三重県立津高等学校
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三重県立津高等学校 | |
過去の名称 | 津中学校 三重県第一中学校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 三重県 |
併合学校 | 三重県立高等女学校 (後に三重県立津高等女学校と改称) |
設立年月日 | 1880年(明治13年) |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制 |
所在地・連絡先 | |
所在地 | 〒514-0042 |
三重県津市新町3-1-1 | |
電話番号 | 059-228-0257 |
FAX番号 | 059-228-0256 059-228-0259 |
外部リンク | 公式サイト |
三重県立津高等学校(みえけんりつつこうとうがっこう)は、三重県津市にある公立高等学校。三重県でトップクラスの公立高校であり、最も進学者数が多い国立大学は三重大学である。開校以来一度も制服が制定されたことがなく、同校の自由な校風をあらわしている。
目次 |
[編集] 沿革
- 1880年 - 津藩校有造館跡に津中学校開校。
- 1899年 - 三重県第一中学校と改称(津中学校)。
- 1901年 - 三重県立高等女学校開校。
- 1922年 - 三重県立津高等女学校と改称(三重県立高等女学校)。
- 1948年 - 津中学校と津高等女学校が統合し、三重県津高等学校誕生。
- 1955年 - 三重県立津高等学校と改称。
- 1974年 - 総合選抜制度(学校群制度)導入、三重県立津西高等学校とともに第2群となる。
- 1995年 - 三重県立津西高等学校との総合選抜制度(学校群制度)解消、二学期制導入。
[編集] 教育方針
[編集] 教育目標
自主自律の精神を養い、恒に清新の気風に満ちた心豊かな人間を育成する。
[編集] 教育方針
- 伝統を重んじ、堅実な校風の継承・発展をはかる。
- 人権を重んじ、自由と責任を自覚した人間としてのあり方生き方を培う。
- 積極的な学習態度を育成するとともに、個性の伸張をはかる。
[編集] 学校としての津高
1学年は、40人の10クラスで計400人である。ただし、平成18年度の募集定員は360人と1クラス減らされている。男女数はほぼ同数か若干男子が多い。1年次のクラスでは男女同数になる編成がなされるが、類型選択後のクラスは文系は女子、理系は男子の数が圧倒的に多く、特に男子で類型に迷う者はこのために文系を選択するという場合もまれに聞く。しかし、この傾向も鈍化の兆しが見られ、文系における男女比も理系における女男比はそれぞれ1:2の割合くらいになっている。授業は、2002年度より全国でも珍しい65分授業(1日5限)。また二学期(三学期制と違い、前期・後期となる)というシステムを導入。
[編集] 進学状況
国公立大学の合格者数では地元の地方国立大学である三重大が毎年60名を超しており、最多である。次に名古屋大学が25名前後で2位、他に静岡大学や金沢大学、阪大、名工大が10人前後で続く。私立は立命館大学に毎年100名を超える合格者を出し、同大学の合格者ランキング入りを果たすことが多い。また南山、名城、同志社、関西、近畿などの関西、東海の大学もそれぞれ毎年30名以上と多い。東大、京大は年により異なるが、合わせると毎年12名程度である。合計では、国公立大学には毎年250~300人程度、私立大学には700~800人ほどが合格している。 ただし、いわゆるFランク大学や、専門学校進学者なども少なくはない。
1995年に解消した三重県立津西高等学校との総合選抜制度実施中と、単年での合格者数はさほど増えていない(難関大学は若干増えている)が、1995年以前は津西高が津高校と互角の進学実績を示していたため、この総合選抜制度解消に伴って三重県中勢部の大学進学者数は全体でその後大きく落ち込んでいる。
かつて1986年3月卒業生までは、私立高田中の3年コースから津高校に進学してくる者がスタートダッシュの良さから成績上位に位置し、それを維持できた層が数多く難関大学に進んでいた。しかし、高田中学が1983年3月同中学卒業者を最後に3年コースを廃止して6年コース(中高一貫教育)のみの設置としてからは、津高校及び津西高校から難関大学に合格する者が一時的に著しく減少した。現在は、津西高との総合選抜制度の解消によって成績最上位層が津高に多く進むようになったことも寄与し、津高についてはほぼ回復している。
[編集] 地理
三重県津市を通る近鉄名古屋線の津新町駅から西側に歩いて約10分のところにある。
電車通学の生徒の大半は、津新町駅から国道163号線より一つ南側の細い道(通称津高街道ないし津高ロードとも)を歩いて通学する。また、この道は登校時大変混雑するため、1年生はさらに南のプラザ洞津横を通る道を使って登校することになっている。これらの2つの道の間にはさらに細い道があり、通常は生徒は通らないためカップルロードと呼ばれ津高生のカップルに親しまれている。この通りでカップルを見かけるのは午後5時から6時頃が多い。 自転車通学、歩行通学の通学路は原則としてない。また、近鉄沿線と言うこともあり、伊賀地方の名張市や伊賀市、また鈴鹿市からの遠距離通学者も多く見られ、一学年の10%前後が通学に1時間程度かかる遠距離通学者である。
[編集] 校内
校舎は本館と1号館から4号館までがあり、その他に体育館、武道場、プールと更衣室、クラブハウス、ブルペン、旧図書館(2005年8月現在新理科棟の完成によりすでに取り壊された)、弓道場の建物によって構成される。
- 本館 - 正面玄関、校長室、事務室、職員室、同窓会室、進路指導室、生徒指導室、数学科、国語科、英語科研究室等がある。
- 1号館 - 1年生と2年生の教室、コンピュータ室などがある。
- 2号館 - 保健室、健康相談室、教育情報室、体育科研究室、社会科研究室、3年生の教室などがある。
- 3号館 - 通称理科棟。その名の通り理科系の教室がある。屋上には天体望遠鏡もある。すでに取り壊された。
- 4号館 - 家庭科教室、調理実習室、和室、図書館、美術室、書道教室、音楽室がある。
- 新3号館 - 新理科棟。8月中にほぼ移動作業を終え、9月より授業で利用開始。
- 1階物理系 - 物理室2部屋と準備室、研究室、多目的トイレ
- 2階化学系 - 化学室2部屋と準備室、研究室、女子トイレ
- 3階生物系 - 生物室2部屋と準備室、研究室、男子トイレ
- 4階地学系 - 地学室(階段教室)と準備室、研究室、岩石標本室、天体観測準備室、天文ドーム、バルコニー、女子トイレ
※生徒移動はエレベーターはあるが使用は禁止されている。
[編集] 学校行事
[編集] 部活動
部活動はかなり積極的である。運動部で約600人、文化部で約350人と掛け持ちは認められているが、80%近くの生徒が何かしらの部活に所属している。
[編集] 概要
- 硬式野球 - 津高校硬式野球部は甲子園出場1回(昭和28年夏)を果たしている。
- 軟式野球 - 文武両道と言う観点からの設置で、高校から野球をやりたい人向けでもある。
- ソフトボール - 毎年大体入部者の8割が初心者だが、楽しみながら上達している。
- 弓道 - 過去に全国優勝している。当校部員数において最大級のクラブ。1年生の7月まではほとんど体力づくりで、本格的に弓を引き始めるのは1年生の8月以降。
- 体操 - 新体操ではなく、器械体操を主とする。
- ダンス - 校内での行事のみならず、地域の祭りでも活躍している。
- ボート - インターハイ常連となりつつあるが、あまり知られていない。ボート部がある高校は県内に3校のみ。かなり不定期ではあるがブログをつけている。http://www.doblog.com/weblog/myblog/70967
- ホームライフ - いわゆる家庭部。
- 茶道 - 表千家・裏千家がある。
- Jr.com - 漫研とほぼ同義である。月一回、イラスト集を配布している。
- 国際交流 - ALTや留学生と見識を深める部。
- 邦楽 - 琴などの日本古来の楽器を演奏する部。
- 放送 - 昼休みに音楽をかけるだけでなく、行事での音響も担当している。ちなみに、昼休みにかかる音楽はポップスかロック。
- 吹奏楽 - ブラスバンド部。過去、朝日吹奏楽コンクールおよび中日コンクールでは上位入賞を数多く果たし、県代表を争う一角を担っている。
- JRC - ボランティア活動などを行う部。しばしばJr.comと間違えられる。
- 音楽 - 楽器演奏ではなく声楽をする部。大会などにも出場している。
- 天文 - 毎日行っているのは太陽黒点観測、Hαによる太陽観測。月に一回ほど、夜間に観測会を行う。
- 化学 - おおよそ週に3回ほど活動。部員が活動内容を決める。
[編集] 備考
校歌は俳人の山口誓子氏によって作詞された。津高の公式サイトでダウンロードして聞くことができる。
[編集] 著名な卒業生
- 甘粕正彦(あまかすまさひこ) - 陸軍憲兵大尉・満州映画協会理事長
- 奥田務(おくだつとむ) - 株式会社 大丸 代表取締役会長 兼 最高経営責任者(CEO)
- 久野誠(くのまこと)- CBC中部日本放送アナウンサー
- 下山定則(しもやまさだのり)- 日本国有鉄道初代総裁
- 住沢博紀(すみざわひろき)- 政治学者・日本女子大学教授
- 東畑四郎(とうはたしろう) - 農林事務次官、日本銀行政策委員
- 東畑精一(とうはたせいいち) - 東京大学名誉教授、アジア経済研究所所長、文化勲章
- 中戸義禮(なかとよしひろ)- 大阪大学教授工学博士
- 中川正春(なかがわまさはる)- 民主党衆議院議員
- 西久保豊一郎(にしくぼとよいちろう)- 陸軍少佐
- 橋本策(はしもとはかる) - 橋本病を発見した医学博士
- 弘田龍太郎(ひろたりゅうたろう)- 作曲家
- 山路芳久(やまじよしひさ) - テノール歌手
- 茨木政彦(いばらきまさひこ) -週刊少年ジャンプ 現編集長