東京都立上野高等学校
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東京都立上野高等高校(とうきょうとりつうえのこうとうがっこう)は、東京都台東区上野公園にある都立高等学校。
東京都立上野高等学校 | |
過去の名称 | 第二東京市立中学校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 東京都 |
創立記念日 | 1924年 |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制課程 定時制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
学科 | 普通科(8クラス) |
高校コード | 13117C |
所在地 | 〒110-8717 |
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電話番号 | 03-3821-3706 |
FAX番号 | 03-3821-3687 |
外部リンク | 公式サイト |
目次 |
[編集] 概要
第二東京市立中学校を前身とする中堅進学校。上野公園の端、東京芸術大学と上野動物園に接した位置にある。1924年、第二東京市立中学校として関東大震災後の学校不足解消の為に設立された。他に市立中以来の学校としては九段高校、文京高校がある。
都立全盛期には東大合格者40人前後を輩出したこともあり、学校群制度においては旧第五学区内で白鴎高校と52群を組み、地域随一の進学校であった。グループ合同選抜制度移行後も数年間は男子の学区トップ校の地位を保った。今でも難関大学の指定校推薦枠が存在している。2004年度より国公立進学クラス、2005年度より特別進学クラスを2クラス設置した。土曜授業の実施や土曜講座、講習の充実など進学指導の充実に力を入れている。夏休みには全学年で勉強合宿が開かれる。2006年度からは標準服を導入した。
各界に膨大な著名人を輩出しており、卒業生を招いた講演は非常に充実している。
[編集] 教育課程
※定時制は2006年4月に三部制の定時制高校である浅草高校が開校したのに伴い、2009年3月に閉課予定。現在は補欠募集のみを行っている。
[編集] 交通・周辺環境
JR・地下鉄日比谷線上野駅から、上野公園を横断して徒歩10分。地下鉄千代田線根津駅からは徒歩7分。上野のアメヤ横丁・秋葉原・神田の古書店街等にも寄りやすい、交通の要所、東京都北東部の便利な位置にある。
[編集] 学校施設
現在の校舎は1987年に建築された。以前は埼玉県新座市の平林寺より土地を借り、体育用のグラウンドとして使用していた事もあった。しかし寺との戦前の借地約束の有効性のトラブルから裁判となり、1975年ごろ、それに負けて使用権を失った。当時「施設の管理者の身分が曖昧」等、管理にルーズな点もあり、寺側の言い分にむしろ分が有ったと言われている。その他長野県小県郡に、ログハウス様の山荘を卒業生の会が管理している。
[編集] 教育の特徴
上野の山の台地と公園、そこに古くから居する、国立博物館、国立科学博物館といった重厚な独立行政法人施設の群の存在という、個々の人間にはどうしようもない、大きな自然等の摂理によって、この高校には古くから、独特の教育風土が存在する。すなわち語学の堪能さから教諭を業としている英語学科を除けば、他のほぼすべての教科は、それぞれに特殊な専門分野の研究者として第一人者の力を持つ、公的機関の専門研究者のような教職員ばかりによって構成されている。たとえばここに入学すれば、のちにその卒業生がそれとは全く無関係な職業につくとしても、ハンドボールの専門家の体育の教諭から、「スポーツのスペシャリストにとっては、スポーツのルールとは、その理解よりも、外延部(抜け穴)の認識の方が勝つためには重要であり、スポーツのトレーニングとは、そのルールの外延部の特徴から来る勝つための手法を、体でトレーニングして身に付けるものなのだ」という、「奥義」を難なく教わる事ができる。以上の特徴はこの高校の管理職にも適用され、何年かで交代して新しい方が来られても、まわりの雰囲気から管理職というよりは、自分の元々居た学術分野のスペシャリストの1人として振舞わざるをえない事が多い。そこで、生徒を講堂に整列させて校長が訓示しているという、学校一般のイメージが、この高校には全く当てはまらない。
[編集] 著名な出身者
- 矢野健太郎(数学者・旧制中学)
- 高橋義孝(ドイツ文学者・旧制中学)
- 福田恆存(劇作家・旧制中学)
- 石田五郎(天文学者・旧制中学)
- 堀源一郎(天文学者・旧制中学)
- 渡辺文雄(俳優)、くいしん坊!万才でメインなど務める
- 立花隆(ジャーナリスト・2年で編入、東大講師)
- 北野大(化学者)、ビートたけしの兄
- 小椋佳(音楽家)元銀行員、東大法学部学士入学などでも話題
- 荒木経惟(写真家)
- 羽生善治(将棋棋士・3年で編入)
- 永倉弘昭(外国為替アナリスト・セントラル短資オンライントレード執行役員)
- 山崎努(俳優)
- 大野まりな(声優)
- 馬淵澄夫(衆議院議員)
- 吉川春子(参議院議員)
- 尾形仂(芭蕉研究者・元東京教育大学文学部教授)
- 市川平三郎(国立がんセンター名誉院長)
- 中村雄二郎(哲学者・明治大学名誉教授)
- 阿部充夫(文部事務次官・東京国立博物館長)
- 北島敬介(弁護士・検事総長)
- 竹内誠(江戸東京博物館長・東京学芸大学名誉教授)
- 山崎敏光(東大原子核研究所長・東大名誉教授)
- 飯島澄男(化学者・名城大学理工学部教授・文化功労者)
- 杵屋彌吉(長唄家元・長唄協会常任理事)
- 柳家小はん(落語家)
- 内田玉男(漫画家)
- 中山幸彦(中近東文化センター事務局長)
- 高松巌(上野動物園副園長・東京都港湾局臨海開発部長)
- 石井規衛(東大文学部教授)
- 坂真太郎(観世流能楽師・東京芸術大学講師)
- 鈴木美波(新55期、バレリーナ・スターダンサーズバレエ団)
- 鶴町美香(女優)
- 神田順治(東大野球部監督・元東京大学教授)
- 土屋文明(代々木ゼミナール日本史講師)
- 茂木友三郎(キッコーマン会長・CEO)
- 岡素之(住友商事社長)
- 本田勝彦(JT社長)
- 神林留雄(元NTTデータ社長)
- 浅田和男(元西日本電信電話社長・元関西経済同友会代表幹事)
- 小沼光雄(アクティオ社長)
- 晝間敏男(電気化学工業社長)
- 橘 弘一(東証一部・GMOインターネット株式会社取締役)
- 小野一志(株式会社オノデン社長)
- 堤精二(国文学者・お茶の水女子大学名誉教授)
- 安良岡康作(国文学者・専修大学名誉教授)
- 青木正美(古書店主・作家、定時制課程中退)
- 川内野三郎(成蹊大学名誉教授・英文学)
- 山崎正一(東京大学名誉教授・哲学)
- 島田昌彦(金沢大学名誉教授・国語学)
- 増谷キートン(お笑い芸人)