山崎努
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山崎 努(やまざき つとむ、1936年12月2日 - )は日本の映画俳優。千葉県松戸市出身。東京都立上野高等学校卒業。
妻の黛ひかるは宝塚歌劇団卒業生で千波静(松岡修造の母)とコンビを組んだことがある。娘に女優の山崎直子がいる。
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[編集] 来歴・人物
俳優座養成所を経て、1959年に文学座に入団。1963年、劇団雲結成に参加し、1975年にフリーとなる。映画デビューは1960年、岡本喜八監督の『大学の山賊たち』。黒澤明監督の『天国と地獄』で演じた誘拐犯役が注目され、その後映画をはじめ、テレビ・舞台へと活躍の舞台を広げる。1984年の『お葬式』から『タンポポ』『マルサの女』と、『マルサの女2』からその位置を津川雅彦に代わるまで伊丹十三監督作品に連続出演した。『静かな生活』にも出演。2000年、紫綬褒章を受賞。最近では、2001年の『GO』(東映)、2004年の『世界の中心で、愛をさけぶ』と、全幅の信頼を置く若手気鋭の行定勲監督作品に連続して出演し、鍵を握る役どころを圧倒的な存在感で見せた。現在も舞台、テレビドラマ、地球大進化~46億年・人類への旅などで活躍中。
2001年には前述の「GO」と同じく邦画の「Go!」(矢崎充彦監督)にも出演し、同じ年に同じタイトルの映画で同じく重要な役を演じるという珍しい(そして紛らわしい)記録を作った。
深く刻まれたしわとムスッとした表情、低いトーンの声など、他に並ぶ者がいないほど独特な存在感・威圧感を併せ持つ、日本を代表する俳優であって、その実力は、今やハリウッドスターとなった渡辺謙が自ら、自分は山崎努の弟子と公言してはばからない程である。
最近ではクロサギのフィクサー・桂木敏夫役と サントリー「DAKARA」のCM(ジョジョビジョバー)でお馴染み。現在は放送されていないが、豊川悦司と共演したサッポロ黒ラベルのCMや、約12年に渡ってイメージキャラクターを務めたトヨタ自動車『クレスタ』のCMも有名である。また一時期、日本長期信用銀行(現・新生銀行)の特別広報部長として同行のCMに出演していたことがある。
役に対しては「あまり一つの役を何度も演じていると、飽きてしまうから」という理由で固執しない主義。
何故か30年以上NHK大河ドラマに出演していない。
[編集] 出演
[編集] 映画
- 天国と地獄 1963年
- 赤ひげ 1965年
- 続・男はつらいよ 1969年
- 仁義なき戦い 組長の首 1975年
- 八つ墓村 1977年
- 皇帝のいない八月 1978年
- 影武者 1980年
- スローなブギにしてくれ(1981年 角川映画、原作片岡義男)
- お葬式 1984年
- タンポポ 1985年
- マルサの女 1987年
- 舞姫 1989年
- 利休 1989年
- GO(2001年・東映)
- GO!(2001年・日活、NHKエンタープライズ21)
- 模倣犯(2002年・東宝)
- 13階段(2002年)
- THE THIRTEEN STEPS(2003年・東宝)
- 世界の中心で、愛をさけぶ(2004年・東宝)
- 死に花 2004年
[編集] テレビドラマ
- 三姉妹(1967年 NHK大河ドラマ)
- 新・平家物語(1972年 NHK大河ドラマ)平時忠役
- 必殺シリーズ(ABC)
- 新・七人の刑事 (1975年 TBS)
- 祭ばやしが聞こえる(1977年 日本テレビ)
- 死人狩り(1978年 日本テレビ) - 特別出演
- 飢餓海峡(1978年 フジテレビ)
- ザ・商社(1980年 NHK、原作松本清張『空の城』)
- けものみち(1982年 NHK) - 小滝章二郎役
- 早春スケッチブック(1983年 フジテレビ)
- 北の海峡(1988年 NHK)
- 新説・三億円事件(1991年 フジテレビ)
- 雲霧仁左衛門(1995年 フジテレビ)
- 阿部一族(1995年 フジテレビ)
- 世にも奇妙な物語「自殺悲願」(1997年 フジテレビ)
- 世紀末の詩(1998年 日本テレビ)
- 貯まる女(1999年 テレビ東京)
- つぐみへ…~小さな命を忘れない~(2000年 テレビ朝日)
- 天下騒乱~徳川三代の陰謀(2006年 テレビ東京 徳川家康役)
- クロサギ(2006年4月 TBS系列) - 桂木敏夫役
- 九門法律相談所シリーズ(日本テレビ・火曜サスペンス劇場)
[編集] 舞台
- 黄金の国(1967年・劇団雲)
- コリオレイナス(1971年・劇団雲)
- 火のようにさみしい姉がいて(1978年・木冬社)
- 冬のライオン(1982年・演劇集団 円)
- ピサロ(1985年・PARCO劇場プロデュース)
- リチャード三世(1987年・PARCO劇場プロデュース)
- リア王
[編集] CM
- 三菱電機 石油ファンヒーター 1973年~1974年
- トヨタ自動車『クレスタ』 1980年~1992年
- 浅田飴 1986年
- 日本長期信用銀行 1990年?
- ハウス食品 生わさび 1992年
- ロッテ クールミントガム 1992年
- コカ・コーラ 1994年
- デジタルツーカー中国 (娘の直子と共演) 1996年~1997年
- サッポロビール 黒ラベル (豊川悦司と共演) 2000年~2002年
- 日本たばこ産業 渋茶 2003年
- サントリー DAKARA 2006年
[編集] 著書
- 『俳優のノート―凄烈な役作りの記録』(文春文庫、2003年) ISBN 4-167-65679-5