金山駅 (愛知県)
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金山駅(かなやまえき)は、愛知県名古屋市中区金山にある、東海旅客鉄道(JR東海)・名古屋市営地下鉄と、熱田区金山町にある名古屋鉄道の駅である。
名古屋駅に次ぐ名古屋の第二の中核を担う、ターミナル駅であり、名古屋の南域の玄関口となっており、3社局が乗り入れていることから金山総合駅(かなやまそうごうえき)とも表記及び呼ばれている。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
[編集] 概要
地上1階に線路を南北にまたぐ公共通路があり、通路を挟んで西側にJRの駅舎、東側に名鉄の駅舎が配されている。名鉄とJRのホームは堀割にあり、北側からJR中央本線、名鉄神宮前方面、名鉄名古屋方面、JR東海道本線の順に4本の島式ホームがある。JRと名鉄の線路上に人工地盤を設け、その上に駅舎および通路が展開されている。地下鉄金山駅はこれらの北側地下に位置し、公共通路とエスカレータで結ばれている。
過去、JR金山駅は東海道線にホームを持たず、また名鉄はJR金山駅と金山橋を挟んで東側の「金山橋駅」に停車していたため、各線間の乗り換えが非常に不便であった。しかし1989年の世界デザイン博の開催に併せて、南北に通り抜けのできる公共通路の整備、地下鉄との一体整備(エスカレータ等出口の新設)、JR東海道線ホームの新設、名鉄金山橋駅の現在地への移転を行い、現在の金山総合駅となった。これにより雨天時に濡れずに短時間で各線間の乗り換えが可能となり、また駅南側の利便性が大幅に改善され、各事業者・利用者・周辺関係者の長らくの悲願が達成された。そればかりでなく、愛知県東部・南部から名古屋都心の栄方面へのアクセスが飛躍的に向上したこともあり、金山はあっという間に副都心へと変貌した。(現在、八田駅・近鉄八田駅で同様の構想が練られている。)
また2004年、名古屋駅・名鉄名古屋駅とともに愛・地球博・中部国際空港(以下 セントレア)へのアクセスの拠点を担うため名鉄を中心に駅構内の改良が進み、3月に名鉄の東口が、12月に名鉄の西口とJR・名鉄乗換口が新設された。しかし、特急しなのが名古屋方面は1本しか停車しない為に期待されていた中信木曽方面から豊橋ならびにセントレア方面へのアクセスには利用しにくい状態が続いている。地下鉄も名鉄のりばへの案内表示版、路線図の金山駅の部分にセントレアへのアクセスを示す飛行機のマークを加えた。駅ビルも増築、駅前のバスターミナルも改良された。
[編集] 名鉄の金山駅
ホームは島式2面4線(19m車10両分)。名鉄線は金山~神宮前が方向別複々線であり、常滑線の列車は内側を、名古屋本線の列車は外側を走る。また、名古屋方にある2本の電留線を利用して、増発の難しい名古屋方面への流入を避ける為に金山発着の列車を設定している。また、神宮前方に複々線に跨る渡り線を増設し、豊橋発着のセントレアへの乗り入れ列車の折り返しを行っている。また、乗り換えに不便な名鉄名古屋駅を避け、当駅または神宮前駅で列車の乗り換えを行う乗客も多い。
駅舎は公共通路を挟んで東棟と西棟に分かれており、改札口は東棟に東改札口(金山橋側)と中央改札口、西棟に西改札口とJR乗換改札口の計4つある。
西棟コンコースにはホームへのエレベータと全日空の自動チェックイン機が設置されている。
西棟のミューチケット券売機は中部国際空港駅にミューチケット券売機を増設するため、設置後わずか数ヶ月で中部国際空港駅に移設されてしまった事があったが、2005年9月にJR乗換口にあったものが移設された。同時に東棟コンコースにも設置され、大幅に増設された。
一部の案内表示の表記に従来の日本語・英語に加え朝鮮語・中国語・ポルトガル語などを追加、ホームには冷暖房完備の待合室を設置、発車案内表示器と快速特急・特急の号車案内表示器は英語表示ができるLED表示器に更新された(なお英語放送は、まれに中部国際空港ゆき到着時に駅員が肉声で行っている)。
1・2 | ■名古屋本線 | 山王・名鉄名古屋・須ヶ口・国府宮・名鉄一宮・笠松・名鉄岐阜・犬山・新鵜沼・新可児・津島方面 |
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3・4 | ■名古屋本線 | 神宮前・鳴海・豊明・知立・新安城・東岡崎・国府・豊川稲荷・豊橋・西尾・吉良吉田方面 |
■河和線・常滑線・空港線 | 神宮前・大江・大同町・太田川・大野町・常滑・中部国際空港・知多半田・富貴・内海・河和方面 |
[編集] JR東海の金山駅
ホームは島式2面4線。古くは中央本線の信号場であったのを始まりとする。最近まで東海道本線にホームはなかったが、1989年にホームを新設した。当時は尾頭橋駅もなかったため、熱田駅⇔名古屋駅の間には駅がなかった。東海道本線と中央本線の乗り換えには、名鉄線をまたぐ通路を通る(約50m)。 なお、みどりの窓口で乗車券を購入すると、北海道の根室本線にも同じ名前の駅があるため(中)金山と表示される。ただし名古屋駅から201キロ以上の区間を購入すると”名古屋市内”として表記される。(ちなみに、根室本線の金山駅の場合は(根)金山と表示される。)
改札口は中央本線ホーム側と、通路中央の名鉄乗換改札口の2つ。
1 | ■中央線 | 大曽根・高蔵寺・多治見・瑞浪・中津川方面 |
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2 | ■中央線 | 名古屋ゆき |
3 | ■東海道線 | 大府・武豊・刈谷・岡崎・蒲郡・豊橋・浜松・東京方面 |
4 | ■東海道線 | 名古屋・尾張一宮・岐阜・大垣・米原方面 |
[編集] 地下鉄の金山駅
ホームは島式2面4線。外側2線が名城線、内側2線が名港線となっている。東別院方には早朝深夜の名古屋港方面行き折返し運転用の電留線が1本ある。 なお、2004年10月6日に4号線の名古屋大学~新瑞橋間が開通し環状運転を開始したため、環状部の愛称を名城線、金山~名古屋港間の愛称を名港線に変更した。
改札口は、南、中、北の3つ。出入口は、公共通路へのエスカレータ・エレベータと、それ以外に地上との出入口が6ヶ所ある。また、名古屋市民会館への地下連絡通路がある。
将来、金山線の途中駅になる予定。
- ■名城線左回り 神宮西・新瑞橋・八事方面
- ■名港線 東海通・名古屋港方面
- ■名城線右回り 栄・大曽根方面
- ■名城線右回り 栄・大曽根方面
[編集] 利用状況
各事業者別の1日あたり乗降客数は以下の通り。
- 東海旅客鉄道 - 94,584人(2005年度)、JR東海の駅としては名古屋駅、東京駅、新大阪駅、静岡駅に次いで5位。
- 名古屋鉄道 - 141,686人(2005年度)、名鉄の駅としては名鉄名古屋駅に次いで2位。
- 名古屋市交通局 - 120,200人(2005年度)、名古屋地下鉄の駅としては名古屋駅、栄駅に次いで3位。
[編集] 周辺
[編集] 概要
名古屋市の副都心である。金山駅前の再開発事業で1999年4月に駅近隣に地下4階、地上31階の金山南ビルがオープン。金山南ビルには全日空ホテルズ・ホテルグランコート名古屋、名古屋ボストン美術館などが入っている。ボストン美術館との提携でオープンした名古屋ボストン美術館であるが、入場者数は思うように伸びていない。駅の北側には金山バスターミナル、複合商業施設「アスナル金山」、ダイエー金山店がある。
[編集] 施設
- LOOP金山
- ループ金山郵便局
- アスナル金山
- 名古屋市民会館
- ダイエー金山店
- 名鉄イン名古屋金山
- 金山南ビル
- 名古屋ボストン美術館
- 名古屋都市センター
- 全日空ホテルズ ホテルグランコート名古屋
- イオン熱田ショッピングセンター (南口から徒歩15分かシャトルバスも利用可能である)
- ジャスコ熱田店
- イオン熱田ショッピングセンター専門店街
- 東邦ガス本社
- 三菱東京UFJ銀行金山支店(旧UFJ店舗)
- 三菱東京UFJ銀行熱田支店(旧東京三菱店舗)
- 中央三井信託銀行名古屋支店金山出張所
- 北陸銀行金山橋支店
- 金山商店街
- 金山橋連合商店街
- 金山神社
[編集] 利用可能なバス路線
[編集] 名古屋市営バス
- 「金山」バス停
- 栄21 栄~金山~泉楽通四丁目
- 金山11 金山~池下
- 金山12 金山~妙見町
- 金山14 金山~瑞穂運動場東
- 金山15 金山~瑞穂運動場東
- 金山16 金山~瑞穂運動場東
- 金山18 金山~要町
- 金山19 金山~ワイルドフラワーガーデン
- 金山19 金山~泉楽通四丁目
- 金山20 金山~権野
- 金山21 金山~中川車庫前・地下鉄高畑
- 金山22 金山~中川車庫前・地下鉄高畑・戸田
- 金山23 金山~戸田荘・岩塚本通四丁目
- 金山25 金山~野跡駅・港区役所
- 金山26 金山~金山
- 中巡回 金山~栄
- 昭和巡回 名古屋大学~金山~御器所通
- 「金山南口」バス停
- 金山21 金山←金山南口←中川車庫前・地下鉄高畑
- 金山23 金山←金山南口←戸田荘・岩塚本通四丁目
- 熱田巡回 神宮東門~金山南口~神宮東門
- 中巡回 金山~金山南口~栄
[編集] 日本中央バス
- 「金山駅南口」バス停
- 大阪駅・京都駅~金山駅南口~佐野・桐生(佐野・桐生方面の乗降のみ)
[編集] 歴史
- 1944年(昭和19年)9月1日 - 名古屋鉄道金山駅開業(現在地から豊橋寄り)。
- 1945年(昭和20年)7月1日 - 名鉄金山駅が金山橋駅に改称。
- 1962年(昭和37年)1月25日 - 国鉄の金山駅開業。当時は中央本線のみ停車した。
- 1967年(昭和42年)3月30日 - 名古屋市営地下鉄名城線金山駅開業。
- 1974年(昭和49年)3月30日 - 名古屋市営地下鉄4号線開業。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、国鉄の駅はJR東海の駅となる。
- 1989年(平成元年)7月9日 - 名鉄金山橋駅が現在地に移転、金山駅に改称。東海道本線が停車開始。金山総合駅として一新した。
- 2004年(平成16年)3月20日 - 名鉄東口改札(無人)新設。駅内の商業施設金山プラザがリニューアルオープン。
- 2006年(平成18年)11月25日 - JR東海がTOICA導入。
[編集] 隣の駅
- 東海旅客鉄道
- 東海道本線
- 中部国際空港の開港により、2005年3月1日のダイヤ改正から特急「しなの」が名古屋方面・長野方面とも各1本停車するようになった。2007年3月18日から長野方面のみ3本停車する。
- 中央本線は名古屋発を下りとして運用しているため(東海道本線と反対向き)、同じ名古屋方面でも東海道線4番ホームでは女声、中央線2番ホームでは男声のアナウンスとなっている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
豊橋 - (平井信号場) - 伊奈 - 小田渕 - 国府 - 御油 - 名電赤坂 - 名電長沢 - 本宿 - 名電山中 - (舞木信号場) - 藤川 - 美合 - 男川 - 東岡崎 - 岡崎公園前 - 矢作橋 - 宇頭 - 新安城 - 牛田 - 知立 - 一ツ木 - 富士松 - 豊明 - 前後 - 中京競馬場前 - 有松 - 左京山 - 鳴海 - 本星崎 - 本笠寺 - 桜 - 呼続 - 堀田 - 神宮前 - 金山 - 山王 - 名鉄名古屋 - 栄生 - 東枇杷島 - (枇杷島分岐点) - 西枇杷島 - 二ツ杁 - 新川橋 - 須ヶ口 - 丸ノ内 - 新清洲 - 大里 - 奥田 - 国府宮 - 島氏永 - 妙興寺 - 名鉄一宮 - 今伊勢 - 石刀 - 新木曽川 - 黒田 - 木曽川堤 - 笠松 - 岐南 - 茶所 - 加納 - 名鉄岐阜