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プロレスリング・ノア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プロレスリング・ノア2000年6月全日本プロレスを離脱した三沢光晴を中心に結成されたプロレス団体。法人登記名は、株式会社プロレスリング・ノア。英語表記:Pro-Wrestling NOAH、略称:ノア・NOAH

目次

[編集] 概要

2000年6月、ジャイアント馬場死後の全日本プロレスの体制に強い不満を抱いていた選手達が団結し、三沢光晴が中心となって離脱・旗揚げした。離脱者は川田利明渕正信マウナケア・モスマン馳浩の四名を除く全選手、和田京平ら一部従業員を除く二十数人という殆どの社員に及び、日本のプロレス史では最大規模となる総勢約50名強の旗揚げとなった(詳細は三沢光晴の項を参照のこと)。

旗揚げ戦は同年8月5日に事務所がある東京都ディファ有明で開催。旗揚げ戦を含む3会場、6000枚のチケットが1時間足らずで完売し、注目度の高さを示した。その後、地方興行や有明コロシアムでのビッグマッチなどを重ね、2000年10月からは日本テレビでの全国ネット地上波放送番組枠を確保、2001年日本武道館で興行を開催。2004年7月10日には、初の東京ドーム興行を開催した。

他団体との交流も活発に行っている。また、将来的な統一機構の設立を目指した団体連合組織「グローバル・レスリング連盟」にも参加し、今までにない交流関係を築き上げる可能性が出てきた。

団体名の由来は、旧約聖書創世記に登場する人物。詳細はノア (聖書)を参照。団体のロゴには創世記の中で、オリーブの葉をくわえて戻り、嵐が終わったことを知らせたが使われている。 離脱の一件を、箱船を作り神が与えた大洪水により滅亡する地上からたくさんの生命を救った「ノア」の伝説になぞらえ、プロレス界を救うという意志をこめて「プロレスリング・ノア」と名付けられた。聖書に由来する単語を用いてはいるが、宗教的な意図は無い。単発興行のタイトルは「Deperture(出航)」、「GREAT VOYAGE(偉大な航海)」、シリーズ名には「Navigation」という単語が必ず用いられ、団体の運営は航海に擬えられている。

ファンクラブ名は「ノアの方舟」を意味する「NOAH'S ARK」。

[編集] 団体の特徴

年齢・性別を問わず、幅広い層に高い人気を持つ。特に、首都圏での興行は好調であり、2度の東京ドーム大会を始め、後楽園ホールを123回連続で満員にしている(2005年10月8日の興行までの数値、現在も継続中)。

現在日本武道館大会を定期的に実施できる団体はノアだけであり、東京ドーム大会を開催して成功を収めることができた団体もノアだけであったことから、近年興行の動員に苦戦を強いられている新日本プロレスに代わって「業界の盟主」と推す声も出てきている。但し、盟主交代を明言しているのは前田日明高田延彦ミスター高橋と、いずれも元新日本関係者かつ新日本と対立した人間ばかりであり、意見の中立性には疑問が残る。また、運営規模としては現在国内最大を誇るものの、プロレス人気低迷以降に創設された団体であるため、プロレスファン以外の層における知名度の獲得に関しては新日本や全日本といった老舗団体と比べて苦戦している感があるのは否めない。

[編集] 運営方針

三沢光晴が全日本プロレス社長時代では実施できなかった、大型のセット、ライトアップ、花道など華やかな演出を充実させた。しかし、リング上の試合内容は全日本時代から大きな変化はなく、三沢が「スポーツライク」と表現する、伝統的な駆け引きや受けの美学を中核とした試合を行っている。アングルは1シリーズ内で終わる程度の短期間である。また、各選手の素の属性に関連したものが多く、リング外での活動はあくまでも添え物程度である。

競技性以外の要素としては、セガのゲーム甲虫王者ムシキングとタイアップした覆面レスラームシキング・テリーを登場させ、同ゲームの主要対象の少年層に訴求したり、笑いの要素の強いコミカルな試合も興行の中に組み入れている。

健康管理のため定期健康診断の受診(人間ドックなどを年一回)を、所属選手及び職員に義務付けている。小橋建太の腎腫瘍(のちに癌と判明する)が早期発見できたのはこのためである。これを受けて、他のプロレス団体でも定期健診の受診を促進する動きがあったなど、影響を与えている。

[編集] マッチメイク

好カードと呼ばれる組み合わせを乱発せず、ビッグマッチ用に温存することが特徴。大会場のメインイベント級のカードを大量消費してしまうリーグ戦は原則として行わない。カード温存の理由としては、選手への負担が高く負傷の原因となる点が挙げられている。これは過去の激しい消耗戦を体験している三沢社長の意思と言われているが、内部レスラーからもリーグ戦を開催して欲しいとの反対意見が出ることがある。また関東圏での(特に武道館における)ビックマッチに力を注ぎ、地方ではビッグイベントが無いとの不満も特に地方都市在住のファンから指摘されている。

他団体と比較し、軍団やユニットなどの数は少なくチーム対抗戦などは行われていない。各ユニットは敵対関係にはあらず、マッチメイクの目安程度として位置付けられている。ユニット間を超越したタッグ編成もしばしば見受けられる。基本的に選手の自由にやらしているフシがあるが、ノア設立後、時間を経るに従って通常興行においてもコミカル路線が多く見受けられるようになってきた(例:パンチ軍団、アフロ軍団といったギミック)。

[編集] ジュニアヘビー級

王座には階級の区別があることを除き、試合はヘビーとジュニアヘビー(以下、ジュニア)を等しく扱っている。そのため、ヘビーとジュニアの混合試合は日常的に行われている。

新日本であれば、ヘビーとジュニアは明確に区分され、たまにヘビーvsジュニアを挑戦試合として行い「ジュニアにしては頑張った試合」として完結するが、混合が当たり前のように行われているノアにおいては、ヘビー級のベルトにジュニアの選手が挑戦することも珍しくなくなっている。実際に2002年には小川良成、2006年には丸藤正道がジュニアヘビーの選手ながらヘビーのベルトを手に入れている。

ジュニア・ヘビーという階級が出来た後もプロレスの花形はヘビーの対戦と考えられ、ジュニアの選手がメインを飾るということは考えられなかったが、ノアでは金丸義信丸藤正道KENTA等の優秀なジュニア戦士が、ヘビーの間で揉まれたことから、全日本時代の「四天王プロレス」を髣髴とさせるような名勝負を連発するようになる。また、彼らのうち丸藤正道とKENTAが俗に言うイケメンであり、試合のスタイルも華やかな動きと緩急で魅せる丸藤、ハードヒットのKENTAと素人にも非常に分かり易いこともあってか彼らを目当てにした若い女性客が格段に増えた。後楽園ホールでは、女子トイレに毎回行列が出来るほどである(女子トイレに行列が出来る団体は、プロレス界でもノアとDRAGON GATEくらいだと言われている)。その為、最近ではタイトルマッチでなくてもメインにジュニア戦士のみが上がる事が多くなり、黄色い歓声が飛ぶことしばしばである。

[編集] フリーランスへの待遇

団体発足当時は団体の意向もあり、他団体の選手やフリーの選手がリングに上がる事は少なかったが、ゼロワンとの対抗戦で大谷晋二郎田中将斗の炎武連夢(エンブレム)や高岩竜一らが継続参戦をしたあたりから他団体選手もよく上がるようになり、最近では国内外問わず頻繁に団体外の選手が上がっている。現在の対抗戦の基盤を作ったともいえる獣神サンダー・ライガーのGHCジュニア王者時代には、他団体ヒールという自分の立場を最大限に利用してハジけまくり、良い試合をすれば所属に関わらず拍手が送られる良くも悪くもほのぼのとした雰囲気を持つノアで大ブーイングを生み出し観客を大いに沸かせた。また最近頻繁にノアに上がる鈴木みのるは、小橋建太とのGHC選手権では負けたにもかかわらず笑顔で何度も「面白い」と語った。佐々木健介も試合後、満足そうな表情で、「ノアのプロレスは楽しい」と発言している。SUWAに至っては、ノア初参戦後のインタビューで「このリングに上がって初めてプロレスラーになれた」とまで発言しただけでなく、フリーであるのに勝手に会社の備品であるテーピングを使ったり、届いた差し入れを食べてしまったりすることから、所属選手のみで行われる筈の選手会興行に参加させられた。そして2006年7月にはフリーの立場でありながらヨーロッパへ派遣されるというエピソードも存在する。 斎藤彰俊や前述のSUWAなど、「給与形態以外は全て所属選手と同じ」という選手も多く、道場でちゃんこを食べて帰るフリー選手までいるぐらいである。斎藤はフリーの立場で5年間継続参戦していたが、2006年1月1日付で正式にノア所属選手となった。 エルドラドを退団した石森太二も現在は半所属選手(新弟子待遇)という形でツアーに帯同している。

[編集] 団体内の雰囲気

現在の全日本プロレス新日本プロレスなどと違い、表立った抗争なども無く、選手同士は非常に和気藹々としていると言われる。また、この団体の特徴として、先輩後輩関係が他の団体と異なる様である。普通、プロレス界は入門順、もしくはデビュー順で先輩後輩が決まり、年齢差があっても絶対である。入門前にアマレスなどで実績があったり、大学を出たりして入門が遅い選手は、例え年下でも入門が早い選手に敬語を使うのが普通である。だがノアでは、入門が早い、先輩という立場の選手であっても、アマレスなどで実績がある年上の後輩には「さん付け」で呼んで敬語を使うケースがよく見られる。例を挙げると、力皇猛は入門前に大相撲前頭四枚目まで登り詰めた実績があるものの、相撲を経験してから入門した為随分年下の森嶋猛丸藤正道KENTAらよりプロレス界では後輩になる。力皇は彼らを「さん付け」で呼ぶが、森嶋や丸藤らも力皇に「リキさん」と「さん付け」し、敬語を使っている。また、杉浦貴自衛隊でアマレスの実績を積んでいた関係上、入門が遅れているが、金丸義信らは「杉浦さん」と呼び、敬語を使う。その他、アマレス界で随一の実績を持つ本田多聞も入門が遅れているが、小橋建太はプライベートでは「本田」とは呼ばず、「本田選手」「多聞ちゃん」などと呼んでいるほか、秋山準も「本田さん」「多聞さん」などと呼ぶ。意外なのは斎藤彰俊であり、秋山に対しては「秋山選手」と呼んで敬語を使うのだが、秋山より先輩である井上雅央に対しては「マサオ!」と怒鳴ったような口調で呼んでいる。しかし、近年入団の若手は都合が変わっていることから、何らかの基準があるものと思われる。

[編集] 他団体との交流

[編集] 新日本プロレス

かつては秋山と永田裕志の会合を皮切りに新日本プロレスとは三沢-蝶野正洋ラインを中心に行われ、藤波辰爾が三沢との対戦希望を出していた。しかし、新日本の実質オーナーであるアントニオ猪木が全日本出身者中心の同団体を嫌い、関係が閉ざされた。 2005年に猪木が新日本から離れたものの、娘婿のサイモン猪木が社長に就任。会見でノアとの交流は白紙にすると発言し、日本テレビとテレビ朝日の間で交わされた交流戦に関する覚書を一方的に白紙にされてしまう。 ノアはこれに激怒。一方的に絶縁を通告されたうえに、最大のスポンサーである日本テレビに立つ瀬が無いとして、2006年5月13日付けの東京スポーツ紙上において正式に新日本プロレスとの交流断絶を表明した。しかしながら東京スポーツの報道は誤報で、週刊ゴング誌上では仲田龍氏自ら覚え書きの存在を否定した。ノア側が主張したバーターの件も実は成立しており(新日ドームに三沢参戦後にノアドームに棚橋参戦)、さらにサイモン氏社長就任から半年以上経過後という時期もいささか唐突であり(一部新日選手が批判)、利権に関するなんらかの事情があってのことと推定されている。一見新日本が悪いように思われるが、これはあくまでノア側の見解のみが述べられているだけであるため、真実は不明である。

また、テレビゲームへの選手登場を要請した新日本プロレスの親会社ユークスに対しても「巨人の選手が中日新聞に協力するようなことは無いでしょう。よって辞退しました」としている。しかしながらそれからまもなく「プロレス団体の共存のため」を旗印に掲げたGPWAを発足しており、その矛盾点が指摘された。7月に発売されるレッスルキングダムPS2版がユークスのゲームにノアの名前と所属選手が登場する最後のゲームとなった。

[編集] 全日本プロレス

一時期は交流はあり得ないと考えられた全日本プロレスとも一時交流している。 三沢らの全日本離脱の一因となった馬場元子が全日本の経営から離れたこと、武藤敬司が社長であること、などがその理由と考えられている。最近では所属選手の相互派遣がないことから、再び距離を置いていると考えられるが、その一方でVOODOO-MURDERS佐々木健介中嶋勝彦NOSAWA論外MAZADAといった全日系フリーのユニットや選手がノアマットに次々と上陸している。中には全日認定の王座を保持したままノアの大会へ出場するケースもある(鈴木みのる三冠王者=2006年12月10日・日本武道館、佐々木&中嶋/アジアタッグ王者=2005年11月5日・日本武道館、近藤修司世界Jr.王者=2006年11月1日・後楽園ホール)。 また、後述のディファカップやRINGSOULなど、単発興行での接触もある。

[編集] ZERO1-MAX

ヘビー級はZERO-ONE時代に、橋本真也大谷晋二郎が参加していたが、現在はノアを退団した大森隆男が所属している事もあってか、表立った関係は絶えている。しかし、ジュニアヘビー級に関しては、ZERO1-MAXの親会社であるファースト・オン・ステージとノアの共催で行われたディファカップでの繋がりから、日高郁人藤田ミノルが参戦するようになった。また、KENTAや杉浦貴、菊地毅らがZERO1-MAXに度々参戦している。FOSの中村祥之代表とノア首脳とのパイプは年々強化されており、FOSがグローバル・レスリング連盟設立案をノアに持ち込んだ辺りから再びその関係が強化されつつあり、プロレスリング・セムの興行(正確には通常のノア興行の前に行われた「SEM ex」)に日高を送り込んだり、GPWA興行で若手の混成タッグを結成したり、大谷が小橋欠場で空位になったGHCタッグの新選手権決定トーナメントなどに村上和成ビッグマウス・ラウド)とのコンビで出場したりと、前述の大森以外の面々に関してはノア興行、もしくは他興行でノア勢と絡む機会は今後着実に増えていくものと思われる。

[編集] IWAジャパン

IWAの浅野オーナーは元全日本のプロモーターであり、その縁もありノア旗揚げ直後は頻繁に選手を派遣していた。現在もフロント間の親交があるとされる。

[編集] みちのくプロレス

丸藤正道ザ・グレート・サスケと対戦し、今後の交流にも含みを持たせた事があったが、その後両団体の交流はない。みちのくプロレスのあるスタッフが、全日本所属時に起こしたトラブルの顛末(過去の持ち逃げの噂など)が今さらながらに取り上げられたり、当時みちのくプロレス所属の4代目タイガーマスクが、ノアの選手に対して暴言に近い発言をしていることなどを見る限り、何らかのトラブルが発生したと思われる。モジコ関連の話ではと一部で言われている。

[編集] キングスロード

三沢たちがかつて所属した、全日本プロレスが掲げていた「王道」をその名に冠する団体であることなどから交流の可能性は皆無と見られていた。しかし、2006年4月の同団体の興行に三沢を含め4選手が参加することとなった。同団体の設立メンバーである高橋英樹が、ノアのホームグラウンドとも呼べる「ディファ有明」の元職員であることや、フロント個人の繋がりが参加の理由であると考えられる。

その後キングスロード自体がZERO1-MAXに吸収されるような形で終焉を迎えた。最終的に倒産に至ったという点から結果的に助けたことにはならなかった。これに関しては、最低限の興行を行うための頭数を揃えてあげただけで良しとする意見とともに準備も定かでない泡沫団体をも助けた点に批判もある。

[編集] ビッグマウス・ラウド

柴田勝頼は2005年11月のGHCタッグ選手権試合にKENTAのパートナーとして、12月のBML第二回興行ではノアに所属する直前の斎藤彰俊が出場している。2006年に入って表立った交流はなく、3月の柴田棚橋戦のいざこざの末新日本とBMLの絶縁を知った仲田がBMLとは今後一切絡まないのではないのかとの声もあった。しかし、6月のBML第六回興行では丸藤と森嶋が出場することとなり、現在も関係は続いていると見てよい。

奇しくも現在のノアとBMLは新日本とは一切絡まないことを宣言している。また、ノアによる新日本との唐突な絶縁宣言とノア選手のBML出場が時期的に一致している。これは単なる偶然ではない、との見方もある。

2006年8月に柴田が退団。ノアにてKENTAとのタッグ再開を予定していたが、その後柴田は総合格闘技に活動の中心をシフトさせたため、事実上柴KENタッグは空中分解したと見る向きは多い(ただしKENTAの弁によると両者の交流は完全に途切れたわけではないらしい)。また、同年10月には村上和成、臼田勝美原学がノアマットに上陸、村上は三沢とシングルで対戦したが、これは村上と上井文彦との間のトラブルによりBMLが事実上活動停止状態に陥っており、GPWA所属の同団体への救済措置ではないかとまことしやかに囁かれている。その事を裏付けるかのように、村上らは同じGPWAの主幹団体であるZERO1-MAXにもほぼ同じ時期からレギュラー参戦しており、村上は同年11月のGHCタッグ選手権王座決定トーナメントにもZERO1の大谷晋二郎とのコンビでノアに再上陸、更に同じくZERO1の高岩も含めたトリオで12月の横浜大会にも引き続き参戦した。

また、もう一方の上井が興した興行、 UWAI STATIONの旗揚げ戦にはノアの常連フリー系選手の高山善廣鈴木みのるSUWAがタッグを組んで出場、さらには直前に行われたノアのシリーズに参戦した外国人選手のブライアン・ダニエルソンも同じく出場しており、こちらの方にも何らかの目配せがあったとも思われる。

[編集] DRAGON GATE

ディファカップなどで単発的な接触はあったが、共に業務提携しているROHの日本ツアーにおいてノアが東京大会、DGが大阪大会をサポートする事が決定、それを切っ掛けに正式に交流を持つ事になった。

現時点では混成チーム同士(KENTA&斉藤&ハルク対金丸&土井&堀口、など)での試合が中心で対抗ムードは薄いが、その中でもKENTAと土井成樹との絡みは今後主軸になっていく事を予感させている。また、2007年4月に予定されている武道館大会では、兼ねてから参戦を熱望していたCIMAが参戦する。

[編集] DDT

同様にディファカップ等での単発的な接触はあったが、それ以外ではプロレスリング・セムの興業に飯伏幸太が、ノアでの選手会興行で男色ディーノが(ディーノの場合は試合ではなく、秋山準のセコンドとして)出場したという程度に留まっている。これは両団体の実力や方向性の違いから、共に積極的な交流を避けているからと考えられるが、その反面、前述のディファカップやセムでの飯伏のように、成長著しい若手同士の交流については今後ますます盛んになると考えられる。それを証明するように、2007年4月1日のDDT後楽園ホール大会に丸藤正道が男色ディーノと組んで、KUDOマッスル坂井組と戦い、所属選手初のDDTマット参戦を果たした。5月6日にディファ有明で開催される「ディファフェスタ」のDDT主催興行(Cruiser's Game)にもKENTAが出場し、KUDOとシングルマッチを行う事が決定している。

[編集] その他海外の団体
アメリカ

WLWROH、PWIと業務提携を結んでいる。また、2007年の記者会見にて、今後TNAとも関わりを持つ可能性が高いことを示唆している。

メキシコ

AAAと業務提携を結んでいる。

イギリス

FWAと業務提携を結んでいる。

ドイツ

WXWと友好関係にある。

大韓民国

KWF(韓国レスリング同盟)と友好関係にある。

[編集] 個人の参戦

元所属選手の出場も活発。かつて所属していた高山善廣池田大輔などに見られるように退団して個人会社を設立した後、再び頻繁に出場することもある。大森隆男とは退団の経緯から絶縁している。詳細は選手個人の項を参照。

[編集] 課題

日本のプロレス団体では、トップクラスの安定した運営を行っているが、課題も見られる。課題の主な例、原因、取組は以下の通り。

  • へビー級レスラー間の格差
    三沢、小橋らトップレスラーと中堅・若手のレスラー、特にヘビー級との人気・実力差が依然として残っている。理由は、所属選手の出入りが極端に少ない事による世代交代の遅延、中堅・若手のシングルマッチに対する絶対的な経験不足と、それによる観客の思い入れの欠如であると考えられる。旗揚げ直後から、ノアは特に地方興行において、試合カードの編成をタッグマッチ中心で行ってきた。所属選手、およびフリー選手の参加が増加していることなどがタッグ編成が多い原因と思われる。
    このような課題を改善するための方策として、2005年後期にはシングルマッチが増加し、2006年からはローテーションを組んだ若手のヨーロッパ遠征を取り入れている。また2006年のプロレスリング・セムの設立も、対応策の一つである。こういった変化により、力皇のGHC、森嶋・ヨネのGHCタッグ獲得、森嶋の急成長と一定の成果は上がってきていると考えられる。しかし、秋山がGHC王座獲得後の最初の会見でヘビーの中堅・若手に対して苦言を呈していたように、今だトップレスラーと中堅・若手との格差は存在する。小橋の腎臓腫瘍による長期欠場が決定した以上、中堅・若手のより一層の奮起が望まれる。若手においては、丸藤やKENTAを筆頭としたジュニア勢の活躍がヘビー級の若手を人気面で圧倒している。
  • 首都圏と地方間の人気格差
    東京都を中心とする関東と、その他の地方間の人気格差も課題のひとつである。
    タイトルマッチをはじめ、主要カードの大半が日本武道館で行われている。テレビ中継の時間差や地方プロモーターとの関係などが主な原因として考えられる。首都圏にファンが集中するため、首都圏での興行が優先され、結果として、地方とマッチメイクや試合のクオリティに差が生じ集客に伸び悩むという負の循環が見られる。団体最高権威であるGHCヘビー級選手権試合は2004年以降、首都圏の会場でしか行なわれておらず、王座移動に至っては2002年の大阪府立体育会館をを最後に首都圏以外の会場では起こっていない。
    関東では、観客動員が難しいと言われる横浜文化体育館を超満員にするといった成果をも挙げている。武道館を使用しているプロレス団体も日本ではノアのみ、両国以上のクラスで興行を継続的に行っている団体は新日本とノア以外に存在しない。しかし、神戸ワールド記念ホール愛知県体育館などでは同会場における他団体の興行と比較して観客動員は芳しくない。特に神戸は売り興行ではあったものの、DRAGON GATEが約8000人の観客動員を記録したのに対して、ノアは2005年の興行で2800人という観客動員(いずれも主催者発表)となっており、ファンの間では「鬼門」と呼ばれている。ノアではその地方で観客動員数が低かった場合、次は規模の小さい会場を使用することが多い。上記の兵庫や愛知の他に、北海道や福岡での興行も規模縮小を行って続行している。近年はますます首都圏にビッグマッチが集中するようになっている。後述の若手大会「セム」を、地方でも行う計画が進行しているとされるが、実行には移されていない。
    尚、2006年は神戸ワールド記念ホール大会はスケジュールに組まれていないが、愛知県体育館、大阪府立体育会館第一で興行を行った。近年、地方大会で閑古鳥が鳴いている様子がネット上に流出した。
  • その他
    公式ホームページに選手プロフィールのコンテンツが存在しない事に少なからず批判がある。以前はあったが、コスチュームが旗揚げ直後のままであったりと更新が滞っていた。現在は肖像権の関係から日本テレビのノア中継公式サイトに移転している。

[編集] 新企画

2005年末に4人の新人がデビューし、若手選手の出場機会の減少が危惧される。その対抗策として、丸藤やKENTAなど若手を中心にした興行「プロレスリング・セム」が発表された。初回興行は2006年3月21日。 常設であるディファ有明を半分ほどに仕切り、300~500人規模で行う。リングマットの色は、ノアで用いられる緑ではなくピンクと紫が使用される。サプライズとして他団体の選手やベテラン選手も参戦する場合がある。

[編集] 海外進出

小橋や丸藤などがアメリカのWLWやROHに出場したり、ヨーロッパ各地を転戦するなどレスラー単位での海外進出は行われていた。2006年度より、本格的に海外進出を行うことが発表された。その第一段階としてアメリカに現地法人を設立し、物品の販売を行う。将来的には、ヨーロッパにも現地法人を設立する予定である。 ノアの発表によるとアメリカ進出は、同国内にて海賊版のDVDが出回っており、その販売量が世界最大規模のプロレス団体であるWWEの公式DVDに匹敵しているとされており、肖像権の保護や、アメリカの業者から販売権を求められたことも理由である。2006年春に英語版の公式ウェブページを開設。 ヨーロッパ、ハワイ、台湾などでも、試合中継が放送されているため、アメリカと同様の進出も考えられる。

[編集] 海外武者修行

90年代以降、当時の全日本プロレスは鎖国体制を取っており、田上・小橋以降の世代はノアに移籍するまで海外遠征の経験がない者がほとんどであったため、ノアでは提携団体を中心に積極的に海外への選手派遣を行なっている。ただし2002年大森隆男が無期限遠征中に無断でWWEのトライアウトを受けた事件も起こっており、長期遠征に対しては慎重な態度を取っている。2006年より、ノア名義でイギリスにアパートを借りている。これはノアにも参戦しているダグ・ウィリアムスのコネクションでイギリスで行われる大会に若手選手を派遣するためだが、小橋や丸藤らがアメリカに遠征して試合を行ったり、三沢らがヨーロッパの大会に参戦する形とは違い、「イギリスに行く」以外は何も決まっていないまま、若手選手を派遣する。通常、海外遠征には渉外部長である仲田や通訳が同行するが、このプランについては選手のみが派遣され、言葉も通じない、電車の切符も買えない状況となる。仲田曰く「かつてロッキー羽田さんたちが行っていた海外留学を再現させた」。選手達に一回り大きくなってもらおうという配慮であるが、非常に過酷である。2006年春には森嶋猛モハメド・ヨネの二人が一ヶ月間派遣された。7月からは金丸義信杉浦貴が派遣された。8月には潮崎豪SUWA(フリー)が派遣された。尚、ヨーロッパでは10月以降、主だったプロレス団体がオフに入り、試合数があまり無いため、9月にリッキー・マルビン石森太二(フリー)を派遣したあとは海外留学を一旦休止し、また翌年4月からの派遣となる。現在は就労ビザの関係で欧州を中心にローテーションを組んで若手を派遣する形となっている(アメリカでは就労ビザが比較的高価な為、大金を積んででも見たいという選手はオファーがあるので例外として、修行という形で若手選手を派遣するのは割りに合わないそうである)。なおメキシコなどにも参戦している。

[編集] 団体認定王座

ノアが団体として認定する王座は「Global Honored Crown」(通称:GHC・地球規模の崇高なる王位という意味である)。 ヘビー/ジュニア・ヘビー級の各階級にシングルタッグの王座が存在する。 ベルトの革の色は、ヘビーは黒、ジュニアは青(紺)である。 また、秋山準の提唱で創設されたグローバル・ハードコア・クラウン(通称:白GHC)も、ノアの代表である三沢公認の王座として存在する(団体としては非公認である)。

また同じ略称となる、斎藤彰俊が2004年に創設したクリスマス限定のGHC(Great Happy Christmas)、杉浦が個人的に保有するGHC(Global cHabakura Crown、あるいはGlobal Honored Cabakura)なる王座も存在する。これら2つは企画的な意味合いが強い王座であり、防衛戦は行われていない。

王者一覧(2007年2月18日現在)

ノア所属選手が保持する、他団体管轄のベルト(2007年2月24日現在)

[編集] レスラー

[編集] 所属選手(ユニット別、五十音順) 

ユニットに属さない選手
バーニング
スターネス
ダーク・エージェント
パンパース(パンチ軍団)
その他

[編集] フリーランスとして継続出場

半所属
継続出場

[編集] 主な外国人選手

[編集] 過去の所属レスラー

引退
退団

[編集] 主な出場経験レスラー

※団体は初参戦時の所属(括弧内は2006年10月現在)
新日本プロレス
全日本プロレス
FMW
ZERO-ONE
ZERO1-MAX
大阪プロレス
格闘探偵団バトラーツ
KAIENTAI-DOJO
健介office
ビッグマウス・ラウド
チーム・ヨコヅナ
NEO女子プロレス
プロレスリング・エルドラド
DRAGON GATE
フリー選手
外国人選手(ROHを主戦場とする選手)
外国人選手(AAAを主戦場とする選手)
  • エル・アンヘル
  • チャーリー・マンソン
  • シコシス(2代目)
  • アビスモ・ネグロ
  • エル・オリエンタル
外国人選手(wXwを主戦場とする選手)
外国人選手(WLWを主戦場とする選手)
  • テッド・デビアスJr
  • ダニエル・クロス
外国人選手(その他)

[編集] セコンド、又はゲストとして出場

[編集] フロント

企業としては、資本金1000万円の、興行団体としては一般的な規模であるが、上記以外にも取締役が存在し、総勢では10人近い。社員も約40人在籍している。日本のプロレス団体では一番の大所帯となっている。
故人

[編集] GHC管理委員会

[編集] スタッフ

[編集] レフェリー

[編集] リングアナウンサー

[編集] 試合中継

同団体の主要試合は、日本テレビが放送しており、インターネット配信も行われている。

  • CS放送(日テレG+
    • NOAH di コロッセオ
    • 独占NOAH情報
    • プロレスNOAH スペシャル
  • インターネット配信
    • インターネットプロレスリングNOAH

[編集] マット・スポンサー

大会スポンサー

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

他の言語
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