川井巌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
川井 巌（かわい いわお、1896年(明治29年)9月2日 - 1972年(昭和47年)5月15日）は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍少将。山形県山形市出身。
目次 |
[編集] 略歴
旧制山形県立山形中学校より海軍兵学校第47期入校。入校時成績順位は130名中第37位、卒業時成績順位は115名中第36位。
海軍兵学校卒業者で将官への戦死、殉職以外の一般進級者が存在する最後の期の1人である。
太平洋戦争開戦時は第4艦隊先任参謀として井上成美司令長官に仕える。
太平洋戦争終結時に於ける米内光政海軍大臣の下、横山一郎軍務局出仕、山本善雄軍令部、川井人事部の幹部達に拠り乗り切った。
海軍省廃官後は引続き後継官庁たる第2復員省や復員庁などに勤務するがGHQの命令に依り官庁に於いて旧陸海軍将官の勤務が禁止され川井は横山などと共に退職を余儀無くされる。
[編集] 人物像
[編集] 年譜
- 1896年(明治29年)9月2日- 山形県山形市生
- 1916年(大正5年)8月31日- 海軍兵学校入校 入校時成績順位130名中第37位
- 1919年(大正8年)10月9日- 海軍兵学校卒業 卒業時成績順位115名中第36位・任 少尉候補生・装甲巡洋艦「吾妻」乗組
- 1920年(大正9年)5月3日- 帰着
- 1921年(大正10年)9月26日- 戦艦「伊勢」乗組
- 12月1日- 海軍砲術学校普通科学生
- 1922年(大正11年)4月8日- 海軍水雷学校普通科学生
- 1923年(大正12年)8月13日- 河川砲艦「隅田」乗組
- 12月15日- 河川砲艦「伏見」乗組
- 1924年(大正13年)7月4日- 2等海防艦「対馬」分隊長心得
- 1925年(大正14年)12月1日- 戦艦「陸奥」分隊長
- 1926年(大正15年)12月1日- 海軍砲術学校高等科26期学生
- 1927年(昭和2年)11月29日- 海軍砲術学校高等科修了
- 12月1日- 軽巡洋艦「加古」分隊長
- 1929年(昭和4年)11月30日- 海軍大学校甲種第29期学生
- 1931年(昭和6年)11月27日- 海軍大学校甲種卒業 卒業時成績順位20名中第6位
- 1932年(昭和7年)12月1日- 第2水雷戦隊司令部砲術参謀
- 1934年(昭和9年)11月1日- 海軍軍令部出仕
- 1936年(昭和11年)12月1日- 任 海軍中佐・第2艦隊司令部砲術参謀
- 1937年(昭和12年)12月1日- 聯合艦隊兼第1艦隊司令部砲術参謀
- 1938年(昭和13年)11月15日- 海軍軍令部第1部第1課員
- 12月1日- 兼 大本営海軍部参謀
- 1939年(昭和14年)11月15日- 兼 陸軍参謀本部 兼大本営陸軍部参謀
- 1940年(昭和15年)11月15日- 任 海軍大佐・第4艦隊司令部先任参謀
- 1942年(昭和17年)7月15日- 横須賀鎮守府附
- 1943年(昭和18年)10月4日- 海軍軍令部出仕 兼海軍省人事局第1課
- 11月18日- 海軍省人事局第1課長
- 1945年(昭和20年)4月1日- 兼第3課長
- 1946年(昭和21年)6月15日- 充員召集解除・復員庁第2復員局人事部長兼人事課長
- 1948年(昭和23年)1月1日- 復員局第2復員局残務処理部長
- 5月31日- 引揚援護庁復員局第2復員局残務処理部長
- 1950年(昭和25年)8月16日- GHQ命令に拠り免官
- 1972年(昭和47年)5月15日- 死去 享年77
[編集] 参考文献
- 戦史叢書・第31巻 海軍戦備(1) (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
- 戦史叢書・第38巻 中部太平洋方面海軍作戦 (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
- 戦史叢書・第29巻 北東方面海軍作戦 (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
- 高松宮日記(細川護貞・阿川弘之・大井 篤・豊田隈雄編・中央公論新社) ISBN 4-12-490040-6 C0320
- 高木惣吉日記と情報・上下巻(みすず書房) ISBN 4-622-03506-5 C3031
- 海軍の昭和史(杉本 健著・光人社NF文庫) ISBN 4-7698-2226-X C0095
- 井上成美(井上成美記念刊行会編)
- 井上成美(阿川弘之著・新潮社) ISBN 4-10-300414-2 C0093
- 日本陸海軍の制度・組織・人事(日本近代史料研究会編・東京大学出版会)
- 海軍兵学校沿革・第2巻(海軍兵学校刊)
- 海軍兵学校出身者名簿(小野寺 誠編・海軍兵学校出身者名簿作成委員会)
