受けつつクリアする事が非常に難しくなった(ミニファイアマリオなど)。
- 画面の上から下に降りるリフトに乗ったまま穴に落ちるとまた上から出てくる、という裏技が、オリジナル版では1では不可能で2から出来るようになったが、マリコレ版では1・2関係無く共通で、中央線がないリフトでは可能で、中央線があるリフトでは出来なくなった。例えば1の1-2等では可能で、1の2-4や2の5-2や7-4等ではそのまま転落死。
[編集] 演出関連
- 1と2のグラフィックは共通で新規のものとなった。これにより、オリジナル版にあった2独特のブロックなどは再現されていない。
- 各エリアのスタート時に紹介画像が追加された。
- x-4クリア時に、各ワールド毎に専用のデモが用意された。エンディングもマリオとピーチ姫の顔グラフィックが出る新規のものになっている。これは1・2やクリアしたステージによりそれぞれ異なる。
- 8-4、D-4をクリアした時に、演出の関係上、チビマリオだった場合はスーパーキノコを与えられ、強制的にスーパーマリオになるようになった。
- オリジナル版で通常ステージのゴールの城にあった謎の透明ブロックがなくなった。 また、x-3をクリアした時の、大きな城にマリオが入って行く扉が左から中央に変更された。
- 水中の一部の敵の色が地上の時と変わらなくなった。
- ポーズを掛けるとマリオと敵が表示されなくなり、メニューが出るようになった。
- バブルが、3のように天井を突き抜けるほど高く跳ねるようになった。
- 2の8、Dワールドで出現する偽のクッパの色が、青色ではなく普通のクッパと同じ緑色になった。
- 2の9ワールドの配色が普通の水中ステージと同じ物になった。
[編集] BGM関連
- 地下のBGMがスーパーマリオブラザーズ3と共通になった(アレンジバージョン)。
- ボーナスステージのBGMが用意された。
- クッパと戦う際に専用のBGMが用意された。
- 8-4の途中で出てくる海ステージのBGMが城のBGMのままになっている。
[編集] 裏ステージについて
- 1の裏面は、8ワールドをクリアした後直行という形になった。ワールド数表記の前に★マークが付き区別可能。
- 2のA~Dワールドは8or9ワールドをクリアした後直行という形になった(1回のクリアで行けるようになった)。
- 2のA~Cワールドにて後半でミスした場合、途中からではなく最初からスタートになった。
- 2のA~Dワールドのハンマーブロスが全て直進してくるタイプに変更。
- 2の9~Dワールドで、マップが一部変更された(地形変更、一部のブロックが隠しコインに変更、スーパージャンプ台が一部普通のジャンプ台に差し替えなど)。
- 2のA~Dワールドのクッパが火をふくタイプからハンマーを投げるタイプに変更。また、正体が1~4ワールドの使い回しではなく、新たに設定された。
- 2において、8-4クリア後にあった残機数の得点への精算がなく、9ワールドが出現した場合も残機数が引き継がれる。これに伴い、9ワールド専用のゲームオーバーメッセージは削除された。
- 2において、8-4をクリアする前にワープゾーンを一度でも使用してセーブしたデータでは、以降9ワールドへ行く事ができなくなる。たとえそのデータを使って改めて1-1からワープ不使用で8-4までクリアしても、そのままA-1へ行ってしまう。9ワールドへ行きたい場合、そのデータを消去して始めからやり直すしかない。
- 2で9ワールドを過去に出していたとしても、その後のプレイで1~8ワールドでワープを使うと8-4クリア後に9ワールドが出現せずAワールドへの直行となる。ただしこの場合はデータロード時のステージセレクトでは引き続き9ワールドが選択可能。
- 2で、9ワールドを経由してA~Dワールドに行った場合、A~Dワールドの敵が1の裏面の仕様になってしまう(クリボーがメットに変更、敵の歩行スピードが高速化)。これは一度9ワールドを経由してクリアしたセーブデータでは、以降元に戻す事が出来ない。
[編集] スーパーマリオUSA
- 人数表示がマリオ1・2のように下限1に変更され、スタート時の人数も2人から5人に増加(実質3→5人)。
- ワールドの説明画像がカラーになり、アニメーションも追加された。
- ライフゲージの形状がハート型になった。他にも大幅にキャラやステージのグラフィックが変更されている(ピーチ姫が茶髪→金髪、チビキャラの頭身変更やステージの昼夜逆転など)。
- 各エリアクリア後のスロットで視覚的にリール回転が見えるようになり、絵柄に"7"が追加された。7が3個揃うと残り人数が10増え、チェリー77だとコインが3枚補充される。さらに、7・チェリー以外の3つ揃いで増える人数が1人→2人に増加した。
- エリア単位であったキャラクター選択が、ミスした後のリトライ時にも追加された。これにより失敗してもキャラの途中変更が可能になった。
- コンティニュー回数の制限がセーブ機能の実装により無意味となったため廃止され、無限になった。
- 特定の背景でアイテムを置いてもすり抜けるようになり、敵も通過するようになった(光が差す扉の光の部分など)。
- 中ボスのキャサリンがアイテムを持っているかどうかが見た目で判断できなくなった。なお、BirdoとOstroの名前がエンディングで入れ替わっているのはそのままとなっている(キャサリン (ゲームキャラクター)を参照)。
[編集] スーパーマリオブラザーズ3
- 人数表示がマリオ1・2のように下限1に変更され、スタート時の人数も4人から5人に変更。初期人数は実質変わっていない。
- エリアマップ上のあらゆるものがアニメーションする。
- 1~7ワールドの城にいる王が変身させられているキャラが全て変更。例えば4ワールドではドンキーコングJr、7ワールドではヨッシーの姿になっている。ファンサービスの一環と思われる。
- ファイアマリオの色がマリオワールドと同様のものに変更されている。
- ステージ開始時に「MARIO START!」(ルイージの場合は「LUIGI START!」)と表示されるようになった(キノピオの家、土管などでは表示されない)。
- 4-4の左右の水面が同じ高さに変更された。
- ファミコン版であったバグの解消のため、3-9と5-1のステージの一部を変更。他にも多くのステージが微修正され、バグが大幅に修正、削除されている。
- エリアマップ内の土管に入ったときのタイム制限がなくなった。
- パックンフラワーの色が一部ステージで変更され、色で長さを判別する事ができなくなった。
- 入手アイテムもセーブされる為、先のステージで得たアイテムを所持したまま過去のワールドに戻る事が可能。
- 欧米版では、NES版で削除されていたスーツが脱げるときのエフェクトが追加されている。
- NES版に合わせ、スーパー以外の変身マリオの状態で敵に接触した場合、チビマリオではなくスーパーマリオになる。
[編集] スーパーマリオワールド
(日本国外のSFC(SNES)のMario Setに同梱、日本未発売)
- ルイージのグラフィックが違う。
- セーブデータ数がオリジナルでは3つだったが、他のゲームに合わせて4つとなっている。
- スーパーマリオワールドが収録されているためMario Set版マリコレのタイトル画面にヨッシーがいる
[編集] こぼれ話
オープニング画面では、マリオシリーズの主なキャラクター達が会話をしており、パーティー会場の情景効果音が使用されている。英語で多人数がしゃべっている会話の中に、日本版では「ビールおかわり」という英語の声が含まれていたため、欧米版ではこの部分のボイスが差し替えられている。