はやぶさ (列車)
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はやぶさとは、九州旅客鉄道(JR九州)が、東京駅~熊本駅間を東海道本線・山陽本線・鹿児島本線経由で運行する寝台特急列車(ブルートレイン)。
JR運行の定期列車では、日本一の長距離旅客列車である。臨時列車では、トワイライトエクスプレスが日本一の長距離旅客列車である。
なお、本稿の沿革では同じ区間で運行された寝台特急列車「みずほ」についても記す。
目次 |
[編集] 現況
- 客車編成
列車の編成(富士/はやぶさとして運転する場合)
- 下り:1~6号車・はやぶさ/7~12号車・富士
- 上り:1~6号車・富士/7~12号車・はやぶさ
- 列車番号
[編集] 停車駅
- ●:停車。
- ↓・↑:通過(矢印方向に運行)。
- ※:臨時停車。(但し、品川駅の場合、大幅な遅延など不測の事態などによる停車が主体で、一般的ではない。品川止まりになるケースが殆ど。その場合、小田原~品川は東海道貨物線経由での運転となり、横浜駅は通らず、小田原に臨時停車する。)
- (運):運転停車。
駅名\ 運行方向 |
下り | 上り |
---|---|---|
東京駅 | ● | ● |
品川駅 | (※) | (※) |
横浜駅 | ● | ● |
熱海駅 | ● | ● |
沼津駅 | ● | ● |
富士駅 | ● | ● |
静岡駅 | ● | ● |
浜松駅 | ● | ● |
豊橋駅 | ● | ↑ |
名古屋駅 | ● | ● |
岐阜駅 | ● | ↑ |
米原駅 | (運) | (運) |
京都駅 | ● | ↑ |
大阪駅 | ● | (運) |
岡山駅 | (運) | ● |
福山駅 | ↓ | ● |
尾道駅 | ↓ | ● |
広島駅 | ● | ● |
岩国駅 | ● | ● |
柳井駅 | ● | ● |
下松駅 | ● | ● |
徳山駅 | ● | ● |
防府駅 | ● | ● |
新山口駅 | ● | ● |
宇部駅 | ● | ● |
下関駅 | ● | ● |
門司駅 | ● | ● |
小倉駅 | ● | ● |
赤間駅 | (運) | ↑ |
筑前新宮駅 | ↓ | (運) |
博多駅 | ● | ● |
鳥栖駅 | ● | ● |
久留米駅 | ● | ● |
大牟田駅 | ● | ● |
熊本駅 | ● | ● |
- 担当車掌区
[編集] 沿革
(東海道本線優等列車沿革・山陽本線優等列車沿革の項目も参照)
- 1958年(昭和33年)10月1日 「はやぶさ」東京駅~鹿児島駅間で現行の運転経路で運行開始。「薩摩隼人」にちなむ愛称命名とも言われている。
- 1960年(昭和35年)7月20日 「はやぶさ」に20系客車が投入される。同時に運転区間が東京駅~西鹿児島駅間(現、鹿児島中央駅)に変更。
- 1960年(昭和35年)12月24日~翌年1月14日 東京駅~熊本駅間に臨時特急「臨時あさかぜ」を他の列車の混雑緩和のため運転。この列車が「みずほ」の前身となる。
- 1961年(昭和36年)10月1日 東京駅~熊本駅間を不定期列車として「みずほ」運転開始。「不定期列車」と名乗るが、現実には毎日運転していた。
- 1962年(昭和37年)10月1日 「みずほ」が定期列車に昇格する。
- 1963年(昭和38年)6月1日 「みずほ」の使用車両をそれまでの一般客車から20系客車に変更。これと同時に大分駅発着編成を連結する。
- 1964年(昭和39年)10月1日 「みずほ」の大分駅発着編成を「富士」として分離独立させる。
- 1968年(昭和43年)10月1日 「はやぶさ」の博多駅にて増解結を行っていた編成を長崎駅まで延長。西鹿児島駅発着編成とは鳥栖駅で分割併合を行う。
- 1972年(昭和47年)3月15日 「みずほ」の使用車両を「さくら」とともに14系客車に変更。
- 1975年(昭和50年)3月10日 「はやぶさ」の使用車両を20系客車から24系24形客車に置き換える。また、長崎駅発着だった付属編成を熊本駅まで併結に変更。代わって「みずほ」が、鳥栖駅で分割併合を行い、東京駅~熊本駅・長崎駅発着となる。
- 1976年(昭和51年)9月27日 「はやぶさ」の使用車両を24系24形客車から24系25形客車に置き換え。「富士」・「出雲」と共に、東京発着の定期寝台特急初の2段B寝台投入。個室A寝台(後のシングルデラックス)も同時に連結。
- 1978年(昭和53年)1月 博多「あさかぜ」の24系25形化に伴い、食堂車の運用を捻出するため、西鹿児島直通の本編成と熊本回転の付属編成を逆転。個室寝台や食堂車は付属編成となる。この変更は共通運用だった「富士」「出雲」にも同様に実施された。
- 食堂車は増備しない方針であったため、運行時間が丸一日の「富士」「はやぶさ」の食堂車を途中駅折り返しとすることで、東京に戻る日を一日早め、「あさかぜ」への充当を可能とした。
- 1980年(昭和55年)10月1日 「富士」が運転区間を東京駅~宮崎駅間に短縮し、「はやぶさ」15年ぶりに日本最長距離特急へ返り咲く。
- 1985年(昭和60年)3月14日 「はやぶさ」にオハ24形700番台の「ロビーカー」を連結。これに伴い、牽引機をEF65からEF66へ変更。
- 1989年(平成元年)12月2日 同年7月21日より団体専用列車として運行を開始した「トワイライトエクスプレス」の扱いが臨時列車に変更。これにより、"日本一の長距離列車"ではなくなる。
- 1991年(平成3年)5月31日 「みずほ」の食堂車の営業を終了。
- 1993年(平成5年)3月17日 「はやぶさ」の食堂車の営業を終了。
- 1994年(平成6年)12月3日 「みずほ」が臨時列車に格下げ。
- 1996年(平成8年) 「みずほ」が臨時列車としても廃止。
- 1997年(平成9年)11月29日 「はやぶさ」の運転区間を現行の東京駅~熊本駅間に短縮。1980年(昭和55年)に「富士」が区間短縮された時以来維持してきた、日本一の長距離定期列車の座を「さくら」に譲る。
- 1999年(平成11年)12月4日 「はやぶさ」の利用者減に伴う運転系統整理により、鳥栖駅まで寝台特急「さくら」を併結して運転する2階建て列車になった。なお、この「さくら・はやぶさ」の運行形態は1968年~1975年までの「はやぶさ」、1975年~1994年の「みずほ」の運転形態と同様となった。
- 2004年(平成16年)2月 九州新幹線開業に伴い、西鹿児島駅が鹿児島中央駅に改称するのを記念し、西鹿児島駅~東京(品川)駅間の団体専用列車『思い出のはやぶさ号』として、「はやぶさ」を上り列車のみであるが復活運転させた。なお、定期列車も平常通り運行された。
- 2005年(平成17年)3月1日 この時のダイヤ改正で、「はやぶさ」は併結相手の「さくら」廃止に伴い、新たに東京駅 - 門司駅間で「富士」と併結する2階建て列車になった。これにあわせて、使用車両を24系25形客車から14系客車に変更。また、「ロビーカー」及びブルトレ便は廃止された。
- この関係で、個室A寝台「シングルデラックス」のオロネ25形はオロネ15形3000番台に改造する必要があるため、下りは1月14日~2月28日、上りは1月11日~2月28日の間、連結を中止していた。
- このダイヤ改正で「さくら」が廃止され、1,315kmの運行距離を有する「はやぶさ」が定期列車の日本一の長距離列車の座に2度目の返り咲きを果たす。また、「あさかぜ」廃止に伴い、47年継続中という、国鉄~JRの現役特急愛称としての最長不倒一位にも躍り出る。しかし、「富士・はやぶさ」の運行形態は1963年~1964年の「みずほ」と同じ運行形態とされるが、東京駅~京都駅間では「(東京対)九州特急」・「九州ブルートレイン」は1往復のみの運行となる。
- また国鉄時代から全区間を担当していた博多車掌区の乗務区間が九州内に短縮され、本州内の乗務を下関乗務員センターが担当する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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