ゼロの使い魔の登場人物
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ゼロの使い魔の登場人物では、ヤマグチノボルのライトノベル『ゼロの使い魔』の登場人物について解説する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 主人公
[編集] ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
(声:釘宮理恵)
- 本作のメインヒロイン。桃色がかったブロンドの長髪と鳶色の瞳を持つ、ヴァリエール家の三女で16歳。身長は153サント(ハルケギニアでの単位。「主な用語」を参照)と小柄で、スリーサイズもB76/W53/H75と細身で貧乳の為、スタイルの良い同性に対してコンプレックスがある。好きな食べ物はクックベリーパイ。趣味は編み物だが、かなり下手。特技は乗馬。嫌いなものはカエルとキュルケ。アンリエッタの幼少時の遊び相手で、彼女が女王となった今でも友人として想われている。
- 名門公爵家(始祖は王の庶子)の生まれでトリステイン魔法学院の生徒であるにもかかわらず、魔法の才能が皆無であるとされ、「ゼロのルイズ」の蔑称を付けられている。だが魔法が使えなかったのは、4系統のメイジとは才能が異なっていた為。幾つかの事件がきっかけで「水のルビー」と「始祖の祈祷書」を所有するに至った結果、ペンタゴンの頂点の内、「喪われし系統」と呼ばれる「虚無」の魔法に目覚める。以降、事件を乗り越える度に実力を高めつつある。
- 名家の出身故に気位とプライドは非常に高く、最初は才人のことも只の使い魔としか見ていなかったが、共に戦い続けて行く中で少しずつ惹かれていき、彼のことを一人の異性として捉えるようになっていく。かなり怒りっぽい上にヤキモチ焼きという典型的なツンデレで、才人が自分を馬鹿にしたり、他の女性と仲良くしたりするとキツイ罰を与える。また、泣き虫という子供っぽく愛らしい一面も見せる。10巻ではタバサを救出しに行くために,アンリエッタに貴族の身分を返上した。
- 出来の良い姉の存在、魔法を使えないなどの理由より両親から全く期待されていなかったことにも強いコンプレックスを抱いている為、他人に認められたいとムキになり易く、無茶をすることが多い。ただ、アニメ版ではフーケを(才人を通じて)捕らえた功績を認められ、アンリエッタからシュヴァリエの爵位を得た。更に、レコン・キスタとの戦争の際には戦艦を撃墜したことにより、勲章が授与された。
- 『ダルタニャン物語』にも登場する実在の人物・ルイーズ・ド・ラヴァリエールをモデルにしている。作者のあとがきによれば見た目ではなく、片足が不自由という身体的ハンディキャップを負いながらも誇りを持って己の生き方を貫く、その姿勢を見習ったという事。
- 第1巻の頃と比べると巻が進むにつれ挿絵の容貌、等身が幼くなってきている。
- 才人の頭を踏みつけるポーズが定番。ガリアでの一件で内なる小悪魔が目覚めた模様。
[編集] 平賀 才人(ひらが さいと)
(声:日野聡)
- 本作の主人公にして、ルイズの「使い魔」。ルイズの召喚魔法により異世界ハルケギニアへ召喚された17歳の高校生。お調子者で物事をあまり深く考えず、色香に流され易い性格で、ルイズからは「犬」呼ばわりされている。また、思い込みも激しく、物凄い勘違いで勝手に舞い上がったり落ち込んだりするが、変わる速度はマッハに達するとか。高校の先生および親からは「ヌケている」と評されていたようだが、良く言えばそのくよくよ考えない性格故か、突然召喚されたことに対してもあまり深く悩まず適応している。意外に好戦的な性格をしており、気に入らない相手をすぐに挑発する悪癖がある。また、売られた喧嘩も買う主義らしく、劇中でもそれで頻繁にトラブルを起こす。
- 身長は172センチ。異世界のハルケギニアにおいてはどれとも縁が無くなってしまっているが、好物は照り焼きバーガーで、嫌いなものは体育の先生、特技はアクションゲームである。
- 召喚直後から暫くは、我侭なルイズのことを嫌っていた。しかし、共に過ごす中でその優しさや苦悩を知り、彼女を(敵からも、自分自身の欲望からも)守ることを決意。幾度もの戦いを経て、少しずつではあるが逞しく成長していく。
- 小説9巻では幾度も手柄を挙げたことをアンリエッタに讃えられ、シュヴァリエの称号を得て貴族となり、更には近衛隊「水精霊騎士隊」の隊長職を打診された。しかし、平民の厚遇ぶりで生じるであろう無用の軋轢を避ける為、アニエスの助言を受け容れて隊長にはならず副隊長となった。貴族籍を得たことにより、トリステインでの公文書には「サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ」というフルネームで記される。しかしガリアに囚われたタバサ救出のために、騎士の身分と近衛騎士隊副隊長の職位をアンリエッタに返上。平民に戻る事に。
- ルイズに惹かれてはいるが、シエスタやティファニア、更にはアンリエッタにまで囲まれて気持ちが揺れまくり、態度をハッキリさせられない。趣味はパソコンやインターネットで出会い系サイトも利用していたが、ハルケギニアでは当然ながら電源供給もネット接続も不可の為、もうできない(アニメ版では、秋葉原らしき場所からの召喚時に所持していたノートパソコンを紛失してしまったので、尚更である)。
- ルイズとの使い魔契約(コントラクト・サーヴァント)の際には、才人の左手に使い魔の証であるルーン『
』Gandalfr が浮かび上がったが、これは「武器であればどんな物でも自由自在に扱える」伝説の使い魔『ガンダールヴ』の印。
[編集] 才人がガンダールヴとして使用した武器
- ギーシュ・ド・グラモンの剣
- ギーシュが才人と決闘を行う際に魔法で出した剣。
- ゲルマニアの錬金術師シュペー卿が鍛えし業物
- 1.5メイルほどの大剣。武器屋で才人が気に入って欲しがったが、ルイズの持ち合わせが足りなくて買えず、そのことを知ったキュルケが購入し、才人にプレゼントした。鉄をも一刀両断するという触れ込みだったが、どうやら見た目優先のナマクラだったようで、フーケの土ゴーレムとの対戦であっさり折れてしまった。
- デルフリンガー (声:後藤哲夫)
- 才人が愛用し多くの修羅場を共にした片刃の長剣で、意思を持ち言葉を話す魔剣「インテリジェンスソード」。腰に下げるには長すぎる為、普段は背中に携えている。割と軽い性格をしており、よく「おでれーた!」と連呼しているが、鞘に入れられていると喋ることはできない。しかしアニメ版ではこの制約はなく、自ら鞘から顔(?)を出しては頻繁に喋っていた。
- 6千年も生きているだけあって、始祖ブリミルや虚無に関する事柄をかなり詳しく知っているようだが、長い年月を経ている為に基本的には殆どのことを忘れていて(本人はそう言っているが真偽は不明)、才人達が知ることはできていない。ただ、ふとした拍子に思い出す場合もあり、何度か才人達のピンチを救ったこともあった。人間ではない為か、ルイズやアニエスから誰にも言えない胸の内を吐露されることもあり、その度に剣なりに伝説なりに答えを返してくれる。ルイズや才人が『虚無の担い手と使い魔』として生き方を変えないよう心配してくれたこともあり、伝法な言い草の割には情味溢れる剣。
- かつての「ガンダールヴ」が使っていたらしい伝説の剣だが、実は「インテリジェンス」系の武器は価値が出るほど珍しいものではなく(外伝にも「インテリジェンス・ナイフ」が登場する)、自ら見た目がボロボロの朽ちた剣の姿を装っていた為、破格の安値で購入できた。一応伝説の剣らしく「刀身が光り輝く(本来の姿に戻る)」、「あらゆる攻撃魔法を吸収(吸収時間は魔法の規模に比例する)し、また吸収した分だけガンダールヴの体を操る」、「自分を持った人間の剣の力量・接触した兵器の情報を瞬時に理解する」などの特殊能力を持つ。なお、ティファニアの歌によるとデルフリンガーは左手用の武器で、初代の「ガンダールヴ」は右手に長槍を持っていたらしい。才人がルイズと2度目のコントラクト・サーヴァントを行った際には、ルーンが胸に付かないか恐れていた描写があり、名前が分からない虚無の使い魔を恐れている節がある。
- 破壊の杖
- 対フーケ戦で使用したM72ロケットランチャー。主な用語を参照。
- 竜の羽衣
- タルブ村に漂着した佐々木武雄・海軍少尉が乗っていたゼロ戦。ハルケギニアを訪れてまもない頃に佐々木少尉が貴族に依頼して「固定化」の魔法を施した為、当時の状態のまま格納庫に眠っていた。
- タルブ村での初戦闘においては、アルビオン軍の竜騎士隊を全滅させる戦果を挙げた。現在は弾切れを起こしているが、ハルケギニアには機銃弾を量産する技術が無いため、コルベールの発明品を複数装備して戦力を補っている。
- 本来は1人乗りだが、使用しない通信機を廃棄するなどして、才人とルイズが出撃する際は無理矢理2人乗りしている。
- アニメ版でもタルブ村での戦闘で戦果を挙げたが、中破して不時着、その後はトリステイン魔法学院の広場に置かれることとなった。
- 空飛ぶヘビくん
- コルベールの発明した魔力感知型ミサイル兵器。コルベールの発明品を参照。
[編集] トリステイン魔法学院の人々
[編集] 生徒(主要登場人物)
[編集] キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
(声:井上奈々子)
- 二つ名は「微熱」。ルイズの級友だが、先祖代々の因縁で犬猿の仲。その理由は、ツェルプストー家がヴァリエール家の恋人を先祖代々に渡り奪ってきた為。火の系統の魔法を得意とするトライアングルメイジで、帝政ゲルマニアのヴィンドボナ魔法学校を中退後、祖国から留学してきた。留学の理由は、「家に居ると親が縁談を勧めてくるのに嫌気が差したから」らしい。
- 燃えるように赤い髪と瞳、褐色の肌を持つ18歳。身長は171サント、スリーサイズはB94/W63/H95と極めてグラマラスな体型。趣味はジグソーパズル、特技はハープと意外な面も。嫌いなものは雨とルイズ。その美貌とプロポーションにより1ダース近い恋人を魅了しており、才人にも熱烈なアプローチを仕掛けたりする。しかし、その性格は熱しやすく冷めやすいので一人と長く居ることはない。なお、小説9巻の時点では命の危機を救ってもらった事がきっかけでコルベールに惚れているが、アニメ版では魔法学院襲撃のエピソードが存在しない為、コルベールに惚れている様子は微塵も無い。また、深夜に自室を訪れた恋人をバスタオル1枚だけの姿で出迎えたり、別の深夜には使い魔のフレイムを使って自室へ「招待」した才人を下着姿でベッドへ誘うなど、ビジュアル的にはかなり際どい描写がある。
- タバサとは入学以来の親友であり、彼女の思考をその無表情な顔から読み取ることができる。お互いに詮索し合わない故に一緒に居るが、タバサの境遇を知ってからは、以前よりも更に深い気持ちを抱いている。また累代の敵でもあるルイズに対しても、才人との仲が疎遠になった時にはそれとなくフォローしていた。本質的には情の深い女性だが、本人曰く「もしかしたら、すっごい我侭なのかも」。
- キュルケ(Kirche)とはドイツ語で「教会」の意。また、名前の残りの部分はエカチェリーナ2世(Sophie Fridericke Auguste von Anhalt-Zerbst)からの引用と思われる。
[編集] タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
(声:猪口有佳)
- 二つ名は「雪風」。キュルケの親友だが、非常に無口で自分のこともあまり語らない。本来は快活で明るい性格だったが、今は心を閉ざしている。風系統の魔法を得意とするトライアングルメイジ。その上、15歳で既にシュヴァリエとして爵位も得ていたが、小説9巻で国王ジョゼフに叛旗を翻した為、剥奪された。戦闘の際、作戦を立てることも多い。使い魔はシルフィード。
- 青い髪と瞳を持つ。身長は142サントとかなり小柄で、スリーサイズもB68/W49/H67と細身(というより、子供体型)。大抵の人の目には本当の年齢より数歳幼く映る。好物ははしばみ草のサラダだが、出された料理は大抵ペロリと平らげる(アニメ版ではこの辺りが強調されており、かなりの健啖ぶりを披露した)。趣味は読書で、放っておくと一日中読み続けるほど。人付き合いを好まず、親しい人でなければ話しかけられても大抵は無視する上、読書の邪魔をする者には魔法の行使をも辞さない。特技は意外にもサイコロ博打とあるが、本編中で賭博をしている描写はない。嫌いなものは幽霊。
- 入学以来無愛想を通し、早々決闘を仕掛けられながら強力無比な実力を見せたこともあって、他の誰からも距離を置かれていた(同学年のルイズですら、小説1巻の時点では彼女の名前を知らなかった)。進んで友人を名乗ったのはキュルケただ一人だけで、彼女が困り事を持ち込む時には(大抵恋愛関係)、力を貸したり冷静に突っ込んだりする。だが小説外伝1話では、村人のヨシアと翼人のアイーシャの仲を取り持つ為の寸劇をノリノリで演じるという一面も見せていた。この事からも、無愛想に見えて意外とお茶目の模様。
- 「タバサ」という名は、ハルケギニアでは人名として珍妙な部類であり(キュルケは最初「飼い猫の名前みたい」と思って大笑いした)、事実偽名である。実はガリア王国の王族で、王位争奪の際に謀殺された王弟オルレアン公の娘。本名をシャルロット・エレーヌ・オルレアンと言い、父親を殺されただけでなく、母親も毒で心を狂わされ拘束された身(このあたりの経緯は漫画風の谷のナウシカの登場人物クシャナのそれとの類似が指摘されている)。その後は、伯父王ジョゼフ派によりトリステイン魔法学院へ厄介払いに留学させられるが、何か厄介事が起こる度に呼び戻されては、(服務中の死を目的として)危険な任務に従事させられる日々。現王家の命令に黙々と従い任務をこなす胸の内には、ジョゼフを初め現王家への強い復讐心が秘められている。やがて、友情を培ってきた才人達を裏切って戦うことを命じられるが、彼に大切な気持ちを気付かされたこともあって、遂に反旗を翻した。
- ラグドリアン湖近くにある、自身の母親が事実上幽閉されていた屋敷を捜索中には、エルフのビダーシャルと会敵。スクウェアクラスにも匹敵する強力な魔法を放つが、ビダーシャルの先住魔法の反射(カウンター)によって跳ね返され、気絶。ジョゼフの元に一旦運ばれた後、エルフとガリアの国境地帯にあるアーハンブラ城に幽閉され、母親と同じくエルフが作った薬によって心を消される直前、才人達によって救出される。
[編集] ギーシュ・ド・グラモン
(声:櫻井孝宏)
- 二つ名は「青銅」。いつもバラの造花(実は魔法の杖)を口に咥えているキザな男。土系統の魔法を得意とする。土系統の魔法『錬金』でバラの花弁を青銅のゴーレムに練成し、戦わせるのが二つ名の由来だが、小心者で魔法もあまり上手くないドットメイジ。元帥を父に持ち、3人の兄がいる。家は名門だが、出征の度に見栄を張って大量の出費をしているので、あまり財はないらしい。使い魔はヴェルダンデ。
- 趣味はお洒落と公言する洒落者だが、ファッションセンスは最悪(普段学院で着ている胸の開いたブラウスとスラックスは、制服ではなく私服)。特技は彫金で、魔法を使わなくても素手で巨大な塑像を作れる程度には器用。またプロフィールには書かれていないが、「仲良くなった女の子の身体サイズを正確に暗記している」という隠れた特技を持っている。
- 女好きかつナルシストで口も上手く、どんなに臭い台詞であろうと平気で口にするが、ボキャブラリーは少ない。冷静に判断する者の評価は「カッコいいけれどちょっとバカ」、「クネクネしててマヌケ」、「キザな口だけ野郎」、「顔はいいけどおつむが足りない」などと散々なものだったりする。モンモランシーとは恋人同士だったが、浮気がバレて一時はフラレてしまったことも。だが、あちこちをフラフラしながらも結局はモンモランシーの元に帰ってくる辺り、実は一途なのかもしれない。当人はプレイポーイを気取っているが、最近では「モンモランシーの彼氏」という風評が定着してしまい、以前のようにモテてはいない様子。
- ハルケギニアに来て間もない才人を逆恨みして決闘を挑み、ゴーレムで容赦無く叩きのめして右腕、鼻などを折るなどの重傷を負わせるが、ガンダールヴの力に目覚めた才人にゴーレムを全て倒され、降参。以降は(彼なりに)才人に一目置くようになり、身分を越えた悪友とも言える仲となった。ちなみにアニメ版ではこれ以降、決闘の話を聞くと激しく動揺するようになってしまっている。
- 軍人の家に生まれただけあって、父の「命を惜しむな、名を惜しめ」という言葉を律儀に受け止めている。貴族としての体面を重んじるあまり、自分を心配してくれるモンモランシーを怒らせる事も度々ある。実力を弁えないその無鉄砲ぶりは、キュルケ曰く「戦場で真っ先に死ぬタイプ」。
- アルビオン戦役の際、副官の指揮によるものではあるが手柄を立て、勲章を貰う。更には後ろ盾の無い才人の為、彼に代わって近衛騎士隊「水精霊騎士隊(オンディーヌ)」の隊長に就任。家柄と戦果においては文句が無いので、アンリエッタもこれを了承した(この際、当人の人柄と能力と実績は無視されている)。歴史ある隊の隊長となった事に当初は困惑するも、隊のお披露目には生来の目立ちたがりぶりを如何なく発揮した。
- ルイズに同じく、『ダルタニャン物語』に同名のキャラクターが登場している。
[編集] モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ
(声:高橋美佳子)
- 二つ名は「香水」。トリステイン魔法学院の生徒で、ルイズの級友。水系統の魔法を得意とする。趣味は香水を作ることで、これが二つ名の由来にもなっている。彼女の香水は独特の香りがすると評判らしく、売り捌いては小遣い稼ぎをしている。ポーションの調合にも興味があるが、普通のものは作り飽きているらしく、コツコツ稼いだお金で秘薬の原料を買っては、稀に内緒で禁忌の薬を調合したりもする(一部のポーション制作は国法で禁じられている)。身長166サント、スリーサイズはB80/W58/H79と細身のスラリとした長身。特技は水泳だが、髪が濡れるので好きではない。使い魔はロビン。
- ギーシュと付き合っていたが浮気に激怒し、一度絶交した。しかし、内心ではまだ諦め切れておらず、結局は有耶無耶のまま元鞘に。そのバカップルぶりと苦悶ぶりから才人に「モンモン」(悶々?)という仇名を付けられたが、本人は気に入っていない様子。
- トリステイン貴族の娘の為に気位が高く、ルイズともよく衝突したが、身を挺して自分達を庇い倒れたコルベールに満足な治療魔法を施せなかったことから、水魔法の使い手として成長しようと決意。最近は、浮気性の才人にヤキモキするルイズに対し、恋愛の先輩ぶることもある。
- モンモランシー(Montmorency)はフランスでも最も古く著名な一家の名前の一つ。ラ・フェールは「ダルタニャン物語」で有名な三銃士アトスの真名。
[編集] その他の生徒
- マリコルヌ・ド・グランドプレ (声:時田光)
- 二つ名は「風上」。ルイズの級友で、彼女が魔法に失敗する度に「ゼロのルイズ」とからかっては「かぜっぴきのマリコルヌ」と言い返されていた小太りの少年。もっとも本編中、特に病弱らしい描写はないので、当人のガラガラ声に当て付けた中傷である模様。目下の者にはつい居丈高になってしまう典型的な貴族の坊っちゃん気質だが、本当は容姿にコンプレックスを持つ気の弱い少年で、ギーシュを負かした実力を持つ平民の才人に凄まれると、あっさり尻込みしてしまう一幕も。才人にプレゼントされた衣装を着たシエスタの姿にギーシュ共々脳髄を刺激されるが、才人やギーシュとは違って彼女がいない為、勢い余って禁断の趣味に目覚めてしまった模様。
- アルビオン戦役では、自分の気弱を直すべく積極的に軍に志願したが、一兵卒として敵味方入り混じる艦隊戦の真っ只中に叩き込まれ、様々な現実に直面しながらも何とか生き延びる。戦後は水精霊騎士隊の一員として、ギーシュや才人と行動を共にしている。
- なお、小説本編には出ていないが、アニメ版ではクヴァーシルという使い魔(フクロウ)を連れている。
- ド・ロレーヌ
- ルイズ達の同級生。風系統の高名なメイジを輩出する家の出身で、自身も風のラインメイジ。入学直後に自分よりも風の魔法を自在に操るタバサにプライドを傷付けられ、決闘を持ちかけるも返り討ちに遭う。それを根に持って、キュルケに彼氏を取られた女子グループと共に下劣な復讐を企む。結局、これにも失敗して学院中に大恥を晒してしまうが、その後も学院に在籍し続けている。もっとも、尊大なところは変わっていないようで、戦争での武勇談を語るギーシュに茶々を入れていた。
- ペリッソン (声:鈴木達央)
- ルイズ達の1学年上に当たる男子で、学年を問わず異性からの人気者。しかし本人は留学してきたキュルケに入れ込んでおり、新入生歓迎会では着飾ったキュルケをエスコートしていた(直後に鼻血を吹いて卒倒)。その後1年間ほどは他の男子同様、十把一絡げでキュルケのボーイフレンドだった。才人が魔法学院に在住してからはキュルケの興味がそちらに移ったので、破局したも同然の扱い。
- 美貌と才能に溢れる若者だが、いささか狭量な性格で、アルビオン戦役直後にはルイズの見舞いに来たジュリオを貴族ではないからと軽く見て、尊大に挑発していた。
- スティックス (声:武虎)
- ペリッソンと同学年の生徒で、野性的な顔立ちが特徴の色男。キュルケに何度もアタックしてようやく交際まで漕ぎ着けたが、デートの約束をした晩に当の彼女が才人を部屋に連れ込んだのを目撃。直後に押しかけ問い詰めるも、逆に炎撃で追い払われる。その時負った火傷が額に残っているが、魔法で綺麗に完治できるにもかかわらず敢えてそのままにしている事から、まだキュルケに未練がある模様。
- アルビオン戦役では、マリコルヌと同じ戦列艦に乗り合わせる。乗艦の教導士官にかつての敵国人であるボーウッドが就いているのが我慢できないらしく、物騒なことを企んでいた。
- ケティ・ド・ラ・ロッタ (声:大田久美子)
- ルイズ達の1学年下の生徒。二つ名は「燠火(おきび)」。特技はお菓子作り。小説1巻でギーシュに好意を寄せていたが、モンモランシーと二股を掛けられていた事を知り、破局。その後、才人がシュヴァリエに叙されると、主人のルイズや元彼のギーシュが近くに居るにもかかわらず、堂々と才人にビスケットを差し入れしようとしていた。純粋な少女に見えて、実は単なるミーハーの模様。なお、アニメ版では破局以降の出番は無い。「ダルタニャン物語」にダルタニャンに二股をかけられる同名の女性がおり、モデルと思われる。
[編集] 平民
- シエスタ (声:堀江由衣)
- トリステイン魔法学院で働く平民の17歳のメイド。メイドだけあって料理、裁縫、掃除といった家事全般は何でもこなせる。やや長めのボブカットにした黒い髪と瞳、少し低い鼻とそばかすがチャームポイント。身長は162サント、スリーサイズはB83/W60/H85で、プロポーションに関しては才人曰く「脱いだらスゴイ」とのこと。しかし、アニメ版ではそばかすが抹消された上、ルイズ達にも引けを取らない清楚な美少女顔へと変貌。プロポーションもスリーサイズ設定以上に艶かしいイメージで描かれており、第4話でのモット伯廷での入浴時は元より、第8話での才人との混浴時には手ブラで隠し切れない巨乳までもが露になった為、原作ファン(とルイズ)を驚かせた。
- 一見、従妹のジェシカより大人しそうだが、一度思い切ってしまえば彼女同様、キスや混浴などの大胆な行為も平気で行える性格。特に小説では、才人へのキスの際に自分から進んで舌を入れた(いわゆるディープキス)ほどで、彼さえ良ければ更なる大胆な行為も行わんばかりである。
- 最近意地の悪さがルイズに似てきたかもと自身で発言
- 曾祖父が才人同様に彼の居た別世界から来た日本人である為、曾孫に当たる彼女には、日本人の血が8分の1流れている。黒い髪と瞳は曾祖父の遺伝らしい。故郷・タルブ村の名物料理で、彼女の得意料理でもある「ヨシェナヴェ」(恐らく「寄せ鍋」)も、曽祖父が持ち込んだ名称。彼女は父から、父は曽祖父から作り方を教わったとのこと。
- 貴族を前にしても怖気ずに戦った(アニメ版ではモット伯から助けてくれたことも含む)才人に対して恋情を持っており、彼がルイズに冷遇されて食事を抜かれれば御飯を用意するなど、甲斐甲斐しくその世話をする。小説9巻にて、学院付きのメイドから貴族になった才人専属のメイドへと配置転換された為、才人争奪戦に正式参加中。なお、その際には「ご主人様とメイド」の関係におけるご無体なことを才人から受けたいという、妄想的願望を持っている模様。
- 酒乱。
- マルトー (声:魚建)
- トリステイン魔法学院アルヴィーズ食堂のコック長。気さくで豪快な平民の中年男性。魔法が使えるだけで傲慢に振る舞う貴族が大嫌い。貴族であるギーシュとの決闘に勝利しながらそれを鼻に掛けない才人のことを気に入り、「我らの剣」と称え、親交を結ぶ。
- 序盤の頃はシエスタ共々、ルイズに食事を抜かれた才人を厨房に招いては、賄い料理やワインで歓待していた。後にシュヴァリエに叙された才人のことを、「貴族に尻尾を振って出世した」と思い冷たく当たるが、それが勘違いと自らの嫉妬によるものと気付いて和解し、さらに親交を深め合うようになった。
[編集] 教師・関係者
- オスマン (声:青野武)
- トリステイン魔法学院の長を務めている老人。齢100歳とも300歳とも言われ、「オールド・オスマン」或いは「オスマン氏」と呼ばれる。一応は高名な大メイジであるが、小さな使い魔のモートソグニルを使い、秘書のロングビルにセクハラをしたり、それに纏わる暴言を吐いて足蹴にされたりと、普段の行動からは高名さを感じ取るのは困難。ましてや、ロングビルの正体がフーケであることも全く見抜けなかったくらいなので、実力の方も正直怪しい。お調子者のスケベ爺さんにしか見えないが胆力は備わっており、王宮の圧力や賊の襲撃に際しても生徒の安全を守る為に敢然と、或いは飄々と構えている。素性不明の美女ロングビルを秘書にしたのは、彼の独断。ちなみに、小説本編中で実際に魔法を行使するシーンは殆ど無い(1巻で才人とギーシュの決闘を見る為、自室の鏡に魔法をかけて画面代わりにしていた。過去には「レビテーション」を唱えようとして失敗し、大怪我をした経験もある模様)。
- ロングビル (声:木村亜希子)
- オスマンの秘書を務める23歳の知的美女。メイジでありながら貴族の名を無くし、酒場で働いているところをオスマンに見出され、彼の秘書となった。普段はクールだが、オスマンにセクハラされる度にコミカルな表情と過激なリアクションを見せる。しかし、その正体は高価な魔法の品を盗む女泥棒フーケで、素性はオスマンに取り入るための嘘だった。彼女が逮捕されて以来オスマンは不便を強いられているようで、秘書としての仕事振りは有能であった模様。
- シュヴルーズ (声:すずき紀子)
- 二つ名は「赤土」。トリステイン魔法学院の教師で、物語が始まって早々、ルイズの錬金魔法の失敗による爆発に巻き込まれてしまった不幸な女性。温厚な性格をしており、土系統の魔法を得意とするトライアングルメイジ。教師としてはそこそこ優秀であるらしく、学院で教材に使われている書物の幾つかは彼女の著作。爆発以降は大して出番にも恵まれず影が薄いが、才人が貴族として認められた際、元々の身分差にこだわることなく彼を祝福した数少ない学院教師の一人でもある。
- ギトー
- 二つ名は「疾風」。トリステイン魔法学院の教師で、風の魔法を教えている。四大魔法の中で「風」の系統こそが最も優れているという持論の持ち主で、それ以外の系統に属するメイジを軽く見る傾向がある。年齢は若いが不気味な雰囲気の持ち主で、いちいち気に触る物言いをする。入学間もないメイジの卵達に「今年の生徒は不作だ」と言い放つ一方で、既に優秀なメイジであるキュルケやタバサに関する情報を知らなかったりと、教育者らしからぬ言動や行動が目立つ。どうやら生徒の教育自体に関心が薄いらしく、実際に生徒からも人気は無い。
[編集] コルベール
(声:鈴木琢磨)
- 二つ名は「炎蛇」。トリステイン魔法学院の教師であり、才人のルーンが「ガンダールヴ」であることをいち早く突き止めた。火系統の魔法を得意とするトライアングルメイジで、魔法の更なる活用法を発見しようと日夜研究している。未だに独身だが、女性に興味が無いわけではない模様。研究の末、才人の居た別世界で言うところの内燃機関『エンジン』を発明したほど、別世界の技術には多大な興味を持っている。周りからは変人と呼ばれており当人も承知しているが、研究と教育に向ける強い信念は才人に大きな影響を与える。才人が最も頼りにし、尊敬している人物。かつては小隊を率いていた強力なメイジで、その頃は冷酷非情な行為でも命令とあらば顔色一つ変えず行っていた。ある時、疫病の為と命令されて村一つを完全に焼き払うが(ダングルテールの虐殺事件)、その命令の「真相」を知ったことで軍を抜け、身分を隠して教師となる。その事件が元で戦いを嫌い、自らにも戦う為の「火」を使うことを戒めている為、アルビオンと戦争になった時も他の男性教師とは違い、弱虫と蔑まれるのを承知で学院に残った。やがて傭兵となったかつての部下の襲撃に遭い、生徒を守る為に再び戦いの炎を使う。その中で銃士隊長アニエスを庇って命を落としたと思われていたが、それはコルベールをアニエスから守る為についたキュルケの嘘であった。その後は戦火を逃れてゲルマニアに渡り、キュルケの全面的バックアップを得て自己の発明の集大成、探検船「オストラント」号を建造する。上記の部隊の経験からか、およそ貴族らしからぬ戦い方をする。ダングルテール事件の際、ロマリアからの亡命者が所有していた炎のルビーと思われる宝石を入手しており、今も所持している。ちなみに、彼もフーケの正体を見抜けず、それどころか色仕掛けに目が眩み重要機密を洩らしてしまったことがある。名前の由来は17世紀フランスの財務総監、ジャン=バティスト・コルベール。
[編集] コルベールの発明品
- ゆかいな蛇くん
- コルベール先生の偉大なる新兵器第1弾。ゼロ戦の照準機付近に搭載され、起動すれば蛇の模型が出てきていかなる逆境の中でもパイロットと同乗者を応援し、勇気付けてくれる。実際に逆境の中で応援してもらった才人の感想は「あんのコッパゲ!」という、彼の感動をストレートに表現したものだった。
- 空飛ぶ蛇くん
- コルベール先生の偉大なる新兵器第2弾。氏曰く「自分の才能が恐ろしい」。火薬式ロケットで推進し、『ディテクトマジック』で魔力を探知してその方向へ誘導。近くに来たら爆発して爆風と破片を浴びせるという、要は魔法ホーミング機能と近接信管付のミサイルである。ゼロ戦への搭載時は主翼の下に取り付け、『ゆかいな蛇くん』の舌を引っ張ることで解放し、起動する。ただし、魔力を探知すると敵味方の区別無く突っ込んでいくのが難点。その為、誤射を起こしにくいように、ある程度の距離以内なら爆発しない安全装置が取り付けられている。アルビオンの竜騎士を突破したり、ガリアのガーゴイルをまとめて爆破するなど、多大な戦果を挙げている。ゼロ戦本体の飛行速度に及ばない為か、後ろ向きに発射するよう据え付けられていた。
- エンジン
- 鞴で気化させた油を内室に送り火の魔法で着火(発火装置は考案していたが製造できなかった)することで、中のクランクが断続的爆発で回転を続け、動力を生み出すという代物。要は初歩的な内燃機関。
- コルベールは自分の授業でこの試作機を生徒達に公開し、発展型は荷車や船すら動かせるという自説を披露したが、メイジである彼らの感想は「そんなの魔法を使えばいいじゃない」という、にべもないものだった。エンジンという名前は、同じ物を自分の世界で見知っている才人の発言から付けられた。
- 水蒸気機関
- 才人の持ち込んだゼロ戦のレシプロエンジンを分解整備することで、大出力エンジンの仕組みを理解したコルベールが開発した蒸気機関。燃料は「錬金」で生成するガソリンではなく、ハルケギニアでも採掘される石炭。「東方」号のメイン動力で、前方推進用のプロペラをこれで回転させる。
[編集] トリステイン王国の人々
[編集] 王族・関係者
- アンリエッタ (声:川澄綾子)
- トリステイン王国の王女(後に女王に即位)で、ルイズの幼馴染。水系統の魔法を扱う、17歳のトライアングルメイジ。身長は158サントで、スリーサイズはB84/W59/H85と、そこそこの巨乳の持ち主。好きな食べ物は角羊のスープ。趣味は変装で、平民に成り済ましたこともある。特技はダンス。
- 国王亡き後は国の象徴的存在となり、多忙な日々を送っている。レコン・キスタに滅ぼされたアルビオン王国の亡き皇太子・ウェールズとは、従兄妹の仲にして相思相愛の間柄だった。その復讐心から女王即位後に戦争を起こすが、復讐を終えても心に何も残らなかったことと、多くの人を死に追いやった罪の意識で苦しむ。レコン・キスタ絡みの事件ではメイジ不信に陥っており、有能な人材は身分を問わず登用するという政策を打ち立て、平民を積極的に取り立てるようになった。ルイズのことは心から信頼し、自分に無いものを持つ彼女に羨望を抱いている。
- 忠誠を誓うキスの意味を勘違いした才人に唇を奪われ、気が動転したことがあるが、後に追っ手から逃れる際には演技で自ら才人にキス(こちらはディープキス)をした。それらに加え、半ば自分の意志でウェールズの亡霊に付いていった自分を制止し、また一人でアルビオンの追撃部隊の中へ突撃して友軍の撤退を成功させたことなどから、次第に才人への想いが募るようになり、友たるルイズとの関係にも多少の変化が訪れる。なお、アニメ版では才人に唇を奪われた際に動転どころか失神してしまうも、すぐに平常心を取り戻した。その後、彼のことはルイズの頼もしい使い魔としか認識していない様子。レコン・キスタとの戦争で勝利を収めた後は、ルイズを初め、活躍した者達に勲章を授与していった。
- ちなみに、シエスタ以上キュルケ未満というその巨乳は、目前で着替えられた才人曰く「やっぱり女王だ、胸も女王なんだ」。しかしアニメ版では、ウェールズの遺志を継いでトリステイン軍の指揮を自ら執る際に装備した鎧が、大胆にもハイレグレオタードにハーフカップブラを被せただけのような、胸の谷間や素肌を半ば露出させたデザインだったこともあり、見た目はキュルケとほぼ同等に描かれている。
- マリアンヌ (声:すずき紀子)
- トリステイン王国の大后にして、アンリエッタの実母。夫である国王が崩御した後、彼女が女王として即位する道もあったが、彼女は王妃としての立場を貫き、自ら玉座に座ることは無かった。王座が空位だった頃は、家臣や国民から「女王陛下」と呼ばれていたようだが(アンリエッタ即位前に呼称が度々登場)、本人は頑なに否定した様子。3巻ではウェールズを喪い、愛してもいないゲルマニア皇帝の下へ嫁ごうとする娘を慰める。しかしそれは、遠からず戦になる時勢では軍事大国のゲルマニアに居た方が娘の為だ、という母心でもあった。同盟策が流れ、アンリエッタ自らがトリステインの女王となってからは隠遁。前王の喪に服し続ける一方で、政治には一切口を挟んでいない。最近は出番そのものにも恵まれていないので、その動向は全く不明である。
- 彼女の夫であった先代トリステイン王は、レコン・キスタとの戦争で亡くなったアルビオン王の実弟。マリアンヌの諸々の扱いから推察するに、どうも彼はトリステイン王家の血を引くマリアンヌの下に婿入り婚してきたものと思われる。
- マザリーニ
- アンリエッタを補佐するトリステインの枢機卿で、政務の多くを担う人物。忠誠心が高く、悪い人物ではないが、王位が空席だった頃に国を乗っ取ろうとしたなどのありもしない噂を囁かれた為、国民の人気は低い。まだ四十路だが身体は痩せこけており、頭髪も髭も真っ白。指も骨ばっており、年齢よりも遥かに老けて見える為、民衆からは「鳥の骨」などと揶揄された呼び名で呼ばれている。アルビオン戦役後は王の重責を自覚したアンリエッタの姿に満足し、彼女の後役に退こうと考えている。
- 国を愛するが故にアンリエッタに諫言をすることも多いが、実は本人はトリステインではなくロマリアの出身。枢機卿が我々の世界と同等の役職だとすれば、立場上本来は教皇を補佐してトリステインとロマリアのパイプ役になるべきだが、作中描写を見る限りでは当人は行動面も心情面でもあくまでトリステインの政治家として、アンリエッタを助けながら立派な女王として導く事に徹している。
[編集] 貴族
- ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド (声:志村知幸 / 青年時代:鈴木達央)
- 二つ名は「閃光」。ラ・ヴァリエール公爵領の隣に土地を持つ子爵家の当主にして、風系統の魔法を得意とする26歳のスクウェアメイジ。強力な風の魔法だけでなく、剣技もガンダールヴの力を発揮した才人すら圧倒するほどの実力の持ち主。
- 親同士が冗談交じりに決めたとはいえルイズの許婚で、幼少のルイズにとっては言わば『理想の王子さま』だった。10年前に父が戦死した後は領地を家臣に任せ、メイジの実力を高めるべく魔法衛士隊の見習いに入る。修業の末、トリステイン王国に3つある魔法衛士隊の1つ「グリフォン隊」の隊長にまで栄達し、マザリーニ枢機卿の覚えもめでたい貴族に出世した。しかし心の内は相当な野心家のようで、何らかの事件がきっかけで以前から「力」を渇望するあまり、祖国を裏切ってレコン・キスタに身を投じる。再会したルイズに熱心にアプローチしたのも、ヴァリエール家の権勢や財力ではなく、彼女自身のまだ目覚めていない強力なメイジの力を欲したからでもあった。実はルイズよりも早く才人がガンダールヴである事を知っていたが、彼がどうやって情報を手に入れたかは謎。
- 彼が肌身離さず持っているペンダントには、彼の母親の肖像が入っている(父親より以前に没した。ワルドの野心に関係ある模様)。誰に対してもクールに振舞うが、自分に関係のない事はさっさと忘れてしまう。その一方、影で焦りや苛立ちが言動に出る事もあり、フーケなどはそれが魅力的に思える様子。怒りでガンダールヴの真価を発揮した才人に左腕を斬り落とされた後は義手を着けているが、それでも義手で竜の手綱を操りながら魔法を唱えられるほど。グリフォンと風竜の使い手というイメージがあるが、当人はレコン・キスタ入りするまで竜を操った経験は無い。
- アニメ版ではトリステインとの戦争で、才人の乗ったゼロ戦を攻撃魔法で中破させるなど追い詰めはしたが、ルイズの虚無の魔法によって吹き飛ばされてしまった。その後の生死は不明。ちなみにワルドが逐電した後、子爵領は魔法衛士隊によって差し押さえられている。名の由来は『社会契約論』で有名なジャン=ジャック・ルソーからか。ワルドの名は「ダルタニャン物語」のワルド伯爵からだろう。
- アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン
- トリステイン銃士隊隊長。メイジ不信に陥ったアンリエッタが信頼する腹心。メイジ殺しで、剣と銃の相当な使い手。元は平民だったが、メイジ以外の部下を求めるアンリエッタによりシュヴァリエの称号を与えられ、貴族となる。鉄の塊とも評されるほどのお堅い生真面目な軍人だが、地の性格はドSな上、才人達をからかって楽しんでいる節がある。行方不明の才人を捜し当て、休暇がてら滞在したウエストウッド村では、デルフリンガーと歓談していたりもする。
- かつて王国に理不尽に焼き払われた村の唯一の生き残りで、今の地位に上り詰めたのも全ては復讐の為。部隊の指揮官だったコルベールはその標的の一人で、私欲から作戦を立案命令した者達と並ぶ最大の復讐相手。トリステイン魔法学院が襲撃された際にコルベールは死んだものと思い込み、一時期はアンリエッタと同様に心の空洞を持て余していたが、10巻にて国外脱出を図る一行の中で彼と再会。コルベールと自分自身に相通じるものがあると悟った事で、長年の復讐に対して重大な決心を行った。
- エレオノール
- ルイズの姉にしてラ・ヴァリエール公爵家の長女。普段は王立魔法研究所(アカデミー)の研究員として、王都に勤めている。大貴族の令嬢らしく身分や格式の類にはとにかく厳しい為、ルイズの使い魔である才人を文字どおり何とも思っていない。ルイズの傲慢ぶりを拡大したような激しい気性の持ち主で、その為か最近婚約を解消されている。久々に会ったルイズを「ちびルイズ」呼ばわりしては、事ある毎に頬をつねっている。髪の色は父譲りの金髪。ルイズには「姉さま」と呼ばれるが、これは「ねえさま」ではなく「あねさま」と発音することもあるようだ。
- カトレア
- ルイズのすぐ上の姉で、ラ・ヴァリエール公爵家の次女。ルイズ同様桃色がかったブロンドの持ち主で、妹の面差しを穏やかに、女性らしく成熟したプロポーションは才人のストライクゾーンど真ん中に相当。見れば見るほど外見はルイズにそっくりだが、妹と違って性格はおっとりとしており、しかも持病の為に身体が弱い。ルイズにとって憧れの存在「ちいねえさま」であり、良き理解者でもある。非常に勘の鋭い女性で、サイトが異世界人であることを勘付いた。ラ・ヴァリエール家の中で唯一、ルイズと才人の互いの想いを見抜き、しかも両者の仲を応援している。
- 傷付いた動物を発見しては拾い手当てしている為、彼女の馬車や部屋の中は動物園と化している。彼女の持病は原因不明の奇病らしく、子供の頃からラ・ヴァリエールの領地を一歩も出たことは無い。魔法の実力はあるようだが(系統・クラスは不明だが、遠距離からの『錬金』を使っていたことから『土』の可能性が高い)、それは彼女の身体に大きな負担を与えてしまう。
- ラ・ヴァリエール公爵
- ルイズの父親にして、トリステイン大貴族家の当主。ゲルマニアとの国境に面するその領地は広大で、領境から屋敷まで馬車で半日もかかるほど。冷静な戦略眼の持ち主で、アンリエッタのアルビオン侵攻を無謀と判断し、自領からの諸侯軍派兵を渋っていた。高齢を理由に軍務からは退いており、自領の軍を出さないのは自分に代わって兵を率いる跡取り息子が居ないからでもあった。なお、終戦まで彼がこの態度を突き通したのかは不明。トリステイン王国の貴族制度の従軍義務は作中で説明されていない為、中世ヨーロッパのように軍役免除税(scutage)を納めて解決したのか、派兵したのか、そもそも従軍義務自体存在しない志願制なのかも不明である。
- 自分の娘達にも厳しい父であり、魔法が使えないルイズが従軍すると宣言した時には、王命に反してでも謹慎させようとしたほど。自分の目前でルイズを押し倒した才人に対しては、「打ち首&1ヶ月の晒し首」を宣告している。
- 公爵家というだけあって家系を辿れば、トリステイン王家と親戚関係に当たる。その為、ルイズは王家の秘密「虚無」の力に目覚めた。自分を丸め込む為にルイズが「火系統の魔法に目覚めた」と嘘をつくと、実に複雑なリアクションを返していたので、ラ・ヴァリエール家には複雑な事情があるらしい。
- ラ・ヴァリエール公爵夫人
- ルイズ達の母親。目付きの鋭い高飛車オーラ漂う人物で、長年人に傅かれてきた故の貫禄に満ちている。ルイズとカトレアの桃色がかったブロンドはこの母親からの遺伝。夫であるヴァリエール公爵の物騒な発言を聞いて、宮廷での社交に影響しないか心配していたが、表情は涼しいままだったので実際のところあまり気にしていないのかもしれない。
- 小説3巻冒頭でアンリエッタとの面会を求めるルイズが詰め寄った魔法衛士隊の隊長は、ルイズの事を「目元が母上に似ていらっしゃる」と評していた。公爵夫人が近衛の人間に顔を覚えられる程度には王宮に出入りしている事、ルイズの怒り顔は間違いなく母親譲りである事が伺える。
- バーガンディ伯爵
- 小説6巻に名前だけ出てきた貴族。エレオノールの元婚約者。「もう限界」と言い残して婚約を解消した。家柄にうるさいヴァリエール家の長女と交際を認められていた事から、それなりの人物と推察される。跡取り息子の居ない公爵家の長女と(多分入り婿として)結婚すれば、行く行くは公爵家の実権を握れたかもしれないのに、その遥か前段階で退場してしまった。気性の激しいエレオノールと付き合う事の難しさを知らしめたエピソードである。
- チュレンヌ (声:魚建)
- トリスタニアで徴税官を務めている貴族。権力と魔法(クラスは不明)を傘に着る横暴さで部下共々税を集めて回る上、女癖も悪い為、町の者は誰も寄り付きたがらない。任務上ウェイトレスに扮したルイズ(とその貧乳)を散々扱き下ろすが、ブチ切れた彼女に王宮の書状を見せられると即態度を軟化させ、徴税全てを置いて退散したことから、大変な臆病者でもある模様。
- リッシュモン
- トリステインの貴族にして王国の司法権を担う「高等法院」の長(ちなみに、行政権は王政府が担当)。30年に渡って王家に仕える政治家で、即位間もないアンリエッタも絶大な信頼を寄せていた。だがその裏の顔は、自らの職権を乱用して賄賂を貪欲に集め、莫大な財を成した強欲な男で、しかも賄賂を貰う相手は国内の人間に留まらなかった。真実を知ったアンリエッタに罷免された上、逃亡中のところを過去の犠牲者でもあるアニエスの剣で成敗され、最期を迎える。
- ド・ポワチエ
- トリステイン・ゲルマニア連合軍の総司令官。トリステインの軍隊における階級は大将。しかし、名将という言葉には程遠い人物であり、自己の元帥昇進のライバルを味方の布陣から遠ざけている。ルイズの「虚無」の力に助けられながらアルビオン侵攻を連戦連勝で成し遂げた功で、首都攻略を前に元帥昇進が内定したが、前祝に贈られた新品の元帥杖と共に戦死。
- ルネ・フォンク
- トリステインの下級貴族の出身で、金髪と小太りの体型が特徴的な17歳の少年。見習いから急遽格上げされてアルビオン侵攻戦に参加した竜騎士で、似たような境遇の少年騎士達が集まった竜騎士隊第2中隊(10頭規模)の隊長。貴族として任務と名誉の為に命を落とす事も厭わないが、空を飛ぶ仲間に上下はないと、才人と対等に付き合っていた。戦闘中に騎竜ヴィルカンごと深手を負って撃墜されるも、全滅した中隊の仲間もろとも奇跡の生還を果たす。戦争後は新たに風竜リュストーを得て、首都警護竜騎士連隊に所属。年頃の少年らしく地は結構陽気で下品だが、故郷には恋人が居るらしい。
- デムリ
- トリステイン王国の財務卿として国庫を管理する人物。気配りに富んだ人物であるらしく、前線のド・ポワチエに元帥杖を送ったり、一度は売却するようアンリエッタから渡された『風のルビー』を手元に残しておくなど、粋な計らいを度々行っている。
- ジュール・ド・モット (声:松本保典)
- アニメオリジナルキャラクターで、第4話に登場。二つ名は「波濤」。王宮の勅使としてトリステイン魔法学院を訪れては、平民の若く美しい娘に目を着けると自分の屋敷に買い入れ、夜の相手込みのメイドとして雇っているスケベな中年貴族。水のトライアングルメイジとして魔法にも長けており、シエスタを奪還しようと乗り込んできた才人を容易く翻弄した。メイドに就いて早々のシエスタを湯浴みさせ、その身体を味わおうと目論んだが、キュルケが献上したツェルプストー家秘蔵の書物(実は才人が居た異世界から流れ着いていた、古いグラビア雑誌)に気を良くして才人共々開放するなど、大の書物マニアでもある。ちなみに出番は第4話だけに終わらず、最終回ではルイズ達の勲章授与シーンの背景にも登場していた。
[編集] 平民
- ジェシカ (声:樋口あかり)
- トリステインの首都トリスタニアの平民で、チクトンネ街にある大衆酒場兼宿場『魅惑の妖精亭』を父のスカロンと共に切り盛りしている、16歳の看板娘。ウェイトレス達が男性客からのチップ額を競う「チップレース」で実質トップに立つなど、名実共に店でNo.1の存在でもある。サバサバした性格で悪い人間ではないが、お金にはとにかくうるさいタイプで、好奇心も旺盛。シエスタの母方の従妹であり、彼女にも日本人の血が8分の1は流れている為か、黒い瞳と尻まで届く長い黒髪を持っている。なお、スリーサイズは不明だが、胸はシエスタよりも大きく、キュルケ並みの巨乳。しかも、店で着ている給仕服がキュルケ以上に胸元の上半分を完全露出させたデザインの上、その下にはブラジャーも着けていない(ハルケギニアの服飾文化には、ブラジャーの概念そのものが存在しない)ので、激しく動いたり深く前屈したりする度、その巨乳は今にも零れんばかりに揺れることとなる。
- 仕事柄か、身体で男を魅了する術にも長けている。洗い場で知り合った才人を気に入り、彼が巨乳に弱いと知るやルイズのことを聞き出すついでに身体の仲も深めようと画策。酒場の2階にある自室のベッドで、気絶から目覚めた彼に圧し掛かって巨乳の谷間を自慢気に見せ付けたり、更には彼の手を取ると、前屈みでほぼ露となった胸肌を直に触らせようとしていた。
- ちなみに、アニメ版では設定そのものは原作同様だが、シエスタの従妹であることは語られてなく、第7話限りのゲストに終わっている。
- スカロン (声:後藤哲夫)
- ジェシカの父で『魅惑の妖精亭』の店長。ボディービルダー級の体格とオネエ言葉、肌にピチピチの衣装とクネクネした物腰から見て取れるように、見事なまでのオカマ。娘のジェシカ曰く、「死んだ妻の分も娘を可愛がるよう努力した結果」とのこと。店の従業員には「店長」ではなく「ミ・マドモワゼル」と呼ばせている。もっとも、長年に渡って店を経営できているだけのことはあり、人を見る目は一流。どう見ても貴族的態度かつ物腰であるルイズを、何も詮索せずに雇ったりするなど、内面は立派に男らしい気質の持ち主である。
- ちなみに、店代々の秘宝で店名の由来にもなった『魅惑の妖精のビスチェ』は、約400年前に時のトリステイン王から店の給仕娘に贈られた、マジックアイテム。
- ニコラ
- トリステイン王軍に雇われた傭兵。日焼けした肌を持つ中年の小男で、所属はド・ヴィヌイーユ独立銃歩兵大隊第二鉄砲中隊。階級は軍曹。直属の上司に当たる中隊長が戦争前に脱走した為、士官教育を受け急遽配属されたギーシュの中隊付軍曹(事実上の副官)に就いた。最前線に立つ同大隊は、戦闘に疎い貴族に代わって彼が事実上の指揮官だった模様。歴戦の傭兵らしく、メイジや亜人の入り混じった戦場の機微をよく理解している。サウスゴータ攻略戦では鉄砲隊の指揮など執ったこともないギーシュをよく補佐し、サウスゴータ一番槍という、ギーシュの武勲のまたとない貢献者となる。
- 佐々木武雄(ささき たけお)
- 故人。本編の約60年前にハルケギニアに漂着した地球人で、シエスタとジェシカの曽祖父に当たる。当時の大日本帝国海軍の士官で、階級は少尉。理由は不明だが、ゼロ戦で飛行中のところをハルケギニアに迷い込み、広大な草原を持つトリステイン王国のタルブ村付近にガス欠で不時着した。異世界に迷い込んだものの還る方法は当然不明、ゼロ戦に入れるガソリンも入手不可(ハルケギニアでは原料の石油の採掘も精製も確立されていない)の為、現地民に混じって生涯を異境の地で送った。
- 大層器用な人物らしく、自らが持ち込んだゼロ戦を『竜の羽衣』として、村外れに自作した寺院(本文描写によると、どうやら鳥居と注連縄で飾られた木造の格納庫らしい)に安置した。終生これを大事に扱っていた変人ぶりで知られていたが、それ以外では働き者として村に貢献し、ついに結婚し子を残すまでに至った。自らの出自や故郷については語らず、死ぬ間際に自らの墓石を日本語で刻み、「これを読めた者に『竜の羽衣』を譲る」との旨を言い遺した。加えて、「(天皇)陛下にお返ししてくれ」とも言い遺したが、これは当時の日本軍では、兵器は天皇から貸与されたもの(ゆえに大切にせよ)と認識するべく教育されていたことによる。
- 名前の由来は1945年8月15日に当時の首相鈴木貫太郎宅を襲撃した陸軍大尉佐々木武雄だと思われる。
[編集] アルビオン王国の人々
[編集] 王族・関係者
- ウェールズ・テューダー (声:山中真尋)
- アルビオン王国の皇太子で、国内外に「プリンス・オブ・ウェールズ」の名で知られている。また、描写は少ないがトライアングルクラスの風魔法も操れる。
- アンリエッタの従兄に当たる金髪の美青年で、決して誰にも言えなかったが二人は相思相愛の間柄だった。レコン・キスタとの決戦前夜、ルイズから渡されたアンリエッタの手紙でトリステインへの亡命を勧められるも、彼女の立場を思いやり、王女の気遣いを決して他者に明かさないまま玉砕の意志を貫く。篭城するニューカッスルの城でレコン・キスタの密命を帯びたワルドに暗殺されるが、クロムウェルの持つ「アンドバリの指輪」により、生前の記憶を持ったまま動く死体となって復活。クロムウェルの卑劣な策略の道具となるも、最期は正気を取り戻してアンリエッタに寄り添いながら、永遠の眠りに就く。遺体はアンリエッタの魔法によって、湖の奥深くへと葬られた。
- アニメ版では、ワルドとルイズの結婚式に使った教会でワルドに暗殺されるが、遺体は復活させられることなく、焼け崩れる教会と運命を共にした。
- 名の由来はイギリスの地方ウェールズ、姓の由来はイギリスの王朝の一つ、テューダー朝と思われる。
- オリヴァー・クロムウェル (声:斉藤次郎)
- 元はアルビオン王国の大司教だったが、レコン・キスタ軍の総司令官となってアルビオン王国を滅ぼし、神聖アルビオン共和国を樹立した痩せ男。メイジではなく、神聖皇帝として指導者の立場にあるが、実際は秘書のシェフィールドを通じたガリア王の傀儡に過ぎない。トリステイン・ゲルマニア連合によるアルビオン進撃を退けるも、続いて進軍してきた味方である筈のガリア軍により、ロサイスの司令部ごと葬られた。
- アニメ版では戦艦を撃墜された後、アンドバリの指輪でタバサとキュルケの動きを封じて意のままに操ろうと苦しめるが、たまたま後ろから近付いていたギーシュに杖で叩かれただけで昏倒するという、滑稽な結末を迎える。持っていたアンドバリの指輪は奪い返され、タバサが所持することになった。
- 名前の由来は17世紀イギリスの政治家、オリバー・クロムウェル。
[編集] 軍人
- サー・ヘンリ・ボーウッド
- アルビオン王国の軍人。レコン・キスタの蜂起時に貴族派の艦を指揮した戦功で昇進し、王党派から接収した大型戦艦『レキシントン』(旧名『ロイヤル・ソヴリン』)の艦長になる。心情的にはアルビオン王国と王族を支持しているが、軍人は政治家に従うべきという考え故に、心ならずもレコン・キスタに与している。戦術指揮においては私情を差し挟まない優秀な軍人で、タルブの降下戦ではトリステイン軍を終始圧倒した。しかし突如現れた閃光(ルイズの「虚無」)でレキシントン以下、指揮する艦隊全てを行動不能にさせられ、トリステインの捕虜になった。一度は軍人を辞することも考えていたようだが、紆余曲折の果てにトリステインのアルビオン侵攻において、トリステイン空軍の教導士官に転職。歴戦の軍人として、トリステイン軍を助けた。
- ホーキンス
- アルビオン王国の将軍。トリステイン・ゲルマニア連合軍によるアルビオン侵攻に対して、迎撃の指揮を執る。シェフィールドの陥穽によって総崩れになった連合軍を7万の大軍で追撃するも、ロサイス郊外にて決死の突撃を敢行した才人によって阻まれた。自分の目前で力尽きた才人を「英雄」と称え、その健闘と勇気を率直に賞賛し、羨んでもいた武人。戦後は指導者を失ったアルビオンの全権大使になりながらも、堂々とした態度でアルビオンの矜持を守った。アンリエッタは、行方不明になっていた才人の戦いぶりを、彼の口から初めて聞くこととなる。
[編集] その他
- ティファニア
- アルビオンの空軍基地ロサイスから北東に50リーグほど離れた森にある、サウスゴータ地方のウエストウッド村にひっそりと住んでいるハーフエルフ。父親は王弟にして財務監督官だった大公で、母親はその妾のエルフ(つまり、ウェールズの従妹に当たる)。滅ぼされたテューダー王家の血を引く(恐らく最後の)生き残りにして、虚無の担い手の一人でもある。エルフの血が入っている為に村の外に出ることができない、かなりの世間知らず。なお、ガンダールヴ、ヴェンダールヴ、ミョズニトニルンはそれぞれに該当するらしき人物が登場している為、本編に度々出てくる、名前を記すことも憚られる虚無の使い魔の主人となる可能性がある。
- 金色の髪に尖った耳を持ち、ルイズ曰く「とんでもない美少女」。身体が細いにもかかわらず相当な巨乳で、その大きさは才人曰く「胸革命(バストレヴォリューション)」、ルイズ曰く「胸っぽい何か」と定義されるほどで、キュルケをも上回っている様子。今まで村の子供以外と接する機会が極端に少なかった為、「胸が標準より大きすぎる」ことについては気付いていなかったが、才人達との出会いでようやくその事に気付き、密かな悩みになり始めている。
- 生まれて初めての同世代の友人となった才人は特別な相手に当たるようで、未だ恋愛感情には到っていないが、いつ至ってもおかしくない状態。また、住んでいる地やその過去から、どうやらフーケの家の事情に関係しているらしいことが作中で匂わされている。
- 短く「テファ」と呼ばれる際は何故か「ィ」が抜ける。
[編集] ガリア王国の人々
- ジョゼフ一世
- ガリア王国の王。当年45歳だが、30歳前後にしか見えない美貌と逞しい肉体の持ち主。青い美髭が特徴(小説の挿絵・アニメともビジュアル的な出番は無いが、小説イラストレーターの兎塚エイジのスケッチによれば、短く刈った顎鬚が特徴的な線の太い偉丈夫タイプに描かれている)。容姿端麗な一方で魔法の才には乏しく、国内外に知られた無能者という評判の国王である。しかし実際には世界全てを己の掌の如く操る程の鬼謀を持ち、ハルケギニアでは人間から恐れられている存在であるエルフと内密に手を結ぶ等、その手腕は他国の王や皇帝の追随を許さない。その上、虚無魔法を行使出来る4人のうちの一人でもあり、使い魔としてミョズニトニルンのシェフィールド、始祖のオルゴール、始祖の香炉、土のルビーを有している。
- 虚無魔法の使い手として生まれて来たが、当時はその事に気付いてはいなかったため、幾ら魔法を行使しても失敗していたが、オルレアン公は魔法の才に恵まれており、圧倒的な差を付けられていた。ジョゼフも「お前は誰よりも魔法の才に優れていた」と回想する程であった。そのため、周囲の人間は皆オルレアン公が王の座に着く事を望んでいた。オルレアン公からはいつも「兄さんは目覚めていないだけ」「いつか僕よりもっと凄い事が出来る」と励まされてきたが、その度にジョゼフは惨めな気持ちになった。父王崩御の直前、自身が王になる事を遺言で告げられた時、オルレアン公より心の底から祝福された事から強烈な憎しみをオルレアン公に抱く。その憎しみがオルレアン公暗殺に繋がり、ジョゼフ自ら暗殺の毒矢を射た。さらにオルレアン公の娘であるシャルロット(タバサ)を排除しようとするが、王弟妃挺身の助命嘆願を叶えた。王弟妃はラグドリアン湖付近にある屋敷に幽閉し、シャルロットには北方花壇騎士として危険な任務にあたらせ、厄介者払いとしてトリステインに留学させる。問題事が持ち上がれば呼び寄せ、危険な任務にあたらせた。小説9巻で才人達を裏切って強襲する様命じたが、ついに反旗を翻される。しかしエルフのビダーシャルに捕らえさせ、アーハンブラ城に幽閉させた上で、母親と同じ様に心を破壊させようとするが、才人達に救出される。
- オルレアン公を憎しみのあまり暗殺した事を、ジョゼフ自身は非常に後悔しているらしく、持て余した感情をハルケギニア全てにぶつける事で静めているらしい。その様子からは世界全てに対する憎しみとも取れる激情が渦巻いている。
- イザベラ
- ガリア王国の王女で、ジョゼフの娘(母親は未登場につき詳細不明)。王家の特徴である青い髪を持つ高貴な美貌を持つが、その所作も人格も王家が持つべき高貴さとは程遠い。ジョゼフに輪をかけて陰険かつ酷薄な性格をしており、侍女や衛士にまで傲慢なヒステリー娘として恐れ知られているが、それは簒奪同然に現在の地位を得た自分はいつ寝首を掻かれるかわからないという、恐怖心の裏返しによるもの。
- 退屈しのぎ同然に公職を求めた結果、公には存在しない裏組織『ガリア北花壇騎士団』の団長をジョゼフから与えられた。本人はこの人事が不満らしく、互いに顔も知らない団員達を呼びつけては大小さまざまな汚れ仕事を命令する。
- 魔法の才能が殆ど無い故(イザベラ自身が魔法を使う描写は無く、水の魔法が多少使える程度の模様)、若くしてトライアングルメイジとなった従妹のシャルロット(タバサ)に対してはとりわけ強烈なコンプレックスを抱いている。血族の情を欠片も見せない彼女への非道な仕打ちは日常化しているが、それが自分の人望をますます貶め、恨まれる要因となっていることには気付いていない。誰も口には出さないが、王宮内外においてシャルロットのシンパは少なくない、と言うより多い。
- ペルスラン(声:田原アルノ)
- ジョゼフの陰謀で当主を失い没落した、オルレアン公の屋敷を守る老執事。家紋に不名誉印を刻まれ、心を病んだオルレアン王弟妃(タバサの母)が住む屋敷を恐らくは一人で管理している。ガリア王宮からシャルロット(タバサ)にもたらされる「密命」は彼を通じて渡される場合もある。実の伯父が親を亡くした姪を牛馬のように扱き使う惨状(ジョゼフ父娘はタバサを「人形」と見なしているので、実状はそれ以下である)を慨嘆している。キュルケがタバサにくっ付き押しかけてきた際には、シャルロットが心許す友と見込み、実家の事情と「タバサ」の名の由来を打ち明けた。
- モリエール夫人
- ガリア王宮に伺候する貴婦人にして、ジョゼフの愛人。ジョゼフの美貌を愛しているが、内面に関しては政争の果てに心を病んだ可哀想な人と思っている。ジョゼフとの付き合いは大抵子供の遊び相手レベルだが、彼の寝室で夜を共にすることもある。ジョゼフの戯れでガリア花壇騎士団の団長に叙されるが、子供っぽい王の狂気じみた影に慄いてもいる。なお、ジョゼフへの政治的野心があるかどうかは不明。
- シェフィールド
- クロムウェルの秘書たる黒髪の女性で、普段はフードで顔を隠している。聖地の彼方、東方「ロバ・アル・カリイエ」の出身という触れ込みで、レコン・キスタに様々な新技術を提供していた。その正体は、ガリア王ジョゼフの契約を受けた虚無の使い魔『ミョズニトニルン』で、ジョゼフの命令を妄愛的にこなす存在。裏では彼女自身、クロムウェルを下僕のように扱っている。自身はメイジではないが、使い魔の能力を使ってあらゆるマジックアイテムを自在に使いこなす。同時に使えるアイテム数に制限は無いらしく、複数のアイテムを駆使した達人級のメイジにもできない戦い方が可能。ミョズニトニルンのルーンは額に刻まれている。
- ジョゼフが度々話し掛ける人形『黒のミューズ(女神)』とは恐らく彼女のこと。使い魔と主人は感覚を共有することもできるので、ジョゼフは人形に話し掛けるふりをして、シェフィールドに命令している模様。名前の由来はイギリスの地名『シェフィールド』。
- バッソ・カステルモール
- ガリア東薔薇騎士団に所属するガリア花壇騎士。若いながらもタバサですら習得していない高度な系統魔法「フェイス・チェンジ」を使って、タバサを行幸するイザベラの影武者に仕立てる。イザベラの意地悪に無反応なタバサの態度を無礼であるとし、イザベラの前で杖を抜いて難詰した事もあるが、実際にはオルレアン公とその娘であるタバサに絶対の忠誠を誓っている様である。詰問したのは芝居であった。高潔ながらも用心深い騎士で、彼の真意は東薔薇騎士団の総意でもある。
- オリヴァン・ド・ロナル
- ガリアの名門伯爵家の跡取り息子で、王都リュティスの魔法学院に通う学生。しかし同級生のイジメにあって現在は不登校。彼を復学させるためにトライアングルメイジのタバサを呼びつけるあたりに、現在のガリア宮廷の腐敗と混迷ぶりが伺える。
- 母親譲りの太った体格と甘やかされて育った性格ゆえ、一切の世話を侍女のアネットに行わせて自室に篭もっている。物語の英雄に憧れながらも、魔法の才能が無い実際の自分とのギャップにどうしようもない気持ちを抱いている。孤独の中でもがく様子に、自身と魔法が使えないクラスメイトの姿を見たタバサは不承不承にオリヴァンを手助けする。
- セレスタン
- もとはタバサ同様のガリア北花壇騎士だが、他の花壇騎士とトラブルを起こして首になったメイジ。落ちぶれた末に現在は傭兵となっている。タバサの助けを借りて有頂天になるオリヴァンに決闘を持ちかけた貴族子弟に雇われ、タバサと代理同士の決闘を行う。容姿も態度も騎士らしくないが、花壇騎士を名乗ったタバサに騎士の作法で応えるなど律儀な面も見せる。
- 外伝1巻(時系列では本編1巻と同時期)に登場した人物だが、本編6巻にも同名の傭兵メイジが登場する。同一人物かどうかは不明だが、こちらのセレスタンはメンヌヴィル配下のメイジとして魔法学院に夜襲をかけるも、駐留していたアニエスの機転によって死亡。
[編集] その他の人々
- フーケ
- トリステインをはじめ各国の貴族に知られるメイジの盗賊で、二つ名は「土くれ」。これは盗みを働く際には錬金魔法を使い、防御魔法のかかった壁などを土くれに変える為に付いたもの。貴族が大事に持っている秘宝、特に稀少なマジックアイテムを好んで狙うが、これは金やアイテムの威力目当てではなく、大事なものを盗まれた貴族たちの慌てふためく様を見るのが大好きだから。盗んだ跡には領収のサインを大書していく事から、怪盗や愉快犯の類といって良いだろう。
- 夜陰に紛れて目当ての品を失敬するだけでなく、身の丈30メイルにも及ぶ巨大な土ゴーレム(これは作中でも最大クラスの大きさ)を作り出して大々的な破壊活動の末に強奪する事もある。魔法の実力はトライアングルクラスだが、体術にも相当の心得がある。
- トリステイン魔法学院の秘宝「破壊の杖」を狙い、ロングビルとなって学院長オスマンの秘書として潜り込んだ。「破壊の杖」を盗み出し、更には使い方を知る為にルイズ達を誘い出して始末しようと目論んだが、土ゴーレムはガンダールヴの力が発動した才人によって撃破され、隙を見て奪った「破壊の杖」も(単発式だった為に)使えずに怯んだところを才人の当身を食らって牢獄行きとなる。極刑を待つ身となるも、レコン・キスタに与する貴族(明確にはされてないが、ワルド本人か彼の分身)によって脱獄を手引きされ、クロムウェルに仕える一人となった。以後ワルドと共に暗躍する事が多くなるが、フーケ本人はワルドの野心的で意外と熱いところに牽かれるものがあるらしい。トリステインとの戦争にも参加していたが、シェフィールドの策を助けて以来本編での登場機会が無い(7巻)ので、敗戦後の所在は不明。
- アルビオン貴族の出身で、かつての名はマチルダ・オブ・サウスゴータ。家名は、何らかの理由により取り潰されている。7巻でのワルドとの会話と8巻でのティファニアの独白により、彼女の実家は大公家(ティファニアの家)に仕えていたサウスゴータ地方の管理者の家で、大公家への忠誠心からエルフ母子を匿ったために(フーケ曰く「差し出せと言われたものを差し出さなかった」)、王家により取り潰されたと思われる。本名も過去も捨て裏の世界に生きているが、クロムウェルやメンヌヴィルに素性を知られているなど、妙に有名なところがあるらしい。
- ちなみに、自分をおばさん呼ばわりしたキュルケとは、双方魔力切れの為に取っ組み合いの格闘戦を行ったこともある。ハルケギニア世界の常識では、23歳という年齢は結婚適齢期を越えてしまっているらしい。フーケ自身が23歳に見えない顔立ちや容姿・性格の為という可能性もあるが、本編ではオスマン、コルベールなど複数の男性が彼女に色目を使っているため、かなりの美人と思われる。
- アルブレヒト三世
- 帝政ゲルマニアの皇帝。権力争いの末に親族や政敵をことごとく塔に幽閉し皇帝になった四十代の男性。対外への軍事同盟政策として隣国トリステインのアンリエッタ姫(当時)との結婚を画策するが、トリステインが単独でアルビオン侵攻軍を撃退した為、この策は流れてしまう。アルビオン戦役まで女王となったアンリエッタを諦めてはいなかったようだが、戦後交渉に精力的なアンリエッタの働きと剣幕に辟易してしまった模様。ゲルマニア自体若い国である為、彼自身は虚無の魔法について何も知らないものと推測される。
- メンヌヴィル
- 「白炎」の二つ名を持つ、筋骨隆々とした「火」の傭兵メイジ。行く手を邪魔する者はメイジや平民、老若男女の区別無く焼き尽くすことから、敵味方に恐れられている。神聖アルビオン共和国の傭兵として、遠征するトリステイン軍の後背を扼すべくトリステイン魔法学院襲撃の命を受ける。実力も並以上のものを持つだけでなく、「風」のスクウェアメイジであるワルドが、暗闇の中で音も無く近付いたのを難なく察するという常人離れした感覚を持っている。
- 元はトリステインの下級貴族だったが、20年前に卓越した「火」使いである軍の上官に杖を向けた末、手傷を追って脱走。以来、行方をくらました上官との再戦を夢見つつ、研鑚と戦いの日々を送っていた。実は敵対者のみならず、興味のある対象に対してまで焼いた時の匂いを求める一種のパイロマニアでもある。その言動には、「火」使いのキュルケですら恐怖を覚えるほど。
- ジュリオ・チェザーレ
- ロマリアの神官。左は鳶色、右は碧眼の「月目」(トリステインではオッドアイのことをこう呼ぶ)を持つ、線の細い中性的な美少年。本来は俗事から出家し、人々に教義を説くことが仕事のはずだが、当人は布教行為そのものには熱心では無い。一方でその美貌とユーモアのある仕草や話術から、ごく自然に女性にモテており、近くにいる男性からの受けは悪い。
- トリステインのアルビオン遠征には教皇から還俗の許可を得てロマリアからの義勇兵となり、風竜「アズーロ」に乗って参戦。竜を巧みに操る事から、メイジで無いにも関わらず竜騎士隊の第三中隊隊長となっている。友軍撤退の際には7万の軍に向かう才人を独り見送るが、その時点で才人がガンダールヴであることを知っている。その後ロマリア教皇の密命を帯びてガリア王ジョゼフに接触するなど、相当の秘密を持つ謎の多い人物。魔力は持っていないが、風竜と会話することであり得ないほど完璧にその能力を引き出し、操ることができる。
- 竜を竜騎士以上に操る能力に加え、常に右手を手袋で隠していることなどから、虚無の使い魔『ヴィンダールヴ』である可能性がある(ヴェンダールヴのルーンは右手に刻まれるため)。
- 本人は孤児であり、孤児院時代にはいわゆるガキ大将だった。暴れん坊ぶりを王国時代のロマリア大王に喩えられたのを気に入っており、現在もそう名乗っている(つまり仮名。ちなみにジュリアス・シーザーのイタリア語読みでもある)。平民の一神官が歴史上の大王を名乗ったからか、名乗られたジョゼフには「ふざけた名前」と評されている。
[編集] 使い魔達
メイジによって召喚・契約された生き物。いずれもハルケギニア世界の動物・幻獣だが、平賀才人は何故か異世界から召喚された。
- 虚無の使い魔
- 魔法関連の「虚無の使い魔」を参照。
- ガンダールヴの平賀 才人については「主人公」を、ミョズニトニルンのシェフィールドについては「ガリア王国の人々」を併せて参照のこと。
- フレイム (声:新井里美)
- キュルケの使い魔である、大きさがトラほどもある巨大な火トカゲ(サラマンダー)。特に質の高いサラマンダーが棲む火竜山脈から召喚されたらしく、尻尾の炎が他の個体とは違うらしい。使い魔同士気が合うのか、ヴェルダンデや才人と共に居ることがある。
- 名前や外見、契約者の得意とする魔法のとおり、火炎のブレスが得意技。また才人を口にくわえたまま後ろ足で二足歩行したり、人間以上の膂力を持つオーク鬼を組み伏せるなど、力自体もかなりのものを持っているようだ。学院ではキュルケの部屋に主人共々寝泊りしている。
- シルフィード (声:不明)
- タバサの使い魔である、メスの風韻竜。全長は6メイルにも及び、ルイズ一行の移動手段として本編でも度々活躍する。
- 韻竜(またその眷属)とは、強烈なブレスや先住魔法を使いこなし、人語を操るなど知能も高い強力なドラゴンだが、現在は絶滅したとされている古代の幻種。その為に起こりうる「面倒」を回避しようと、普段は風竜(ウィンドドラゴン)であると偽っている。かなりのお喋りだが、先述の理由によりタバサと二人きりの時以外は、「きゅいきゅい」としか鳴かない。うっかり人前で喋ってしまう事もあるが、その場合主人のタバサが「これはガーゴイル」とフォローしている(魔法の進んだガリア国内では様々なガーゴイルが活動しており、平民に至るまでその言い訳で納得される)。
- 約200年は生きているが人間に換算すると10歳程度で、タバサを「おねえさま」と呼び慕っている。分別はあるが空腹になると駄々をこねるなど子供っぽいところもある。大食らしく、とくに肉や魚が好物。本名(同族の間での名前)はイルククゥ(「そよ風」という意味)。シルフィードとはハルケギニアにおける風の妖精の名前で、契約の際にタバサが名付けたもの。タバサが学院に居住している間の棲家や生活形式は不明だが、主人が口笛を一つ吹くと遠いところからでも素早く飛んでくる。
- 先住魔法を使い人間形態に変身することもできるが、本人は不便だと言って嫌がるのが常。精神年齢はそのままにキュルケと良い勝負なスタイルをした青髪の麗人となり、タバサと並んだ姿はさながらタバサの母親か姉に見える。
- ヴェルダンデ (声:新井里美)
- 円らで愛らしい瞳が特徴の巨大モグラ(ジャイアントモール。アニメ版ではビッグモール)。高価な宝石を好む。主のギーシュに溺愛されており、才人も落ち込んだ時には広場の片隅でよく語りかけている。
- モグラだけあって優れた嗅覚を持っており、特に高価な宝石の匂いが大好き。地中を高速潜行することも得意で、ルイズと才人が敵地に取り残された際にはルイズの持つ水のルビーの匂いを追って地中から現れ、窮地を救ったこともあった。主人であるギーシュがアルビオンに行軍している間は、学院広場の隅に才人が作ったテントをねぐらにしていた模様。主食の「どばどばミミズ」は美容薬の原料になるらしい。
- ロビン (声:新井里美)
- 黄色に黒い斑点模様の小さなカエル。普段はこれと言った活躍もない只のカエルにしか見えないが、主のモンモランシーの血を受けることで、使い魔として精霊との橋渡し役を果たす。
- モートソグニル
- オスマンの使い魔であるハツカネズミ。好物はナッツ。オスマンの「眼」となる能力を持ち、ロングビルの足元に潜り込んでは覗きをしたりと、主に忠実な働きを見せる。使い魔召喚の呪文(サモン・サーヴァント)では詠唱者の魔力の格に相応しい動物が現れるとされている為、大メイジとして知られるオスマンの使い魔としては少々物足りない感も。何らかの事情でハツカネズミを使い魔にしたのか、シルフィードのように実は凄い使い魔なのか、それともオスマンの魔力がそれ相応のものでしかないのか、真相は謎。
- クヴァーシル
- 現時点ではアニメにのみ登場している、マリコルヌの使い魔のフクロウ。アンリエッタが来訪する使い魔品評会では、主人と息の合った隠し芸(?)を披露した。
[編集] 外部リンク
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