知立駅
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知立駅(ちりゅうえき)は、愛知県知立市栄にある名古屋鉄道の駅である。
当駅に乗り入れる名古屋本線と三河線は、元は愛知電気鉄道と三河鉄道という別会社で、両線が立体交差する地点にそれぞれ駅を設けて連絡し、合併後に駅名を統一するもののその状態は続いた。しかし、1959年に名古屋本線に三河線が乗り入れられるよう駅を新設して現在の形となり、三河線にあった当初の駅は三河知立駅と改称された(名古屋本線側は東知立駅に改称、1968年に廃止)。
三河線は知立駅にスイッチバックして乗り入れる配線になっているが、現在では三河線全線を直通する列車はなく、この駅を境に豊田市・猿投方面の北側区間(山線)と刈谷・碧南方面の南側区間(海線)で運転系統が分かれている。ただし知立駅に到着した列車がそのまま反対側の区間への始発列車になる設定もあり、この場合は下車をせずに乗り継ぐことができる。
駅周辺では2014年度を完成予定とした駅の高架事業のため、仮線工事などが始まっている。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
3面5線の地上駅であるが一番西寄りに留置線があり、これが1番線になっている。3つあるホームのうち、のりばが2番と3番、4番と5番が島式ホーム、6番が単式ホームである。それぞれのホームは地下通路でつながっており、乗り換え移動には階段を利用しなければならない。駅の構造が古くエレベータの設置が困難なため、車椅子利用者は駅員の補助を受ける必要がある。その場合は6番のりば以外は改札口を通らず、駅を迂回する形で専用口から直接ホーム内に入る。
- のりば
2 | ■三河線 | 刈谷・碧南方面 | |
■三河線 | 豊田市・猿投方面 | ||
3 | ■三河線 | 刈谷・碧南方面 | 設備的には名古屋本線下り線に入線可能 |
■三河線 | 豊田市・猿投方面 | ||
4 | ■名古屋本線 | 名古屋・岐阜・犬山・中部国際空港・津島方面 | 三河線直通列車の全列車、(名古屋本線内も含めた)知立折り返し列車なども使用 |
■三河線 | 刈谷・碧南方面 | ||
5 | ■名古屋本線 | 名古屋・岐阜・犬山・中部国際空港・津島方面 | 知立以東からの全列車はここに入線 |
6 | ■名古屋本線 | 東岡崎・豊橋・豊川稲荷・西尾方面 |
[編集] 特徴
- 1998年からこの駅の掲示板に、イラストレーターのウノ・カマキリが、「知立(ちりゅう)は知立(ともだち) 夢人画廊(ゆめびとぎゃらりぃ)」というイラストの掲示板を出している。この駅で乗降する利用者をスケッチしたものが中心。「知立」を「ともだち」と読み替えて、町興しに一役買っている。ウノ・カマキリは、この地の出身で、1994年4月に隣の三河知立駅の掲示板に「夢人駅(むじんえき)」と題して「夢人駅漫画展」を常設したことがきっかけである。
- 本線上り6番ホームの豊橋寄りには知立の弘法さんとして親しまれている遍照院の遙拝所がある。
- 駅構内や名古屋本線の発着があるホームには売店や、酒類も供される立ち食いの飲食店があり、改札口近くでは知立市の名物「あんまき」も売られている。
[編集] 利用状況
1日平均乗降客数は、2004年度31,115人、2005年度31,475人。名鉄の駅の中では、9番目に多い。三河線の駅では、最も利用客が多い。
[編集] 駅周辺
- 知立神社
- 国道155号
- 国道419号
- ユニー知立店
- 山本学園 情報文化専門学校
- 山本学園 中部ファッション専門学校
- 知立市立知立小学校
- 知立市立知立西小学校
- スギ薬局
- 白木屋
- 知立本町郵便局
- 国道1号
- 国道155号
- 国道419号
- 愛知県道51号知立東浦線
- 愛知県道285号安城八ツ田知立線
- 愛知県道298号安城知立線
[編集] 歴史
- 1915年10月28日 三河鉄道(現在の三河線)知立駅が現在の三河知立駅の位置に開業。
- 1922年4月1日 愛知電気鉄道岡崎線(現在の名古屋本線)が神宮前駅から新知立駅(仮駅)まで開業。
- 1923年6月1日 岡崎線が西岡崎駅(現在の岡崎公園駅)まで延伸され、新知立駅が三河鉄道との交点の高架上に移転。
- 1941年6月1日 三河鉄道が名古屋鉄道と合併。(愛知電気鉄道は1935年8月1日に名古屋鉄道と合併)
- 1941年8月1日 三河線知立駅と豊橋線(現在の名古屋本線)新知立駅が統合され、知立駅に改称。
- 1959年4月1日 現在の知立駅が開業。名古屋本線の旧駅は東知立駅、三河線側を三河知立駅に改称して分離。三河線の三河知立駅・重原駅から知立駅までの新線開業。
- 1968年1月7日 名古屋本線の東知立駅を廃止。
- (この間に知立駅を通過する特急列車が設定される)
- 1999年5月10日 知立駅の特急通過を中止。
- 2003年10月1日 トランパス導入。
- 2007年度 仮線工事開始予定
- 2014年度 高架化完成予定
[編集] 隣の駅
- 名古屋鉄道
- 名古屋本線
- 三河線
[編集] 高架事業
[編集] 経緯
知立駅周辺は鉄道により市街地が分断され、また鉄道と道路が平面交差していることで慢性的な交通渋滞が発生するなど、長年に渡り生活に及ぼす影響が看過できない事態になっていた。このため知立市は知立駅を中心とした名鉄名古屋本線と三河線の連続立体交差事業計画を策定、合わせて知立駅周辺土地区画整理事業を行うこととした。
[編集] 概要
建設される高架駅は3階構造の4面8線の駅で、1階に改札や駅業務施設及びコンコ−スなど、2階に2面4線の名古屋本線ホーム、3階が2面4線の三河線ホームとなる。この三河線ホームは「コ」の字形の頭端式ホームで、通過可能な外側の2線が長いアプローチを経て名古屋本線(名古屋方面)と接続し、「コ」の字の内側に入る2線は知立駅での折り返しとなる。総事業費は499億円で2008年度まで仮線工事、2009年度に仮線切替、2011年度に高架本体工事、2013年度に高架切替、2014年度の完成予定である。
[編集] 事業費問題
この連続立体交差事業の事業費は名鉄負担分を除き、愛知県と知立市で1:1となっているが、財政状況が必ずしも良好とはいえない市にとっては大きな負担となっている。これまでに知立市は、愛知県に対し事業費負担割合の1:1から2:1への見直しを、近隣5市へは事業への協力を要請した。このことから一時期、自治体合併まで話が及んだが破談、事業費問題の解決には至っていない。これに対し事業費を圧縮削減する方策も次々と出され、三河線を高架から除外し2階構造とする案、事業で同時に高架化予定の三河知立駅を廃止または高架区間外へ移転する提案などがあった。これについては沿線住民の一部から駅の移転誘致を希望する声が挙がっているため、三河知立駅の市北部への移転が有力視されている。しかし事業計画では、名鉄が将来の複線化を計画している三河線北側(山線)一部高架区間を単線構造としたため、二重投資にならないよう複線構造への変更を訴える声もあり、事業費の圧縮削減が進まない状況にある。
[編集] 関連項目
豊橋 - (平井信号場) - 伊奈 - 小田渕 - 国府 - 御油 - 名電赤坂 - 名電長沢 - 本宿 - 名電山中 - (舞木信号場) - 藤川 - 美合 - 男川 - 東岡崎 - 岡崎公園前 - 矢作橋 - 宇頭 - 新安城 - 牛田 - 知立 - 一ツ木 - 富士松 - 豊明 - 前後 - 中京競馬場前 - 有松 - 左京山 - 鳴海 - 本星崎 - 本笠寺 - 桜 - 呼続 - 堀田 - 神宮前 - 金山 - 山王 - 名鉄名古屋 - 栄生 - 東枇杷島 - (枇杷島分岐点) - 西枇杷島 - 二ツ杁 - 新川橋 - 須ヶ口 - 丸ノ内 - 新清洲 - 大里 - 奥田 - 国府宮 - 島氏永 - 妙興寺 - 名鉄一宮 - 今伊勢 - 石刀 - 新木曽川 - 黒田 - 木曽川堤 - 笠松 - 岐南 - 茶所 - 加納 - 名鉄岐阜
猿投 - 平戸橋 - 越戸 - 梅坪 - 豊田市 - 上挙母 - 土橋 - 竹村 - 若林 - 三河八橋 - 三河知立 - 知立 - 重原 - 刈谷 - 刈谷市 - 小垣江 - 吉浜 - 三河高浜 - 高浜港 - 北新川 - 新川町 - 碧南中央 - 碧南
(名鉄三河線廃止区間)
西中金 - 三河広瀬 - 枝下 - 三河御船 - 猿投 - … - 碧南 - 玉津浦 - 棚尾 - 三河旭 - 中畑 - 三河平坂 - 三河楠 - 寺津 - 西一色 - 三河一色 - 松木島 - 吉良吉田
(名鉄豊田線)
梅坪 - 上豊田 - 浄水 - 三好ヶ丘 - 黒笹 - 米野木 - 日進 - 赤池(>>伏見・上小田井方面)