快速急行
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快速急行(かいそくきゅうこう)とは、西武鉄道、近畿日本鉄道など多くの私鉄で運行されている列車種別の一つである。停車駅は東武日光線を除いて急行よりも少なく、特急よりも多い。特急を補完して速達列車を増加させるため、もしくは急行を速達化するために設けられる場合が多い。特急を運行している路線・会社の場合で、その特急が有料特急のみであるときは、料金が別にかからない列車としては最速達種別である。
一般に快急と略され、英語では一般的に“Rapid Express”と表示される。
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[編集] 各社の運行状況
[編集] 西武鉄道
西武鉄道は池袋線と新宿線で運転している。
[編集] 池袋線
池袋線では、平日は昼間時に池袋駅から飯能駅まで有料特急「レッドアロー」号の補完列車として運行している。休日には、西武秩父線を経由して秩父鉄道線に直通する列車を上記の意味合いに加えてハイキング列車としての目的で運行している。
なお、秩父鉄道線に直通する列車には2ドア・トイレつきの4000系電車が使われ、行楽列車としての顔を明確にする他、前4両と後ろ4両は分割されて秩父鉄道の上下線の双方に直通する。
かつては、春・秋の観光シーズンに「急行 奥武蔵」という愛称が付けられた秩父線直通列車が運行されていたが、現在急行の秩父線乗り入れはない。また、不定期にヘッドマークを付けて運行される列車もある。
かつては、西武球場での野球開催時に狭山線に乗り入れる列車があった。
[編集] 新宿線
新宿線では、1998年から快速急行「川越号」が運転されている。また、1998年までは「川越号」とは別に行楽客向けに快速急行が運転されていた。
現在の快速急行は、1998年のダイヤ改正で、平日の昼間時に急行の速達列車及び特急「小江戸」の補完列車として西武新宿駅~本川越駅間で運行されているものである。この列車には「川越号」という愛称が与えられている。現在の停車駅は西武新宿線を参照のこと。
これとは別に、新宿線では1993年のダイヤ改正で特急「小江戸」が登場するまで、西武新宿駅~本川越駅間で運転していた快速急行と、1998年のダイヤ改正まで西武新宿駅~西武園駅・西武新宿駅~西武遊園地駅間で運転していた快速急行の2種の列車が運転されていた。前者は休日のみの運転(12月31日と1月1日は運休)でゴルフ客の輸送を主目的とし、後者は西武園・西武遊園地方面への観光列車としての色が強いものだった。
この快速急行の停車駅は、前者が西武新宿駅-高田馬場駅-鷺ノ宮駅-田無駅-所沢駅-狭山市駅-本川越駅で、後者が急行停車駅から花小金井駅と久米川駅を除いたものである(新宿線内の停車駅)。
前者の快速急行は1993年のダイヤ改正により特急「小江戸」の運転が開始されたことで一旦廃止となり、後者の快速急行は1998年のダイヤ改正により同区間運転への急行へと格下げされた(その後、西武遊園地行き急行は現存、西武園行き急行は廃止)。
さらに、かつては西武球場での野球開催時に運転される、西武新宿駅始発西武球場前駅行きの快速急行が運転されていた。
また、2007年3月6日のダイヤ改正で、現行の停車駅に加え新たに東村山駅と狭山市駅が停車駅に追加された。
[編集] 小田急電鉄
小田急電鉄では、定期列車としては2004年12月11日より運転している。また、この列車とは無関係に、1950年代から1960年代にかけて、夏期臨時ダイヤにおいて臨時列車として運行されたこともあるとされる。
[編集] 小田原線
小田原線では主に、新宿駅~相模大野駅~江ノ島線藤沢駅で運行され、上下合わせて平日20本、土休日3本、新宿駅~小田原駅間の列車も設定している。全区間10両編成(6+4両)で運転。新宿駅~町田駅を最短29分、新宿駅~小田原駅を標準的には82分で結ぶ。
急行との違いは、経堂駅・成城学園前駅・登戸駅・向ヶ丘遊園駅に停車しないことと一部の急行が各駅に止まる開成駅・栢山駅・富水駅・螢田駅・足柄駅も通過することである。前者の通過駅には、ほぼセットで運転されている多摩急行が向ヶ丘遊園駅を除いて停車するので、それに乗り換えることでほぼカバー出来る。このため、代々木上原駅・新百合ヶ丘駅で連絡しているケースが多い。なお、本厚木駅~新松田駅間は急行と同じく各駅に停車する。
- 停車駅
- 新宿駅 - 代々木上原駅 - 下北沢駅 - 新百合ヶ丘駅 - 町田駅 - 相模大野駅 - 海老名駅 - 本厚木駅 - 愛甲石田駅 - 伊勢原駅 - 鶴巻温泉駅 - 東海大学前駅 - 秦野駅 - 渋沢駅 - 新松田駅 - 小田原駅
[編集] 江ノ島線
江ノ島線では、2004年12月11日より、従前運行されていた湘南急行に代わり登場。江ノ島線内の停車駅は湘南急行と同じ。小田原線新宿駅~藤沢駅を標準的には53分で結ぶ。また、1往復のみ片瀬江ノ島駅まで乗り入れ新宿駅~片瀬江ノ島駅の運転となる。急行との違いは、南林間駅・長後駅を通過することと、全便10両編成のため急行は10両編成でなければ停車する本鵠沼駅・鵠沼海岸駅を全便が通過することである。
- 停車駅
[編集] 過去の臨時列車としての快速急行
過去に臨時列車として運転されていた快速急行は、新宿駅~片瀬江ノ島駅の運行で、江ノ島線内は藤沢駅のみの停車、小田原線は当時の急行停車駅に準じていた。
[編集] 東武鉄道
東武鉄道では過去に日光線で有料列車として運転していた。現在は運転されていない。東武日光線優等列車の沿革も参照のこと。
[編集] 日光線
日光線系統で特急「けごん」・「きぬ」の補完を果たす列車として、1976年より1991年まで、従前より快速用車両とされた6000系電車(1976~1986)・6050系電車(1985~1991)及び5700系電車(1976~1988)を用い、全車座席指定席制として快速急行券(1988年より座席指定券)を徴収する優等列車として運転されていた。
列車名も浅草駅~東武日光駅間の列車に「だいや」、浅草駅~鬼怒川温泉駅・新藤原駅間列車に「おじか」の名称を与えた。しかし、実態としてはそれ以前に運行されていた急行の延長上にあり、1991年に定期列車は急行用車両300系・350系電車へ置き換え、急行に種別を改めた。
また、臨時列車としても1991年以降は夜行列車「スノーパル」・「尾瀬夜行」としての運転が主であり、昼行列車としての運輸実績は少なかったが、2001年より夜行列車「スノーパル」・「尾瀬夜行」にも急行用車両が用いられるようになったことから、これ以降事実上運行されていない。
なお、昼行列車の停車駅は北千住駅に下り列車が停車するようになる1997年以前の急行のそれとほぼ同じであった。
[編集] 富山地方鉄道
[編集] 本線
富山地方鉄道の本線では1997年より、平日朝に宇奈月温泉駅~電鉄富山駅間で上りのみ運行されている。中小私鉄では唯一の運行となっている。
[編集] 名古屋鉄道
名古屋鉄道における快速急行には、1995年から2003年にかけて運転されていたものと、2005年以降に運転系統を変えて再度運転されるようになったものがある。
1995年4月5日に全車一般席の特急を一部改称して快速急行が登場した。その後、金山駅発着の常滑線への普通列車を延長する形で新一宮駅(現在の名鉄一宮駅)から運行する列車も設定されていた(新一宮駅~金山駅間:快速急行、金山駅以南:普通)。しかし、この快速急行は、改正毎に運転本数が減らされ、2003年3月27日の改正で特急に統合され消滅した。名鉄特急の項目も参照のこと。ちなみに、当時の快速急行の停車駅は特急停車駅+鳴海駅だったが、特急への統合後も停車駅の変更はなく、鳴海駅に追加停車する扱いとなっている。
その後2005年1月29日の名鉄空港線開業に伴うダイヤ改正から、それ以前の急行の標準停車駅及び特別停車駅の整理を行った形で再登場した。概要としては名古屋本線と常滑線でのみ、急行と標準停車駅が異なる。
以下は現在運転されている快速急行についての記述である。
[編集] 名古屋本線
名古屋本線では、2005年1月28日までの全ての急行が停車する駅(急行標準停車駅)が「快速急行」の標準停車駅である。また、栄生駅と矢作橋駅には、一部の列車が停車する。
これにより、「急行」は2005年1月28日以前の特別停車駅の多くを標準停車駅にすることとなった。(急行は栄生駅と大里駅にも停車する)
[編集] 常滑線
常滑線では、2005年1月28日までの急行で、大江駅を通過する列車が「快速急行」、同駅に停車する列車が「急行」になった。
[編集] 犬山線
犬山線では、2005年1月28日までの急行で、名古屋本線の栄生駅を通過する列車が「快速急行」、同駅に停車する列車が「急行」になった。平日朝のみ運転される。名古屋方面の列車は急行通過の扶桑駅にも特別停車する。
[編集] その他の設定線区
上記以外では、豊川線・西尾線・河和線・知多新線・津島線・尾西線・各務原線・広見線でも設定されたが、停車駅は、2005年1月28日までの急行の標準停車駅を引き継ぎ、改正後の急行との停車駅の相違がないが、特別停車駅での相違点が存在することがある。実際にはこの種別を名乗って走る列車が1本もない路線(各務原線・広見線)もある。
[編集] 近畿日本鉄道
近畿日本鉄道では、奈良線・大阪線で定期に運転されているほか、南大阪線・吉野線でも臨時に運転されることがある。また、京都線でも過去に運転されていた。
[編集] 奈良線
奈良線では、近鉄難波駅~近鉄奈良駅間で終日運行されている。同線の主力列車で、一般の車両を使う列車種別では最上位である。
その前身は、1956年に運転開始した鶴橋・西大寺のみ停車で上本町~近畿日本奈良(当時)間に設定された料金不要の特急で、1972年に他線区で設定されていた有料特急と紛らわしいということもあって、特急から快速急行に名称変更した。同時に生駒駅・学園前駅を停車駅に加えている。なお、翌年からは同線に有料特急も設定された。快速急行は1981年から平日の朝晩は10両編成で運行される列車が登場し、現在は朝晩の殆どの列車は10両編成となっている。なお、2000年3月15日より新大宮駅にも停車するようになった。
現行のダイヤは、主に区間準急(東花園駅以遠奈良方面各駅停車)または準急とセットを組んでおり、基本的に上下とも快速急行が準急を石切(一部列車は布施、東花園)で通過追越を行い、奈良県内(生駒・奈良市内)の各駅から大阪市内を結ぶ速達列車との位置づけである。
[編集] 大阪線
大阪線では、上本町駅~宇治山田駅または鳥羽駅まで運行されている。だが、大晦日に1本だけ、宇治山田行きの列車を延長する形で五十鈴川行きの列車も運転される。非常に長い距離を走るために原則としてL/Cカーかトイレ付きの車両に限定されて運用される。
また、大阪線のみに設定されている種別で、わずか2駅だけ快速急行より停車駅が多く、運行本数は快速急行より多い区間快速急行もある。方向幕などの英語表記では "SUB. RAPID EXP." ("Suburban Rapid Express" の略) と表記される。
運転区間は上本町駅~青山町駅または松阪駅間(越年終夜運転時は五十鈴川駅まで延長)。快速急行は名張駅~榊原温泉口駅間、区間快速急行は赤目口駅~榊原温泉口駅間が各駅停車となる。(ちなみに、急行も榛原駅~榊原温泉口駅間が各駅停車となる。)
運行時間帯は快速急行、区間快速急行とも朝晩のみの運行であり、大阪府大阪市の鶴橋から奈良県香芝市の五位堂までノンストップで走り、通勤時間帯の大阪・奈良県内間の速達列車としての位置づけである。
なお、駅などでの案内は「快速急行」・「区間快速」に統一されている。
快速急行は、 布施駅の3層化改造工事の完成にともなって1978年3月に行われたダイヤ改正から、従来運行していた急行の名称を変更する形で登場した。また、同様に区間快速急行も「区間急行」の名称を変更して登場した。その上で、昼間時にのみ、従来の急行・区間急行に代わって布施駅・榛原~榊原温泉口間各駅に停車する急行が新設された。このダイヤ改正時に奈良線にも布施駅に停車する急行が新設され、布施駅での大阪線・奈良線の連絡が改善され、現在のダイヤの基本形が完成している。
[編集] 南大阪線・吉野線
南大阪線・吉野線では、春の行楽期に臨時列車として「さくら号」などの愛称がついた快速急行が運転される。但し、愛称無しで運転されることもある。
停車駅は南大阪線内では急行と同じ停車駅、吉野線内では特急の停車駅(全体では特急停車駅に古市駅を追加した形)となる。もっとも、所要時間は急行のほうが短い。これは臨時列車であるためにダイヤに無理矢理割って入る形になることから、単線区間での行き違い待避が多くならざるをえないからである。そのため、時間的には“急行より遅い列車”となっている。
過去には、秋の行楽期にも運転されたことがあり、愛称も「ぼたん号」「あすかみよしの号」「なし狩り号」などがあった。梨狩りの時期に限ってはさらに大阿太駅にも停車していた。
[編集] 京都線
京都線には、従来から土日の昼間時間帯に臨時列車として快速急行が1時間に1本設定されていた(停車駅は丹波橋駅、大和西大寺駅)が、定期列車として1998年3月17日から2003年3月6日まで、京都駅~近鉄奈良駅間に快速急行が運転されていた。
新設時の運転本数は土日午前2本、午後2本の計4本であった。その頃の快速急行待避駅は奈良県内では高の原駅で、同駅を通過する快速急行を急行が待避していた。2000年からは京都~奈良間の昼間の急行が全面的に快速急行へ格上げされた。快速急行が通過する急行停車駅の利用者は同年から新設された京都市営地下鉄烏丸線国際会館直通の急行を竹田駅で連絡することで補ったが、旧来の急行停車駅利用者には少々不便を強いることになった。また、下り列車において、急行と間違えて乗車する旅客が多いことや、上り列車の竹田~京都間以外は乗客が少なかった状況が続いたため、京都線の快速急行は2003年3月6日に急行に統合され廃止された。
停車駅は竹田駅、近鉄丹波橋駅、大和西大寺駅、新大宮駅(2000年の改正以降)と、京都~奈良間の急行と比べてはるかに少なく、特急停車駅に竹田と新大宮を追加した形だった。
[編集] 南海電気鉄道
南海電気鉄道では、2003年より高野線でのみ運転されている。過去の一時期にも高野線で運転されていたことがある。
[編集] 高野線
高野線の快速急行は2003年5月31日に昼間時間帯の難波駅~極楽橋駅間の急行の一部を千早口駅・天見駅・紀見峠駅通過に変更して登場した。2扉車のズームカーでのみ運用される。
なお、高野線では1958年から1968年にも快速急行が存在していたが(現在の急行)、この時の停車駅は、(新今宮駅)・堺東駅・北野田駅と河内長野駅以遠の各駅であった(新今宮駅は1966年の駅開設時より停車)。当時の急行はこれに加え住吉東駅・三国ヶ丘駅・初芝駅に停車していた。因みに、極楽橋駅の行灯式案内表示機における「快急」の電飾はこの当時のものであり、30数年ぶりに定期使用されたことになる。
また、難波駅の回転式列車案内表示機には、快速急行の運用開始の相当前から林間田園都市駅行き・橋本駅行きの案内が用意されているものの、現在までに定期列車・臨時列車を含めてこの行き先の快速急行列車は一度も設定されたことが無い。
[編集] 阪急電鉄
阪急電鉄では、神戸本線・京都本線の2本線で運転されている。また、過去に宝塚本線でも運転されていた。
[編集] 神戸線
神戸線では、1987年に運行を開始した。設定の趣旨は、特急運転終了後の深夜帯の速達サービスの充実。当時の特急停車駅に塚口・夙川・六甲を追加し、従来の急行(西宮北口以遠各駅)を格上げする形で登場した。快速急行はその後も定着し、2004年現在は早朝と深夜に梅田駅~神戸高速鉄道新開地駅間で運行されている。
1995年の震災前は、正月三が日や行楽期の午前中、あるいは沿線の中学・高校の登校日の土曜日昼間(但し下りのみ)にも臨時列車として快速急行が運転されていた。正月三が日や行楽期の運転では六甲駅で特急を待避するダイヤで、登校日の土曜日昼間は梅田駅発特急の1分後(続いてその1~2分後に普通が発車)に発車してそのまま三宮駅まで逃げ切るダイヤであった。2006年10月28日からのダイヤでは通勤特急の停車駅に夙川駅が加わり、快速急行との停車駅の違いが六甲駅を通過するか否かだけとなっている。
[編集] 京都線
京都線では1997年3月2日より運行開始。当時の特急の停車駅に桂駅を加えたもので、当初は平日朝1本と夜間の特急運転終了後に4本、いずれも梅田駅発河原町駅行きとして運行していた。
その後、2001年3月24日のダイヤ改正で特急系統・急行系統の整理が行われ、それまでの快速急行は快速特急に名称が変更され、同時に従来の急行が快速急行と名称を変更されて運行されるようになった。なお、2001年以降「急行」は、従来の停車駅に南茨木駅と高槻市駅以北(以東)の各駅を加えて運転されている。しかし、同線の急行は2007年3月のダイヤ改正で「準急」に格下げとなって消滅した。
現在の快速急行は、朝夕時間帯の梅田駅~河原町駅間(特急系統よりも始発が早く、終車が遅い)で運行されている。なお、平日夕方に大阪市営地下鉄堺筋線天下茶屋駅から河原町駅間(河原町駅行きのみ)でも運行されていたが(通称「堺筋快速急行」)、2007年3月のダイヤ改正で「堺筋準急」に格下げとなって消滅した。
[編集] 宝塚線
宝塚線では2003年8月30日より2006年10月28日の改正まで、昼間時間帯にそれまで運行されていた特急・急行に代わり梅田駅~宝塚駅間で運行されていた。2006年の改正後は、全列車が急行に統合された。
停車駅は、十三、豊中から山本までの各駅(ちなみに急行は十三、豊中から宝塚まで各駅に停車する)。これに対しては、豊中から山本までと比較的に長い区間各駅に停車するため、「遅い」とか「連続停車が多すぎる」という批判的な意見も多数あった。
[編集] 阪神電気鉄道
阪神電気鉄道では本線でのみ運転されている。
[編集] 本線
本線においては、1983年(昭和58年)に運行を開始した。梅田駅~三宮駅間に、休日昼間時に従来の西宮駅止まりの急行を延長する形で設定された。
停車駅は、神戸方面行きが従来の急行停車駅と西宮から三宮までノンストップ。大阪方面行きはこれに青木駅が加わっていた。当時12分ヘッドであった特急とあわせ、実質阪神間を6分ヘッドで優等列車が走るようになった。但し、運行開始当初は、大阪方面行きは青木駅で特急待避したため、6分ヘッドとなったのは神戸方面行きのみだった。
その後、平日にも拡大。青木駅待避を中止するなどして、特急とともに阪神電鉄の主要優等列車となった。この当時は六甲ライナーとの連絡のため魚崎駅にも停車していた。 一時的にではあるが、西宮~三宮間では特急の上位に位置した最優等列車であったことは留意しておきたい。(現在でも西宮~三宮間では特急より1駅停車駅が少ない)
山陽電鉄との直通特急運転開始のダイヤ改正で日中の特急が10分ヘッドになった現在は、平日夕方に梅田駅~三宮駅間で運行されているのみである。現在は魚崎駅を通過する代わりに青木駅に再び停車、上りでは普通と連絡するほか、HAT神戸へのアクセスを考慮して岩屋駅にも停車するが、上りでは三宮駅の発車ホームが違うため、利用率はあまり高くない。
ちなみに2009年春には西大阪線難波延伸開業に伴い(現状の西大阪線は普通のみ運行のローカル線)、阪神三宮駅から当路線を介して上記の近鉄奈良線近鉄奈良駅までの間で相互直通運転が開始される。その際快速急行は三宮~奈良直通のメイン種別となる。
[編集] 西日本鉄道
西日本鉄道では、天神大牟田線で運転されている。
[編集] 天神大牟田線
天神大牟田線においては、2001年より、朝ラッシュ時に大牟田駅・西鉄柳川駅~西鉄福岡(天神)駅間で上りのみ運行されている。
西鉄では、かつて朝ラッシュ時の上り急行は二日市以北の急行停車駅(大橋駅・春日原駅・下大利駅)を通過していた。しかし、2001年1月のダイヤ改正により全列車が停車することになったので、その代わりとして運行されるようになった。
快速急行は、西鉄で唯一8両編成で運行される(他の列車は最大7両)。停車駅は、急行の停車駅から春日原駅・下大利駅を除いたものである。停車駅から2駅を除いたのは、遠距離通勤客と近距離通勤客を分離するため、および上記2駅が踏切の制約などにより8両編成の列車が停車できないためである。