中通り
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中通りのデータ | |
国 | 日本 |
地方 | 東北地方 |
面積 | 5,392.95km² |
総人口 | 1,226,627人 (2005年3月31日) |
中通り(なかどおり)は、東北地方の一角で、福島県の阿武隈川沿いの地域を指す。阿武隈地方(あぶくまちほう)と呼ばれる事もある。中世には仙道と呼ばれた。
東の阿武隈高地、西の奥羽山脈、南の那須山地に挟まれた地方であり、南北に細長く、大小の盆地が連なっている。
目次 |
[編集] 自然地理
内陸側に位置するので内陸性気候を呈しているが、雪は会津地方程に多くないので、豪雪地帯の指定を受けていない。農業面では、福島盆地が桃の大産地として有名である。
[編集] 歴史
[編集] 江戸時代
江戸時代の中通りには、白河藩、二本松藩、棚倉藩や三春藩など、比較的中規模の藩(地方王国)が分立していた。又、奥州街道(仙台松前道)が南北に貫き、幾つもの宿場町が置かれた。
白河城下からは、会津道が猪苗代湖より南の経路で会津若松城下へ、そして、現在の下越地方の新発田城下を経て日本海沿岸の港町・新潟へと繋がり、福島城の北の桑折宿からは、羽州街道が米沢城下を経て内陸部を横手盆地まで下り、それから日本海沿岸の秋田城下へと繋がっていた。
[編集] 明治維新以後
廃藩置県初期には、中通りは二本松県、次いで福島県の藩があった。しかし、1876年8月21日には、福島県は、若松県(会津地方)や磐前県(浜通り)を編入して、現在の範囲の福島県となった。
明治初期の福島県内の都市人口順位は、第一位が若松町(会津若松市、1899年市制)、第二位が福島町(福島市、1907年市制、旧信夫郡)という順位であり(→東北地方#人口)、県庁所在地を決める際に、この2都市が対立した。県庁が福島に置かれた要因は、 (1) 江戸時代から信夫郡や伊達郡の一帯が、東北地方における養蚕業の中心地となっており、明治前期の殖産興業政策下で製糸業が発達して資本の集約が起きて、東北第一号の日本銀行支店が置かれるなど発展していた点と、(2) 会津若松が、薩長が占める明治政府と敵対していた点だと見られている。
その後、明治政府によって安積疎水(1881年完成)を初めとした郡山盆地の開発事業が行われ、郡山(1924年市制、旧安積郡)が商工都市として発展した。中通りを南北に貫く東北本線、平へ至る磐越東線、新潟へ至る磐越西線、水戸へ至る水郡線と、次々と建設された鉄道の結節点となった郡山駅を持つ郡山が、交通都市としても勃興し、1935年には福島県第一の人口を擁する都市となった(→郡山都市圏)。
第二次大戦後、高度経済成長期(1960年代)までには国道4号の舗装が完了し、1970年代には東北自動車道も建設されたため、主に京浜工業地帯の企業が、安い土地と労働力を求めて、関東地方に比較的近い郡山都市圏(主に郡山から須賀川周辺)に進出した(→新産業都市)。浜通りの小名浜では臨海工業、中通りの郡山では内陸機械工業、福島では公共事業関連業種が発展し、資本関係からも関東との繋がりが深い地域となった。この頃からモータリゼーションと郊外住宅地の開発が始まり、いわき市平・福島・郡山が同じ程度の人口を擁する都市圏となり、会津若松がその後に次いでいた。
1980年代になると東北新幹線が開通し、各都市で第三次産業人口比率が更に大きくなった。この期に商業集積度が高い郡山都市圏が大きく躍進し、福島県下では、福島市が業務機能の中心地、郡山市が商業の中心地としての地位を確立していった。1990年代には磐越自動車道が開通し、郡山郊外に郡山JCTを形成すると、郡山都市圏北部に流通・工業地区が集約されるようになった。
1990年代後半からの地方の不況期に入ってくると、中通り北部の福島都市圏で商機能の低下が起き、仙台都市圏の広域商圏に入って仙台経済圏を形成するようになった。これを期に、郡山都市圏の支店経済都市としての相対的地位が向上し、情報集散地としても郡山が福島県の中心を成すようになった(FM福島の福島市から郡山への移転)。2000年前後からは、南東北で陸上交通の再編が始まり、次第に郡山都市圏にも仙台経済圏の影響が及ぶようになった(→東北地方の経済史)。
- 2005年、FM福島が郡山に移転。
[編集] 地域
[編集] 県庁の地域区分
中通りの範囲には、県北・県中・県南の3つの地方振興局が置かれている。
- 県北地方振興局管内 50万8389人
- 県中地方振興局管内 55万9607人
- 県南地方振興局管内 15万3109人
都市圏(都市雇用圏、10%都市圏)は、北から福島都市圏、二本松都市圏、郡山都市圏、白河都市圏の4つが認められる。郡山都市圏が最大で、福島県内でも最大、東北地方では仙台都市圏に次いで第2位である。
地方振興局の管轄による3区分において、県北の中心地は福島市(行政的中枢)、県中の中心地は郡山市(交通的・経済的中枢)、県南の中心地は白河市となる。都市圏単位の傾向として、福島都市圏は仙台都市圏と、郡山都市圏以南は関東地方や会津地方との結び付きが強く、北部と中南部で異なる地域圏を形成している。そのような地勢を考慮して、「県北」「県南」という南北2分割する例も見られる。この場合の「県南」は、概ね郡山都市圏以南を指す。
[編集] 交通
南北軸として、東北自動車道と東北新幹線が整備され、南は白河から宇都宮を経て東京に繋がっており、北は福島から仙台や盛岡を経て青森へと繋がっている。又、郡山や須賀川からは、水戸に至る路線も整備されている。
東西の連絡線としては、郡山からは平・新潟方面と結ばれ、福島からは米沢・相馬方面と結ばれる。
[編集] 鉄道
[編集] 主な道路
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[編集] 道の駅
[編集] 関連項目
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