学習院初等科
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学習院初等科 | |
国公私立の別 | 私立学校 |
設置者 | 学校法人学習院 |
設立年月日 | 1847年(弘化4年)3月(学習所) 1877年(明治10年)10月(学習院) |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制の課程 |
所在地・連絡先 | |
所在地 | 〒160-0011 |
東京都新宿区若葉1-23-1 | |
電話番号 | 03-3355-2171 |
外部リンク |
学習院初等科(がくしゅういんしょとうか)とは、東京都新宿区にある私立の小学校である。設置者は学校法人学習院。
目次 |
[編集] 沿革
- 1847年(弘化 4) 孝明天皇の叡慮により公家の学習所として、京都御所日御門前に学習院創設・開講する。
- 1877年(明治10) 華族学校学則制定。神田錦町にて開業式を挙行し、天皇皇后親臨、勅諭・令旨を賜わり、あらためて「学習院」の勅額を下賜される。
- 1884年(明治17) 官立学校となる。
- 1890年(明治23) 虎ノ門から四谷区尾張町に移る。
- 1899年(明治32) 学習院初等学科の校舎が新しくつくられる。
- 1919年(大正 8) 学習院初等学科を初等科と改める。
- 1937年(昭和12) 旧正堂が御料牧場のあった現成田市に移設される。
- 1940年(昭和15) 新校舎(現在の校舎)完成。
- 1944年(昭和19) 4・6年生が沼津、3・5年生が日光に疎開する。
- 1945年(昭和20) 戦火により初等科の記念館・春風館が焼失する。11月、四谷校舎で授業が再開される。
- 1947年(昭和22) 財団法人学習院による新しい経営が始まり、学習院と女子学習院は一体として私立学校となる。
- 1949年(昭和24) 1学年3クラスの18学級で、全学年男女共学となる。
- 1963年(昭和38) 創立85周年記念式典を挙行。
- 1977年(昭和52) 明治10年から数えて、創立100周年を迎える。
- 1997年(平成 9) 新しい体育館とプールが完成する。学習院京都開講150周年の集いを行う。
- 2002年(平成14) 創立125周年記念式典を挙行。
- 2006年(平成18) 1学年4クラス(少人数・33人クラス制)一部開始。新校舎(西館)完成。人工芝グラウンド完成。校庭のウレタン張り替え。
- 2007年(平成19) 少人数クラス制完全実施予定。
[編集] 学校について
- 学校の場所は新宿区若葉、迎賓館および赤坂御所の隣というこの上ない環境にある。四ッ谷駅からの登校は、駅前の四谷見附交差点の横断歩道で自動車が気にはなるが、それ以外は極めて安全。四ッ谷駅から徒歩7分ほど。
- 1年生の秋、児童と教師だけ赤坂御所に入り、御所内のどんぐり拾いをすることが出来る。
- 屋内温水プール(深さ調整可能)、人工芝グラウンド、大型液晶テレビ付少人数教室、エアコン、図書室(コンピュータ検索機能付)、コンピュータルーム(視聴覚室)、完成したばかりの新校舎とハードウェアは極めて充実している。平成20年に皇室のお子様を迎えるために、完璧に整備したという説もある。一方で、戦前からの伝統的な本校舎も健在であり、教室等として現役で使用されている。
- 給食制(ただし、ごくたまにお弁当持参の日がある)で献立はマツタケやイベリコ豚が出ることもある豪華なもの。また盛り付けはすべて職員が行い、配膳は4年生以上は児童が交代で行う。給食中の私語は厳禁。
[編集] 入試・校内事情
- 皇室関係や旧華族、また学習院縁故者でないと入学できないとの誤解が依然あるが、表面上は入試に合格すれば誰でも学べる小学校である。実際縁故者でない子供も在籍しているようである。ただし、子どもの能力さえ高ければ必ず誰でも合格するとは限らない。保護者の面接試験もあることを考えれば、家庭環境が多少なりとも合否に影響していることは明確に理解できる。また、入学後も中学・高校・大学と高額な授業料や寄付金がかかる上、名門校独特の保護者同士の付き合いもあり、卒業生関係者や医師・弁護士・官僚・会社経営者などの富裕層の子女が多いのも事実である。
- 通学区域の制限も無い。しかし親のマイカーによる送迎は決まりの上では禁止となっている(ケガの際は例外)。これは昔、華族が通う学校だったころ、馬車や人力車で通う生徒とそうでない生徒との間で不公平感が高まったことが背景といわれている。そのため、ランドセルが考案され、現在日本中の小学生が使うランドセルの原型となった。しかしながら、実際は学校近くの目立たない道路まで自家用車で送迎をする親子の姿も見られる。
- 一方、親が通学時に公共交通機関で子供と同行するのは全く自由で制限が無い。
- 学費や給食費・諸経費などで年間100万円少々の経費が見込まれる。また年間10万円以上の寄付依頼が来る(ただし寄付は義務ではない、しかしながら寄付者名簿に寄付金額とともに掲載され公表される。また、高額寄付者は賛助員として学校法人の経営に意見を述べることができ、彼らは非常に大きな発言力・影響力を持っているといわれている。近年、新校舎増築、4クラス制移行などの膨大な予算増大に伴い、在籍中の児童はもとより、卒業生、教職員、関係団体に対する寄付金の呼びかけが活発化しているらしい。)。それ以外の親のつきあいは、親なりに考えればよく、普通にしていれば法外な費用がかかることは無い。しかしながら、社会的身分の高い立場にある家庭の割合が非常に多く、特に時間的・経済的余裕の多い専業主婦の割合が高い母親同士の付き合いは校外においても親密なものであるといわれている。また、子供はピアノ、水泳、塾など複数の習い事をしているのが普通とされており、そちらの費用もかなりのものであると思われる。
- 皇室関係者が在学している年は、複数の皇宮護衛官が学内に配置される。
- 学校行事、運動会などは一切学外に公開されていない。しかしながら皇室関係者が在籍している年は写真週刊誌などによる非公式な報道が絶えず、写真の流出などが問題となっている。
[編集] 出身者
- 久邇宮邦彦王
- 梨本宮守正王
- 久邇宮朝融王
- 朝香宮鳩彦王
- 伏見宮博義王
- 東久邇宮稔彦王 - 内閣総理大臣
- 秩父宮雍仁親王
- 雍仁親王妃勢津子
- 高松宮宣仁親王
- 近衛文麿 - 内閣総理大臣
- 近衛秀麿
- 近衛忠輝
- 久邇邦昭
- 久邇邦久
- 伏見博英
- 甘露寺受長
- 徳川家正
- 木戸幸一 - 内大臣
- 入江相政 - 侍従長
- 東久邇成子
- 池田厚子
- 島津貴子
- 黒田清子
- 黒田慶樹
- 近衛甯子
- 千容子
- 嵯峨浩
- 久邇晃子
- 池坊保子
- 久我美子
- 足利惇氏
- 渡辺武 - 財務官
- 東條英機 - 内閣総理大臣
- 西竹一 - ロス五輪馬術金メダリスト / 硫黄島の戦い参照
- 白洲正子
- 加藤シヅエ
- 藤原あき
- 石井菜穂子 - 世界銀行スリランカ担当局長、前財務省国際局担当参事官
- 大河内正敏 - 理化学研究所長・東京物理学校長
- 三宅正太郎 - 大阪控訴院長、司法次官、初代中央労働委員会委員長
- 三島由紀夫
- 志賀直哉
- 武者小路実篤
- 井上光貞
- 瀬川昌治
- 麻生太郎-自由民主党・衆議院議員・外務大臣
- 亀井久興
- 鳩山由紀夫
- 鳩山邦夫
- 橋本大二郎
- 橋本明
- 水野誠一 - 元参議院議員
- 都倉俊一
- とよた真帆
- 柴田光太郎
- 鈴木結女